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導入事例
栃木県 大田原赤十字病院
院内ネットワークの完全冗長化とセキュリティー強化で高度医療を支援
栃木県 大田原赤十字病院
「栃木県 大田原赤十字病院」
栃木県北部の基幹病院として地域医療を担う大田原赤十字病院では、地域の医療機関との病診・病病連携や、電子カルテ化を視野に入れたオーダリングシステム、フィルムレス化を推進。病院内でやり取りされる医療情報の高度化、大容量化などに伴い、院内ネットワークを再構築。アライドテレシスが扱うBlackDiamond 8800シリーズをコアに、IEEE 802.1X認証に対応するCentreCOM 8724SLなどのスイッチや無線LANアクセスポイントCentreCOM WR540APSなどのアライド製品群を導入。院内ネットワークの広帯域化による高速レスポンス、冗長化による信頼性の向上、端末認証によるセキュリティーの強化を図っている。
プロフィール
■大田原赤十字病院
所在地:栃木県大田原市住吉町2-7-3
設立:1949年7月
病床数:556床
標榜科:内科、循環器科、外科、小児科、放射線科など20科
病院機能評価認定施設(2005年12月 Ver.5.0)、第三次救命救急センター、地域医療支援病院、がん診療連携拠点病院などの指定を受け、栃木県北の基幹病院として地域医療に貢献している。
http://www.ohtawara-jrc.com/
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医療や看護などの業務に不可欠なネットワーク
高可用性、広帯域化、セキュリティーの強化に向けてネットワークを再構築
ギガビットネットワークの冗長化で高可用性と広帯域化を実現
LANスイッチや無線LANの端末認証でセキュリティーを強化
病診・病病連携など地域医療に欠かせない安全なネットワーク
医療や看護などの業務に不可欠なネットワーク
伊藤 俊幸氏
大田原赤十字病院
事務部 医療情報管理課
主事 伊藤 俊幸氏
大田原赤十字病院は1949年の開設以来、栃木県北の那須エリアの基幹病院として地域医療を担ってきた。2006年12月に地域医療支援病院、2007年1月にがん診療連携拠点病院に指定されるなど、地域の医療機関との病診・病病連携を推進している。こうした医療活動を支えるのが院内ネットワークである。大田原赤十字病院では早くからネットワーク構築に着手。しかし、「当初は放射線、検査、薬剤、医事会計などの各部門が独自にネットワークを導入していたため連携が取れず、同じ患者さんの情報をその都度、各部門で入力していました」と事務部医療情報管理課主事の伊藤 俊幸氏は振り返る。

そこで、患者情報をはじめ、医療情報を各部門で共有し、一元的に運用・管理できるよう、現院長の宮原 保之氏らを中心に院内ネットワーク・システムの構築を検討。そしてアライドテレシスが取り扱うエクストリーム ネットワークス製マルチレイヤースイッチ「BlackDiamond 6800シリーズ」およびアライドテレシスの各種スイッチ、無線LANシステムを5年ほど前に導入。冗長化された2台のBlackDiamond 6800シリーズを基幹とする院内ネットワークを構築・運用してきた。 大田原赤十字病院では、院内ネットワーク基盤の整備とともに、これまで医療・検査機器やシステムの拡充を図ってきた。高度先進医療機器やオーダリングシステムなどを導入。近年は放射線のフィルムレス化を図るなど、院内ネットワークは医療や検査、看護、医事などの業務に不可欠になっている。

手塚 美恵子氏
大田原赤十字病院
看護副部長 兼
地域医療福祉連携課長
手塚 美恵子氏
院内ネットワークの検討会のメンバーである看護副部長で地域医療福祉連携課長の手塚 美恵子氏は「今や、ネットワークがなければ医療・看護の業務が行えないほど、大きな役割を担っています」と強調する。院内ネットワークが整備されていなかった時には、例えば医師が看護師に指示を出す場合、病棟のナースセンターに足を運ぶなどしていた。しかし、ネットワークにより、医師は端末を使って院内のどこからでもオーダリングシステムで一元管理された患者情報を参照し、投薬などの指示を看護師にスムーズかつ確実に伝達できる。

