[index] CentreCOM AR740 コマンドリファレンス 2.6

IPマルチキャスト/概要・基本設定


  - 基本設定


本製品のIPマルチキャストルーティング機能について概説します。

IPマルチキャストは、同じ内容のパケットを複数のIPホスト(以下、ホスト)に効率よく送り届けるための仕組みです。1台のサーバーから複数のクライアントにデータを配信するような場合、IPマルチキャストを利用するとネットワークの帯域を有効活用できます。

通常のIP通信(ユニキャスト)ではパケットの宛先としてホスト(より正確にはホストのインターフェース)を指定しますが、IPマルチキャストでは宛先として「マルチキャストグループ」を指定します。各グループは、クラスDと呼ばれる特殊なIPアドレス(224.0.0.0〜239.255.255.255)で表します(マルチキャストグループアドレス)。

これらのアドレス宛てに送信されたパケットは、マルチキャストルーターの協調動作によって、グループに所属するすべてのホスト(グループメンバーと呼びます)に配送されます。

各グループのメンバーは固定されておらず、個々のホストが任意のグループに参加・脱退できます。ホストがグループへの参加・脱退を表明したり、ルーターがグループのメンバーを問い合わせたりするためのプロトコルがIGMP(Internet Group Management Protocol)です。

また、マルチキャストルーター間の情報交換に使われるプロトコルをマルチキャスト経路制御プロトコルと呼び、DVMRP(Distance Vector Multicast Routing Protocol)やPIM-DM(Protocol Independent Multicast - Dense Mode)などがあります。

本製品はIGMPとDVMRPに対応しており、IPマルチキャストルーターとして動作させることができます。

 

基本設定

ここでは、本製品をIPマルチキャストルーターとして使用するための基本設定を示します。マルチキャストトラフィックをルーティングするには、各インターフェースでIGMPとDVMRPを有効化する必要があります。

以下、eth0、eth1間でマルチキャストトラフィックをルーティングするための設定を示します。

  1. IPモジュールを有効にします。


  2. 各インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  3. マルチキャストグループメンバーを管理するため、IGMPを有効にします。


  4. 各IPインターフェースでIGMPを有効にします。


  5. 他のルーターとマルチキャスト経路情報を交換するため、DVMRPを有効にします。


  6. 各IPインターフェースでDVMRPを有効にします。


以上で設定は完了です。

■ DVMRPの設定を確認するにはSHOW DVMRPコマンドを使います。

■ IGMPの設定を確認するにはSHOW IP IGMPコマンドを使います。

■ マルチキャスト経路表を確認するには、SHOW IP ROUTE MULTICASTコマンドを使います。







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