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佐賀県呼子町・玄海地域イントラネット
動画像の観光情報など
ブロードバンドをフルに活用した 地域イントラネット
佐賀県呼子町・玄海町
「佐賀県呼子町・玄海町地域イントラネット」
九州・玄界灘を眼前に望む佐賀県呼子町と玄海町では、地域イントラネット基盤施設整備事業を推進。両町をギガビットイーサネットで直結する超高速・広帯域バックボーンとCATVネットワークを活用し、役場や学校、消防署などの公共施設や地域住民にタイムリーな情報提供を行う行政情報システムや観光情報提供システムなどのアプリケーションが2003年4月から本格稼動を開始している。このネットワーク・インフラを担うのが、アライドテレシスが提供するエクストリームネットワークス社製レイヤー3スイッチ「Alpine3808」や、「CentreCOM8624XL」などの製品群だ。呼子町役場企画情報調整課情報係長の藤松光彦氏に地域イントラネットの活用法や今後の展開などを聞いた。
佐賀県東松浦郡呼子町プロフィール
1928年8月1日に町制施行。佐賀県の北西、東松浦半島の最北端に位置し、総面積は7.28km2。呼子大橋でつながった加部島、離島の小川島があり、住民は約6,300人。海岸部は玄海国定公園に指定され、県内外から多くの観光客を集めている。Webカメラの閲覧などは、呼子町役場ホームページへ。
http://www.city.karatsu.lg.jp/
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だれもがITの恩恵を享受できる社会に向けて地域イントラネットを構築
町の観光ポイントをリアルタイムに閲覧できるWebライブカメラ
VoIP技術を用いたIP告知装置で防災情報を家庭に配信する構想も
コストパフォーマンスと拡張性を評価してアライド製品を導入
地域イントラネットを活用したテレビ中継など動画が当たり前の時代に
だれもがITの恩恵を享受できる社会に向けて地域イントラネットを構築
藤松光彦氏
呼子町・玄海町地域イントラネットを推進する呼子町役場企画情報調整課
情報係長
藤松 光彦氏
佐賀県北西部、東松浦半島の最北端に位置する港町、呼子。眼前に広がる玄界灘は、わが国有数の漁場として知られ、イカをはじめとした豊かな海の幸を育む。水揚げされた水産物を活かした活魚料理と美しい自然景観が調和し、県内外から多くの観光客を集めている。とくに、新鮮な魚介類や野菜がところ狭しと並べられる呼子の朝市は、町の風物詩ともなっている。

こののどかな港町の風景をインターネットで楽しむ人が増えている。壱岐へのフェリーが発着する海上ターミナルなど町内11カ所に設置されたWebライブカメラを介して、呼子の「今」を見ることができるからだ。「例えば、呼子町を見下ろす国民宿舎「呼子ロッジ」に設置されたライブカメラは、釣り場の状況がひと目でわかることから、釣りファンには欠かせない情報提供手段にもなっています」と話すのは、地域イントラネットの構築・運用を推進し、Webライブカメラの発案者でもある呼子町役場企画情報調整課係長の藤松光彦氏だ。

呼子町と玄海町との地域イントラネット構想が持ち上がったのは2001年に遡る。地理的、歴史的にも深いつながりのある唐津市と呼子町、玄海町など東松浦郡の1市7町2村との合併協議を視野に入れ、まず、呼子町と玄海町が一体になって最先端の情報基盤を整備するというもの。その狙いは、だれもがブロードバンドなどのITの恩恵を享受できる社会を実現することにある。

そして、2002年から呼子町・玄海町地域イントラネット基盤施設整備事業に着手。具体的には、呼子町と玄海町を光ファイバーで直結し、両町の役場や学校、公民館、スポーツセンター、消防署などの公共施設を超高速・広帯域のギガビットイーサネットで相互接続する。また、両町が出資して新たに設立された第3セクターのCATV会社、ネットフォーと連携し、CATV放送やCATVインターネットのサービスを提供するなど、住民や産業の活性化と振興を目指して地域イントラネットの整備が進められている。
 
