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CentreCOM AR300/AR700 シリーズ 設定例集 2.3 #55

アナログ電話回線によるIP2点間接続


非同期シリアルポートにアナログモデムを接続し、アナログ回線経由で2つの拠点をIP接続します。

非同期ポートを使って通信を行うには、モデムの初期化や発信接続に用いるモデムコマンドのスクリプトファイル(.mds)が必要となります。

ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。

表 1
 
ルーターA
ルーターB
電話番号 03-1234-1111 06-1234-2222
ACCコール名 TOOS TOOS
WAN側物理インターフェース asyn1 asyn1
PPPユーザー名 (なし) BBB
PPPパスワード (なし) PasswordB
PPP認証方式 CHAP (なし)
WAN側(ppp0)IPアドレス 192.168.100.1/24 192.168.100.2/24
LAN側(eth0)IPアドレス 192.168.10.1/24 192.168.20.1/24



ルーターAの設定

  1. ダイヤル接続用のモデムスクリプト(dial.mds)を作成します。モデムスクリプトの拡張子は「.mds」となります。

    なお、NVSメモリー上に作成する場合は、スクリプト名の先頭に「nvs:」を付けてください。


    Note - モデムによってはこのスクリプトで実行できない場合があります。その場合はご使用のモデムの仕様を確認してください。

    Note - ADD ACC SCRIPTコマンドは、コンソールなどからログインした状態で、コマンドラインから実行するコマンドです。そのため、EDITコマンド(内蔵フルスクリーンエディター)等を使って設定スクリプトファイル(.CFG)にこのコマンドを記述しても意図した結果にならない場合がありますのでご注意ください。

  2. 回線リセット/通信切断用のモデムスクリプト(reset.mds)を作成します。


  3. asyn1を非同期PPPに使用するための設定を行います。ここでは、ポートの通信速度を最高速の115200bpsに設定し、DCD信号線がオンになった時に接続されたと認識するよう設定します。


  4. 接続先を作成します。ACCコール名(TOOS)、エンキャプセレーション(PPP)、使用するインターフェース(asyn1)、ダイヤルスクリプト(dial.mds)、リセットスクリプト(reset.mds)を指定します。また、DIR=BOTHで発信接続/着信接続の両方を行えるように設定します。


  5. PPPインターフェースを作成し、ダイヤルオンデマンドを有効にします。また、PPPの認証方法をCHAPに設定します。


  6. 接続相手(ルーターB)のPPPユーザー名とパスワードを登録します(認証するときのパスワード)。


  7. IPモジュールを有効にします。


  8. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  9. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  10. 経路情報を設定します。


  11. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



ルーターBの設定

  1. ダイヤル接続用のモデムスクリプト(dial.mds)を作成します。モデムスクリプトの拡張子は「.mds」となります。

    なお、NVSメモリー上に作成する場合は、スクリプト名の先頭に「nvs:」を付けてください。


    Note - モデムによってはこのスクリプトで実行できない場合があります。その場合はご使用のモデムの仕様を確認してください。

    Note - ADD ACC SCRIPTコマンドは、コンソールなどからログインした状態で、コマンドラインから実行するコマンドです。そのため、EDITコマンド(内蔵フルスクリーンエディター)等を使って設定スクリプトファイル(.CFG)にこのコマンドを記述しても意図した結果にならない場合がありますのでご注意ください。

  2. 回線リセット/通信切断用のモデムスクリプト(reset.mds)を作成します。


  3. asyn1を非同期PPPに使用するための設定を行います。ここでは、ポートの通信速度を最高速の115200bpsに設定し、DCD信号線がオンになった時に接続されたと認識するよう設定します。


  4. 接続先を作成します。ACCコール名(TOOS)、エンキャプセレーション(PPP)、使用するインターフェース(asyn1)、ダイヤルスクリプト(dial.mds)、リセットスクリプト(reset.mds)を指定します。また、DIR=BOTHで発信接続/着信接続の両方を行えるように設定します。


  5. PPPインターフェースを作成し、ダイヤルオンデマンドを有効にします。また、自分のPPPユーザー名とパスワードを設定します(認証を受けるときのパスワード)


  6. IPモジュールを有効にします。


  7. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  8. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを設定します。


  9. 経路情報を設定します。


  10. 設定は以上です。設定内容をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時設定ファイルに指定します。



メモ

■ モデムスクリプトの内容を表示するには、次のコマンドを使います。



■ モデムスクリプトを変更するには、SET ACC SCRIPTコマンドを使用します。たとえば、dial.mdsの2行目を「(10 OK)」から「(20 OK)」に変更する(リザルトコードの待ち時間を10秒から20秒に変更)には、次のようにします。



■ モデムスクリプトの特定行を削除するには、DELETE ACC SCRIPTコマンドを使用します。たとえば、reset.mdsの2行目((10 OK))を削除するには、次のようにします。


LINEパラメーターを指定しなかった場合は、スクリプトそのものが削除されます。次のコマンドを実行すると、dial.mdsが削除されます。



■ モデムスクリプトは、内蔵スクリーンエディター(EDITコマンド)を使って編集することもできます。詳しくは、取扱説明書ならびにコマンドリファレンスをご覧ください。


■ 非同期PPPのACCコール定義は、一回線あたり一箇所だけとなります。

まとめ

ルーターAのコンフィグ [テキスト版]
SET ASYN=1 SPEED=115200 CDCONTROL=CONNECT
ADD ACC CALL=TOOS DIR=BOTH ENCAP=PPP AUTH=NONE ASYN=1 DSCRIPT=dial.mds RSCRIPT=reset.mds
CREATE PPP=0 OVER=ACC-TOOS IDLE=ON AUTHENTICATION=CHAP
ADD USER=BBB PASSWORD=PasswordB LOGIN=NO
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.10.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.20.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.2


モデムスクリプト「dial.mds」 [テキスト版]
[atz^m]
(10 ok)
[ate0q1dt0612342222^m]


モデムスクリプト「reset.mds」 [テキスト版]
[atz^m]
(10 ok)
[ats0=2^m]


ルーターBのコンフィグ [テキスト版]
SET ASYN=1 SPEED=115200 CDCONTROL=CONNECT
ADD ACC CALL=TOOS DIR=BOTH ENCAP=PPP AUTH=NONE ASYN=1 DSCRIPT=dial.mds RSCRIPT=reset.mds
CREATE PPP=0 OVER=ACC-TOOS IDLE=ON USER=BBB PASSWORD=PasswordB
ENABLE IP
ADD IP INT=eth0 IP=192.168.20.1 MASK=255.255.255.0
ADD IP INT=ppp0 IP=192.168.100.2 MASK=255.255.255.0
ADD IP ROUTE=192.168.10.0 MASK=255.255.255.0 INT=ppp0 NEXTHOP=192.168.100.1


モデムスクリプト「dial.mds」 [テキスト版]
[atz^m]
(10 ok)
[ate0q1dt0312341111^m]


モデムスクリプト「reset.mds」 [テキスト版]
[atz^m]
(10 ok)
[ats0=2^m]





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PN: J613-M0507-00 Rev.G

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