UTM / Webコントロール


基本動作
基本設定
ホワイトリスト方式(指定したサイトのみ許可)
ブラックリスト方式(指定したサイトのみ禁止)
設定や状態の確認


Webコントロール(URLフィルタリング)機能は、クライアントがアクセスしようとしているWebサイトをカテゴリーに分類し、カテゴリーごとにアクセスの禁止・許可を制御する機能です。
Note - Webコントロール(URLフィルタリング)機能はAT-AR2050Vでは使用できません。
Note - Webコントロール(URLフィルタリング)機能を使用するにはサブスクリプションライセンスが必要です。
Note - Webコントロール(URLフィルタリング)機能の対象となるのは、本製品のルーティング用インターフェースを通過するTCP 80番ポート宛ての通信(HTTP通信)です。本機能はこれらの通信に対する透過型プロキシーとして動作します。

Webコントロール(URLフィルタリング)機能では、デジタルアーツ社が提供する最新のURLカテゴリーデータベースにもとづいて、アクセス先のURL(Webサイト)を約100種類のカテゴリーに分類します。

初期設定ではデフォルト拒否(ホワイトリスト方式:指定したサイトのみ許可)の動作をするため、すべてのWebアクセスが遮断されますが、ルールを設定することで、「アクセス元クライアント」と「アクセス先Webサイトのカテゴリー」の組み合わせごとにpermit(許可)、deny(拒否)の選択が可能です。また、デフォルト許可(ブラックリスト方式:指定したサイトのみ禁止)に設定を変更することもできます。

Note - Webコントロール機能が使用するURLカテゴリーデータベースは、本製品にダウンロードするのではなく、必要に応じて本製品がインターネット上のサーバーに問い合わせる形で使用するため、データベースの更新は不要です。


基本動作

Webコントロール(URLフィルタリング)機能の処理フローは次のとおりです。


基本設定

Webコントロール(URLフィルタリング)の設定は、Webコントロールモード(web-controlコマンド)で行います。
provider digitalartsコマンドでURLカテゴリーデータベースの提供元を指定した後、actionコマンドでデフォルトアクションを、categoryコマンドとmatchコマンドでカスタムカテゴリーの定義を、ruleコマンドでURLカテゴリーごとのアクションを指定し、protectコマンドで有効化します。

ホワイトリスト方式(指定したサイトのみ許可)

ここでは、初期設定のデフォルトアクション「拒否」をそのまま使い、指定したカテゴリーのサイトだけを許可する「ホワイトリスト方式」の動作をさせる場合の基本的な設定手順を示します。
  1. Webコントロール(URLフィルタリング)機能の設定を行うため、Webコントロールモードに移行します。これにはweb-controlコマンドを使います。

    awplus(config)# web-control
    


  2. URLカテゴリーデータベースの提供元を指定します。これにはprovider digitalartsコマンドを使います。
    このデータベースに含まれるURLカテゴリーをプロバイダーカテゴリーと呼びます。
    一方、ユーザーが定義するカテゴリーはカスタムカテゴリーと呼びます。

    awplus(config-web-control)# provider digitalarts
    

    Note - Webコントロール(URLフィルタリング)機能とファイアウォール機能を併用する場合は、URLカテゴリーデータベースに問い合わせるため、本製品からインターネットへのDNS通信とHTTP通信を許可する必要があります。

  3. カスタムカテゴリーを定義します。これには、categoryコマンドとmatchコマンドを使います。
    ここでは、URLのホスト名かパス部分に、「tech-news」か「play-scala」という文字列が含まれているWebサイトを「Technical」(技術系)というカテゴリーに分類するよう設定しています。
    また、同様に「xxxx」、「zzzzzz」という文字列が含まれているWebサイトを「TimeWasting」(時間の無駄)というカテゴリーに分類するよう設定しています。

    awplus(config-web-control)# category Technical
    awplus(config-category)# match tech-news
    awplus(config-category)# match play-scala
    awplus(config-category)# exit
    awplus(config-web-control)# category TimeWasting
    awplus(config-category)# match xxxx
    awplus(config-category)# match zzzzzz
    awplus(config-category)# exit
    