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町の観光ポイントをリアルタイムに閲覧できるwebライブカメラ
呼子町・玄海町地域イントラネットは2003年4月から本格稼動を開始し、行政や教育、防災などの高度化に貢献している。例えば、行政情報提供システムでは、各種行政情報や介護福祉情報、生涯学習情報などを提供。公共施設に設置されたキヨスク端末や自宅のパソコン、CATV放送を通じて行政情報が提供されるほか、インターネットを利用して行政に対する意見交換など、役場と住民との双方向のコミュニケーションを可能にしている。

そして、行政情報提供システムの特徴の一つが、イントラネットビデオリクエストシステムで、いわば「CATV放送の電リク版」だ。これは、パソコンを所有していない、あるいは操作が苦手な住民向けに、家庭の電話を用いてCATVで放送された行政情報などの動画コンテンツをリクエストし、ネットフォーのVODサーバーから全戸に向けて再放送するもの。例えば、孫が通う保育園の運動会の模様など、放送済みの番組をリクエストに応じて再放送することにより、日中、仕事などで番組を見逃した人にも便利な情報提供手段となっている。

「介護福祉情報などVODサーバーに蓄積するコンテンツを拡充することにより、インターネットを利用しにくいお年寄りでもCATVであれば容易に視聴でき、地域住民の情報格差の解消にも役立ちます」と藤松氏はその狙いを話す。

ネットフォーは地域イントラネットのギガビットイーサネット網に直結され、CATVインターネットの利用者も快適なネットワーク環境で動画コンテンツを閲覧できる環境を整えている。

また、動画コンテンツを活用した観光情報提供システムも特筆できる。前述のWebライブカメラを両町の主要公共施設に設置し、インターネットやキヨスク端末、ブラウザ付き携帯電話を介してリアルタイムに町の様子を閲覧できる。Webライブカメラはギガビットイーサネットで地域イントラネットに接続され、閲覧者はパソコン操作でカメラを左右に振ったり、ズームできることから、より詳細な風景を確認したり、道路の混雑状況や駐車場の利用状況、天気などの生の情報を簡単に入手できる。

「Webライブカメラによる観光情報の提供を開始してから、呼子町ホームページのアクセス数が倍増しました。観光客のほか、県外にいる地元出身者が町の様子を閲覧するケースも多く、好評です」(藤松氏)。観光情報のほか、防災情報にもWebカメラが利用され、例えば火災の通報時に町役場からカメラを操作して現場の状況を確認するなど、リアルタイムの動画ならではの使い方をしている。
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VoIP技術を用いたIP告知装置で防災情報を家庭に配信する構想も
防災情報提供システムは、火災や水害、台風などの緊急時にCATVやインターネット、携帯端末などに情報を発信し、消防団などの防災関係者に現場の位置や指示を伝達するなど、地域住民の安全確保に重要な役割を担う。呼子町ではそのインフラとして、各家庭にケーブルモデムの配布を進めているところだ。

呼子町には防災の特殊事情がある。一般の防災情報の提供にくわえ、付近に玄海原子力発電所があり、原子力発電所の事故に備えた防災体制が不可欠になる。「そのため、付近の町では防災行政無線用の受信機を各家庭に設置していますが、呼子町は予算などの兼ね合いもあり、これまで町の役職者や消防団の幹部宅にのみ受信機を設置していました。

しかし、地域イントラネットとCATVにより、マルチメディア情報を流せるようになったことから、無線受信機に代えて、ケーブルモデムとVoIP(Voice over IP)技術を活用したIP告知装置を家庭に配布する構想もあります」と藤松氏は述べる。万一のときにはCATVネットワークを介して防災情報を提供する狙いだ。

このほか、地域イントラネットのアプリケーションには、呼子町・玄海町の各学校がテレビ会議などを用いた双方向の情報交換、交流が行える学校間交流システムや、両町の学校・図書館に所蔵された書籍をインターネットで検索できる学校図書管理システム、公共施設の利用状況を管理し、キヨスク端末やインターネットで施設利用の予約受付が行える公共施設予約システムなどが稼動している。
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コストパフォーマンスと拡張性を評価してアライド製品を導入
Alpine3808
地域イントラネットとで直結するネットフォー内に設置されたギガビットイーサネットレイヤー3スイッチ「Alpine3808」
地域イントラネットのインフラを支えているのが、アライドテレシスが提供するネットワーク製品群だ。二町の情報センター(ネットフォー)と玄海町役場にはそれぞれギガビットイーサネット対応レイヤー3スイッチ「Alpine3808」が設置され、1Gbpsの光バックボーンを構成。また、町内の小中学校や社会体育館などの公共施設及び、Webライブカメラの制御用にギガビットの拡張が可能なファーストイーサネットインテリジェント・スイッチ「CentreCOM 8216XL」などの製品が導入されている。

