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セキュリティー強化やICTの利活用による教育の充実を目指し、
市内22小中学校の教室までギガビット・ネットワークを整備 |
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「山梨県南アルプス市教育委員会」
南アルプス市教育委員会では、市内に張り巡らされた光ループ網を介して市内22小中学校を結ぶ教育系ネットワークを整備した。ICTの利活用を促進するネットワーク基盤として、職員室やパソコン教室までギガビット(GbE)対応が可能な校内基幹LANを構築するために、各学校にアライドテレシスのGbE対応L2plusスイッチ「CentreCOM 9424T/SP」やギガビット・メディアコンバーター「CentreCOM MC2001シリーズ」等を、また、教育系サーバーを一元管理する市役所内の情報センターにGbE対応 L3スイッチ「Summit 400シリーズ」を設置した。同時に各学校へのパソコン整備を順次進めていき、ギガビット・ネットワークを活用した教職員の情報共有や市サーバーの利用によるセキュリティーの強化に加え、今後、教育用コンテンツの共有による学習環境の拡充等を目指している。市教育委員会と市役所企画部情報システム課の各氏に教育系ネットワークの狙いを聞いた。 |
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プロフィール |
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■南アルプス市 |
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甲府盆地の西部に位置する6町村(八田村、白根町、芦安村、若草町、櫛形町、甲西町)が2003年4月1日に合併して誕生。市民、企業、行政が協働しながら、「人と自然が響き合う新文化都市」を目指している。 |
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南アルプス市役所
企画部情報システム課
課長補佐 新津 岳氏(右)
企画部情報システム課
情報化推進担当 塚原 賢氏(左) |
秀峰・北岳をはじめ、3000m級の峰々の麓に広がる南アルプス市。6町村の合併で2003年4月に誕生した南アルプス市には、豊かな自然や名産の果実に加え、もうひとつ「名物」がある。市内に張り巡らされた自営の光ループ網である。
合併前の旧6町村が連携し、総務省の広域的地域情報通信ネットワーク基盤整備事業等の補助を受けて2001年度に「峡西広域ネットワーク整備事業」として構築、旧6町村役場(現市役所および5支所)を中継点に小中学校や図書館等の公共施設を接続してきた。さらに2003年の合併に伴う電算システム整備事業として光ループ網を増設している。
特徴は、CWDM(光波長分割多重)を用いて、60kmにおよぶ100芯の光ループ基幹網を構成していること。各種サーバーが集積する市役所・情報センターには複数チャネルのギガビット・イーサネットをドロップし、各支所および出先機関を結ぶ高速・大容量かつ耐障害性の高いネットワークを実現している。
「この光ループ網上で行政情報等の業務系ネットワークと職員用の情報系ネットワーク、各支所のキオスク端末や小中学校等を接続する開放系ネットワーク、IP電話網の4種類のネットワークを構築・運用してきました。そして今回、教育委員会の要請を受けて新たな教育系ネットワークを運用することになったのです」と同市役所企画部情報システム課 課長補佐の新津岳氏は説明する。
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南アルプス市教育委員会
教育総務課
学校施設担当 保坂 久氏 |
従来、市内22の小中学校では各支所を経由して光ループ網に接続し、インターネットや教職員のメール交換等に利用していたが、さまざまな課題が持ち上がっていた。その一つが、学校のパソコン整備の格差である。
旧6町村でも児童・生徒用パソコンおよび教職員用パソコンの整備を進めてきたが、その進捗に開きがあり、「例えばある学校では職員室と教室の両方にパソコンが配備されているのに、別の学校では職員室にしかパソコンがないといった状況でした。合併を契機に格差を解消し、均一の情報教育環境を整備する必要がありました」と教育委員会教育総務課の保坂 久氏は述べる。
こうした格差の問題に加え、情報管理上の課題も顕在化していた。教師用パソコンの台数が少ないため、個人のパソコンを学校に持ち込んで市の開放系ネットワークに接続するケースもあり、情報セキュリティーの観点からも問題視されていたという。また、パソコンや各種ソフトの管理を各学校に任せており、IT管理担当の教師の負担が大きくなるという問題もあった。
「校内のパソコンのウイルス対策ソフトのアップデートや最新セキュリティーパッチの適用等を徹底するためには、各学校が個別に開放系ネットワークへ接続するのでなく、統一したネットワークを活用して集中管理できる仕組みが求められていたのです」(保坂氏)。
また、情報システム課の塚原 賢氏は「従来は学校によって管理方法もまちまちでした。IT担当の先生が異動すると管理方法も変わるため、セキュリティー管理の面でも好ましいことではありません。市の情報センターで集中管理することにより、一貫したポリシーでの管理が可能になります」と話す。
こうした中、教育委員会では教育用パソコン整備計画を策定するとともに、情報システム課とネットワークインフラ整備の検討を重ね、市の光ループ網上に教育系ネットワークを新設することになった。
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南アルプス市教育委員会
教育総務課
課長 望月 辰也氏(左)
学校教育課
課長 辻 高廣氏(右) |
教育系ネットワークの狙いについて、教育委員会学校教育課長の辻 高廣氏は「セキュリティー機能の強化とともに、先生方の教育活動の支援や児童・生徒の情報活用能力の向上等を図るためです」と述べる。具体的には、学校間のデータ管理の統一および効率化、データ共有による事務作業の効率化等を目指しているという。
また、インフォメーション機能の活用による各種会議の効率化や、学校間ネットワークを活用した共同の教材研究や情報、教育用ソフト・コンテンツの共有による学習環境の充実等も狙いに掲げる。「グループウェアを活用して各学校の先生方に教育研究会の開催等を連絡し、詳細は情報センターのサーバーの教育研究会用フォルダーで確認するといった使い方ができます。従来、教育委員会から学校に電話やFAXで通知していましたが、先生方に直接通知することで伝達漏れがなくなるだけでなく、受信したFAX文書を職員室に貼り出す手間がなくなる等の効率化が可能です」と辻氏は期待する。
