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ホテルの構造上のさまざまな制約を克服し高速客室インターネットで顧客サービスを向上 |
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ビジネスや社会生活のインフラとしてインターネットが不可欠になる中、高速客室インターネットを導入するホテルが増えている。その一方、建物の構造的な制約などから、全客室に高速LANの敷設が困難といった課題を抱え、導入に二の足を踏むホテルも少なくない。大阪のホテル阪神と梅田OSホテルは、さまざまな課題を克服し、アライドテレシスのLANスイッチをプラットフォームに全客室へ最大100Mbpsの高速インターネットを導入、顧客サービスの向上と競争力の強化を実現している。両ホテルの課題とその解決策を例示しながら、高速客室インターネットの最前線を紹介する。
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プロフィール |
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■ホテル阪神 |
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所在地:大阪市福島区福島5-6-16
客室数:289室 |
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宴会場、レストラン、チャペルなどを併設し、ビジネスや観光の宿泊をはじめ、コンベンション、披露宴など多目的に利用されている。また、福島の地下約1,000mから湧き出た天然温泉を全客室に引くほか、ドライサウナやエステなどの美容・健康施設を設けている。 |
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■梅田OSホテル |
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所在地:大阪市北区曽根崎2-11-5
客室数:283室 |
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大阪のメインストリート、御堂筋沿いに位置し、ビジネスや観光の拠点として利用されている。経営母体のオーエス株式会社は、ホテル事業のほか、映画興行などを展開し、大阪の文化・サービス産業の一翼を担っている。
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梅田から一駅の阪神・JR福島駅前にそびえる「ホテル阪神」は1999年の移転開業以来、「シティコンフォート&ビジネスフレンドリー」をコンセプトにビジネスマンや観光客に快適なホテルライフを提供してきた。その特徴の一つは、同ホテルの敷地内で掘削した天然温泉を全客室にひいていることだ。客室のバスタブにつかりながら、一日の疲れを癒すことができるとビジネスマンからも好評のようだ。
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ホテル阪神
経営企画部課長
奥野 裕氏(右)
宿泊部宿泊予約アシスタントマネージャー
中村 崇氏(左) |
「宿泊されたお客様に感想を伺うと、天然温泉などの設備は十分にご満足いただいているものの、客室インターネットに対しては厳しいご意見をいただいておりました」と話すのは、ホテル阪神の経営企画部課長、奥野 裕氏だ。同ホテルが開業した当時は、ダイヤルアップ接続が一般的だったが、近年のブロードバンド環境の整備とともに周辺のホテルでは高速客室インターネットの導入を加速しており、「従来のダイヤルアップ接続環境のままでは、顧客満足度の低下につながりかねなかったのです」(奥野氏)。
また、「インターネットの旅行サイトで宿泊予約するビジネスマンや、宴会場でセミナーを開催する企業も増えており、お客様のオフィスと同様に高速インターネットを利用できるネットワーク環境の整備が大きな課題になっていました」と宿泊予約アシスタントマネージャーの中村 崇氏は述べる。
宴会場の一部にブロードバンド回線を導入し、高速インターネットを利用できる環境を整えてきたが、客室は手付かずだったため、「時代の流れに取り残される危機感もありました」(奥野氏)と打ち明ける。 |
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協和テクノロジィズ株式会社
CS-SI事業部長
上原 修氏(左)
CS-SI事業部係長
酒井 直樹氏(右) |
ホテル阪神では高速客室インターネットの整備に向けて、昨年から検討を開始。有線LANや無線LAN、VDSLなどの通信インフラを比較、検討した結果、無線LANは比較的導入が容易なものの、客室の遮音性を高めるためドアや壁を厚くしていることから、電波が届きにくいと判断し選択肢から除外している。
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| 配管用スペースにファンレス・動作環境50度まで対応の「FS816M」を配置(ホテル阪神) |
そして、高速性や拡張性などを考慮し、有線LANによる客室インターネットを提案した協和テクノロジィズに構築を依頼する。だが、全客室にLANケーブルを敷設するうえでひと筋縄ではいかない問題があったという。
「通常は電話回線などを収容するEPSにLANスイッチを設置するのですが、EPSが使えなかったため、配管用のスペースにLANスイッチを配置せざるを得ませんでした。ところが、このスペースには温泉のパイプが通っており、室温が高くなる問題があったのです」と、ネットワーク設計を担当した協和テクノロジィズCS-SI事業部係長の酒井 直樹氏は説明する。
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ネットワーク機器「FS808M」
(ホテル阪神) |
この問題を解決するため協和テクノロジィズでは、アライドテレシスのレイヤー2インテリジェント・スイッチ「CentreCOM FS808M」および「FS816M」を客室用のフロアLANに採用した。一般のLANスイッチが40度までの動作環境をサポートするのに対し、FS800Mシリーズは、ファンレスで50度まで対応できる特徴があるからだ。
センタースイッチにはレイヤー2plusスイッチ「CentreCOM 9424T/SP」を導入し、事務用ネットワークと客室インターネットのVLANを収容。さらに宴会場のある各フロアにFS816Mを2台設置し、セミナーなどで高速LANやインターネットを利用できる環境を整備している。
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ネットワーク機器「9424T/SP」
(ホテル阪神) |
今春、客室全289室と宴会場全室に高速インターネット環境が整備されたことで、「お客様からインターネットの接続速度に関する苦言は聞かれなくなりました。また、旅行サイトでは、禁煙ルームや高速客室インターネットなど検索条件が細分化されていますが、高速インターネットの項目で検索し宿泊予約する新規顧客も増えています」と中村氏は導入効果を話す。
