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導入事例
広島市立 広島市民病院・放射線科
「止まらない」放射線科ネットワークで医療の質と患者サービスの向上に貢献
広島市立 広島市民病院・放射線科
「広島市立 広島市民病院・放射線科」
CT(コンピュータ断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像診断装置)などの先端医療機器を用いた検査、診断は的確な治療に不可欠になっている。広島市民病院放射線科では、CTなどの画像と専門医の読影レポートを一括管理する放射線システムを運用。そして、院内の各診療科の医師が自席から画像や読影レポートを参照できるよう、放射線科専用のネットワークを刷新している。大容量の画像伝送が可能なギガビットイーサネットの高速性に加え、止まらないネットワークを目指してアライドテレシスのSwitchBlade 5400Sシリーズをコアスイッチに採用。その導入経緯や効果を放射線科技師で同科のネットワークシステムを担当する竹本 弘一氏に聞いた。
プロフィール
■広島市立 広島市民病院
所在地:広島市中区基町7-33
設立:1952年8月
社会保険庁が社会保険病院として整備し、広島市が経営を受託して社会保険広島市病院として1952年に診療を開始。2003年3月の経営委託解除により、同年4月から広島市立 広島市民病院に名称を変更。診療科目25科、病床数758床を有する広島市の中核病院として市民・地域の医療を担っている。
http://www.city-hosp.naka.hiroshima.jp/
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フィルムの時代から画像データを活用する放射線システムへ転換
ギガビットネットワークで画像の「フィルムレス」を推進
放射線科の命題になる止まらないネットワーク
ネットワークを介した複数医師の読影で医療の質の向上に貢献
フィルムの時代から画像データを活用する放射線システムへ転換
広島城や県庁などが立ち並ぶ広島市の中心部に位置する広島市民病院。被爆から7年後の1952年8月、惨禍の痕を残していたこの地に政府が社会保険病院として整備し、広島市が経営を受託して診療をスタートした。2003年3月に社会保険病院としての経営委託が解除され、4月から広島市立 広島市民病院に名称を変更するとともに、病院の増改築整備に着手。2006年5月の新棟(東棟)竣工に合わせて電子カルテシステムが稼働を開始している。  

医療機関には、増大する医療情報や患者情報の共有化による医療の質の向上をはじめ、医療制度改革に伴い複雑化する診療報酬制度などに対応し、信頼性の高い医療の提供が求められている。広島市民病院では、院内の各部門が保有する情報を電子化し、医療の質や患者サービスの向上、病院経営の効率化を目指して電子カルテシステムを中心とした病院総合情報システムの運用を推進している。  

竹本 弘一氏
広島市立 広島市民病院
放射線科 診療放射線技師および医療情報室 医療情報技師
竹本 弘一氏
広島市民病院ではこうした電子カルテシステムや院内ネットワークとは別に、放射線や薬剤、臨床検査などの各部門が独自に部門システムとネットワークを構築・運用してきた。放射線科では、10年ほど前に患者の検査・診断で撮影したレントゲンやCTのフィルムを画像サーバーに保存する放射線画像システムを構築。放射線科の専門医が画像を読影する端末と画像サーバーを結ぶネットワークを構築してきた。

また、血管造影装置での検査の場合、従来はシネフィルムで撮影された映像を専門医が読影し、診断レポートを作成してきた。だが、近年の医療制度改革を背景に、従来の画像フィルムでは診療報酬に制約が生じるようになり、「フィルムからデジタル画像を活用するコンピューターシステムへの転換が求められ、大容量の画像データに対応できる放射線科ネットワークの構築が急務になっていたのです」と、広島市民病院の放射線科技師で同科のネットワークシステムを担当する竹本 弘一氏は話す。
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ギガビットネットワークで画像の「フィルムレス」を推進
再構築が急務というのも、数年前まで放射線科ネットワークは「継ぎはぎ」で構築されてきたからだ。「CTやMRIなどの検査装置のメーカーが装置と合わせてスイッチングHUBを納入していました。そのHUBを放射線科ネットワークに接続することから、装置ごとにセグメントが存在する状態でした」(竹本氏)。そのため、運用管理が煩雑になるだけでなく、ネットワークにトラブルが発生しても障害箇所の切り分けが困難という問題もあったという。  

