SH510 シリーズは、CentreCOM x510/x510L シリーズと同様のハードウェア・アーキテクチャーを採用し、一部の機能を限定することで高いコストパフォーマンスを実現した製品です。
ご使用にあたっては、本リリースノートと以下に述べる x510/x510L シリーズ用のマニュアル(取扱説明書、コマンドリファレンス)をご参照ください。これらのマニュアルは、弊社ホームページに掲載されています。
SH510 シリーズ各機種のハードウェアは、本体の製品名表示が異なる点を除き x510/x510L シリーズの下記機種と同様のハードウェア・アーキテクチャーを採用しています。
SHシリーズ各機種の取り扱いについては、「参照すべき取扱説明書」欄に記載した xシリーズ用の取扱説明書をご参照ください。その際、製品名を xシリーズのものから SHシリーズのものに読み替えてくださいますようお願い申し上げます。
SH510 シリーズのファームウェアは SHシリーズ専用であり、x510/x510L シリーズのファームウェアとは異なりますが、サポート機能に差分がある点を除き、ファームウェアの動作は基本的に同じです。
SHシリーズ用ファームウェアの機能とコマンドについては、後述するサポート機能の差分を念頭に置きながら、下記のxシリーズ用コマンドリファレンスをご参照ください。その際、適宜製品名をxシリーズのものからSHシリーズのものに読み替えてくださいますようお願い申し上げます。
SH510シリーズ
サポート対象外、または機能が制限されるもの
コマンドリファレンスに掲載されている下記の機能は、SH510シリーズではサポート対象外であるか、機能が制限されます。
- ローカルRADIUSサーバー
「運用・管理」/「RADIUSサーバー」の全コマンドがサポート対象外です。
- NTPサーバー
「運用・管理」/「NTP」の下記コマンドはサポート対象外です。
(NTPクライアント機能はサポート対象)
ntp access-group
ntp broadcastdelay
ntp master
- リモートミラーリング
「インターフェース」/「スイッチポート」の下記コマンドはサポート対象外です。
remote-mirror interface
show remote-mirror
switchport remote-mirror-egress
vlan mode remote-mirror-vlan
- ポート、VLAN単位でのRADIUSサーバーリスト設定
「インターフェース」/「ポート認証」、「運用・管理」/「RADIUSサーバー」の下記コマンドはサポート対象外です。
show radius server group
auth-mac accounting
auth-mac authentication
auth-web accounting
auth-web authentication
dot1x accounting
dot1x authentication
show aaa server group
- ダブルタグVLAN
「L2スイッチング」/「バーチャルLAN」の下記コマンドはサポート対象外です。
platform vlan-stacking-tpid
switchport vlan-stacking
- イーサネットCFM(IEEE 802.1ag)
「L2スイッチング」/「イーサネットCFM(IEEE 802.1ag)」の全コマンドがサポート対象外です。
- G.8032(ERPS)
「L2スイッチング」/「G.8032(ERPS)」の全コマンドがサポート対象外です。
- OSPF
「IPルーティング」/「経路制御(OSPF)」の全コマンドがサポート対象外です。
- 経路制御フィルター(RIP関連を除く)
「IPルーティング」/「経路制御(フィルタリング)」の下記コマンドはサポート対象外です。
clear ipv6 prefix-list
ipv6 prefix-list
match ipv6 address
match route-type
match tag
set metric-type
set tag
show ipv6 prefix-list
- IPv6 VRRP(IPv4 VRRPはサポート対象)
「IPルーティング」/「VRRP」の下記コマンドはサポート対象外です。
router ipv6 vrrp
show vrrp ipv6
virtual-ipv6
また、IPv4 VRRPについても、下記パラメーターはサポート対象外です。
preempt-modeのdelay-timeパラメーター
- IPv6ルーティング
IPv6ルーティングはスタティック、ダイナミックともサポート対象外です。
(IPv6ホスト機能はサポート対象)
- RIPng
「IPv6ルーティング」/「経路制御(RIPng)」の全コマンドがサポート対象外です。
- OSPFv3
「IPv6ルーティング」/「経路制御(OSPFv3)」の全コマンドがサポート対象外です。
- IPマルチキャストルーティング
「IPマルチキャスト」/「一般設定」の下記コマンドはサポート対象外です。
これら以外のコマンドはIGMP Snooping用としてサポートします。
clear ip mroute
clear ip mroute statistics
ip mroute
ip multicast route
ip multicast route-limit
ip multicast-routing
multicast
show ip mroute
show ip mvif
show ip rpf
- PIM
「IPマルチキャスト」/「PIM」の全コマンドがサポート対象外です。
- IGMP
「IPマルチキャスト」/「IGMP」の下記コマンドはサポート対象外です。
これら以外のIGMPコマンドはIGMP Snooping用としてサポートします。
clear ip igmp
ip igmp
ip igmp access-group
ip igmp flood specific-query
ip igmp immediate-leave
ip igmp last-member-query-count
