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導入事例
ヤマサ醤油株式会社
リング型プロテクション「EPSR」対応スイッチで止まらないネットワークを実現
ヤマサ醤油株式会社
「ヤマサ醤油株式会社」
日本の食生活に欠かせない醤油やつゆなどの製品を製造・販売するヤマサ醤油では、銚子工場の構内LANを刷新。広大な敷地に点在する本社事務所、工場、研究所などを光ファイバーで結ぶ基幹LANの冗長化を図るため、イーサネットリングプロテクション「EPSR(Ethernet Protected Switched Ring)」機能に対応するアライドテレシスのギガビット・レイヤー3スイッチ「CentreCOM 9924Ts」を導入。万一のネットワーク障害時にも瞬時の経路切り替えが行え、生産・物流などの業務に影響を与えることのない「止まらないネットワーク」を実現している。リング型ネットワーク導入の狙いを情報システム管理室の各氏に聞いた。
プロフィール
■ヤマサ醤油株式会社
本社:千葉県銚子市新生町2-10-1
創業:1645年(設立は1928年11月)
資本金:3億7,500万円
従業員数:850名(2006年12月現在)
ヤマサの事業領域は、醤油醸造からバイオテクノロジーまで広がり、食と医の分野で社会に貢献。銚子の本社・工場のほか、支店・営業所を全国の主要都市に展開。また、米国オレゴン州に海外工場を持ち、米国全土にヤマサ醤油を出荷している。
http://www.yamasa.com
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ミッションクリティカルな業務システムを支えるLAN
構内LANの冗長化を図るためリング型ネットワークを検討
ヤマサの要件に合致したEPSR対応スイッチを導入
高速・広帯域のLANを活用し今後はVoIPなどを展開
ミッションクリティカルな業務システムを支えるLAN
仲川 宏志氏
ヤマサ醤油株式会社
経理・総務本部
情報システム管理室 室長
仲川 宏志氏
ヤマサ醤油(以下、ヤマサ)が千葉県銚子で醤油醸造を始めたのは江戸時代の1645年(正保2年)に遡る。当時から品質にこだわった醤油として知られ、幕府から「最上醤油」の称号が与えられた。ヤマサのシンボルマークにある「上」の字は、高品質の証として今日に受け継がれている。この醤油醸造で培った麹菌など微生物の研究・技術を生かし、1950年代にうまみ成分の工業化に成功。うまみ調味料として製品化され、新しい食品の開発、発展に寄与してきた。

そして、醤油とうまみ調味料のノウハウを生かし、その後、昆布つゆなどの各種つゆ・たれを相次いで開発し、日本の食卓を彩ってきた。また、うまみ成分の核酸技術を応用して200種を超える核酸関連化合物を生産し、医薬品や診断薬などの市場へ供給している。

こうしたヤマサの事業拠点となるのが、銚子工場である。約7万坪の広大な敷地(東京ドーム4つ分)には本社事務所、第1・第2工場、研究所などの主要施設が配置されている。そして、同社では2003年に情報システムを刷新した。製造から販売にいたるまで品質を管理するトレーサビリティ・システムをはじめ、生産・販売、データベースなどの各種システムが稼働している。「ミッションクリティカルな基幹業務システムのインフラとして、止まらないネットワークが不可欠だったのです」と、ヤマサの経理・総務本部情報システム管理室長、仲川宏志氏は話す。というのも、銚子工場の構内LANはさまざまな課題を抱えていたからだ。
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構内LANの冗長化を図るためリング型ネットワークを検討
網谷 佳久氏
ヤマサ醤油株式会社
経理・総務本部
情報システム管理室 室長代理
網谷 佳久氏
銚子工場では従来、各事業部門ごとにLANを構築し、業務システムを運用してきた。システム刷新により、各業務システムを統合する基幹業務システムを導入。「業務システムの統合化に向け、各事業部のLANを相互接続してきたのですが、網の目のように継ぎ足しになり、ネットワークがどのように接続されているのか把握するのが困難な状況でした。そのため、トラブルが発生しても障害箇所を素早く特定できず、工場内を歩いて調べなければなりませんでした」と、情報システム管理室長代理の網谷佳久氏は振り返る。

