インターフェース / 一般設定
ここでは、各種インターフェースの基本的な操作方法について解説します。
インターフェースの種類
■ 本製品の物理インターフェースは次の2種類です。
(コンソールポートはネットワークポートでないため除外しています)
- スイッチポート(種別記号:port)
- マネージメント用Ethernetポート(種別記号:eth)
スイッチポートには本体固定(内蔵)のものと取り外し可能なもの(拡張モジュールやSFP/SFP+/QSFP+モジュールとして提供)があり、使用可能なメディアもさまざまです。
マネージメント用Ethernetポートは、管理作業専用の1000BASE-Tポートで、運用ネットワークに影響を与えることなく、ファームウェアや設定ファイルを転送したり、SNMPで情報を取得したりすることを目的としています。
マネージメント用Ethernetポートは現状IPv4のみサポートです。IPv6はサポート対象外ですのでご注意ください。
マネージメント用Ethernetポートを通常のネットワークポート(ルーターポート)としては使用しないでください。このような使い方はサポート対象外ですのでご注意ください。
■ 本製品では、スイッチポートを複数束ねて1つのポート(トランクグループ)として使用することもできます(IEEE 802.3ad リンクアグリゲーション)。
トランクグループには、手動設定のもの(スタティックチャンネルグループ)と自動設定のもの(LACPチャンネルグループ)があり、それぞれ単一のスイッチポートとほぼ同様に扱うことができます。
- スタティックチャンネルグループ(種別記号:sa)
- LACPチャンネルグループ(種別記号:po)
■ 仮想的なインターフェースとしては、VLAN(バーチャルLAN)があります。
VLANはスイッチポートをグループ化したもので、各VLANがそれぞれ独立したブロードキャストドメインを形成します。同一VLANに所属するスイッチポート間ではレイヤー2スイッチング処理が行われます。
初期状態ではすべてのポートがvlan1(デフォルトVLAN)に所属しています。
■ さらに上位の論理インターフェースとしては、IP(IPv4)インターフェースとIPv6インターフェースがあります。
IPインターフェースは、VLANかマネージメント用EthernetポートにIPアドレスを設定することで作成します。
IPv6インターフェースは、VLANにIPv6アドレスを設定することで作成します。
マネージメント用Ethernetポートは現状IPv4のみサポートです。IPv6はサポート対象外ですのでご注意ください。
個々のスイッチポートにIPアドレスやIPv6アドレスを直接設定することはできません。IPアドレスやIPv6アドレスの設定は、スイッチポートをグループ化したVLANに対して行います。
また、IPインターフェースは、特殊なインターフェースであるループバックインターフェースにIPアドレスを設定することでも作成可能です。
ループバックインターフェースにIPv6アドレスを設定することはできません。
IPインターフェースを複数作成すると、IPインターフェース間でIPユニキャストパケットの転送処理(IPユニキャストルーティング処理)が行われるようになります。
なお、IPマルチキャストパケットの転送処理(IPマルチキャストルーティング処理)を行うためには、マルチキャストルーティングプロトコル(PIM-DM、PIM-SM)の設定が必要です。
また、IPv6インターフェースを複数作成し、IPv6パケットの転送機能を有効化(ipv6 forwardingコマンド)すると、IPv6インターフェース間でIPv6ユニキャストパケットの転送処理(IPv6ユニキャストルーティング処理)が行われるようになります。
インターフェース名
インターフェース名は、「インターフェースの種類を表す記号(文字列)」と「同一種類の個々のインターフェースを区別するための番号」を組み合わせた形式で表します。ただし、ループバックインターフェースの名前は、種別記号だけで構成されています。次にインターフェース名の具体例を示します。
- port1.0.1(スイッチポート)
ピリオドで区切られた3つの数字は、先頭から順に「スタックメンバーID」、「拡張モジュールスロット」、「ポート番号」を表します。詳しくは「インターフェース」の「スイッチポート」をご覧ください。
- eth0(マネージメント用Ethernetポート)
マネージメント用Ethernetポートは1つしかないので、つねに「eth0」という名前になります。
- sa1(スタティックチャンネルグループ)
手動設定したトランクグループ(スタティックチャンネルグループ)の番号は、スタティックチャンネルグループ番号になります。詳しくは「インターフェース」の「リンクアグリゲーション(IEEE 802.3ad)」をご覧ください。
- po1(LACPチャンネルグループ)
LACPによって自動設定したトランクグループ(LACPチャンネルグループ)の番号は、LACPチャンネルグループ番号になります。詳しくは「インターフェース」の「リンクアグリゲーション(IEEE 802.3ad)」をご覧ください。
- vlan10(VLAN)
VLANインターフェースの番号はVLAN ID(1~4094)になります。詳しくは「L2スイッチング」の「バーチャルLAN」をご覧ください。
- lo(ループバックインターフェース)
前述のとおり、ループバックインターフェースにはインターフェース番号がないため、つねに「lo」という名前になります。
インターフェースの指定方法
インターフェースに対する設定コマンドを実行するときは、グローバルコンフィグモードのinterfaceコマンドで設定対象のインターフェース名を指定し、該当インターフェースの設定を行うためのインターフェースモードに入る必要があります。
