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大塚製薬・徳島工場
医薬品の生産や品質管理を支える信頼性と利便性の高いネットワーク
大塚製薬・徳島工場
「大塚製薬・徳島工場」
医薬品や消費者向け商品の生産拠点となる大塚製薬・徳島工場では、事業継続計画(BCP)などの観点から生産部門のネットワークを刷新。アライドテレシスの「CentreCOM x900シリーズ」を中核に高速・広帯域かつ障害に強いネットワークを構築。また、工場内のどこからでも業務に必要な情報をやり取りできるよう無線LANアクセスポイント「AT-TQ2403」を導入、工場間をIP変更することなく利用できるようにするとともに、品質管理システムにも活用している。情報システム室(徳島駐在)の各氏にネットワーク再構築の狙いなどを聞いた。
プロフィール
■大塚製薬株式会社
本社: 東京都千代田区神田司町2-9
創立: 1964年8月
資本金: 200億円
従業員数: 5,323名(2008年3月末現在)
■徳島工場
徳島県徳島市川内町加賀須野463-10
開設: 1970年
大塚製薬グループの中核企業として、国内外で医療関連事業、消費者関連事業を展開。
「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」を企業理念に、世界の人々の健康に貢献することを目標に事業活動を続けている。
http://www.otsuka.co.jp
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生産部門の事業継続に不可欠な「障害に強いネットワーク」
VCSで機器投資を無駄にせず、冗長化により安心して運用
ループガード機能を搭載したGS900Mシリーズをエッジに導入
無線LAN「AT-TQ2403」を利用して、各工場間でのシームレスなLAN環境を実現
生産部門の事業継続に不可欠な「障害に強いネットワーク」
今村 司朗氏
大塚製薬株式会社
経営推進部
情報システム室(徳島駐在)
課長 今村 司朗氏
2008年7月、大塚製薬グループの純粋持株会社、大塚ホールディングスが設立された。同社はグループ事業の戦略立案や経営資源の最適配分、社会的責任を果たすためガバナンス体制の強化を進めることで持続的な企業価値の向上を図り、世界の人々の健康に貢献する企業グループを目指している。  

グループの中核となる大塚製薬の生産部門は、国内7工場で医薬品や消費者向け商品を手がける。各工場では生命関連企業として管理を徹底し、品質の高い製品を安全かつ効率的に生産する体制を整えている。

徳島工場は1970年に医薬品の製造を開始した歴史を持つ。医薬品をはじめ、ポカリスエットやSOYJOYなどの消費者向け商品の生産拠点としてフル稼働。「ポカリスエットなどの商品は、夏場になると24時間体制で生産しています。そのためにも、止まらないネットワークは不可欠です。しかし、従来の生産系ネットワークはさまざまな課題を抱えていたのです」と、徳島工場の情報システム室課長、今村司朗氏は打ち明ける。  

徳島工場では従来、コアスイッチとして海外ベンダーのレイヤー3スイッチをアクティブ用とスタンバイ用に2台導入し、運用してきた。スイッチの老朽化もあり、障害を起こすこともあったという。こうしたスイッチのトラブルに加え、「大塚ホールディングスの設立を契機にBCP(緊急時企業存続計画;Business Continuity Plan)の強化が全社で求められており、生産部門の事業継続のためにも障害に強いネットワークの構築が大きなテーマになっていたのです」と今村氏は述べる。
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VCSで機器投資を無駄にせず、冗長化により安心して運用
ネットワーク機器
スタック接続されたx900-24XTで、止まらないネットワークを提供している。
「障害に強いネットワーク」の構築に向け、情報システム室では国内外のネットワークベンダーのソリューションを比較・検討した。その結果、VCS(Virtual Chassis Stacking)機能を備える「CentreCOM x900シリーズ」をコアに、「CentreCOM GS900Mシリーズ」などアライドテレシスのスイッチを採用。その理由について、今村氏は「VCSでスイッチの冗長化が行えることに加え、コストパフォーマンスを評価しました」と話す。スイッチの新規導入も工場の製造原価にかかわってくることから、性能面のみならず、導入コストを重視したためだ。
ネットワーク機器
スタックされたx900-12XT/Sは上位のx900-24XTとトランク接続。


そして、徳島工場内に「x900-24XT」を2台、隣接する徳島第二工場内に「x900-12XT/S」を2台導入。4台のx900シリーズを相互にスタック接続することで仮想的に1台のスイッチとして動作。
これにより、各x900シリーズがアクティブ機として動作しながら機器冗長が行えるとともに、スイッチをまたいだポートトランキング接続により回線冗長が行える。
竹内 好文氏
大塚製薬株式会社
情報システム室(徳島駐在)
課長補佐 竹内 好文氏


「従来はアクティブ用とスタンバイ用に2台のスイッチを用意する必要がありましたが、VCSにより、機器投資が無駄にならず、完全な冗長化により、安心してネットワークを運用できます」と、情報システム室課長補佐の竹内好文氏は話す。これまでコアスイッチの障害時にスタンバイ用スイッチに手動で切り替えたり、情報システム室の担当者が不在になる休日にトラブルがあった場合、担当者が駆けつけて対処したりすることもあったという。