  4. Webコントロールルールを作成します。これにはruleコマンドを使います。
    Webコントロールルールは、「アクセス元クライアント」と「アクセス先Webサイトのカテゴリー」の組み合わせごとにアクションを指定するものです。

    アクセス元クライアントは、「エンティティー(通信主体)定義」によって指定します。詳細は「UTM」/「エンティティー定義」をご覧ください。

    アクションには次の2つがあります。

    本例では初期設定のデフォルトアクション「拒否」をそのまま使っているため、どのカテゴリーにも分類されなかったサイト、および、どのルールにもマッチしなかったカテゴリーのサイトへのアクセスは拒否されます。そのため、許可ルールを追加しないままWebコントロール機能を有効化すると、すべてのWebアクセスが遮断されることとなります。

    なお、ruleコマンドで指定するカテゴリー名は、show web-control categoriesコマンドで確認できます。

    awplus(config-web-control)# do show web-control categories
    Category                                                  Category Hits  Custom
        Custom Matches
    --------------------------------------------------------------------------------
    Advocacy                                                              0
    "Alcohol, Tobacco"                                                    0
    "Amusement Facilities"                                                0
    "Audio Streaming"                                                     0
    Blogs                                                                 0
    "Browser Crashing Sites"                                              0
    "Celebrities, Entertainment"                                          0
    Chat                                                                  0
    "Comics, Animation"                                                   0
    "Consumer Lending"                                                    0
    "Coupon Sites"                                                        0
    "Credit Cards, Online Payment, E-Money"                               0
    "Crime, Weapons"                                                      0
    ...
    Technical                                                             0     yes
        play-scala
        tech-news
    "Terrorism, Extremism"                                                0
    TimeWasting                                                           0     yes
        xxxx
        zzzzzz
    "Town Pages"                                                          0
    ...
    


    ここでは、ゾーン「private」(内部ネットワーク)から「Government」(政府)、「IT Forum」(ITフォーラム)、「Portals」(ポータル)、「Providers」(プロバイダー)カテゴリーに分類されたWebサイトへのアクセスを許可しています。

    ただし、これら許可カテゴリーのサイトでも、手順3で定義したカスタムカテゴリー「TimeWasting」(時間の無駄)にマッチするURLであれば例外的に禁止するよう設定しています。

    また、上記の許可カテゴリー以外であっても、同じく手順3で定義したカスタムカテゴリー「Technical」(技術系)にマッチするURLであれば例外的にアクセスを認めるよう設定しています。

    デフォルトアクションが「拒否」であるため、ルールで明示的に許可していないカテゴリーのサイトや、どのカテゴリーにも分類されなかったサイトへのアクセスはすべて禁止されます。

    awplus(config-web-control)# rule permit Technical from private
    awplus(config-web-control)# rule deny TimeWasting from private
    awplus(config-web-control)# rule permit Government from private
    awplus(config-web-control)# rule permit "IT Forum" from private
    awplus(config-web-control)# rule permit Portals from private
    awplus(config-web-control)# rule permit Providers from private
    


    5.Webコントロール(URLフィルタリング)機能を有効化します。これにはprotectコマンドを使います。

    awplus(config-web-control)# protect
    


設定は以上です。

ブラックリスト方式(指定したサイトのみ禁止)

Webコントロール機能の初期設定ではデフォルトアクションが「拒否」のため、指定したカテゴリーのサイトだけを許可する「ホワイトリスト方式」の動作をしますが、デフォルトアクションを「許可」に変更することで、指定したカテゴリーのサイトだけを禁止する「ブラックリスト方式」の動作をさせることも可能です。

以下、Webコントロール(URLフィルタリング)機能を「ブラックリスト」方式で動作させる場合の基本的な設定手順を示します。
  1. Webコントロール(URLフィルタリング)機能の設定を行うため、Webコントロールモードに移行します。これにはweb-controlコマンドを使います。

    awplus(config)# web-control
    


  2. URLカテゴリーデータベースの提供元を指定します。これにはprovider digitalartsコマンドを使います。
    このデータベースに含まれるURLカテゴリーをプロバイダーカテゴリーと呼びます。
    一方、ユーザーが定義するカテゴリーはカスタムカテゴリーと呼びます。

    awplus(config-web-control)# provider digitalarts
    

    Note - Webコントロール(URLフィルタリング)機能とファイアウォール機能を併用する場合は、URLカテゴリーデータベースに問い合わせるため、本製品からインターネットへのDNS通信とHTTP通信を許可する必要があります。

