AWCプラグイン編 / 各種操作 / その他の設定 / WDSによるネットワーク間のブリッジ


ルートAPの設定
サテライトAPの設定


WDS(Wireless Distribution System)を使用すると、無線通信でLAN間(アクセスポイント間)を接続(ブリッジ)することができます。有線でLAN間を接続できないような場合に便利です。ここでは、下記の構成を仮定します。

Note
WDSは、AT-TQシリーズ(通常ファームウェア)でのみサポートします。AT-TQシリーズ(SDN/OpenFlow対応ファームウェア)およびAT-MWS APシリーズでは未サポートとなります。

WDSには、以下の制限があります。


AWCプラグイン管理下のネットワークに直接接続された無線APをルートAP、WDS接続を経由してAWCプラグイン管理下のネットワークと通信を行う無線APをサテライトAPと呼びます。
1つのルートAPに対し、最大で4つのサテライトAPを登録することができます。


ルートAPの設定

AWCプラグイン管理下のネットワークに接続された無線AP、ルートAPから設定を始めます。

■ AP共通設定の作成
はじめに、WDSに使用する無線APに適用するAP共通設定を作成します。

このAP共通設定は、無線クライアントのアクセスを行わず、WDS専用に設定するための、ダミー設定です。
AP共通設定の作成、編集、削除」を参考に、無線1、無線2のVAP1にダミーのVAPを作成します。
VAPの作成の際には、以下の点に留意してください。

■ WDSに使用する無線APの登録
無線APの登録、情報編集、削除」を参考に、WDSに使用する無線APを登録します。
ここでは、先述の構成例に従い、「TQ4600-6F-WDS」として登録しています。

■ 個別設定(AP共通設定、チャンネル、WDS設定)の適用
無線AP個別設定」を参考に、WDS専用のAP共通設定を適用し、チャンネル設定、WDS設定を行います。
  1. AWCプラグインメニューから「無線設定」→「AP登録・設定」をクリックします。
    「設定機能/無線AP一覧」画面が表示されます。

  2. WDSに使用する無線AP(この例では「TQ4600-6F-WDS」)の行の右端にある「詳細(虫めがねアイコン)」をクリックし、「無線AP詳細」画面を表示します。
    この時点では、「設定情報」の「AP共通設定」は、「未設定」と表示されています。

  3. 「設定情報」の「編集」をクリックし、「個別設定」画面を表示します。

  4. 「AP本体」の「AP共通設定」ドロップダウンリストから、先ほど作成したWDS用のダミー設定を選択します。

  5. 「無線設定」にて、WDS接続に使用する無線のチャンネルを選択します。
    ここでは、例として、無線1の3chを使用するものとします。
    また、無線2は使用しないため、「+ 詳細設定」をクリックして表示される「無線送信の無効化」にて、「無効化中」にチェックを付けます。

  6. 「WDS設定」にて、「+ 追加」をクリックし、新しいWDS設定を作成します。
    今回は、「WDS1」が作成されます。

  7. 「無線送信」を「有効」にします。

  8. 「接続用無線インターフェース」を選択します。
    ここでは、先述の通り、「無線1」を選択します。

  9. 「MACアドレス」に、WDSの接続先となる無線APのMACアドレスを入力します。
    ここでは、先述の構成例に従い、「00:00:5e:00:53:c0」を入力します。

  10. 「セキュリティ」を設定します。
    「セキュリティ」には、先ほどダミーAP共通設定で作成したVAPと同じセキュリティを選択します。今回は「WPA Personal」を選択します。

  11. WDSに使用するSSIDを入力します。
    今回は、「WDS_test」と入力します。

  12. WDSに使用するSSIDのセキュリティーキーを入力します。
    複数のサテライトAPを登録する場合は、同じセキュリティーキーを使用してください。
    今回は、「himitsu!」と入力します。

  13. 複数のサテライトAPを登録する場合は、手順6~12を繰り返します。

  14. 画面右上の「保存」ボタンをクリックします。
    「無線AP詳細」画面に切り替わり、無線APへの設定適用が自動で行われます。
ルートAPの設定は以上です。

