[index] AT-TQシリーズ リファレンスマニュアル 3.0

オプション設定/QoS


  - アクセスポイントのEDCAパラメーター
  - Wi-Fiマルチメディア(WMM)
   - 無線クライアントのEDCAパラメーター
  - その他
  - AIFS、コンテンションウィンドウ値について


4種類のデータの無線トラフィックに対するキューごとに、送信の優先度を設定します。

  1. 必要に応じて、以下の各項目を設定してください。
  2. 「適用」ボタンをクリックしてください。設定は直ちに反映されます。
Note - これらのパラメーターは、通常変更する必要はありません。
Note - 「適用」ボタンをクリックすると、変更した項目によっては、無線クライアントが一時的に切断されることがあります。アクセスポイントの設定の変更は、無線トラフィックが少ないときに行うことをおすすめします。
Note - サブメニュー「QoS」をクリックしてから設定画面が表示されるまで2分以上かかることがあります。

表 1
項目名
説明
無線 以下のパラメーターを設定する周波数帯「1」(2.4GHz帯)および「2」(5GHz帯)を指定します。

 

アクセスポイントのEDCAパラメーター

本製品から無線クライアント宛の通信について、データの種類ごとに送信の優先度を決めます。

表 2
項目名
説明
キュー 次の4つがあります。
Data 0(音声):音声など、低レイテンシーかつ帯域保証が必要なデータの送信に使用するキューです。
Data 1(ビデオ):動画など、帯域保証が必要なデータの送信に使用するキューです。
Data 2(ベストエフォート):通常のIPデータの送信に使用するキューです。
Data 3(バックグラウンド):最も優先度の低いキューです。最高のスループットが要求されるものの、時間に制約されない大容量データ(FTPなど)の送信に使用されます。
AIFS フレームの送信間隔を1〜15(スロット)で設定します。
デフォルトは、1(Data 0)、1(Data 1)、3(Data 2)、7(Data 3)です。
cwMin 最小コンテンションウィンドウ値を選択します。1、3、7、15、31、63、127、255、511、1023が選択可能です。
デフォルトは、3(Data 0)、7(Data 1)、15(Data 2)、15(Data 3)です。
cwMax 最大コンテンションウィンドウ値を選択します。1、3、7、15、31、63、127、255、511、1023が選択可能です。
デフォルトは、7(Data 0)、15(Data 1)、63(Data 2)、1023(Data 3)です。
Max. Burst 複数パケットの連続送信時間を0.0〜999.0(ミリ秒)で設定します。
デフォルトは1.5(Data 0)、3.0(Data 1)、0(Data 2)、0(Data 3)です。

Note - 値を変更する場合、cwMin≦cwMaxとなるように入力してください。
Note - AT-TQ4600またはAT-TQ4400の場合、「Data 0(Voice)」の「cwMin」および「cwMax」のデフォルト値は「1」となります。
 

Wi-Fiマルチメディア(WMM)

表 3
項目名
説明
Wi-Fiマルチメディア(WMM) Wi-Fiマルチメディア(WMM)を有効にするか否か。
「有効」にすると、無線クライアントから本製品宛の通信に「無線クライアントのEDCAパラメーター」を使用します。
「無効」にすると、本製品のビーコンにWMM情報が含まれなくなり、無線クライアントもWMMを使用しなくなります。
デフォルトは「有効」です。

Note - IEEE 802.11n、IEEE 802.11acを使用するためには「Wi-Fiマルチメディア(WMM)」が「有効」でなければなりません。
 

無線クライアントのEDCAパラメーター

無線クライアントから本製品宛の通信について、データの種類ごとに送信の優先度を決めます。

表 4
項目名
説明
キュー 次の4つがあります。
Data 0(音声):音声など、低レイテンシーかつ帯域保証が必要なデータの送信に使用するキューです。
Data 1(ビデオ):動画など、帯域保証が必要なデータの送信に使用するキューです。
Data 2(ベストエフォート):通常のIPデータの送信に使用するキューです。
Data 3(バックグラウンド):最も優先度の低いキューです。最高のスループットが要求されるものの、時間に制約されない大容量データ(FTPなど)の送信に使用されます。
AIFS フレームの送信間隔を1〜15(スロット)で設定します。
デフォルトは、2(Data 0)、2(Data 1)、3(Data 2)、7(Data 3)です。
cwMin 最小コンテンションウィンドウ値を選択します。1、3、7、15、31、63、127、255、511、1023が選択可能です。
デフォルトは、3(Data 0)、7(Data 1)、15(Data 2)、15(Data 3)です。
cwMax 最大コンテンションウィンドウ値を選択します。1、3、7、15、31、63、127、255、511、1023が選択可能です。
デフォルトは、7(Data 0)、15(Data 1)、1023(Data 2)、1023(Data 3)です。
TXOP Limit 無線クライアントから本製品への送信を占有できる時間を設定します。設定範囲は0〜2047です。占有できる時間は、設定値×32(マイクロ秒)となります。
デフォルトは、47(Data 0)、94(Data 1)、0(Data 2)、0(Data 3)です。

Note - 値を変更する場合、cwMin≦cwMaxとなるように入力してください。
 

その他

表 5
項目名
説明
NoAckサポート 無線クライアントに対してACKフレームを送信しないよう要求するか否か。要求する場合(NoAck)は「オン」、しない場合は「オフ」を選択します。「オン」にすると、本製品もACKフレームを送信しません。デフォルトは「オフ」です。
この項目は、サポート対象外です。この項目は、機能いたしません。
APSDサポート APSDを有効にするか否か。有効にする場合は「オン」、無効は「オフ」を選択します。デフォルトは「オフ」です。
APSDは、モバイル端末(VoIP)の消費電力を抑え、通話時間を延ばす機能です。モバイル端末もAPSD(U-APSD)に対応している必要があります。
この項目は、サポート対象外です。この項目は、正常に機能いたしません。

 

AIFS、コンテンションウィンドウ値について

IEEE 802.11で規定されている通信方式CSMA/CAは、自分がパケットを送信しようとしたとき、他の無線機器に無線チャンネルが使われていた場合、一定の時間をおいてそのパケットを送信することによって衝突を回避します。この待ち時間を決めるのがAIFSやコンテンションウィンドウ値です。

無線機器は、まず無線チャンネルのアイドル状態(誰も送信していない状態)がAIFSで指定した時間持続するまで待ちます(フレームの送信間隔)。アイドル状態であることが確認できたら、0から最小コンテンションウィンドウ値(cwMin)の範囲でランダムな時間をさらに待ち、アイドル状態であれば送信します。

無線チャンネルが使われていた場合、再度AIFSを待ち、今度は0から最小コンテンションウィンドウ値の2倍の範囲でランダムな時間が設定されます。無線チャンネルのアイドル状態が確認できなければ、コンテンションウィンドウの最大値まで、範囲を倍々に広げながら送信のリトライを繰り返します。

したがって、AIFS、最小コンテンションウィンドウ値、最大コンテンションウィンドウ値を小さくすることで、待ち時間が短くなる可能性が高くなり、通信の優先度が上がることになります。


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