  3. Webコントロール(URLフィルタリング)機能のデフォルトアクションを拒否から許可に変更します。これには、actionコマンドを使います。

    awplus(config-web-control)# action permit
    


  4. カスタムカテゴリーを定義します。これには、categoryコマンドとmatchコマンドを使います。
    ここでは、URLのホスト名かパス部分に、「chat-for-work」か「work-blog」という文字列が含まれているWebサイトを「Work」(仕事)というカテゴリーに分類するよう設定しています。

    awplus(config-web-control)# category Work
    awplus(config-category)# match chat-for-work
    awplus(config-category)# match work-blog
    awplus(config-category)# exit
    


  5. Webコントロールルールを作成します。これにはruleコマンドを使います。
    Webコントロールルールは、「アクセス元クライアント」と「アクセス先Webサイトのカテゴリー」の組み合わせごとにアクションを指定するものです。

    アクセス元クライアントは、「エンティティー(通信主体)定義」によって指定します。詳細は「UTM」/「エンティティー定義」をご覧ください。

    アクションには次の2つがあります。

    本例では手順3でデフォルトアクションを許可に設定しているため、どのカテゴリーにも分類されなかったサイト、および、どのルールにもマッチしなかったカテゴリーのサイトへのアクセスは許可されます。

    なお、ruleコマンドで指定するカテゴリー名は、show web-control categoriesコマンドで確認できます。

    awplus(config-web-control)# do show web-control categories
    Category                                                  Category Hits  Custom
        Custom Matches
    --------------------------------------------------------------------------------
    Advocacy                                                              0
    "Alcohol, Tobacco"                                                    0
    "Amusement Facilities"                                                0
    "Audio Streaming"                                                     0
    Blogs                                                                 0
    "Browser Crashing Sites"                                              0
    "Celebrities, Entertainment"                                          0
    Chat                                                                  0
    "Comics, Animation"                                                   0
    "Consumer Lending"                                                    0
    "Coupon Sites"                                                        0
    "Credit Cards, Online Payment, E-Money"                               0
    "Crime, Weapons"                                                      0
    
    ...
    
    Work                                                                  0     yes
        chat-for-work
        work-blog
    


    ここでは、ゾーン「private」(内部ネットワーク)から「Blogs」(ブログ)、「Chat」(チャット)、「Crimes, Weapons」(犯罪、武器)カテゴリーに分類されたWebサイトへのアクセスを禁止しています。

    ただし、ブログサイトやチャットサイトでも、手順4で定義したカスタムカテゴリー「Work」(仕事)にマッチするURLであれば例外的に許可するよう設定しています。

    デフォルトアクションが「許可」であるため、ここで指定していないカテゴリーのサイトや、どのカテゴリーにも分類されなかったサイトへのアクセスはすべて許可されます。

    awplus(config-web-control)# rule permit Work from private
    awplus(config-web-control)# rule deny Blogs from private
    awplus(config-web-control)# rule deny Chat from private
    awplus(config-web-control)# rule deny "Crime, Weapons" from private
    


    6.Webコントロール(URLフィルタリング)機能を有効化します。これにはprotectコマンドを使います。

    awplus(config-web-control)# protect
    


設定は以上です。

設定や状態の確認

■ Webコントロール(URLフィルタリング)機能の有効・無効、デフォルトアクション、URLカテゴリーデータベースの提供元、および、各種統計情報は、show web-controlコマンドで確認できます。

awplus# show web-control
Web Control protection is enabled
Web Control default action is deny
Categorization provider is Digital Arts
 Server URL:  www.mydigital_arts_server_url.com
 Username:    my_user_name
 Password:    my_password
Statistics:
 Categorization hits: 40/40  (100.0%)
 Rule hits:   20/40  (50.0%)
 Cache hits:  30/40  (75.0%)
 Cache size:  40


■ Webコントロール(URLフィルタリング)ルールの情報は、show web-control rulesコマンドで確認できます。

#show web-control rules
ID     Action  Category                  From                         Hits
--------------------------------------------------------------------------
10     deny    "Online Trading"          r&d.test.qa                  0
20     permit  "Browser Crashing Sites"  market.sales                 1
25     permit  suspicious_sites          r&d                          2


(C) 2015 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: 613-002107 Rev.F