サテライトAPの設定

ルートAPの対向に接続する無線AP、サテライトAPの設定を行います。

WDS設定が完了していない場合、サテライトAPはAWCプラグインの管理対象として表示できません。サテライトAP側のネットワークに配備する前に、またはサテライトAP側のネットワークで、無線APのWeb設定画面から設定を行う必要があります。
無線APのWeb設定画面での設定方法は、AT-TQシリーズ リファレンスマニュアルをご覧ください。

手順は次の通りです。

■ サテライトAPへのログイン
  1. サテライトAPと設定用コンピューターをPoEスイッチを介して接続します。
    Note
    無線APがACアダプター(別売)に対応した機種でACアダプターをご使用の場合は、無線APのLANポートと設定用コンピューターを直接接続することができます。詳しくは、AT-TQシリーズ無線APのユーザーマニュアルを参照してください。
    Note
    AT-TQ4400eは、ACアダプターに対応しておりません。PoEによる給電が必要です。

  2. インターネットブラウザーを使用して、サテライトAPのIPアドレスにアクセスします。
    Note
    コンピューターのIPアドレスは192.168.1.100/255.255.255.0など、本製品と同じネットワークに設定しておく必要があります。
    Note
    設定に使用しているネットワークにDHCPサーバーが存在しない場合に、本製品のIPアドレスは「192.168.1.230」となります。DHCPサーバーが存在すると、本製品はDHCPサーバーからIPアドレスを取得します。

  3. 管理者のユーザー名、パスワードを使用して、ログインします。
    Note
    AT-TQシリーズ無線APの初期設定時における管理者のユーザー名は「manager」、パスワードは「friend」です。

■ ダミーのSSID・セキュリティーの設定

WDSの暗号として「WPAパーソナル」を使用するために、「VAP/セキュリティー」画面で「WPAパーソナル」を選択します。該当の無線APはWDS専用として動作させ、無線クライアントに接続サービスを提供しません。
  1. 「詳細設定」/「VAP/セキュリティー」画面を開きます。

  2. 「無線」で「1」(2.4GHz帯)を選択します。

  3. 「VAP0」の「SSID」に「not for use」と入力します。

  4. 「VAP0」の「セキュリティー」で「WPAパーソナル」を選択し、「キー」に8~63文字のキーを入力します。接続サービスを提供しないので、「キー」はユーザーに公開しません。

  5. 「適用」ボタンをクリックします。

  6. 確認ダイアログが表示されますので、「OK」ボタンをクリックします。

■ チャンネルの選択
  1. 「詳細設定」/「無線」画面を開きます。

  2. 「無線」で「1」(2.4GHz帯)を選択します。

  3. 「ステータス」を「オン」に設定します。

  4. ルートAPでWDS用に選択したチャンネルに合わせて、「チャンネル」を設定します。
    ここでは「3」を選択します。

  5. 「適用」ボタンをクリックします。

  6. 確認ダイアログが表示されますので、「OK」ボタンをクリックします。

■ WDSの設定
  1. 「詳細設定」/「WDS」画面を開きます。
    AT-TQシリーズ無線APには、最大4つのWDS設定を設定できます。
    今回は、一番上のWDS設定欄を使用します。

  2. 「無線」で「1」(2.4GHz帯)を選択します。

  3. 「リモートアドレス」にルートAPのMACアドレスを入力します。
    ここでは、先述の構成例に従い、「00:00:5e:00:53:a0」を入力します。

  4. 「暗号化」で「WPAパーソナル」を選択し、ルートAPに設定したのと同じSSIDとキーを入力します。
    ここでは、SSIDに「WDS_test」、キーに「himitsu!」を入力します。

  5. 「適用」ボタンをクリックします。

  6. 確認ダイアログが表示されますので、「OK」ボタンをクリックします。

■ AWCプラグインへのサテライトAPの登録
以上の設定手順で、WDSによるブリッジングの設定が完了し、AWCプラグインのWeb管理画面からサテライトAPが確認できるようになります。
サテライトAPをAWCプラグインの管理下に追加する場合は、以下の手順で行います。

