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千葉県君津市役所
行政サービスに要求される高い可用性と広帯域の庁内LANを構築
千葉県君津市役所
「千葉県君津市役所」
地方分権の流れが加速する中、地方自治体には住民の多様なニーズに対応する行政サービスが求められている。千葉県君津市役所では、行政サービスの基盤となる庁内LAN「君津市行政情報ネットワーク」を刷新。コア・スイッチにアライドテレシスのVCS(Virtual Chassis Stacking)対応レイヤー3スイッチ「SwitchBlade x908」、ディストリビューション・スイッチに「CentreCOM 9424T/SP-E」を導入した。2台の「SBx908」をスタック接続することで、ノンストップの行政サービスに要求される高可用性を実現するとともに、今後のサーバー統合などによるトラフィックの増大にも柔軟に対応できる広帯域のLAN環境を整備している。
プロフィール
■君津市役所
千葉県君津市久保2-13-1
1970年9月に君津町など5町村が合併、1971年9月に市制施行。市の面積は318.83km、周囲は118.2kmにおよぶ広大な市域を持つ。市街地に比べ、周辺部はブロードバンド化が遅れており、その整備も情報政策課の課題になるという。
http://www.city.kimitsu.chiba.jp
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行政サービスの向上を支える君津市行政情報ネットワーク
財務会計や緊急通報などに不可欠な高可用・高信頼性の庁内LAN
今後のトラフィック増大に対応するスタック接続やリンクアグリゲーション
ループガード機能を搭載するスイッチを各フロアに導入
行政サービスの向上を支える君津市行政情報ネットワーク
鈴木 登氏
君津市役所
総務部 情報政策課
課長 鈴木 登氏
君津市は房総半島のほぼ中央部に位置し、東京湾に面した北西部には製鉄所、北部には最先端産業が集積するかずさアカデミアパーク、南部は肥沃な農耕地帯を形成、房総の中核都市として発展してきた。同市では、自然と人の共生を基本理念に、将来都市像として掲げる「自然と個性の豊かな活力に満ちた都市」の実現に向け、2008年度を初年度とする5ヵ年計画「第3次まちづくり計画」を策定。君津の広大な市域と豊かで魅力ある自然、都市と農村の持つ個性、個性豊かな文化や人間性を育み、都市機能の充実と産業基盤の確立を目指して新たなまちづくりを推進している。

こうした施策を支えるのが情報基盤である。君津市では昭和40年代から電算処理を開始し、税オンラインシステムなどを導入。平成6年度に庁内LANの整備を行い、本庁内や出先機関などのネットワーク化を図り、文書管理システムや財務会計システムなどを運用してきた。

さらに、政府のe-Japan計画などを受けて、平成13年度に「君津市情報化推進計画」を策定。行政のあらゆる分野にITを活用することで、市の様々な業務の簡素化と効率化、市民サービスの向上を図り、市民との協働による市政を実現するなど「行政システムの革新」を目指すものだ。具体的には、情報システム等の整備により、(1)業務プロセスの見直し、(2)データの共有や連携の推進、(3)パッケージソフトの活用、(4)システム開発や運用管理の外部委託を基本方針に掲げる。

この情報化推進計画の一環として、「13年度から高速な庁内LANを構築してきました。それから8年が過ぎ、さまざまな課題が顕在化していたのです」と、君津市役所総務部情報政策課課長の鈴木登氏は述べる。
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財務会計や緊急通報などに不可欠な高可用・高信頼性の庁内LAN
安部 吉司氏
君津市役所
総務部 情報政策課
安部 吉司氏
13年当時、庁内LANの基幹に海外ベンダーの1Gbps対応シャーシ型スイッチを2台導入して冗長化を図る一方、フロアには100Mbps対応スイッチを導入、運用してきた。しかし、「スイッチの老朽化とサポート切れの問題に加え、LAN上の業務システムも増えており、庁内LANの刷新が求められていたのです」と、総務部情報政策課の安部吉司氏は話す。そこで、新たな庁内LANの構築に向け、19年秋から要求仕様などの検討を開始。ネットワークベンダーやインテグレータの意見を参考にしながら、入札時の要件をまとめた。

その要件の第1が高い可用性である。「財務会計や文書管理、グループウェアなど、さまざまなシステムが庁内LAN上で稼動しています。LANの障害で財務会計システムが使えなくなるような事態になれば、取引先への支払が滞ることになり、ネットワークの高い可用性は絶対的な要件です」(鈴木氏)。

また、庁内のサーバーは光ネットワークサービスを介して市役所の支所や公民館、消防、保育園などの出先機関とも接続される。例えば消防本部では、火災などの発生時に庁内LANに接続されるインターネットを経由して市民に防災情報を携帯メールで配信している。こうした緊急通報を安定的に行うためにも、高可用性、高信頼性の庁内LANが不可欠だと強調する。