佐々木 泰明氏
ヤマサ醤油株式会社
経理・総務本部
情報システム管理室 主任
佐々木 泰明氏
銚子工場では15年ほど前に構内LANを構築し、イエローケーブルがいたるところに張り巡らされていた。太平洋に隣接する工場のLANにとって自然環境は厳しく、塩害や風雨によるトランシーバー障害なども発生していたという。屋外に設置されたリピーターを屋内に移設するなどの対処を行ってきたが、複雑化し、老朽化するLAN配線の根本的な解決策にはならない。「事業部が独自にLAN機器を構内LANに接続することもあり、ループが発生しても原因を特定できず、深刻な問題になっていました」と、情報システム管理室主任の佐々木泰明氏は打ち明ける。

「ネットワークが止まると作業指示などが行えず、製品の生産、出荷にも大きな影響を与えることになります。そこで、構内LANの再構築に向けて検討を始めたのです」(網谷氏)。2006年から2007年にかけてのことだ。

LAN再構築の要件として、耐障害性が高く、止まらないネットワークであることと、トラブル発生時に情報システム管理室の机上から障害箇所を特定できることを最重点にした。「その止まらないネットワークの手段として、光ファイバーのリング型ネットワークによる冗長化を考えたのです。広大な工場内に新たに光ファイバーを敷設するとなると、その費用対効果もポイントになります。スター型に比べ、リング型ネットワークのほうがケーブルコストも抑えられると判断しました」と網谷氏は説明する。
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ヤマサの要件に合致したEPSR対応スイッチを導入
ネットワーク機器
工場構内のLANを支える「EPSR」対応ギガビット・レイヤー3スイッチ「CentreCOM 9924Ts」、部門LAN用ギガビット・レイヤー2plusスイッチ「CentreCOM 9424T/SP」。
情報システム管理室ではリング型ネットワークによる構内LAN構築の提案を複数のインテグレーターに依頼。各インテグレーターでは海外ベンダーのLANスイッチを用いたリング型ネットワークの冗長化を提案したが、機器のコスト面で折り合わず、再検討を余儀なくされていたという。「そんなとき、アライドテレシスのスイッチがリング型ネットワークの冗長化機能であるEPSRに対応することを知ったのです。当初、提案を依頼していた日興通信からも、そのアライド製品の情報がタイミングよく寄せられました。冗長化機能など技術面はもろん、機器のコストパフォーマンスも要件にぴったりでした」(網谷氏)。

高木 久志氏
日興通信株式会社
鹿島支店営業課 主任
高木 久志氏
イーサネットリングプロテクション機能であるEPSRは、トポロジーをリング構成のネットワークに特化した、レイヤー2のループ防止・冗長化機能で、RFC3619として標準化されている。複数のスイッチ(ノード)で構成し、1台はリングの動作を制御するマスターノードとして、他はトランジットとして機能。各スイッチの役割を固定することで、障害の検出と経路の切り替えを高速に行う仕組みだ。そして、レイヤー3スイッチでEPSRを構成することにより、負荷分散型のリングネットワークを構築できる。また、スター型配線に比べ、リング型トポロジーはネットワーク機器の投資やケーブル費用などの敷設コストを抑制できる利点もある。

杉山 和茂氏
日興通信株式会社
ネットワークソリューション事業部
システムインテグレーション部
部長 杉山 和茂氏
「トラフィックが増える基幹系は光ケーブル、支線系はUTPケーブルを用いることで、配線コストを抑制しています」と、ネットワーク設計をした網谷氏は話すが、銚子工場内の光ファイバーのリングネットワークの総延長距離は4kmにおよぶという。そして、EPSR対応のギガビット・レイヤー3スイッチ「CentreCOM 9924Ts」を7台導入し、リングネットワーク上の本社事務所や工場、研究所などの主要施設に設置。その配下の部門LAN用にギガビット・レイヤー2plusスイッチ「CentreCOM 9424T/SP」やレイヤー2スイッチ「CentreCOM GSシリーズ」、「CentreCOM FSシリーズ」を導入している。

