無線LANコントローラー(AWC対応) / MACフィルター


設定手順
1. MACフィルターを作成する
1a. コマンドでMACアドレスを1つずつ手動登録する方法
1b. CSVファイルに記述されているMACアドレスを読み込んで一括登録する方法
既存のMACフィルターにCSVからインポートしたMACアドレスを追加する
CSVインポートの仕様
2. APプロファイルにMACフィルターを割り当てる
3. 無線ネットワークでMACフィルターを有効化する
その他
設定の確認
CSVファイルの書き出し


MACフィルター(MACアドレスリスト)は、無線LANコントローラー管理下の各APでMACアドレスフィルタリング(MACフィルタリング)を使用するための設定要素です。
Note
MACフィルターはAT-TQシリーズでのみ使用可能です。
Note
AT-TQ4600/4400e/4400/3600/3400/3200/2450のバージョン4.0.5に対し、無線コントローラーからMACフィルターの設定を行うことはできません。バージョン4.0.5でMACフィルター機能を使用する場合は、AP自身のWeb設定画面から設定してください。

MACフィルターの作成・確認にかかわるコマンドは以下のとおりです。
MACフィルターをAPプロファイルに割り当てるコマンドや、各VAP(無線ネットワーク)における有効・無効を指定するコマンドはそれぞれ「無線LANコントローラー(AWC対応)」/「無線ネットワーク設定」「無線LANコントローラー(AWC対応)」/「AP共通設定(APプロファイル)」をご覧ください。
また、MACフィルターの設定手順は以下の「設定手順」をご覧ください。
実施内容
初期設定
コマンド
設定コマンド
MACフィルターの作成 未作成 wireless-mac-filter(無線LANコントローラーモード)
 MACアドレスの追加・削除 未登録  filter-entry(無線MACフィルターモード)
 コメント(説明文) 未設定  description(無線MACフィルターモード)
実行コマンド
CSVファイルへのエクスポート   wireless export wireless-mac-filter(特権EXECモード)
CSVファイルからのインポート   wireless import wireless-mac-filter(特権EXECモード)
確認コマンド
MACフィルターの表示   show wireless wireless-mac-filter(非特権EXECモード)

設定手順

MACフィルターの設定は次の手順で行います。
  1. MACフィルター(MACアドレスリスト)を作成
  2. APプロファイルにMACフィルター(MACアドレスリスト)を割り当て、ホワイトリスト、ブラックリストのどちらとして使うかを指定
  3. 各VAPに対応する無線ネットワークごとにMACフィルターを有効化
以下、各手順について詳しく説明します。

1. MACフィルターを作成する

MACフィルタリングを行うには、最初にMACアドレスのリスト(MACフィルター)を用意する必要があります。
これには、コマンドで1つずつMACアドレスを登録する方法と、別途用意したCSVファイル(カンマ区切りテキストファイル)からMACアドレスを一括登録する方法があります。また、これらの方法は組み合わせて使うこともできます。

なお、MACフィルターの基本仕様は次のとおりです。

1a. コマンドでMACアドレスを1つずつ手動登録する方法

手動登録によってMACフィルターを作成するには次の手順にしたがいます。
  1. wireless-mac-filterコマンド(無線LANコントローラーモード)でMACフィルター(リスト)を作成します。
    各MACフィルターには識別用に1~65535の番号を付けます。ここではMACフィルター「1」を作成するものとします。
    下記のコマンドを実行すると、MACフィルター「1」の内容を編集するための無線MACフィルターモードに移動します。
    awplus(config-wireless)# wireless-mac-filter 1
    

  2. filter-entryコマンド(無線MACフィルターモード)を使って、MACアドレスを1つずつ登録します。
    3~4番目の例のように、MACアドレスにはdescriptionパラメーターでコメント(説明文)を付けることもできます。
    awplus(config-wireless-mac-flt)# filter-entry 0000.5e00.53a1
    awplus(config-wireless-mac-flt)# filter-entry 0000.5e00.53a2
    awplus(config-wireless-mac-flt)# filter-entry 0000.5e00.53a3 description Client A3
    awplus(config-wireless-mac-flt)# filter-entry 0000.5e00.53a4 description Client A4
    

1b. CSVファイルに記述されているMACアドレスを読み込んで一括登録する方法

CSVファイルをインポートしてMACフィルターを作成するには、以下の手順にしたがいます。
  1. 本製品のファイルシステム上にMACアドレスを列挙したCSVファイルを用意します。PCなどで作成したCSVファイルを本製品に転送するのが便利でしょう。
    ここでは、次の内容のCSVファイル「maclist.csv」をフラッシュメモリーのルートディレクトリーに用意したものとします。
    CSVファイルの各行は1列目がMACアドレス、2列目がコメントです。
    書式の詳細については「CSVインポートの仕様」をご覧ください。
    "0000.5e00.53b1","Client B1"
    "0000.5e00.53b2","Client B2"
    "0000.5e00.53b3","Client B3"
    "0000.5e00.53b4","Client B4"
    "0000.5e00.53b5","Client B5"
    "0000.5e00.53b6","Client B6"
    "0000.5e00.53b7","Client B7"
    "0000.5e00.53b8","Client B8"
    "0000.5e00.53b9","Client B9"
    

  2. 特権EXECモードのwireless import wireless-mac-filterコマンドでCSVファイルをインポートします。
    たとえば、前記のCSVファイル「maclist.csv」がフラッシュメモリーのルートディレクトリーに置かれている場合、同ファイルに記述されているMACアドレスを新規のMACフィルター「2」としてインポートするには次のようにします。
    awplus# wireless import flash:/maclist.csv wireless-mac-filter 2
    