また、従来のコア・スイッチは冗長化していたものの、VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)のため、1台は障害時用のスタンバイ機となる。「2台をフルに使用できず、資産を有効活用できない問題がありました。そこで、今回はスタック接続できるスイッチを要件にしました。2台のコア・スイッチを冗長化して信頼性を確保するとともに、機器を無駄にしません。さらに、リンクアグリゲーションを用いてトラフィックの増大時にも帯域の増強や負荷分散できるなど、さまざまなメリットが生まれます」(安部氏)。これらの要件を満たせば、シャーシ型でもボックス型でも、スイッチの形状は問わないこととした。
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今後のトラフィック増大に対応するスタック接続やリンクアグリゲーション
湯木 周弘氏
ピクセル コミュニケーションズ株式会社
工事管理部
部長 湯木 周弘氏
そして、君津市では入札の結果、ピクセル コミュニケーションズが提案したアライドテレシスのアドバンスト・レイヤー3スイッチ「SwitchBlade x908」をコア・スイッチとして2台、「CentreCOM 9424T/SP-E」をディストリビューション・スイッチとして9台導入。「当社では、x900シリーズをコアにしたLAN構築の経験があります。VCSの検証や運用を通じ、このスタックなら自治体の基幹LANに要求される高い信頼性を備えていると判断したのです」と、ピクセル コミュニケーションズ工事管理部部長の湯木周弘氏は提案理由を述べる。
ネットワーク機器
サーバールームに設置されたSBx908はVCSによるスタック接続で冗長化が図られている。


VCSは複数台のスイッチをスタック接続して同期させ、あたかも1台のスイッチのように動作させる機能。君津市の要件であった冗長化による高い可用性とスイッチの有効活用を同時に満たすことができる。ネットワーク設計やスイッチの設定を担当したピクセル コミュニケーションズの庄司隆一氏は「当初、アライドテレシスのサポートを受けましたが、SBx908は業界標準のCLIを採用しており、設定などもスムーズに行えました」と評価する。

庄司 隆一氏
ピクセル コミュニケーションズ株式会社
ネットワークソリューション部
庄司 隆一氏
そして、君津市では新たな庁内LANが2008年11月から本格稼動を開始。その導入効果について、鈴木氏は「今回の庁内LANは、今後、5年間を見据えて構築したものです。新技術の採用により、将来のサーバー統合などによるトラフィックの増加にも柔軟に対応できるはずです」と述べる。同市では、各部署で個別に業務システムを構築、運用してきたため、部署間のシステム連携が図りにくいという問題もある。そこで、将来は各部署のサーバーを統合し、情報政策課で一括管理することも考えられるという。

また、セキュリティー強化の観点から、各部署で運用している業務サーバーをサーバールームへ集中配置する方針を掲げている。「このため、各部署からのトラフィックがサーバーセグメントに集中し始めており、高性能スイッチでなければ、増大するトラフィックを処理しきれないことが予想されていました。今後、トラフィックが増えてきたときには、スタック接続やリンクアグリゲーションなどの効果が発揮されるはずです」と安部氏は見ている。
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ループガード機能を搭載するスイッチを各フロアに導入
ネットワーク機器
各フロアの9424T/SP-Eは天井据付型のラックやパイプスペースに設置されている。
今回の庁内LAN再構築にあたり、ループの防止を要件の1つにしている。各部署でデスクトップスイッチを増設しており、職員のLANケーブルの配線ミスからループが発生することもあったからだ。そこで、ループガード機能を備える「9424T/SP-E」を各フロアに設置。スイッチがループを検知するとポートを閉じてループを回避する。「従来、ループの発生時に障害箇所を特定する手間と時間がかかっていましたが、今回、フロア単位で特定できるネットワーク環境を整備しています」(安部氏)。

また、「企業でもループの発生が問題になっており、ループガード対応の製品を増やしてほしいですね」と湯木氏は話す。こうした要望に対し、アライドテレシスでは、デスクトップレベルで物理的にループを防ぐ「Force MDI」というソリューションを用意している。多くのスイッチでサポートするAuto MDIは、ストレート/クロスのケーブル極性を認識してポートタイプ(MDI/MDI-X)を自動設定する。その半面、ユーザーがケーブルを挿し間違えてループが起こることもある。Force MDIは、PC接続ポートやアップリンクポートなど、ポートタイプをMDIまたはMDI-Xのどちらか強制的に固定することができる。このため、ユーザーが誤ってケーブルを同じスイッチに挿してもアップリンクしないため、ループを防ぐことができる。

君津市にとって、今後の課題はネットワークの統合である。例えば、行政サービスに欠かせない基幹系システム(住民記録や税等)はセキュリティー上、庁内LANとは別に構築、運用している。そのため、職員は基幹系システム用と庁内LAN用の2台のパソコンを用いて業務を行っている。

「将来、基幹系システムを庁内LANに統合することも視野に入れ、ネットワークを構築しています」と安部氏は述べる。VLANなどを用いて庁内LANに統合すれば、業務がスムーズに行えるだけでなく、ネットワークの運用・管理を効率化できると見ている。

庁内LAN上に様々なシステムが接続され、安全かつ増大するトラフィックに対応するためのネットワーク基盤として、SBx908や9424T/SP-Eがフルに利用されることになる。「ネットワークやサーバーの統合は多くの自治体が抱える共通の課題だと思います」(鈴木氏)。アライドテレシスのネットワーク機器をベースに、課題解決に取り組む君津市行政情報ネットワークの動向が注目されている。(取材:2008年12月)
ネットワーク構成図
プロフィール
■ピクセル コミュニケーションズ株式会社
本社:千葉県八千代市八千代台北13-8-12
設立:1988年2月
資本金:1,000万円
ネットワーク導入コンサルティングから、LAN工事、機器設置、空調などの付帯工事、試験・調整など、トータルなネットワーク構築サービスを提供している。
http://www.pixel-c.co.jp
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