ip igmp last-member-query-interval
ip igmp limit(インターフェースモード)
ip igmp limit(グローバルコンフィグモード)
ip igmp mroute-proxy
ip igmp proxy-service
ip igmp querier-timeout
ip igmp query-holdtime
ip igmp query-interval
ip igmp query-max-response-time
ip igmp robustness-variable
ip igmp source-address-check
ip igmp ssm
ip igmp ssm-map enable
ip igmp ssm-map static
- MVR
「IPマルチキャスト」/「MVR」の全コマンドがサポート対象外です。
- IPv6マルチキャストルーティング
「IPv6マルチキャスト」/「一般設定」の全コマンドがサポート対象外です。
- PIMv6
「IPv6マルチキャスト」/「PIM」の全コマンドがサポート対象外です。
- MLD
「IPv6マルチキャスト」/「MLD」の下記コマンドはサポート対象外です。
これら以外のMLDコマンドはMLD Snooping用としてサポートします。
ipv6 mld
ipv6 mld immediate-leave
ipv6 mld last-member-query-count
ipv6 mld last-member-query-interval
ipv6 mld querier-timeout
ipv6 mld query-interval
ipv6 mld query-max-response-time
ipv6 mld robustness-variable
ipv6 mld ssm-map enable
ipv6 mld ssm-map static
ipv6 mld static-group
ipv6 mld version
show ipv6 mld groups
show ipv6 mld interface
- VLANハードウェアパケットフィルター
「トラフィック制御」/「ハードウェアパケットフィルター」の下記コマンドはサポート対象外です。
vlan access-map
match access-group(VLANアクセスマップモード)
vlan filter
show vlan access-map
show vlan filter
- DHCPリレー
「IP付加機能」/「DHCPリレー」の全コマンドがサポート対象外です。
- AMFメンバー機能の制限
本製品のAMFメンバー機能はエッジノード向けの限定版であり、通常のAMFメンバーと比べて下記の制限があります。
- AMFネットワークへの接続がAMFリンク1本に限定される
- AMFクロスリンク、AMF仮想リンクは使用できない
これにともない、「アライドテレシスマネージメントフレームワーク(AMF)」/「コマンド」の下記コマンドはサポート対象外になります。
(これら以外にマスター、コントローラー用のコマンドもサポート対象外です)
atmf virtual-link
show atmf virtual-links
switchport atmf-crosslink
- AMFマスターのバージョン
SH510シリーズをAMFメンバーとして管理する場合、AMFマスターのファームウェアはバージョン5.4.5-2.x以降を推奨します。
- スタックモジュールの制限
スタックモジュールはAT-StackXS/1.0のみをサポートします。他のスタックモジュールはサポート対象外です。
その他、仕様やサポート条件が異なるもの
コマンドリファレンスに掲載されている下記の機能は、x510/x510LシリーズとSH510シリーズで仕様やサポート条件が異なります。
- 製品名(Board Name)表示とSNMPのシステム識別子(sysObjectID)
show systemコマンドのBoard Name欄にはSH510シリーズの製品名が表示されます。また、sysObjectIDにもSH510シリーズ固有の値がセットされます。
- UDLD
UDLDは、x510/x510Lシリーズではフィーチャーライセンスが必要ですが、SH510シリーズではフィーチャーライセンスなしで使用できます。
- RIP(16ルートまで)
RIPは、x510シリーズではフィーチャーライセンスが必要であり、またx510Lシリーズではサポートしていませんが、SH510シリーズでは全機種ともフィーチャーライセンスなしで使用できます。
ただし、サポート対象のルート数は16件までに限定されます。
- SES Readyライセンスについて
SH510シリーズに「SES Readyライセンス」を適用した後は、OpenFlowに準じたコマンドを利用、設定いただきます。
AT-SESC以外のSDN/OpenFlowコントローラーを用いた場合はサポート対象外です。
- AMFリカバリーと予約済みグループ名
AMFにおいてSH510シリーズとx510/x510Lシリーズは別機種として扱われますので、リカバリー時にx510/x510Lシリーズの代替機としてSH510シリーズを使う、あるいは、SH510シリーズの代替機としてx510/x510Lシリーズを使うことはできません。また、ワーキングセットにおいて、すべてのSH510シリーズを表す予約済みグループ名はsh510となります。
- 同一VCSグループを構成する機器の組み合わせと事前設定機種名
下記のSH510シリーズ全機種を自由に組み合わせてVCSグループを構成できます。x510/x510LシリーズとはVCSグループを構成できません。
- AT-SH510-28GTX(事前設定機種名:sh510-28)
- AT-SH510-52GTX(事前設定機種名:sh510-52)
- AT-SH510-28GPX(事前設定機種名:sh510-28)
- AT-SH510-52GPX(事前設定機種名:sh510-52)
なお、switch provisionコマンドで指定する事前設定機種名もx510シリーズとは異なり、上記製品名の後にかっこ書きした名前となります。