設定例集#7: ブリッジモードでのUTM機能
ブリッジモードでUTM機能を使用するための設定をします。
既存のルーターとスイッチの間に、ブリッジとして動作するよう設定した本製品を設置することにより、ネットワークの設定等を変更せずにUTM機能を利用可能です。
ブリッジ構成(ブリッジポート)で使用できるUTM機能は、本設定例で使用している侵入防御(IPS)とIPレピュテーション(IPアドレスブラックリスト)、および本設定例では使用していないマルウェアプロテクション(ストリーム型アンチウイルス)とURLフィルターだけです。他のUTM機能はルーティング用インターフェースでしか使用できません。
IPレピュテーション(IPアドレスブラックリスト)機能はAT-AR2050Vでは使用できません。
IPレピュテーション(IPアドレスブラックリスト)機能を使用するにはアニュアルライセンスが必要です。
構成

ルーターの設定
- LANポートにおいて初期状態で有効化されているスパニングツリープロトコル(RSTP)を無効化します。これにはspanning-tree enableコマンドをno形式で実行します。
スパニングツリープロトコルの詳細は「L2スイッチング」/「スパニングツリープロトコル」をご覧ください。
no spanning-tree rstp enable
- ソフトウェアブリッジ「1」を作成します。これには、bridgeコマンドを使います。
ブリッジングの詳細は「ブリッジング」/「一般設定」をご覧ください。
bridge 1
- ソフトウェアブリッジ「1」にWANポートeth1をブリッジポートとして追加します。これにはbridge-groupコマンドを使います。
interface eth1
bridge-group 1
- ソフトウェアブリッジ「1」にvlan1をブリッジポートとして追加します。これにはbridge-groupコマンドを使います。
interface vlan1
bridge-group 1
- 侵入防御(IPS)機能の設定を行います。
これには、ips、protectの各コマンドを使います。
この設定では、異常なイベントをログに記録するだけですが、category actionコマンドによって、特定のイベントを検出したときに該当パケットを破棄する設定も可能です。
侵入防御(IPS)の詳細は「UTM」/「侵入防御(IPS)」をご覧ください。
ips
protect
- IPレピュテーション(IPアドレスブラックリスト)機能の設定を行います。
これには、ip-reputation、provider、protectの各コマンドを使います。
IPレピュテーション(IPアドレスブラックリスト)の詳細は「UTM」/「IPレピュテーション」をご覧ください。
ip-reputation
provider proofpoint
protect
- IPレピュテーション(IPアドレス・ブラックリスト)機能のIPレピュテーションデータベースを定期的に更新するため、ソフトウェアブリッジ「1」全体を表すブリッジインターフェース「br1」にIPアドレスを設定します。これにはip addressコマンドを使います。
IPインターフェースの詳細は「IP」/「IPインターフェース」をご覧ください。
interface br1
ip address 192.168.1.254/24
- IPレピュテーションデータベースをダウンロードするために必要な名前解決用のDNSサーバーを手動設定します。これには、ip name-serverコマンドとip domain-lookupコマンドを使います。
ここではDNSサーバーアドレスとして、DNSリレー機能が動作している既設ルーターのLAN側IPアドレスを指定しています。
ip name-server 192.168.1.1
ip domain-lookup
- デフォルト経路を既存ルーターに向けて設定します。これには、ip routeコマンドを使います。
IP経路設定の詳細は「IP」/「経路制御」をご覧ください。
ip route 0.0.0.0/0 192.168.1.1
- 以上で設定は完了です。
end
設定の保存
■ 設定が完了したら、現在の設定内容を起動時コンフィグとして保存してください。これには、copyコマンドを「copy running-config startup-config
」の書式で実行します。
awplus# copy running-config startup-config ↓
Building configuration...
[OK]
また、write fileコマンド、write memoryコマンドでも同じことができます。
awplus# write memory ↓
Building configuration...
[OK]
その他、設定保存の詳細については「運用・管理」/「コンフィグレーション」をご覧ください。
ルーターのコンフィグ
!
no spanning-tree rstp enable
!
bridge 1
!
interface eth1
bridge-group 1
!
interface vlan1
bridge-group 1
!
ips
protect
!
ip-reputation
provider proofpoint
protect
!
interface br1
ip address 192.168.1.254/24
!
ip name-server 192.168.1.1
ip domain-lookup
!
ip route 0.0.0.0/0 192.168.1.1
!
end
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