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CentreCOM FS808M V2 コマンドリファレンス 2.5.1
スイッチング / 概要
- ポートの指定方法
- 基本コマンド
- ポートトランキング
- ポートミラーリング
- 基本設定
- 省電力モード
本製品のスイッチポートは、ご購入時の状態ですべてイネーブルに設定されており、互いに通信可能な状態にあります。スタンドアローンのレイヤー2スイッチとして使う場合、特別な設定は必要ありません。設置・配線を行うだけで使用できます。
ポートの指定方法
スイッチポートに対する設定コマンドには、複数のポートを一度に指定できるものがあります。
■ 1つのポートを指定
■ 連続するポート番号をハイフン区切りで指定
■ 連続していないポート番号をカンマ区切りで指定
■ カンマとハイフンの組み合わせ指定
■ すべてのポートを意味するALLを指定
RESET SWITCH PORT=ALL COUNTER
基本コマンド
スイッチポートに対して操作を行う基本的な設定コマンドを紹介します。詳細は各コマンドの説明をご覧ください。
■ ポートを有効にするには、ENABLE SWITCH PORTコマンドを使います。
■ ポートを無効にするには、DISABLE SWITCH PORTコマンドを使います。
■ ポートの通信モード(通信速度とデュプレックスモード)を変更するには、SET SWITCH PORTコマンドのSPEEDパラメーターを使います。デフォルトはAUTONEGOTIATEです。
SET SWITCH PORT=2 SPEED=100MHALF
■ デフォルトでは、すべてのポートでMDI/MDI-X自動認識が有効になっています。MDI/MDI-X自動認識を無効にするには、DISABLE SWITCH PORT AUTOMDIコマンドを実行します。
DISABLE SWITCH PORT=1 AUTOMDI
■ MDI/MDI-X自動認識を無効にした直後のポートは、現在設定されているMDI/MDI-Xの状態にしたがいます(デフォルトは、MDI-X)。MDI/MDI-Xを変更するには、SET SWITCH PORTコマンドのPOLARITYパラメーターを使います。
SET SWITCH PORT=1 POLARITY=MDI
■ 強制的にオートネゴシエーションを行わせるには、ACTIVATE SWITCH PORT AUTONEGOTIATEコマンドを使います。通信モードがAUTONEGOTIATEのポートでのみ有効です。
ACTIVATE SWITCH PORT=8 AUTONEGOTIATE
■ ポートをハードウェア的にリセットするには、RESET SWITCH PORTコマンドを使います。
■ ポートの状態を確認するには、SHOW SWITCH PORTコマンドを使います。
■ ポートの送受信の統計情報を確認するには、SHOW SWITCH PORT COUNTERコマンドを使います。
SHOW SWITCH PORT=8 COUNTER
■ ポートの統計カウンターをクリアするには、RESET SWITCH PORTコマンドにCOUNTERオプションを指定して実行します。COUNTERオプションを省略すると、ポートがハードウェア的にリセットされてしまうので注意してください(カウンターもクリアされます)。
RESET SWITCH PORT=ALL COUNTER
ポートトランキング
ポートトランキングは複数の物理ポートを束ねてスイッチ間の帯域幅を拡大する機能です。束ねたポートはトランクグループと呼ばれ、論理的に1本のポートとして扱われます。トランクグループは、VLAN内でも単一ポートとして認識されます。また、トランクグループ内のポートに障害が発生しても残りのポートで通信が継続できるため、信頼性を向上します。
本製品ではトランクグループを4 つまで作成できます。それぞれのトランクグループには、最大7ポートまで所属させることが可能です。ポートは隣接していなくてもかまいません。
ここでは、コマンドラインインターフェースによる設定方法を中心に説明します。
ポートトランキングの仕様は、次のとおりです。
- 他のトランクグループに所属するポートやミラーポートは指定できません。
- トランクポートは同じVLANに所属している必要があります。
- トランクポートに接続される対向機器の通信速度を固定に設定すると通信できません。
ポートトランキングを使用するために最低限必要な設定について説明します。ここでは、ポート1-4を束ねて使用するものとします。
- トランクグループ「uplink」を作成します。グループ名は任意に指定できます。
CREATE SWITCH TRUNK=uplink SPEED=100M
- トランクグループにポートを追加します。束ねるポートはあらかじめ同じVLANに所属させておく必要があります。
ADD SWITCH TRUNK=uplink PORT=1-4
基本設定は以上です。
Note - ポートトランキングの設定は、トランクポートによって接続される双方のスイッチで行う必要があります。
■ トランクグループの情報はSHOW SWITCH TRUNKコマンドで確認できます。
■ トランクグループを通る学習済みのユニキャストフレームは、トランキングアルゴリズムによって割り振られます。このアルゴリズムは、以下によって計算します。
- ARP 等のL2 フレーム:送信元/ 宛先MAC アドレス
- IP パケット:送信元/ 宛先IP アドレス
ブロードキャスト/ マルチキャスト/ 未学習のユニキャストフレームはリンクが確立しているトランクグループの最小ポート番号に割り振られます。
■ トランクグループに追加されたポートの通信モードは、CREATE SWITCH TRUNKコマンド、または、SET SWITCH TRUNKコマンド指定した速度となります。個別ポートの設定はトランクグループに追加した時点で上書きされます。
■ トランクグループからポートを削除するにはDELETE SWITCH TRUNKコマンドを使います。
DELETE SWITCH TRUNK=uplink PORT=4