また、同病院は救命救急センターを併設している。「看護師は無線LANなどのネットワークを介して救命救急センターに運ばれた患者さんの状態を事前に把握することにより、その患者さんが病棟に入院後、看護に役立てるなど、医療・看護の質を高めることができます」と手塚氏は院内ネットワークの意義を話す。
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高可用性、広帯域化、セキュリティーの強化に向けてネットワークを再構築
高橋 美千夫氏
大田原赤十字病院
事務部 医療情報管理課
情報管理係長 高橋 美千夫氏
従来の院内ネットワークが稼働を開始して5年が過ぎ、医療や社会を取り巻く環境の変化とともにネットワークのさまざまな課題が顕在化していた。その一つがネットワークの可用性である。これまで大きなネットワーク障害はなかったというが、「院内ネットワークが不可欠になる中で、従来に増して高い可用性が求められます。万一、ネットワークがダウンする事態になれば、病院の機能が停止してしまう懸念がありました」と事務部医療情報管理課情報管理係長の高橋 美千夫氏は述べる。

既存の院内ネットワークは、基幹スイッチ同士は冗長化していたものの、エッジのスイッチやオーダリングシステムのサーバー群とのリンクは冗長化されておらず、ネットワーク全体の信頼性、可用性の向上が求められていた。また、院内にはオーダリングや放射線用などを合わせると約400台におよぶ端末がある。さらにフィルムレス化などによって、院内ネットワーク上を流れるデータ量も増えており、より高速・広帯域のネットワーク環境の整備が課題になっていた。

山下 明氏
大田原赤十字病院
医療情報管理課長 兼
放射線科放射線治療技術係長
山下 明氏
「院内ネットワークがダウンすればあらゆる情報が途絶えてしまいます。冗長化を含め、確実に稼働できることがITの大前提です。そして、ネットワークの高速化も重要で、医師が画像サーバーなどにアクセスする際、レスポンスが遅ければ、診療のボトルネックになります。こうした課題を解消するためにも、院内ネットワークの強化が必要でした」と、医療情報管理課長で放射線科放射線治療技術係長の山下 明氏は述べる。

そして、もう一つの課題がセキュリティーである。個人情報保護法の施行などを背景に、患者の重要な個人情報を扱う医療機関ではとりわけ強固なセキュリティーが求められている。大田原赤十字病院では、文書の処分方法などでもセキュリティー保護を図ってきたが、近い将来、ネットワークを介した病診・病病連携を視野に入れると、院内ネットワークのセキュリティー強化が求められていた。
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ギガビットネットワークの冗長化で高可用性と広帯域化を実現
ネットワーク機器
院内ネットワ-クを支えるB館サ-バ-室内の製品群。10G拡張も可能な「BlackDiamond 8800シリ-ズ」をコアにオ-ルギガビットL3スイッチ「9924T/4SP」「8724SL」で構成し、ESRPを用いた冗長ネットワ-クを実現。
大田原赤十字病院では既存ネットワークの課題を解消するため、機器の更改時期を契機に院内ネットワークを刷新した。新たなネットワークは、10Gbpsの拡張が可能な「BlackDiamond 8800シリーズ」を基幹スイッチとして2台導入するほか、オールギガビットポートのアドバンスト・レイヤー3スイッチ「CentreCOM 9924T/4SP」や「CentreCOM 8724SL」などのIEEE 802.1X対応スイッチを中心にギガビットネットワークを構成。

福原 秀行氏
株式会社 富士通ビジネスシステム サポートサービス本部
東日本フィールドサービス統括部 サービスビジネス担当部長
福原 秀行氏
これらのLANスイッチは、L2/L3の冗長制御が可能なエクストリームの「ESRP」を用いてBlackDiamondとそれぞれ冗長ネットワークを組むことで、高い可用性を実現している。また、オーダリングサーバーなどは1Gbpsで接続され、「ネットワークの広帯域化とともに、ハイスペックのサーバーにリプレースしたことで高速レスポンスを可能にしています」(伊藤氏)。

今回の院内ネットワークの刷新にあたり、従来と同様に「BlackDiamond」とアライドテレシス製のスイッチを導入。「これまで大きなトラブルもなく、安定稼働しています。
吉田 敏夫氏
株式会社 富士通ビジネスシステム 関東サービス部
第一サービスビジネス課長
吉田 敏夫氏
その信頼性の高さに加え、従来と同一ベンダーのスイッチを
猪股 康之氏
株式会社 富士通ビジネスシステム 関東サービス部
第一サービスビジネス課
猪股 康之氏
用いることで新たなネットワークへの切り替えもスムーズに行えるとの判断から、アライド製品を推奨させていただきました」と、インテグレーションを担当する富士通ビジネスシステム(FJB)のサポートサービス本部サービスビジネス担当部長の福原 秀行氏と関東サービス部第一サービスビジネス課長の吉田 敏夫氏は述べる。院内ネットワークの停止が許されないことから、事前に切り替え手順のシミュレーションを行い、短時間での移行を実現している。
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LANスイッチや無線LANの端末認証でセキュリティーを強化
ネットワーク機器
院内各フロアに設置されたIEEE 802.1X WPAセキュリティー対応の無線LANアクセスポイント「WR540APS」。
セキュリティーの強化策として、IEEE 802.1X対応の「CentreCOM 8724SL」や無線LANアクセスポイント「CentreCOM WR540APS」の導入とともに、ソリトンシステムズ製の認証サーバー「Net’Attest EPS-ST2」を導入。LANスイッチや無線LANに接続する端末を認証することでセキュリティーを確保する仕組みだ。

