しかし、上記(3)〜(4)の特長を有効に利用するには新しい通信プロトコルとアプリケーションが必要になり、今後の対応が予定されています。現状で最も一般的なATMの利用方法は、(1)〜(2)の特長を活かし、既存のLANの大幅な帯域拡張と高速化の手段として、LANのバックボーンにATMを利用する方法です。ATMをLANのバックボーンとして構築する際にはLAN
Emulation(ATM Forum LANE Phase1)等の通信プロトコルをATM上で使用します。ATMは拡張性や柔軟性、将来性を考えた場合においても、非常に優れたLANバックボーン選択肢です。
155.
52Mbps STM-1/OC-3
622.08Mbps STM-4/OC-12 etc.
通信形態
コネクション・レス(単一回線)
Point-to-Pointコネクション
(複数仮想回線)
データフレーム
64〜1518byte(可変長パケット)
53byte
(固定長セル)
アドレス体系
6byte(48bit)
20byte(160bit)
階層化サポート
呼出設定
ブロードキャストでの無作為通信相手を検索
階層化アドレスにより通信相手を検索
データ通信形式
コネクションはせず、
データを送受信。
それぞれのPoint-to-Pointコネクションでデータを送受信。
ATMアドレスは階層構造をサポートしており、アドレス体系はDCC、ICD、E.164が規定されています(ATM
Forum UNI3.0)。
イーサネットとATMを通信させるためには、これらの処理体系の違いを吸収してATMネットワークをあたかもイーサネットのように通信させる技術が必要となります。その技術の代表的なものにLAN
Emulationがあります。
LECSはある単位のATMネットワークに対して、ELAN数、各ELANに所属するLES、BUS、LEC等を定義したデータベースを保持します。各LECがどのELANに対してどのELANに接続し、どのLEC、BUSと
通信を行うかを指定することが大きな役割となります。どのELANにも所属していないLECは、まず一番最初にLECSとのPoint-to-Pointコネクション(Configration
Direct VCC)の接続を行います。LECSはConfigration
Direct VCC経由でLECからELAN所属のためのリクエスト情報を受け取り、そのリクエスト情報とELAN管理データベースとを照合して、リクエストに対する情報(ELAN所属の可否、LESのATMアドレス等)を同VCC経由でLECへ送信します。
図4 Configration
Direct VCC(コントロール通信用VCC)
LAN
Emulation Server(LES)
LESは、個々のELAN毎に通信情報の管理を行うために、それぞれのELAN毎に1つのLESが必要になります。LECはLESに登録されることでELAN内での通信が可能になります。LESはMACアドレスとATMアドレスを変換する為のアドレステーブルを管理します。LECは、ELANに所属する際にLESとの間にPoint-to-Pointコネクション(Control
Direct VCC)とPoint-to-Multipointコネクション(Control
Distribute VCC)の接続を行います。LECがデータ転送を行うためには、送信先ATMアドレスを収集する必要があり、送信を開始するLECにおいて宛先ATMアドレスが不明な場合には、Control
Direct VCCを経由してLESから送信先ATMアドレスを入手します。また、送信先ATMアドレスの要求を受けたLESにおいてもアドレスが不明な場合にはControl
Distribute VCCを経由してELAN内の全LECに対して問い合わせを行い、通信対象となるLECを検索します。最終的に通信対象となるLECのATMアドレスはControl
Direct VCCでLESを経由して送信元のLECに送られます。
図5 Control
Direct & Control
Broadcast
and Unknown Server(BUS)
図6 Multicast Send
VCC and Multicast Forward VCC(データ通信用VCC)
LAN
Emulation Client(LEC)
Proxy
LEC:
代表的なものが、ATMインターフェースを装備するイーサネットスイッチです。イーサネットスイッチ配下の多数のイーサネット端末の代理としてATM通信を行います。イーサネットスイッチ配下の多数のイーサネット端末のMACアドレスをサポートします。
Non Proxy LEC:
ATMインターフェースを装備する端末(PC、EWS)です。ATM に直結されるので
ATM NIC が必要となります。
LEC間でのデータ通信は、 LEサービスの制御によってELANに所属し、相手先ATMアドレスを入手した後Point-to-Pointコネクション(Data
Direct VCC)を確立して行われます。また、Data Direct VCC経由でデータ通信を行うまでの間、BUS経由で通信を行います。異なるELAN間での通信は、VLANと同様にルーターが必要となります。