呼子町企画情報調整課では地域イントラネットの構築にあたり、各ベンダーのスイッチ製品を比較・検討した結果、アライド製品の導入を決定。「他社製品に比べ、コストパフォーマンスと拡張性に優れていた」(藤松氏)からだ。「限られた予算の中で、最大のパフォーマンスを発揮できることに加え、地域の基幹ネットワークに要求される高い信頼性と将来の各種アプリケーションに対応できる優れた拡張性を評価しました」と述べる。

呼子町・玄海町地域イントラネットは、両町に設置されたAlpine3808をコアに各公共施設をスター型に接続し、VLANで各種アプリケーション利用時のセキュリティを確保する仕組みだ。いくつかのインテグレータは、耐障害性を確保するためループ型の基幹ネットワークを提案したが、光ケーブルコストが膨大になるとの判断からスター型にした経緯がある。「コストは、冗長化機能などに優れた高性能なネットワーク機器の導入に充て、ネットワーク自体の二重化は、将来、周辺の自治体と合併後、イントラネット拡張時に判断すればいいと思います」と藤松氏は考えている。

地域イントラネットの構築とともに、呼子町役場や小中学校など公共施設のLANも整備している。役場では10Mbpsシェアードハブに代えて、地域イントラネットとの接続用にギガビットイーサネットインテリジェント・スイッチ「CentreCOM 9006T」や、基幹LAN用にファーストイーサネットインテリジェント・スイッチ「CentreCOM 8224XL」、フロアLAN用にファーストイーサネット・スイッチ「CentreCOMFS708EX V1」などを導入。

ギガビットの回線速度で町内に設置したWebライブカメラのモニターなどが行えるほか、役場のフロアLANは100Mbpsの高速LAN環境を実現している。「Webライブカメラ導入後、県外からアクセスが増えた観光課の職員はもちろん、他の職員も県などの大容量ファイルを瞬時にダウンロードできるようになり、業務の効率化にも大いに役立っています」(藤松氏)と導入効果を述べる。
モニタ カメラ
町内11カ所に設置されたWebカメラ

また、個人情報を取り扱う役場内の各部署をVLANでセグメント分けしてセキュリティを確保するほか、高速ネットワーク環境が整備されたことで、職員にCCDカメラ付きのパソコンを配布。役場内のみならず、出先機関の職員とデスクトップ会議を行えるようにするなど、フェース・ツー・フェースのコミュニケーションに役立てる計画だ。
ネットワーク構成図
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地域イントラネットを活用したテレビ中継など動画が当たり前の時代に
「アライドテレシスはネットワークのノウハウが豊富で、私たちの相談役として今後のシステム拡張にもさまざまな提案をお願いしています」と藤松氏は述べる。その一つが、前述のVoIP技術を活用した防災用IP告知装置だ。災害時に各家庭への緊急連絡のみならず、平時には呼子町内で利用できるIP電話として機能させることも不可能ではない。

このほか、ギガビットイーサネットの基幹ネットワークを活用したテレビ中継の構想もある。「小学校の運動会など、地域の行事を町内の各家庭に配信するもので、超高速・広帯域の地域イントラネットにより、ハイビジョンクラスの動画中継も可能です」(藤松氏)。

Webライブカメラの導入効果が証明しているように、「役場内のデスクトップ会議にしても、各家庭へのテレビ中継にしても、いずれ動画が当たり前の時代になります。動画を活用して介護が必要なお年寄りの様子を役場で確認するなど、さまざまなネットワークの活用法が考えられます」と藤松氏は今後の展開を話す。

また、「時期は未定」と前置きしながら、町村合併の対象となる他の自治体との地域イントラネット拡大も今後の検討課題になっており、高度情報化で先行する呼子町企画情報調整課に助言を求める自治体もあるという。

かつて呼子は、壱岐・対馬を経由する大陸との交通の要衝として歴史の表舞台にたびたび登場した。そして現在、最先端ネットワークで地域情報の交差点を担う。この地域イントラネットのインフラをアライドテレシスが支えている。
 
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