[index] AT-UWC クイックスタートガイド 1.0

機能の概要/無線電波の管理


  - チャンネルと送信電力の管理
   - チャンネルの自動的な割り当て
   - 送信電力の自動的な調整
   - 設定の固定
  - ネットワークの視覚化


 

チャンネルと送信電力の管理

複数のアクセスポイントを使用し、広範囲の無線LANで安定したサービスエリアを提供するためにはセル(アクセスポイントから電波が届く範囲)の管理が重要です。無線コントローラーは、各々のアクセスポイントのチャンネルと送信電力を自動的に調整して無線クライアントに対し安定したサービスを提供します。
 

チャンネルの自動的な割り当て

無線コントローラーは、管理下にないアクセスポイントからの影響も含めて、無線コントローラー管理下のアクセスポイントが使用するチャンネルを電波干渉が減少するように自動的に変更します。無線コントローラーは、次の2つの機能によってチャンネルの自動的な割り当てを行います。
Note - IEEE 802.11nで40MHzの帯域幅を使用する場合、2.4GHz帯ではチャンネルの自動的な割り当てをサポートしていません。
  1. 起動時のチャンネル選択(Initial Channel Selection、ICS)
    アクセスポイントが起動するとき、無線コントローラーはアクセスポイントに「選択すべきチャンネルのリスト」を渡します。アクセスポイントはそのリストから無作為にひとつのチャンネルを選択します。この機能は、デフォルトで有効です。

    このリストは、各々のAPプロファイル(WLAN > Advanced Configuration > AP Profiles画面)の「Radio」タブの「Supported Channels Auto Eligible」で設定します。リストに加えるチャンネルは、チャンネルの帯域が重なり合わないように選択します。このリストは、このAPプロファイルが割り当てられたアクセスポイントに対して適用されます。

  2. チャンネルの自動的な調整(Auto Channel Adjustment、ACA)
    APプロファイルの「Radio」タブの「Automatic Channel」にチェックを入れると、このAPプロファイルが適用されたアクセスポイントでチャンネルの自動的な調整を行います(上図参照)。デフォルトはチェックありです。

    無線コントローラーは、次のタイミングでアクセスポイントから無線電波の状況情報を得ます。
    このタイミングは、WLAN > AP Management > RF Management画面の「Configuration」タブの「Channel Plan Mode」で設定します。
    デフォルトは「Manual」です。


    無線コントローラーは、上記のタイミングでRSSIと無線電波のエラーカウンターを参照し干渉を評価します。過剰な無線電波の干渉が検出されたら、無線コントローラーはアクセスポイントに現在のチャンネルを変更させます。チャンネルの変更は自動的に行われます。また、無線ネットワークが稼働状態であっても実行されます(一時的に無線クライアントの接続が切断される可能性があります)。
    Note - RSSIは、アクセスポイントが受信している無線電波の強さです。

    タイミングが「Manual」の場合、WLAN > AP Management > RF Management画面の「Manual Channel Plan」タブの「Start」ボタンをクリックすることにより即時に評価を実行できます。2.4GHz、5GHzを個別に実行できます。チャンネルの変更が必要であると判断されると、無線コントローラーは管理者に対して最適なチャンネルを提案しますので、よければ適用してください。

 

送信電力の自動的な調整

送信電力によって無線電波の到達距離(セル)が決まります。電力が低すぎれば無線クライアントは信号を検出できなかったり、低い通信速度となります。電力が高すぎれば、無線電波は範囲にある他のアクセスポイントに干渉したり、物理的な境界を越えてセキュリティーリスクを作ってしまいます。送信電力の自動的な調整(auto-power adjustment)は、無線クライアントに到達するには充分で、他のアクセスポイントには干渉しないちょうどよい状態となるように無線電波の出力を調整します。

APプロファイル(WLAN > Advanced Configuration > AP Profiles画面)の「Radio」タブの「Automatic Power」にチェックを入れると、このAPプロファイルが適用されたアクセスポイントで送信電力の自動的な調整を行います(前述の図を参照)。デフォルトはチェックありです。
「Default Power」を「100」より低い値に設定します。再送エラーの有無に基づいて「Default Power」から「100%」の範囲で送信電力を10%刻みで調整します。デフォルトは100%です。
Note - 送信電力の強さはパーセントで設定します。100%は、各々の国で許される最大の電力です。
Note - 「Default Power」を100%のままにすると、送信電力は常に100%となり自動的な調整は行われません。
送信電力の自動的な調整の実行タイミングは、WLAN > AP Management > RF Management画面の「Configuration」タブの「Power Adjustment Mode」で設定します。デフォルトは「Manual」です。
無線コントローラーは、上記のタイミングでRSSIと無線電波のエラーカウンターを参照し状況を評価します。送信電力の変更が必要なアクセスポイントが存在したら、そのアクセスポイントに送信電力を変更させます。変更は10%ずつ行われます。大きな変更を要する場合は、評価のタイミングごとに10%ずつ増加(または減少)させます。

タイミングが「Manual」の場合、WLAN > AP Management > RF Management画面の「Manual Power Adjustments」タブの「Start」ボタンをクリックすることにより即時に実行できます。送信電力の変更が必要であると判断されると、無線コントローラーは管理者に対して最適な電力を提案しますので、よければ適用してください。

 

設定の固定

WLAN > Basic Setup画面の「Valid AP」タブ、WLAN > AP Management > Advance Settings画面で該当するアクセスポイントでチャンネルや送信電力を固定設定することができます。

 

ネットワークの視覚化

Network Visualization(NV)は、無線コントローラーが保持している色々な情報をグラフィックを使って表示するツールです。管理者は、管理下にあるアクセスポイントのアクティビティーや無線チャンネルの利用状況などを簡単に把握することができます。
  1. WLAN > Network Visualization > Download Image画面でアクセスポイントが設置されている環境の背景画像を無線コントローラーにダウンロードします。ダウンロード可能なファイルはGIFまたはJPGです。画像ファイルの色数はできるだけ減らしてください。
    Note - 画像のファイルには、画像形式と同一の拡張子を付けてください。また、JPG形式のファイルは拡張子「.jpg」を使用してください。「.jpeg」は使用できません。

  2. ナビゲーションメニューのWLAN > Network Visualization > Launchをクリックします。
    NVが別ウィンドウで起動しますので、Editメニュー > New Graphをクリックします。

  3. New Graph Definitionダイアログボックスが現れます。
    「Graph Name」に背景画像の名前を入力します。この名前が画面を選択するためのタブに表示されます。
    「Image Selection」でコントローラーにダウンロードされている背景画像のファイル名を指定します。プルダウンメニューから選択します。
    Scale Factor(背景画像の縮尺)を入力します。Selectionで背景画像のHeight(縦)またはWidth(横)、Measurement(単位)でFeet(フィート)またはMeters(メーター)を選択して、Lengthに背景画像の実際の寸法を入力します。
    Note - 「Length」で「0」を指定すると「300」として取り扱われます。

    2.、3.の手順を繰り返すと、複数の背景画像を保持できます。タブのクリックで背景画像を切り替えられます。

  4. 「Managed APs」に表示されているMACアドレスを背景画像上にドラッグ&ドロップすると画像上にアイコンとして配置できます。画像上に配置すると、そのMACアドレスは「Managed APs」から消えます。

    アクセスポイントが使用しているチャンネルは色分けされているので、チャンネルの設定をすばやく把握することができます。



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