前述の念入りなシミュレーションや、こうした高いセキュリティーを確保する構成は、最新の技術を熱知し、現場で積み上げた豊富なノウハウを持つFJBならではのインテグレーションといえるであろう。

「IEEE 802.1Xのほか、MACアドレスによる端末認証により、院内ネットワークへの不正な接続を防止できます」と、ネットワーク設計を担当したFJB第一サービスビジネス課の猪股 康之氏は述べる。ちなみに、大田原赤十字病院では院内ネットワークと外部のインターネットなどへ接続するネットワークを物理的に分けるほか、端末操作のログを取得するなど、情報管理の徹底を図っている。

「無線LANをフルに活用するのはこれから」と前置きしながら、手塚氏は「ノートPCやPDAを用い、看護師がベッドサイドで患者さんに投薬するデータなどを確認することで、うっかりミスを防ぐことができます。人間とITによる二重チェックで医療・看護の安全性を高めることがネットワークの役割です」と話す。

大田原赤十字病院の今後のテーマは、VPNを介した地域の医療機関との連携である。「開業医の先生方は紹介した患者さんの情報を自身の端末で参照することにより、退院後の診療に役立てるなどさまざまな活用法が考えられます」(手塚氏)。地域の開業医の理解を得て病診連携を推進するためには、「セキュリティーの確保が絶対条件です」と山下氏は強調する。

アライドテレシスはFJBとのパートナーシップのもと、SSL-VPNによる病診連携のノウハウを重ねている。院内から院外まで強固なセキュリティーで保護されたネットワーク基盤の提供を通じ、地域医療を担う大田原赤十字病院をサポートしていく。(取材:2007年5月)
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病診・病病連携など地域医療に欠かせない安全なネットワーク
宮原 保之氏
大田原赤十字病院
院長 宮原 保之氏
「マイタウン、マイホスピタル」を大田原赤十字病院のコンセプトに掲げ、地域密着型の総合病院として医療体制を整備しています。1998年に救命救急センターを併設し、24時間稼働のMRI、64列CTなどの高度先進医療機器を備え、質の高い医療を提供してきました。

高度医療を支えるのがITとネットワークです。放射線機器の拡充とともにフィルムレス化を図り、医師は院内のどこからでも画像を参照できることもその一例です。また、地域医療支援病院として病診・病病連携を推進しており、さらに、地域の医師が当病院にアクセスして紹介患者さんの検査データや画像データなどの情報を参照できる体制作りを進めているところです。

院内ネットワークや病診・病病連携ではセキュリティーが不可欠になります。また、情報の訂正時にその履歴を取得する仕組みや、改ざんなどを防ぐ仕組みも必要です。今後、電子カルテシステムが導入されるようになれば、患者さんがベッドサイドの端末から、ご自分のデータを参照することも可能になるかもしれません。そのためにも、安全な院内ネットワークが重要になります。(談)
ネットワーク構成図 ネットワーク構成図 ネットワーク構成図
ネットワーク構成図 ネットワーク構成図 ネットワーク構成図
ネットワーク構成図 ネットワーク構成図 ネットワーク構成図
ESRP(Extreme Standby Router Protocol)
ESRPはL2のツリー型またはメッシュ型トポロジーを対象とした冗長プロトコルで、STPやVRRPより高速なFailoverを実現します。
ESRPはVRRPとよく似たプロトコルですが、最大の特長はL2ネットワークにおいても適用が可能という点です。図のように複数のスイッチが1台のバーチャルスイッチとして動作し、ネットワークを流れるトラフィックは必ずマスターノードにより転送され、スレーブノードではトラフィックは転送されません。これによりループフリーのネットワークを構築します。
ESRP(Extreme Standby Router Protocol)
プロフィール
■株式会社 富士通ビジネスシステム
本社:東京都文京区後楽1-7-27
設立:1947年4月
資本金:122億2000万円
従業員数:3,238名(単独、2007年3月末現在)
通信と情報のシステムインテグレータ企業として、コンサルティングから機器販売、ソフトウェア開発、設置工事、保守まで一貫したサービスを提供している。
http://www.fjb.fujitsu.com/
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