Note
無線APのWeb設定画面からWDS設定済みの無線APをAWCプラグインの管理下に追加する場合は、AP共通設定を選択し、適用する前に、個別設定によりWDSの設定を再度行う必要があります。
WDS設定が完了する前にAP共通設定を適用した場合、既存のWDSの設定が無効になり、AWCプラグインから管理できなくなる場合があります。

  1. サテライトAP側のネットワークにて、サテライトAPのIPアドレスを確認しておきます。

  2. AWCプラグインメニューから「無線設定」→「AP登録・設定」をクリックします。
    「設定機能/無線AP一覧」画面が表示されます。

  3. 確認したサテライトAPのIPアドレスとMACアドレス(この例では「00:00:5e:00:53:c0」)を使用して、「無線APの登録、情報編集、削除」を参考に、サテライト無線APを登録します。
    ここでは、先述の構成例に従い、「TQ4600-6F-SAT」として登録します。
    手動で登録を行う場合は、「無線AP登録」ダイアログにて「追加」ボタンをクリックすると、「無線AP詳細」画面が表示されますので、手順7に進んでください。

  4. AWCプラグインメニューから「無線設定」→「AP登録・設定」をクリックします。
    「設定機能/無線AP一覧」画面が表示されます。

  5. WDSに使用する無線AP(この例では「TQ4600-6F-SAT」)の行の右端にある「詳細(虫めがねアイコン)」をクリックし、「無線AP詳細」画面を表示します。
    この時点では、「設定情報」の「AP共通設定」は、「未設定」と表示されています。

  6. 「設定情報」の「編集」をクリックし、「個別設定」画面を表示します。

  7. 「AP本体」の「AP共通設定」ドロップダウンリストから、先ほど作成したWDS用のダミー設定を選択します。
    Note
    AP共通設定を選択したあと、WDSの設定が完了するまで、無線AP個別設定画面の「保存」ボタンをクリックしないでください。

  8. 「無線設定」にて、WDS接続に使用する無線のチャンネルを選択します。
    ここでは、例として、無線1の3chを使用するものとします。
    また、無線2は使用しないため、「+ 詳細設定」をクリックして表示される「無線送信の無効化」にて、「無効化中」にチェックを付けます。

  9. 「WDS設定」にて、「+ 追加」をクリックし、新しいWDS設定を作成します。
    今回は、「WDS1」が作成されます。

  10. 「無線送信」を「有効」にします。

  11. 「接続用無線インターフェース」を選択します。
    ここでは、先述の通り、「無線1」を選択します。

  12. 「MACアドレス」に、ルートAPのMACアドレスを入力します。
    ここでは、先述の構成例に従い、「00:00:5e:00:53:a0」を入力します。

  13. 「セキュリティ」を設定します。
    「セキュリティ」には、先ほどダミーAP共通設定で作成したVAPと同じセキュリティを選択します。今回は「WPA Personal」を選択します。

  14. WDSに使用するSSIDを入力します。
    今回は、「WDS_test」と入力します。

  15. WDSに使用するSSIDのセキュリティーキーを入力します。
    今回は、「himitsu!」と入力します。

  16. 複数のサテライトAPを登録する場合は、手順6~12を繰り返します。

  17. 画面右上の「保存」ボタンをクリックします。
    「無線AP詳細」画面に切り替わります。 この時点では、無線APに設定は反映されていません。

  18. AWCプラグインメニューから「無線設定」→「AP登録・設定」をクリックします。
    「設定機能/無線AP一覧」画面が表示されます。

  19. サテライトAP(この例では「TQ4600-6F-SAT」)の行の左端にあるチェックボックスをクリックし、選択します。

  20. 画面右上のスパナアイコンにマウスオーバーして表示されるサブメニューから、「設定適用」をクリックします。
サテライトAPの設定は以上です。複数のサテライトAPを登録する場合は、各APに本項の設定を行います。



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