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独立行政法人 国立病院機構 高崎総合医療センター
電子カルテの活用で要求される「止まらないネットワーク」を構築
独立行政法人 国立病院機構 高崎総合医療センター
「独立行政法人 国立病院機構 高崎総合医療センター」
独立行政法人 国立病院機構 高崎総合医療センターは、新病院の竣工に合わせ、国立病院機構 高崎病院から名称変更してスタート。群馬県西毛地域の基幹病院として、地域医療支援と救急医療などの役割を担う。新病院では新たに電子カルテシステムを導入するとともに、アライドテレシスのコア・スイッチ「SwitchBlade x908」および「x900シリーズ」を中核に冗長化された高信頼・広帯域の院内ネットワークを構築している。高崎総合医療センターをケーススタディに、医療機関に求められる「止まらないネットワーク」を紹介する。
プロフィール
■独立行政法人 国立病院機構 高崎総合医療センター
本社:群馬県高崎市高松町36
創立:1837年
病院規模:病床数451床(一般445床、感染症6床)
診療科:25診療科
医療機器: MRI照射装置、心臓血管連続撮影、装置、ヘリカルCT撮影装置、リニアック治療装置など
救急医療の充実と地域の医療機関との連携を推進して地域医療支援病院の役割を強化し、地域がん連携拠点病院の機能向上を進めている。
http://www.tnho.jp
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「連携」をキーワードに地域医療支援と救急医療などに貢献
電子カルテの活用で不可欠な信頼性・安全性の高いネットワーク
VCS機能とリンクアグリゲーションでコア・スイッチと経路を冗長化
無線LANと電子カルテの活用で病棟で確実にデータを確認
「連携」をキーワードに地域医療支援と救急医療などに貢献
金澤 紀雄氏
独立行政法人 国立病院機構
高崎総合医療センター
院長 金澤 紀雄氏
高崎総合医療センターの歴史は、東京鎮台第一分営高崎営所病院として創設された1873年(明治6年)に遡る。以後、高崎陸軍病院への改称や、国立高崎病院、独立行政法人国立病院機構 高崎病院を発足してきた。この間、1983年に救急救命救急センターの設置、2005年に地域医療支援病院、2007年に地域がん診療連携拠点病院に指定されるなど、地域の基幹病院として大きな役割を担う。

そして、2009年9月に新病院が竣工。高崎市設立の高崎メディカルサポートセンターを併設して病床数は451床に増床。診療体制の拡充に合わせて、10月から高崎病院の名称を高崎総合医療センターに改称している。

地上7階、地下1階の新病院は「地域医療支援と救急医療に貢献する病院」、「コンパクトで機能的な病院」、「災害にも強い病院」、「プライバシー・アメニティに配慮した病院」をコンセプトに設計。救急患者の受け入れに重点を置き、小児専用の救急室、二次と救命に重点を置いた救急室を1階に配置。2階には地域医療連携室や登録医室、在宅支援相談室などを設置し、地域医療連携を推進している。

「今後の医療では連携がキーワードになります。当病院では医師会や行政の協力を得ながら、地域医療の連携を積極的に進めています」と高崎総合医療センター院長の金澤紀雄氏は話す。例えば、西毛地域の基幹病院と消防の連携を強化して脳血管疾患などの救急医療を行う群馬県地域医療再生計画に参画。専任の職員を配置して救急患者の受け入れ情報を24時間、消防に提供するほか、地域内の基幹病院間で救急患者の画像情報を共有できる救急医療情報ネットワークの整備などを計画しているという。
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電子カルテの活用で不可欠な信頼性・安全性の高いネットワーク
こうした地域医療の連携や救急医療などの医療活動を支えるのが、新病院の電子カルテシステムである。電子カルテの意義について金澤氏は「患者さんの検査データや画像データなどの情報を各部門で迅速かつ効率的に共有しながら診療に役立てられます。また、DPC(包括的診療報酬)の分析など、病院経営の面でも活用できると期待しています」と述べる。

そして、新病院では電子カルテシステムの導入とともに、院内ネットワークを構築している。「電子カルテを活用するうえで、信頼性、安全性の高いネットワークが不可欠です。万一、ネットワークの障害でシステムが使えなくなるような事態になれば、診療にも大きな影響を及ぼします。今回、院内ネットワークを冗長化するなど、システムの安定稼働を担保しており、心強く思っています」と金澤氏は評価する。

院内ネットワークの構築にあたり、さまざまな角度から新病院に求められるネットワークの要件について検討。まず、金澤氏が指摘するように、「システムを止めない、信頼性の高いネットワーク」が不可欠になる。また、地域の基幹病院として救急患者をはじめ、さまざまな疾患の患者を受け入れることから、院内ネットワークに接続される医療機器も大規模になる。

例えば、画像ではX線やCT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像)、エコー(超音波)検査などの多種多様なデータがストレージに保存される。さらに今後、より高度な医療機器の導入なども考えられ、院内ネットワーク上では大容量データがやり取りされることになる。

こうした大容量データに対応し、信頼性の高い院内ネットワーク構築のためにコア・スイッチを冗長化することは、もはや当然になっている。だが、これまでスイッチの冗長化といえば1台を主装置に用い、もう1台はスタンバイ機にする形態が一般的だ。複数台のスイッチをアクティブに動作できないだけでなく、スタンバイ用のスイッチの電力も必要になり、サーバー室の消費電力も無視できないものになる。また、消費電力の多いスイッチは、冷却用コンポーネントの搭載などでコストが割高になる傾向もある。