教育系ネットワークのもう一つの狙いは情報セキュリティー機能の強化である。個人情報保護法を例に挙げるまでもなく、学校においても個人情報保護が重要な課題となっている。従来は、教師がパソコンのハードディスクやフロッピーディスクに児童・生徒の名簿等を保存することもあったというが、リスク管理の観点からこれを制限。「名簿や成績等の個人情報は市の情報センターの教師用ファイルサーバーで一元管理し、VLANを用いて各学校の教師用ネットワークからのみアクセスできる仕組みです」と塚原氏は説明する。
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| 学校に設置されたL2plusスイッチ「9424T/SP」、L2ギガビットスイッチ「GS916GT」 |
各学校と情報センター内のサーバーへの高速アクセスを実現するため、光ループ網に加え、市内22カ所の小中学校の校内LANも整備した。以前からほとんどの学校に校内LANが整備されていたが、配線ケーブルの老朽化等、新たに設置するネットワーク機器の性能を十分に発揮できないという懸念もあり、教育系ネットワークの刷新に合わせて校内LANの改修が必要だったという。また、学校ごとにネットワーク構成が異なっており、今回の整備計画には、各学校のLANを均一な構成にすることで、管理コストの軽減やセキュリティーの向上に役立てる狙いもある。
具体的には、光ループ網のGbEをドロップする各支所から光ファイバーを介して地域の小中学校までギガビット・ネットワーク環境を整備。支所および学校のLANにアライドテレシスの全ポートがギガビットに対応したL2plusスイッチ「CentreCOM 9424T/SP」およびギガビット・メディアコンバーター「CentreCOM MC2001シリーズ」、L2ギガビットスイッチ「CentreCOM GS908GT」を設置した。職員室用ネットワークと児童・生徒用ネットワークをVLANで分け、セキュリティーを確保している。
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株式会社 エーティーエルシステムズ
ソリューションサービス事業部
IPソリューショングループ
清水 章弘氏 |
また、教職員用サーバーや児童・生徒用サーバーを設置する市の情報センターには「CentreCOM 9424T/SP」のほか、アライドテレシスが提供するエクストリームネットワークス社製「Summit 400-24t」や「Summit X450-24x」等のGbE対応L3スイッチを導入した。
ネットワーク全般の設計・企画提案を委託された(株)ATLシステムズの清水 章弘氏は、「アライド製品はコストパフォーマンスが高いことに加え、国内メーカーならではの充実したサポート体制を評価しました」と推奨理由を述べる。
また、「以前は考えられなかったほど、GbE対応製品が手頃になっています。広帯域の校内LANを整備しておけば、将来、どのようなアプリケーションにも対応することができます」と塚原氏はギガビット・ネットワークの意義を話す。
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| PC教室 |
教育委員会では教育系ネットワークの整備とともに、計画に基づいて学校のパソコン整備も実施。パソコン教室や普通教室に加え、教職員に一人1台のPC環境を進めている。「22小中学校のうち、2005年度は7校でパソコン整備を行い、残りの学校については順次整備していく予定です。教育系ネットワークを整備することで、学校の先生方にも合併による一体感を醸成できると期待しています」と教育委員会教育総務課長の望月 辰也氏は述べる。
GbEに対応する教育系ネットワークの稼動が2006年2月に始まったばかりとあって、本格的なシステム活用はこれからだが、前述のようにさまざまな構想がある。例えば、ある学校で作成した学習用教材を情報センターのサーバーに保存して他の学校が利用することも可能だ。「デジカメで撮影した画像を取り込んだ教育研究や教材も増えているので、各学校からサーバーにアクセスする際にも高速・大容量のギガビット・ネットワークのメリットを活かすことができます」と保坂氏は述べる。
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株式会社 エーティーエルシステムズ
取締役
ソリューションサービス事業部
部長 渡辺 生也氏 |
また、これまで学校別に購入していた教育ソフトを情報センターのサーバーに保存。著作権やライセンスの問題がクリアできれば、「ソフトやコンテンツを情報センターで一括管理し、ASPサービス的に各学校に提供することも可能です」と塚原氏は述べる。教育委員会では、各学校へのヒアリングを経て、アプリケーションの導入を検討していく計画だ。「先生方のナレッジを共有できるアプリケーションや、児童・生徒等子供たちのICT利活用を促進するマルチメディア等、技術的な視点からさまざまな提案を行なっていきたいと思います」と(株)ATLシステムズ取締役の渡辺生也氏は述べる。
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株式会社 エーティーエルシステムズ
ソリューションサービス事業部
佐藤 公紀氏 |
「授業での効果的なIT活用や教材研究の深化・発展に加え、教職員の事務作業や会議の効率化により、子どもと接する時間が増える等、学校改革で最も大切な効果が期待できます」と辻氏は語る。分かりやすい授業に向けて、映像等のマルチメディアを駆使したICT利活用が求められる中、ギガビットの教育系ネットワークをベースに情報教育を推進する南アルプス市教育委員会の動向が注目される。(取材:2006年2月)
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プロフィール |
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■株式会社エーティーエルシステムズ |
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本社:山梨県甲府市相生1-4-23
設立:1991年5月
資本金:5億2,328万円
従業員数:53名(平成17年4月30日現在)
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事業内容:ネットワーク・システムの構築・保守、ITソリューションの企画・提案・コンサルティング、パッケージソフトウエアの開発・販売など。行政・地域ネットワークの調査・コンサルティングおよび設計・監理などで豊富な実績を持つ。 |
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