ケーブルの敷設をはじめ、構内LANの構築は、提案内容が最適であった日興通信が、同社営業担当の高木久志氏の指揮により実施。「工場への導入に先立ち、自社内に検証環境を構築して動作検証を実施しています。擬似的に障害を発生させ、想定通りに経路が切り替わるかどうか確認。EPSRは経路切り替えが速いのでダウンタイムを最小化でき、LANの耐障害性を向上できるメリットがあります」と、日興通信(株)ネットワークソリューション事業部システムインテグレーション部部長の杉山和茂氏は話す。そして、銚子工場のリングネットワーク構築後、冗長化の動作を検証。「擬似障害を発生させ、高速に経路を切り替えられることを確認できました」と網谷氏は評価する。
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高速・広帯域のLANを活用し今後はVoIPなどを展開
ヤマサ銚子工場では、2007年12月から新構内LANの本格化稼動を開始。その導入効果について、仲川氏は「LANの安定稼動により、社員は空気のようにネットワークの存在を意識することなく、システムを活用した業務が行えます。以前のようにトラブル時の問い合わせがなくなり、情報システム管理室のスタッフの負荷軽減にも役立っています」と述べる。そして、9924TsをベースにVLANを構成。「従来、事業部ごとに運用していたネットワークをVLANで一元的に管理でき、変更・拡張にも柔軟に対応できます」と網谷氏は導入効果を話す。

また、ネットワークの状況を机上から一元監視できるアプライアンス「BTmonitor」を導入。「これまで、リングネットワークの障害は発生していませんが、万一の障害時には管理者へメールで通知する仕組みにより、障害箇所の特定も容易に行えます」と、佐々木氏は運用管理の効率化を述べる。

構内LAN再構築の狙いは、基幹LANの耐障害性に加え、情報セキュリティーの強化とネットワークの冗長化である。その一環として、ワークグループに設置した「FSシリーズ」のMACアドレス認証機能を用い、LANに接続する端末認証を行う準備を進めているところだ。さらに、「基幹系、支線系LANとも高速・広帯域になったことにより、今後、工場内のデータと音声を統合し、さまざまなアプリケーションに対応できるインフラを整備できました」と網谷氏は評価する。

今後のネットワーク活用に向け、「端末認証の設定の簡易化を含め、アライドテレシスのソリューションに期待しています」と、網谷氏は話す。また、ヤマサのネットワークサポートを担当する日興通信のエンジニア本嶋豊氏は「EPSRは従来のネットワーク技術を踏襲して構築でき、プロトコル管理も容易です。リングネットワークは冗長化の選択肢として広がるのではないでしょうか。今後とも、アライドテレシスには手厚いサポートをお願いしたいですね」と述べる。

創業以来、品質を追求し、新技術にこだわりながら、安全・安心の製品を食卓に提供してきたヤマサ。「止まらないネットワーク」の構築を、アライドテレシスの新しいリングネットワーク技術であるEPSR対応スイッチを通じて実現している。(取材:2008年2月)
ヤマサ醤油銚子本社工場全景
およそ7万坪の敷地を持つヤマサ醤油銚子本社工場全景。
ネットワーク構成図 ネットワーク構成図
ネットワーク構成図 ネットワーク構成図
ネットワーク構成図 ネットワーク構成図
プロフィール
■日興通信株式会社
本社:東京都世田谷区桜丘1-2-22
創業:1947年(設立は1960年4月)
資本金:4億9,600万円
従業員数:486名(2006年3月末現在)
主な事業内容は、コンピュータ・通信機器・半導体・映像機器を活用した情報システムの設計・Webデザイン・ソフトウェア開発・販売・導入・工事・保守・教育などを展開している。
http://www.nikkotelecom.co.jp
 
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