    Note
    MACフィルターを新規に作成する場合、インポート先のMACフィルター(上記例では「2」)をwireless-mac-filterコマンド(無線LANコントローラーモード)で事前に作成しておく必要はありません。

既存のMACフィルターにCSVからインポートしたMACアドレスを追加する
wireless import wireless-mac-filterコマンドは、指定したMACフィルターがすでに存在していた場合、デフォルトでは既存MACフィルターの内容をいったん全消去し、CSVファイルから読み込んだMACアドレスのリストに置き換えます。

CSVファイルから読み込んだMACアドレスを既存のMACフィルターに追加したい場合は、wireless import wireless-mac-filterコマンドに add(追加)オプションを指定してください。省略した場合は replace(置き換え)オプションが指定されたものと見なされるため、前述のような置き換え(上書き)動作となります。

たとえば、既存のMACフィルター「2」にCSVファイル「flash:/addtional-maclist.csv」の内容を追加したいときは、次のようにします。
awplus# wireless import flash:/additional-maclist.csv wireless-mac-filter 2 add

なお、addオプション指定時、MACフィルター内にすでに存在するMACアドレスがCSVファイルに記述されていた場合は、第2フィールドのコメント(説明文)のみ更新します。

CSVインポートの仕様
インポート可能なCSVファイルの書式とインポート処理の仕様は次のとおりです。

[CSVファイルのサンプル]
"0000.5e00.53b1","Client B1"
"0000.5e00.53b2","Client B2"
"00:00:5e:00:53:b3","Client B3"
"00:00:5e:00:53:b4","Client B4"
"00-00-5e-00-53-b5","Client B5"
"00-00-5e-00-53-b6","Client B6"

2. APプロファイルにMACフィルターを割り当てる

作成したMACフィルターは、AP共通設定(APプロファイル)に割り当てることで、該当APプロファイルを適用した無線APから利用可能になります。
APプロファイルへの割り当て時には、MACフィルター(MACアドレスリスト)を次のどちらとして利用するかも指定します。
APプロファイルへの割り当てとフィルタータイプの指定は、wireless-mac-filterコマンド(APプロファイルモード)で行います。

■ ホワイトリストとして使用する場合は、permit(リスト内のMACアドレスのみ許可)を指定します。
たとえば、APプロファイル「1」において、MACフィルター「1」をホワイトリストとして使用する場合は次のようにします。
awplus(config-wireless)# ap-profile 1
awplus(config-wireless-ap-prof)# wireless-mac-filter permit 1

■ ブラックリストとして使用する場合は、deny(リスト内のMACアドレスのみ拒否)を指定します。
たとえば、APプロファイル「1」において、MACフィルター「1」をブラックリストとして使用する場合は次のようにします。
awplus(config-wireless)# ap-profile 1
awplus(config-wireless-ap-prof)# wireless-mac-filter deny 1

3. 無線ネットワークでMACフィルターを有効化する

APプロファイルにMACフィルターを割り当てたら、該当APプロファイルの各VAPに対応する無線ネットワークごとにMACフィルターの有効・無効を指定します。
無線ネットワークの初期状態ではMACフィルターが無効に設定されているため、APプロファイルにMACフィルターを割り当てただけでは実際にはMACフィルターは使用されません。
各VAPに割り当てた無線ネットワーク設定でwireless-mac-filter enableコマンドを実行し、MACフィルターを有効にしてください。

■ 無線ネットワーク「10」でMACフィルターを有効にするには次のようにします。
awplus(config-wireless)# network 10
awplus(config-wireless-network)# wireless-mac-filter enable
Note
同一無線ネットワーク上において、MAC認証(mac-auth radius auth group)とMACフィルター(wireless-mac-filter enable)を同時に使用することはできません。

その他

設定の確認

■ MACフィルターの一覧を見るには、show wireless wireless-mac-filterコマンドでbriefオプションを指定します。
awplus> show wireless wireless-mac-filter brief

■ MACフィルターに登録されているMACアドレスの一覧など、詳細を確認するにはshow wireless wireless-mac-filterをbriefオプションなしで実行します。
MACフィルター番号を省略あるいはallを指定した場合はすべてのMACフィルターが、特定の番号を指定した場合は該当MACフィルターの情報だけが表示されます。
awplus> show wireless wireless-mac-filter
awplus> show wireless wireless-mac-filter 1

■ APプロファイルに割り当てられたMACフィルターとそのフィルタータイプを確認するには、show wireless ap-profileコマンドを実行します。
「Wireless MAC filter ID」欄でMACフィルターの番号が、「Rule」欄でフィルタータイプ(permit - ホワイトリスト、deny - ブラックリスト)を確認できます。
awplus> show wireless ap-profile 1
AP-PROFILE ID 1:
...
 Wireless MAC filter ID ........ 1
  Rule ......................... deny
...

■ 無線ネットワークでMACフィルターが有効になっているかどうかを確認するには、show wireless networkコマンドを実行します。
「Wireless MAC filter」欄が「Enable」なら有効、「Disable」なら無効です。
awplus> show wireless network 10
Network ID 10:
...
 Wireless MAC filter ........... Enable
...

CSVファイルの書き出し

MACフィルターに登録されているMACアドレスの一覧は任意のCSVファイルに書き出すことができます。
これには、特権EXECモードのwireless export wireless-mac-filterコマンドを使います。

■ MACフィルター「1」の内容をCSVファイル「flash:/mac-filter-1.csv」に書き出すには、次のようにします。
awplus# wireless export wireless-mac-filter 1 flash:/mac-filter-1.csv

本コマンドでエクスポートされるCSVファイルの書式は次のようになります。
"00:00:5e:00:53:a1","Client A1"
"00:00:5e:00:53:a2","Client A2"
"00:00:5e:00:53:a3","Client A3"
"00:00:5e:00:53:a4","Client A4"


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