そこで、新病院の院内ネットワークでは、冗長化したコア・スイッチをすべてアクティブとして動作させることで信頼性を確保するとともに、機器のムダをなくす、省電力のスイッチでできるだけコストを抑える、医療設備の追加にも柔軟に対応できる拡張性を備えるといった要件を定義している。
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VCS機能とリンクアグリゲーションでコア・スイッチと経路を冗長化
ネットワーク機器
サーバー室ラック内のSBx908、x900-24XT、GS916M、GS924L、FS917M-PS。
高崎総合医療センターの院内ネットワーク構築を担当した電通システムでは、これらの要件を満たすコア・スイッチとしてアライドテレシスの「SwitchBlade x908」を2台、電子カルテシステムなどのサーバー接続用に「x900シリーズ」を4台、選定している。SBx908とx900シリーズはそれぞれVCS機能を用いて冗長化し、すべてのスイッチがアクティブとして動作する。また、各フロアにはギガビット対応のエッジ・スイッチ「GS916M」を2台設置。SBx908とのリンクアグリゲーションにより、経路の冗長化と帯域の増強を図り、最大4Gbpsの基幹LANを構成している。

また、各フロアの「GS916M」と「GS924L」はそれぞれ経路を冗長化し、機器の障害時には手動で切り替える仕組みだ。加えて、ループガード機能を備えた「GS916M」を用いることで、万一、職員がケーブルを誤接続した場合にも、障害を局所化できるように工夫した。

院内ネットワークの設計に加え、各スイッチの設定・導入を行なっているが、新病院が建設中だったこともあり、苦労したようだ。「ネットワークの配線工事などは6月から9月までの4ヵ月間で実施しています。この間、擬似的なネットワークを設け、VCS機能などの動作を検証しています。SBx908やx900シリーズのコンフィグの設定などはアライドテレシスのサポートを受けながら進めました」と電通システムの技術部主任、上原崇志氏は述べる。
上原 崇志氏
電通システム株式会社
技術部 ソリューション担当
主任 上原 崇志氏


新病院の竣工とともに、2009年10月から院内ネットワークが本格稼働を開始。電子カルテシステムに接続される端末や検査などのサブシステムの端末、プリンタなどを合わせると1,000台を越える機器がネットワークに接続されている。

そして、患者の電子カルテや画像、検査データなどはミッションクリティカルな個人情報のため、院内ネットワークのセキュリティーに配慮している。電子カルテシステムの利用に際し、放射線、外来、病棟、薬剤、検査など10以上のセグメントを分け、VLANを構成。さらに、インターネットなど外部接続用のネットワークは別に設けるほか、病室内には情報コンセントを設置せずにリスクを未然に回避している。
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無線LANと電子カルテの活用で病棟で確実にデータを確認
AT-TQ2403
1階から7階までの各フロアに設置されたAT-TQ2403。
新病院では有線LANのほか、院内ネットワークで一般的になってきた無線LANを活用。フロアにIEEE 802.11a/b/g対応無線LANアクセスポイント「AT-TQ2403」を約70台とPoE対応スイッチ「FS917M-PS」を導入している。

AT-TQ2403はセキュリティー機能のWPA(Wi-Fi Protected Access)/WPA2に対応するほか、きめ細かな設定が可能なVLAN対応、電波干渉を検知してチャンネルを自動的に変更するAPクラスターなどの機能を装備する。

「医療機器などの干渉を避けるため、IEEE 802.11aのW52、W53のチャンネルを利用できるAT-TQ2403を選定しています。病院内が工事中のため、事前のサイトサーベイが十分に行えず、アクセスポイントの設置場所の確認に苦労しました。新病院の業務開始後、無線LANを稼働しながら調整を行い、現在は病室内からも良好に無線アクセスできます」と電通システムのネットワーク推進部部長、峯岸稔氏は述べる。
峯岸 稔氏
電通システム株式会社
ネットワーク推進部
部長 峯岸 稔氏


例えば、看護師はノートPCを使って入院患者のベッドサイドで体温や血圧などのデータを入力したり、電子カルテに記載された投薬情報を参照したりするなど、「医療スタッフが患者さん一人ひとりの情報を共有し、確実にデータを確認できるようになります」と、金澤氏は無線LANによる電子カルテの活用に期待する。

また、病診連携での電子カルテの活用について尋ねてみた。金澤氏は「オンライン検査予約及び検査返信システムの導入を検討しています」と話す。登録医に対しては、地域医療連携室で患者の情報を確認したり、主治医と治療方針を話し合う体制を整えているという。

「いずれにしても、電子カルテと院内ネットワークは使い始めたばかりのため、今後、使いやすさなどを検証していきます。電子カルテを十分に活用するためにも、ITベンダーには信頼性と安全性の高いネットワークの維持を期待しています」と付言する。

高崎総合医療センターでは「患者さんから信頼される病院を目指します」を病院の理念にしている。その基盤となる信頼される院内ネットワーク、「止まらないネットワーク」づくりをアライドテレシスの製品が担っている。(取材:2009年12月)
ネットワーク構成図
プロフィール
■電通システム株式会社
本社:群馬県高崎市緑町2-4-5
設立:1959年3月
資本金:1,000万円
情報システム、通信システム、弱電設備、工事施工の各種事業を展開。長年にわたり蓄積したITの技術とノウハウをベースに広範なネットワーク・ソリューションを提供している。
http://www.den-sys.co.jp
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