■ トランクグループを削除するにはDESTROY SWITCH TRUNKコマンドを使います。所属ポートがあるときは削除できません。その場合は、先にDELETE SWITCH TRUNKコマンドで所属ポートを削除します。
DELETE SWITCH TRUNK=uplink PORT=ALL ↓
DESTROY SWITCH TRUNK=uplink ↓
ポートミラーリング
ポートミラーリングは、特定のポートを通過するトラフィックをあらかじめ指定したミラーポートにコピーする機能です。パケットを必要なポートにだけ出力するスイッチではパケットキャプチャーなどが困難ですが、ポートミラーリングを利用すれば、任意のポートのトラフィックをミラーポートでキャプチャーできます。
ここでは、コマンドラインインターフェースによる設定方法を中心に説明します。
なお、本製品でのポートミラーリング機能には以下の特徴があります。
- ミラーポートには1ポート指定できます。ソースポートは複数指定できます。
- VLAN default以外に所属しているポート、トランクグループに所属しているポート、およびタグ付きポートはミラーポートに設定できません。
- ミラーポートに設定されたポートは通常のスイッチポートとしては機能しません。
- SET SWITCH MIRRORコマンドでミラーポートの設定を行いますが、すでに別のポートがミラーポートとして設定されていた場合、先に設定されていたポートはミラーポートでなくなり、VLAN default所属のタグなしポートとなります。ミラーポートになったポートは、どのVLANにも所属しません。
- PAUSEフレームもミラーリングの対象となります。
- ソースポートを複数設定している状態で、あるソースポートから入力されたパケットが、L2 スイッチングされて別のソースポートから出力された場合、ミラーポートにパケットが2 個出力されます。
※これはポートミラーリングの通常動作です。
Note - 本製品のポートミラーリング機能では、ソースポートのタグの有無に関係なく、送信パケットはタグ付きでミラーポートに出力されます。受信パケットはソースポートで受信したタグ付き、またはタグなしのままミラーポートに出力されます。
基本設定
ここではポート1をミラーポートに設定し、ポート5から送受信されるトラフィックがミラーポートにコピーされるように設定します。
- ミラーポートを指定します。指定できるのはVLAN default所属のポートだけです。ミラーポートに指定したいポートがVLAN default以外に所属している場合は、最初に現在所属のVLANから削除しVLAN defaultの所属に戻した上で、SET SWITCH MIRRORコマンドを実行します。
DELETE VLAN=somevlan PORT=1
SET SWITCH MIRRORコマンドを実行すると、指定ポートはミラーポートとして設定され、どのVLANにも属していない状態となります。
すでにミラーポートとして設定されているポートがあった場合、本コマンド実行によりそのポートはVLAN default所属のタグなしポートとなります。
Note - トランクグループに参加しているポートをミラーポートに設定することはできません。
Note - ミラーポートに設定されたポートは通常のスイッチポートとしては機能しません。
- ソースポートとトラフィックの向きを指定します。ここではポート5から送受信されるトラフィックをミラーポートにコピーします。
SET SWITCH PORT=5 MIRROR=BOTH
- ポートミラーリング機能を有効にします。あらかじめミラーポートおよびソースポートが設定されていないと本コマンドは失敗します。手順1、2に従ってミラーポートとソースポートを指定してから本コマンドを実行してください。
Note - 複数のポートをミラーしたいときは、SET SWITCH PORTコマンドを複数回実行してください。ただし、ミラーリング対象ポートを4ポート以上に増やすことは、ミラーリング機能のパフォーマンス低下につながりますので、ご注意ください。
設定は以上です。
■ ポートミラーリングの設定を確認するにはSHOW SWITCHコマンドおよびSHOW SWITCH MIRRORコマンドを実行します。ミラーポートはSHOW VLANコマンドの「Mirror Port」欄でも確認できます。また、ソースポートとミラー対象トラフィックはSHOW SWITCH PORTコマンドの「Mirroring」および「Is this port mirror port」欄でも確認できます。
■ ポートミラーリング機能を無効にするにはDISABLE SWITCH MIRRORコマンドを実行します。
■ ミラーポートの設定を解除するにはSET SWITCH MIRRORコマンドにNONEを指定します。設定を解除されたポートはVLAN default所属のタグなしポートに戻ります。
■ ソースポートのミラーリングを行わないようにするにはSET SWITCH PORTコマンドのMIRRORパラメーターにNONEを指定します。
SET SWITCH PORT=5 MIRROR=NONE
■ ミラーポートに設定されたポートは通常のスイッチポートとしては機能しません。SET SWITCH MIRRORコマンドを実行した時点で、ミラーポートはいずれのVLANにも所属していない状態となります。
省電力モード
省電力モードは、リンクしていないスイッチポートへの電力供給を制限し、消費電力を抑える機能です。本機能の設定は、スイッチポート別ではなく、装置全体に対して機能します。本機能は、デフォルトで無効に設定されています。
■ 本製品の省電力モードを有効にするには、ENABLE SWITCH POWERSAVEコマンドを使います。
ENABLE SWITCH POWERSAVE ↓
■ 本製品の省電力モードを無効にするには、DISABLE SWITCH POWERSAVEコマンドを使います。
DISABLE SWITCH POWERSAVE ↓
(C) 2014 アライドテレシスホールディングス株式会社
PN: 613-001851 Rev.A