山口 寿一朗氏
GE横河メディカルシステム株式会社 中四国支社 広島支店
支店長代理 山口 寿一朗氏
そして、数年前、CTの更新とともに、フィルムを使用しないで画像をデジタル化する「フィルムレス」を推進するために放射線科セットワークを拡張。その際、アライドテレシスのL3ギガビットイーサネットスイッチ「CentreCOM 9816GB」をコアに冗長ネットワークを構築している。検査装置を納入したGE横河メディカルシステム広島支店長代理の山口 寿一朗氏は「フィルムレスの画像システムになり、大容量のデータがやり取りされることに加え、ネットワークのダウンが許されないことから、信頼性の高いコアスイッチとしてアライドテレシスの製品を推奨させていただきました」と当時の経緯を説明する。  

広島市民病院放射線科では現在、高速ヘリカルを含むCT4台、MRI2台、RI診断装置2台、血管造影4台など先端医療機器を整備し、高度な画像診断を行うとともに、放射線治療装置を用いて癌の治療を行っている。そして、放射線科医と診療放射線技師がチームを組んで検査・診療を実施。放射線専門医が読影した画像診断結果のレポートを各診療科へ提供し、早期の的確な治療を可能にしている。
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放射線科の命題になる止まらないネットワーク
箕輪 亮一氏
NSK株式会社
中国・四国地区
部長代理 箕輪 亮一氏
 「放射線科のシステムを構築・運用してきましたが、近年の画像のデジタル化や電子カルテシステムの稼働に伴い、そのインフラとなるネットワークの重要性が高まってきました。放射線科ネットワークがダウンすれば放射線科のシステムが使えなくなるだけでなく、電子カルテシステムとの連携もできません」と竹本氏は強調する。  

紫村 信幸氏
NSK株式会社
九州地区福岡営業所第2課
課長 紫村 信幸氏
放射線科のシステムは、放射線情報システムと画像システムから構成される。電子カルテシステムから送られる患者の検査オーダーを放射線情報システムで受け取り、検査装置にオーダー情報を送信。そして、検査終了後、実施情報を端末に入力して電子カルテシステムに送信する仕組みだ。  
ネットワーク機器
▲中央棟 暗室サーバー室に新設された「SwitchBlade 5400S」。東棟の「9816GB」とスパニングツリーによる冗長ネットワークを構成し、コアスイッチとして放射線科ネットワークを支える。

また、前述のように放射線画像システムは専門医の読影後、診断結果のレポートを作成。各診療科の医師は自席の端末から診断レポートやCT画像などを参照できるネットワーク環境を整備しており、「止まらないネットワーク」の実現が放射線科の命題になっていた。  

ネットワーク機器
▲中央棟 CR室のL3スイッチ群「9606SX/SC」「8748SL」「8724XL」。
そんなとき、放射線科ではGE横河メディカルシステムから、同社のパートナーであるNSKを紹介される。「当社は、GE横河メディカルシステムと連携して病院などのネットワークインテグレーションで実績を重ねています」とNSK中国・四国地区部長代理の箕輪 亮一氏は述べる。そして、竹本氏は放射線科ネットワークの現状をNSKに相談。「止まらないネットワークに対する放射線科の要望を東京本社の技術部門に伝え、耐障害性の高いネットワーク構築の検討に着手したのです」。その当時、NSK広島営業所長で営業を担当していた紫村 信幸氏は振り返る。

ネットワーク機器
▲東棟(新棟)に設置された既存のL3ギガビットイーサネットスイッチ「9816GB」。
そして、ネットワーク機器の検討を経て、NSKが推奨したのがアライドテレシスのSwitchBlade 5400Sシリーズである。推奨した理由についてNSKテクニカルサポート課長の江波戸 篤氏は「既存のCentreCOM 9816GBを活用し、ネットワークの整合性を確保しつつ耐障害性を高めるためにはSwitchBlade 5400Sが最適だと判断しました」と述べる。  