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ループガード機能を搭載したGS900Mシリーズをエッジに導入
内海 慶典氏
大塚製薬株式会社
情報システム室(徳島駐在)
内海 慶典氏
徳島工場と徳島第二工場の生産部門のネットワーク再構築を契機に構内の光ネットワークを刷新。これまで建物などのセグメントごとに光ネットワークを敷設していたが、「x900シリーズとGS900MシリーズのVLANを利用してセグメントを分けられ、シンプルなネットワークを構成できます。そして、高速・広帯域になり、トラフィックの集中時にもレスポンスが低下することはありません」と、情報システム室の内海慶典氏は基幹ネットワーク再構築の効果を話す。  

徳島工場と徳島第二工場の生産部門では約600台の端末を導入し、ファイル共有やグループウェアなどのアプリケーションを利用。以前のコアスイッチでは従業員が一斉にサーバーアクセスするとレスポンスが遅くなることもあったという。

また、他の部門に影響を与えないように生産部門のネットワークを設計。徳島エリアには、生産部門のほか、研究部門や営業部門などがあり、それぞれ事業部門別にネットワークを構築・運用。全社ネットワークのゲートウェイとなる徳島工場のルーターを介して各部門のネットワークを接続している。従来、生産部門のトラフィックが増えるとコアスイッチに負荷がかかり、他の部門のネットワークに影響がおよぶこともあったという。そこで、「タグVLANで他部門のネットワークをルーターに直結することにより、生産部門のトラフィックの影響を回避するようネットワークを設計しています」(内海氏)。  

「障害に強いネットワーク」は生産部門の基幹ネットワークのみならず、エッジでも実現している。x900シリーズの配下に「ループガード機能」に対応する「GS900Mシーズ」を導入。ループガード機能は、LDF(Loop Detection Frame)と呼ばれる特定のフレームを同一スイッチで送受信した場合に受信ポートを閉じてループを回避する機能で、レイヤー2インテリジェント・スイッチの「GS900Mシリーズ」や「FS900Mシリーズ」で対応している。対応スイッチでループを回避することにより、同じLAN上の非対応スイッチに対してもループの影響を最小限にできる利点もある。  

ループガード機能に着目したのは、徳島エリアでは従業員がオフィスレイアウトを変更する際、LANケーブルの接続を間違えることも過去に度々あったからだ。「ループの発生でネットワークが遅くなり、スイッチのケーブルを一本ずつ抜いて調べたこともありました。ループの発生場所を特定するまでの手間や時間がかかり、ループガードのような付加機能があればぜひ使いたいと考え、GS900Mシリーズを採用したのです」(今村氏)。


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無線LAN「AT-TQ2403」を利用して、各工場間でのシームレスなLAN環境を実現
AT-TQ2403
TQ2403導入による機動力は現場の生産性向上に寄与している。
各工場間、徳島エリアなどにおいて、セグメントの違うエリアに自分のPCを持って移動しても、IPアドレス等、設定変更なしで利用できる仕組みを導入している。  

徳島工場と徳島第二工場では、高速・広帯域ネットワークに加え、無線LANを活用し、品質管理などの業務に役立てていることも特長だ。  

徳島第二工場では従来、紙ベースで行っていた医薬品の試験や製造の受付、指図などの業務フローを効率化するため、品質管理システムを導入しているが、この情報のやり取りにアライドテレシスの無線LANアクセスポイント「AT-TQ2403」を約20台導入。例えば、試験担当者はノートPCやPDAを用い、無線LANを介して指図を確認、医薬品の試験などを行う仕組みだ。こうした記録の電子化により、記載・転記ミスの防止や、紙での記録・保管が不要になり、確認作業がスムーズになるなど、現場業務の効率化や高いレベルでの品質管理を実現しているという。  

試験担当者はノートPCやPDAで入力した医薬品の試験データなどの一部の情報を無線LAN経由で工場内のサーバーとやり取りする。「無線LANのトラブルは試験などの業務に影響をおよぼすため、アクセスポイントには高い信頼性が求められます。でも無線LANだけだと少し不安もありますので、有線LANとの併用により高い信頼性を確保しています。その上で無線というメリットを最大に活かしています。」と竹内氏は述べる。  

大塚製薬では、各拠点で導入する無線LANの認証方式や暗号方式を社内で規定。徳島工場ではその規定に準拠するアクセスポイントとしてAT-TQ2403を採用している。認証サーバーは本社のほか、徳島工場内にも設置。WANの障害時にも認証システムを止めることなく、業務を継続できるよう配慮している。  

そして、AT-TQ2403はPoE給電機能付きのスイッチに接続。タグVLANを用いて光ネットワーク上で有線LANと無線LANのセグメントを分けている。これにより、「有線LANは固定IPアドレス、無線LANはDHCPと異なるアドレス体系のネットワークを運用でき、無線LAN用に別ネットワークを敷設する必要もありません」と今村氏は話す。  

大塚製薬・徳島工場ではx900シリーズをプラットフォームにBCPを強化する信頼性の高い冗長ネットワークと、AT-TQ2403で工場内のどこからでも業務に必要な情報をやり取りできる利便性の高いネットワークを構築。大塚製薬の生産部門が目指す「全世界に通用する品質と生産効率の実現」の一翼を、アライドテレシスのネットワーク機器が担っている。(取材:2008年9月)
ネットワーク構成図
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