ip route

モード: グローバルコンフィグモード
カテゴリー: IPルーティング / 経路制御


(config)# [no] ip route DESTINATION {GATEWAY|IFNAME|null} [<1-255>]


IP経路表にスタティック経路を追加する。


パラメーター

DESTINATION 宛先ネットワークアドレス。次のいずれかの形式で指定する。なお、デフォルト経路を追加する場合は、宛先ネットワークアドレスとして0.0.0.0/0または0.0.0.0 0.0.0.0を指定する
A.B.C.D/M IPアドレスとプレフィックス長で指定する形式
A.B.C.D W.X.Y.Z IPアドレスとサブネットマスクで指定する形式
GATEWAY := A.B.C.D
ゲートウェイ(ネクストホップ)のIPアドレス
IFNAME インターフェース名。送出インターフェースがポイントツーポイントインターフェース(PPP、トンネルインターフェース)の場合に使う。また、直結経路を登録する場合、該当ネットワークが接続されているインターフェース名を指定する。ただし、L2TPv3トンネルインターフェース上にスタティック経路を設定する場合は、本パラメーターを使用せずに、GATEWAYパラメーターでネクストホップアドレスを明示的に指定すること
null インターフェース名。ルーティングループを避ける目的で、nullインターフェースを指定することができる。nullを指定した場合、該当経路宛てのパケットは転送されずに破棄される
<1-255> 管理距離(経路選択時の優先度)。値が小さいほど優先度が高い。省略時はスタティック経路のデフォルト値である1となる


使用例

■ 172.20.53.0/24へのスタティック経路を登録する。

awplus(config)# ip route 172.20.53.0/24 172.17.28.254


サブネットマスクを使って次のように指定しても同じ。

awplus(config)# ip route 172.20.53.0 255.255.255.0 172.17.28.254


■ デフォルト経路を172.17.28.32に向ける。

awplus(config)# ip route 0.0.0.0/0 172.17.28.32


■ 10.0.0.0/8宛てのパケットを転送せずに破棄するよう設定する。

awplus(config)# ip route 10.0.0.0/8 null


注意・補足事項

■ 管理距離255を持つ経路は「信頼できない経路」と見なされ、FIB(IP転送表)に登録されない(IPパケットの転送には使われない)。

■ L2TPv3トンネルインターフェースを使用してルーティングを行う場合は、他のトンネルインターフェースと異なりネクストホップアドレスを明確にする必要がある。そのため、本コマンドでスタティック経路を登録するときは、L2TPv3トンネルインターフェースを送出インターフェースとして指定するのではなく、ネクストホップアドレスを明示的に指定すること。

■ RIPでスタティック経路を通知している場合、そのスタティック経路を削除した後で他の機器から同一のRIP経路を受け取ってしまうと、スタティック経路を削除してから2分間は経路の更新ができない。スタティック経路の削除後、即座に経路を切り替えたい場合はclear ip rip routeコマンドのinvalid-routesオプションを使用すること。


コマンドツリー

configure terminal (特権EXECモード)
    |
    +- ip route(グローバルコンフィグモード)


関連コマンド

show ip route(非特権EXECモード)
show ip route database(非特権EXECモード)
show ip route summary(非特権EXECモード)



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