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CentreCOM AR570S コマンドリファレンス 2.9
IPv6マルチキャスト/MLD
- MLD
- MLDプロキシー
MLD(Multicast Listener Discovery。マルチキャスト受信者探索)は、LAN上のIPv6ルーターがIPv6ノードとメッセージを交換しあい、LAN上にどのマルチキャストグループの受信希望者(メンバー)がいるかを把握するためのプロトコルです。MLDは、IPv4におけるIGMP(Internet Group Management Protocol)のIPv6版といえます。
ルーターはMLDを通じて得た情報をもとに、他のルーターから受け取ったマルチキャストパケットを配下のLANに転送するかどうか判断したり、他のルーターに対して特定グループ宛てのパケットを配送してくれるよう依頼したりします。
通常、MLDはマルチキャスト経路制御プロトコル(PIM6-SM)と組み合わせて使います。デフォルトでは、MLDは無効になっています。
本製品をMLD Querierとして動作させるための設定手順は次のとおりです。MLDを使用するには、IPv6の基本設定が必要です。以下の説明では、IPv6インターフェースの設定までは完了しているものと仮定します。
- MLDモジュールを有効にします。
- MLDを使用するIPv6インターフェース(VLAN)を指定します。これにより指定したインターフェースでMLDメッセージの送受信が行われるようになります。
ENABLE IPV6 MLD INTERFACE=vlan-white ↓
■ MLDに関する情報を確認するにはSHOW IPV6 MLDコマンドを使います。
■ MLDタイマーを変更するにはSET IPV6 MLDコマンドを使います。ただし、タイマーはほとんどの環境で動作するようデフォルト値が設定されているため、通常変更する必要はありません。
■ MLDを無効にするにはDISABLE IPV6 MLDコマンドを使います。
■ 特定インターフェースでMLDを無効にするにはDISABLE IPV6 MLD INTERFACEコマンドを使います。
MLDプロキシーは、ホストからのMLDパケットを上位のルーターに転送する機能です。IPv6マルチキャストのソースフィルタリングを行いたい場合に利用できます。本製品のMLDプロキシーは、MLDv1パケット/MLDv2パケットの転送に対応しています。
MLDプロキシーの対象インターフェースを指定するには、ENABLE IPV6 MLD INTERFACEコマンド/SET IPV6 MLD INTERFACEコマンドを使用します。コマンドでは、上流(upstream)インターフェースと下流(downstream)インターフェースを指定します。
上流インターフェースは、マルチキャストパケットを受信するインターフェースで、下流インターフェースは、本製品の配下としてMLDメッセージをやり取りするインターフェースです。
たとえば、eth0を上流インターフェース、vlan1を下流インターフェースに設定するには、以下のように指定します。
ENABLE IPV6 MLD INTERFACE=eth0 PROXY=UPSTREAM ↓
ENABLE IPV6 MLD INTERFACE=vlan1 PROXY=DOWNSTREAM ↓
■ MLDプロキシーを有効/無効に設定するには、ENABLE IPV6 MLD PROXYコマンド/DISABLE IPV6 MLD PROXYコマンドを使います。
■ MLDプロキシーに関する情報を確認するにはSHOW IPV6 MLD PROXYコマンド/SHOW IPV6 MLD PROXY INTERFACEコマンドを使います。
■ 特定インターフェースでMLDプロキシーを無効にするにはDISABLE IPV6 MLD INTERFACEコマンドを使います。
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PN: 613-000273 Rev.J