機器設置作業では、スケジュールの調整に苦労したと池田氏は振り返る。「24時間お客様がいらっしゃいますので、工事の音などを立てて、お客様のくつろぎをお邪魔してはいけません。フロアごとに宿泊の具合などを勘案しつつ、順次機器の設置を行うために、調整を行いました」と池田氏。加えて、総面積8千平米という広大なホテル華の湯。配線の取り回しなども苦労したという。
客室の無線LANアクセスポイントは、極力目立たないように設置場所の工夫を行い、テレビの後ろ側など、目に付きにくいところに設置している。加えて、AT-TQ3600は、ポートやDCコネクターが内部に隠れる構造になっているため、ケーブルの差し込み口が機器の中に隠れ、誤って手が触れないように、触れてもケーブルが外れたりすることのないようになっている。
2015年7月、ホテル華の湯のフリーWi-Fiは無事、全館でスタートした。なお、今回の導入では、フリーWi-Fiということでパスワードフリーとなっている。
「まずは“ホテル華の湯はWi-Fiが使える”ということを認知していただくために、パスワードフリーで利用できるようにしています。今回の無線ネットワークは、旅館の基幹系、情報系とは完全に切り離したネットワークとなっています。セキュリティー的にも問題のない構成です」と池田氏。今後は状況を見ながら、SSIDごとのパスワード設定や、ワンタイムパスワード機能の活用なども視野に入れていると話す。
トラフィックなどはとっていないが、すでに300名、400名規模の会議でも無線LANが活用されており、「苦情やお問い合わせもなく、安定して順調に稼働しています。画像はもちろん、動画もストレスなく閲覧できていますので、速度的な問題もありません」と池田氏は評価する。