次に例を示します。
■ スイッチポート1.0.1の設定を行うため、インターフェースモードに移行する。
awplus(config)# interface port1.0.1 ↓
awplus(config-if)#
■ interfaceコマンドでは、同じ種類であれば複数のインターフェースを一度に指定することも可能です。
複数インターフェースを指定してインターフェースモードに入った場合、単一インターフェースに対してのみ意味を持つコマンドは実行できません。たとえば、IPアドレスは各インターフェースで重複しないよう設定する必要があるため、複数インターフェースを指定してインターフェースモードに移行した場合、ip addressコマンドを実行するとエラーになります。一方、スイッチポートの所属先VLANを指定するswitchport access vlanコマンドや、インターフェースを無効化するshutdownコマンドは、複数インターフェースに対しても実行できます。
- インターフェース番号が連続している場合は、ハイフンを使って範囲指定できます。
たとえば、スイッチポート1.0.1~1.0.8に対する設定を行う場合は、次のように指定します。
awplus(config)# interface port1.0.1-port1.0.8 ↓
ハイフンの後では種別記号(例ではport)を省略できるので、次のように書くこともできます。
awplus(config)# interface port1.0.1-1.0.8 ↓
- インターフェース番号が連続していない場合は、インターフェース名をカンマで区切って列挙します。カンマ区切りで指定する場合、種別記号は省略できません。
awplus(config)# interface port1.0.2,port1.0.5,port1.0.8 ↓
- 同一コマンド行において、ハイフンとカンマを同時に使用することもできます。
awplus(config)# interface port1.0.1-port1.0.3,port1.0.8 ↓
インターフェースを複数指定するときは、カンマ、ハイフンの前後にスペースを入れないでください。入れるとエラーになります。
インターフェースの設定例
以下では、インターフェースの設定を行う具体的なコマンド例を示します。
なお、ここではあくまでもインターフェース設定の概要を示すことが目的なので、設定内容の詳細については、それぞれのコマンドのページや機能解説編をご覧ください。
■ スイッチポートにメモ(説明文)を付けます。説明文はshow interfaceコマンドで表示されます。
awplus(config)# interface port1.0.1 ↓
awplus(config-if)# description Connected to 3rd floor switch ↓
■ スイッチポート1.0.3の通信モードを10Gbps Full Duplex固定に設定します(デフォルトはオートネゴシエーション)。
awplus(config)# interface port1.0.3 ↓
awplus(config-if)# speed 10000 ↓
awplus(config-if)# duplex full ↓
■ スイッチポート1.0.1~1.0.4を束ねて手動設定のトランクグループ(スタティックチャンネルグループ)「1」を作成します。
awplus(config)# interface port1.0.1-1.0.4 ↓
awplus(config-if)# static-channel-group 1 ↓
■ マネージメント用Ethernetポートを無効化します。
awplus(config)# interface eth0 ↓
awplus(config-if)# shutdown ↓
■ マネージメント用Ethernetポートを再度有効化します。
awplus(config)# interface eth0 ↓
awplus(config-if)# no shutdown ↓
■ VLAN 10を作成します。
awplus(config)# vlan database ↓
awplus(config-vlan)# vlan 10 ↓
■ スイッチポートをVLAN 10に割り当てます。
awplus(config)# interface port1.0.1-1.0.8 ↓
awplus(config-if)# switchport mode access ↓
awplus(config-if)# switchport access vlan 10 ↓
■ VLAN 10にIPアドレスを設定します。VLAN 10のインターフェース名は「vlan10」となります。
awplus(config)# interface vlan10 ↓
awplus(config-if)# ip address 192.168.10.1/24 ↓
■ マネージメント用EthernetポートにIPアドレスを設定します。
awplus(config)# interface eth0 ↓
awplus(config-if)# ip address 192.168.0.1/24 ↓
■ ループバックインターフェースにIPアドレスを設定します。
awplus(config)# interface lo ↓
awplus(config-if)# ip address 192.168.1.1/32 ↓
インターフェースの情報確認
■ インターフェースの全般的な情報は、show interfaceコマンドで確認します。
awplus# show interface ↓
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