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AT-MCF2000 コマンドリファレンス
ファイルシステム / 概要
- 物理デバイス
- ファイルシステム
- ファイル名
- ファイルの指定方法
- ワイルドカード
- ファイルの操作
本製品の2次記憶装置とファイルシステムについて説明します。
物理デバイス
マネージメントモジュールとラインカードはそれぞれのモジュール上に、システム再起動後もデータが保持される2次記憶装置としてフラッシュメモリーを搭載しています。
フラッシュメモリー上には独自のファイルシステムが構築されており、ファイル単位でデータにアクセスすることが可能です。詳しくは次節「ファイルシステム」をご覧ください。
フラッシュメモリーは一般的なコンピューターのハードディスクに相当する記憶装置です。通常のファイル操作はこのメモリーに対して行います。フラッシュメモリーには、ファームウェア(リリース)ファイル、コンフィグファイルなどが格納されます。
ファイルシステム
各モジュールの内蔵フラッシュメモリー上にはファイルシステムが構築されており、ファームウェアや設定データを「ファイル」として扱うことができます。
本製品では、マネージメントモジュールとラインカードそれぞれに以下の特徴があります。
- ファームウェアとブートローダーがインストールされている
- ファームウェアとブートローダーには専用の領域が用意されている
- それぞれが設定を保持しており、マネージメントモジュールを使用せず運用する場合でも、ラインカードが自身の設定情報を読み込み、起動できる
コンフィグファイルに変更を保存すると、各ラインカードの外部コンフィグファイルが更新され、本システム内の設定は、マネージメントモジュールのアクティブマスターコンフィグ(起動時マスターコンフィグ)に集約されます。
このため、コンフィグファイルの操作(コピー、削除、ファイル名の変更)は、おもにマネージメントモジュール上のファイルシステムに対して行います。コンフィグファイルについては「コンフィグレーション」/「概要」を参照してください。
ファイル名
ファイル名は次の形式で表されます。
表 1
記号 |
説明 |
filename |
ファイル名。最大文字数は拡張子を含めて25文字まで。指定可能文字は、半角英数字とハイフン[-]、アンダーバー[ _ ]、ピリオド[.]、開始丸カッコ[(]および閉じ丸カッコ[)]。大文字小文字が区別される |
ext |
拡張子。ファイル名には必ず拡張子を付ける必要がある |
次におもな拡張子の一覧を示します。
表 2
拡張子 |
ファイルの種類 |
cfg |
コンフィグファイル。システムの設定情報を保存する |
bin |
ブートローダーファイル |
img |
ファームウェアファイル |
Note - 大文字の「MM」および「BM」で始まるファイル名はシステムによって予約されているため、使用することはできません。
ファイルの指定方法
ファイルシステム上のファイルを指定する場合、「system://」に続けてファイルの保存先およびファイル名を次の形式で指定します。
「system://シャーシID/スロットID/ファイル名」
- 「system://」は大文字小文字を区別しませんが、省略系を使うことはできません。
- シャーシIDは常に0を指定します。
- スロットIDは、以下のスロットを意味します。各スロットのIDと装着されているモジュールの情報は、SYSTEM SHOW CHASSISコマンドまたはSYSTEM SHOW CLUSTERコマンドで確認することができます。
表 3
ID |
スロット |
1/2 |
ラインカードスロットのスロット1/2 |
m(小文字) |
マネージメントモジュールスロット |
Note - コマンドでスロットIDを指定する場合、大文字小文字を区別しますのでご注意ください。
たとえば、マネージメントモジュールのファイルシステム上にあるコンフィグファイル「mcf2000.cfg」は、次のように表します。
「system://0/m/mcf2000.cfg」
ワイルドカード
ファイルを操作するコマンドの中には、ワイルドカード(*)を使って複数のファイルを一度に指定できるものがあります。ワイルドカード(*)は「任意の文字列」を示すもので、次のように使います。
■ ファイル名がtestから始まるファイルをすべて表示
# FILE SHOW FILESYSTEM=system://0/m/test* ↓
|
■ コンフィグファイル(.cfg)だけを一覧表示
# FILE SHOW FILESYSTEM=system://0/m/*.cfg ↓
|
Note - ワイルドカード(*)を複数指定(*_test.*)や中間一致(foo*.cfg)に使用することもできます。
■ 以下のコマンドでワイルドカードが使えます。
ファイルの操作
おもなファイル操作についてコマンド例を示します。
■ ファイルの一覧は、FILE SHOWコマンドでワイルドカードを使い、以下のように指定します。
# FILE SHOW FILESYSTEM=system://0/m/* ↓
|
Note - ファームウェアとブートローダーはファイルシステムとは別にアプリケーションブロック(appblock)、ブートブロック(bootblock)と呼ばれる領域に保存されています。このため、FILE SHOWコマンドでは表示されません。
■ ファイルを削除するにはFILE DELETEコマンドを使います。
# FILE DELETE FILESYSTEM=system://0/m/test01.cfg ↓
|
■ ワイルドカード(*)で複数ファイルをまとめて削除することも可能です。
# FILE DELETE FILESYSTEM=system://0/m/test*.cfg ↓
|
Note - ワイルドカード(*)を使ってファイルを削除する時は、必要なファイルまで削除してしまわないよう十分にご注意ください。
Note - 削除したファイルを元に戻すことはできません。ファイル操作時は十分注意してください。
■ ファイルをコピーするにはFILE COPYコマンドを使います。
# FILE COPY SRCFILE=system://0/m/current.cfg DSTFILE=system://0/m/backup.cfg ↓
|
Note - FILE COPYコマンドではモジュール間のファイルのコピーは行えません。その場合はFILE DOWNLOADコマンドまたはFILE UPLOADコマンドを使用します。
■ ファイル名を変更するには FILE RENAMEコマンドを使います。
# FILE RENAME SRCFILE=system://0/m/new.cfg DSTFILE=system://0/m/old.cfg ↓
|
■ FILE DOWNLOADコマンドを使って、別のコンピューターからファイルをダウンロードできます。次の例ではTFTPサーバー(192.168.1.11)からコンフィグファイル「mcf2000.cfg」をマネージメントモジュールのフラッシュメモリーにダウンロードしています。TFTPサーバー上のファイルを指定する場合、「tftp://」に続けてTFTPサーバーのIPアドレスとファイル名を入力します。
# FILE DOWNLOAD SRCFILE=tftp://192.168.1.11/mcf2000.cfg DSTFILE=system://0/m/mcf2000.cfg ↓
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■ FILE UPLOADコマンドを使うと、コンフィグファイルをTFTPサーバーにアップロードできます。次の例では、マネージメントモジュールから「taisetsu.cfg」をTFTPサーバーにアップロードします。
# FILE UPLOAD SRCFILE=system://0/m/taisetsu.cfg DSTFILE=tftp://192.168.1.11/taisetsu.cfg ↓
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Note - TFTPサーバーの実装(UNIX系OSのtftpdなど)によっては、サーバー上にあらかじめファイルを作成しておかないとファイルのアップロードができないものがあります。これは、ファイルの新規作成に失敗するためです。このような場合は、サーバー上で空のファイルを作成し、すべてのユーザーに書き込み権限を与えてからアップロードしてください。
UNxXOS[1]# cd /tftpboot
UNxXOS[2]# touch karappo.cfg
UNxXOS[3]# chmod 666 karappo.cfg
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次の図は、ファイル操作のイメージ図です。

(C) 2012 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: 613-001739 Rev.A