江波戸 篤氏
NSK株式会社
テクニカルサポート
課長 江波戸 篤氏
新たな放射線科ネットワークの設計にあたり、放射線科のある中央棟にSwitchBlade 5400Sを2台、新築された東棟に既存の9816GBを2台配置し、相互接続することでスパニングツリーの冗長ネットワークを構成。「他ベンダーのスイッチの場合、障害発生時にスパニングツリー機能がうまく機能するかどうか懸念されることに加え、フィルムレスの画像システムと電子カルテシステムの導入でコアスイッチに接続される部門スイッチの台数が一気に増大します。そのため、多数のポートに対応し、信頼性で評価の高いSwitchBlade 5400Sを導入することになったのです」(江波戸氏)。
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ネットワークを介した複数医師の読影で医療の質の向上に貢献
そして、2台のSwitchBlade 5400SとCentreCOM 9816GBをコアスイッチにギガビットイーサネットを基幹とする放射線ネットワークが2006年秋から稼働を開始している。その導入効果について竹本氏は「SwitchBlade 5400Sは、安定稼動しています。ハイスペックの端末を読影に利用している放射線科では、大容量の画像データも瞬時に表示されるなど、高速ネットワークを体感することができます。放射線科ネットワークを基盤にフィルムレスを実現したことで、さまざまなメリットが生まれています」と話す。

そのメリットの一つが、カルテの電子化と同様に、CT画像などをデジタル化することで医師への搬送を効率化できることだ。このため、医療スタッフは、フィルムの搬送、整理に時間を取られず、診療業務に専念できるという。また、複数の専門医が放射線科ネットワークを介して自席で画像データを共有しながら読影し、意見交換を図ることで医療の質の向上が可能になるという。

さらに、従来は研究用に画像を利用する場合、フィルムをスキャナで取り込んでデジタルデータに変換するなどの手間がかかっていた。「現在は画像サーバーからデータを医師の端末に直接取り込むことができ、手間がかからなくなった分、研究に専念できるようです」と竹本氏はメリットの一端を説明する。

今後の放射線科の課題は、広島市内に4つある市民病院との連携である。各病院とも電子カルテシステムの導入により、患者はどの市民病院にかかっても検査データなどの相互参照が可能になりつつある。「画像データについても、データセンターなどで一括管理して各市民病院で参照できるようになれば患者サービスの向上や業務の効率化にもつながります。そのためには、高速かつセキュアなネットワークインフラが重要になります」と竹本氏は述べる。

そして、広島市民病院の放射線科ネットワークについても、さらなる拡張を予定している。現在、端末レベルで接続されている病院総合情報システムの基幹ネットワークと放射線科ネットワークの相互接続を視野に入れる。

CTやMRIなどの検査装置の技術革新が医療の進歩を支えるのと同様に、SwitchBladeをはじめ、アライドテレシスのネットワーク機器が広島市民病院の止まらない放射線科ネットワークを支えている。(取材:2007年3月)
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ネットワーク構成図 ネットワーク構成図
ネットワーク構成図 ネットワーク構成図
プロフィール
■GE横河メディカルシステム株式会社
本社:東京都日野市旭が丘4-7-127
設立:1982年4月
事業内容:
CT、MR、X線撮影装置など医用画像診断装置の開発・製造・輸出・輸入・販売・サービスおよび病院情報システムなどの医療機器、ネットワークの販売保守。
http://www.gehealthcare.co.jp/
■NSK株式会社
本社:東京都港区赤坂2-2-19アドレスビル
設立:1979年5月
事業内容:
コンピュータ、通信関連施設の企画・設計・施工、ファシリティ・マネージメントサービス、コンピュータ・オペレーションなど。全国15カ所に営業所を展開する。
http://www.nsk-net.co.jp/
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