セキュアなネットワークサービスとして習志野台整形外科内科が導入するのが、OA通信サービスのクラウド型VPNサービス「L2Confidential for iOS」である。院内ネットワークにブリッジボックスと呼ばれる装置を接続。例えば、院内のスイッチに無線LANアクセスポイントとブリッジボックスを接続する。これにより、WAN側の固定IPアドレスは不要で、iPhone、iPadをVPNクライントとするVPNサービスを手軽に利用できる。
電子カルテなどを導入している病院や診療所が新たにVPNルーターを設置する場合、セキュリティーの確保や設定変更にかかわるコストの問題など、様々な制約がある。「このクラウド型VPNサービスの特徴は既存ネットワークの設定を変更せずに、VPNを構築できることです。ルーター業界ではいち早くスマートフォン、タブレット端末対応のVPNルーターを提供しているアライドテレシスとのパートナーシップにより、このサービスが実現できました」と、OA通信サービスの緒方琢哉氏は述べる。
具体的には、クラウド(データセンター)上のL2Confidential for iOSサーバーにユーザーごとの仮想スイッチを作成し、VPNを構築する仕組み。ユーザーは専用機器の導入や運用管理の手間なく、VPNサービスを利用できる。そのサーバー側のVPNルーターとして、アライドテレシスの「AR415Sシリーズ」を採用。ARシリーズは、iPhone、iPad、Android端末といった各種スマートフォン、タブレット端末とのIPsec VPNによる接続検証がなされており、セキュアなモバイルアクセスを実現する。
習志野台整形外科内科では、クラウド型VPNサービスのさまざまな活用方法について検討している。
例えば、宮川氏は船橋市周辺の開業医とともに定期的に勉強会を行っているが、参加する医師の診診連携の手段として活用することも可能だ。また、診療所を訪れる患者の検査やレントゲン画像などの情報をVPN経由で共有することにより、過剰検査をなくし医療費を抑制することもできると見ている。
「さまざまな診療科の開業医が連携する診診連携により、総合病院に匹敵する診療も可能です。地域に根ざした病診連携、診診連携の取り組みを進めるうえで、機器の設置場所を取らず、手軽に導入できるVPNサービスは有効だと思います」(宮川氏)。
また、宮川氏の休診日に整形外科の患者が訪れ、内科の医師が応急処置を求められることもあるという。これまで携帯電話のカメラを使って患部の写真を院内から送るなどしているが、自宅や外出先からスマートフォン、タブレット端末とVPNを使って院内のPACSサーバーにアクセスできるようになれば、所見を伝えるのにも役立つと見ている。
VPNルーターなどのネットワーク機器を提供するアライドテレシスに対し、宮川氏は「セキュアで止まらないネットワークが一番大切です。iPadなどのタブレット端末のVPN接続に実績のあるアライドテレシスだから安心です。今後も、医療現場が安心してITを活用できるネットワーク環境を提供してほしいですね」と期待する。タブレット端末やクラウド型VPNサービスの活用でより分かりやすい医療を推進する習志野台整形外科内科の取り組みに着目する医療関係者は多い。(取材:2011年9月) |