「今後、ホテル内の案内や周辺の店舗の情報提供、VODなど、顧客サービスのインフラとして高速LANを活用することも考えられ、拡張性の高いネットワークを構築できました」と奥野氏は語る。ホテル間の競争が激しくなる中、一歩先行く高速客室インターネットで顧客サービスの拡充を図るホテル阪神の動向が注目されている。
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ホテル阪神 ネットワーク構成図 |
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梅田OSホテルは昨年、開業30周年を迎えた大阪の老舗ホテルの一つとして知られる。ビジネス街に位置することから、出張時の宿泊によく利用されているという。最近は、外出する機会の多いビジネスマン向けに日中、仕事場として客室を時間貸しするデイユースを開始するなど、客室の稼働率向上を図っている。
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梅田OSホテル
支配人 生島 勇氏(右)
チーフ 小池 浩司氏(左) |
「駅や空港のラウンジでインターネット接続するビジネスマンも増えていますが、デイユースのサービスも同じ発想です。客室で落着いて仕事を片付けたり、メールを確認するなど、さまざまな使い方が可能です。宿泊客のみならず、デイユースの利用者にも快適なアクセス環境を提供するため、従来のダイヤルアップ接続から高速客室インターネットへの刷新が不可欠になっていたのです」と梅田OSホテル支配人の生島 勇氏は話す。
同ホテルでは、かつてロビーの一角にパソコンコーナーを設け、高速インターネット接続を計画したことがあり、セキュリティーなどの問題から見送った経緯がある。また、宿泊客の要望に対応するため、一部の客室に高速インターネットを導入する計画もあったが、デイユースのサービス開始を契機に、一気に全283室への高速インターネット導入を決断している。
高速客室インターネットの導入を決定したものの、実現に至るまでには、建物の構造に起因する課題を乗り越えなければならなかった。「当ホテルは築30年の建物で、建築当時は今日のような情報ネットワークの利用を想定していません。かつて客室にLANの敷設を計画したところ、無線LANでなければ対応できないと業者に言われたことを覚えています」(生島氏)。
無線LANではなく、有線LANにこだわったのは、「高速インターネット接続のみならず、将来、動画の配信など広帯域アプリケーションの活用を視野に入れると、有線LANのほうが拡張性は高い」(梅田OSホテル チーフの小池 浩司氏)と考えていたからだ。そして、いくつかのSIerに有線LANでの高速客室インターネット構築を打診した中から白羽の矢が立ったのが、多くのホテルへの客室インターネットやホテルシステムの納入実績を誇る協和テクノロジィズだった。 |
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パイプシャフトを通じて各階にLANケーブルを配線
(梅田OSホテル) |
「ホテルの構造を調べると、LANケーブルを通すスペースがなく、壁に穴を開けざるを得ない状況でした。しかし、それでは消防法に抵触する恐れもあります。唯一の方法が、7階のEPSからパイプシャフトを通じて各階にLANケーブルを延ばすことでした」と酒井氏は説明する。
ところが、この方法でも配管の制約から1台のLANスイッチで上下階の4室しか接続できず、全283室で高速インターネットを導入するためには、合計77台におよぶLANスイッチが必要になる。「LANポートが無駄にならず、各室をタグVLANで制御できる製品」(酒井氏)として採用したのが、アライドテレシスの「CentreCOM FS808M」である。
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| 客室フロアに設置された「FS808M」(梅田OSホテル) |
「LANスイッチの設置場所は、テレビの配線などでも共用するスペースのため、保守工事などで誤って電源ケーブルが抜ける恐れもあります。FS800Mシリーズは電源ケーブル抜け防止の機能を備えるなど、LANスイッチとしての基本機能に加え、きめ細かな配慮がなされていることも採用した理由の一つです」(酒井氏)。FS808Mは、7階以上と7階以下のフロア用に2台設置した「CentreCOM 9424T/SP」に接続され、万一の障害時には片方で稼働できる耐障害性の高いネットワークを実現している。
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ネットワーク機器
(梅田OSホテル) |
梅田OSホテルでは、3月から高速客室インターネットの稼働を開始。高速インターネット開通記念として割安の宿泊プランを打ち出すなど、「宿泊予約の増加とともに客室インターネットの稼働率も当初の予想を上回る状態です」と生島氏は導入効果を述べる。今後、VODなど有料コンテンツの導入やホテルのインフォメーションなどでLANを活用する意向もある。「宿泊客に適切な情報を提供することで、フロント業務の省力化も可能になるはずです」と小池氏は期待する。
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各客室に設置された高速インタネット接続用ケーブル
(梅田OSホテル) |
「高速客室インターネットやセキュリティーをはじめ、さまざまな顧客サービスのインフラとして、ホテルではIPネットワークが不可欠になっています。客室や宴会場のみならず、機器の設置環境として良好とはいえない厨房などにもLANが入り込むようになり、アライドテレシスには、ホテルの運用に適した製品の開発、提供を期待したいですね」と協和テクノロジィズのCS-SI事業部長、上原 修氏は述べる。
アライドテレシスでは、ホテルの多様なネットワークニーズに対応するとともに、ネットワーク運用に熟知したSIerの要望に応える製品とサポートを通じて、ホテルのIT化を支援している。(取材:2005年4月) |
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梅田OSホテル ネットワーク構成例 |
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■協和テクノロジィズ株式会社 |
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本社:大阪市北区中崎1-2-23
設立:1948年10月
資本金:9,860万円
従業員数:470名 |
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ネットワーク構築、システム建設、SI、システムサポートなどの各種サービスの提供や電子機器・電子デバイスの販売などで情報通信社会の構築に貢献している。
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