運用・管理 / RADIUSサーバー


仕様
基本設定
各種情報の確認
ローカルRADIUSサーバーの利用


本製品は、OpenVPNクライアント認証、無線クライアント認証(WPAエンタープライズ)、MACベース認証用のRADIUSサーバー機能(ローカルRADIUSサーバー)を内蔵しています。ローカルRADIUSサーバーを利用すれば、別途RADIUSサーバーを用意することなく、本製品だけで認証サーバーを構築できます。

また、本製品には電子証明書を発行するローカルCA機能が付属しているため、別途認証局(CA)を用意する必要もありません。

ここではOpenVPN機能、無線LANコントローラー機能、MACベース認証機能そのものについては触れません。これらについては、「VPN」の「OpenVPN」「無線LANコントローラー(AWC対応)」の「概要」「インターフェース」の「ポート認証」をご覧ください。
また、ローカルCA機能については「運用・管理」/「ローカルCA」をご覧ください。

仕様

ローカルRADIUSサーバーの基本的な仕様を以下に示します。

基本設定

ここではOpenVPNクライアント認証用のローカルRADIUSサーバーの設定方法について説明します。
無線クライアント認証(WPAエンタープライズ)用のローカルRADIUSサーバーの設定方法については、「設定例集」/「無線LANコントローラー(CLI編)」「設定例集」/「無線LANコントローラー(GUI編)」をご覧ください。
  1. ローカルRADIUSサーバーの設定を開始するには、radius-server localコマンドを実行します。
    awplus(config)# radius-server local
    Created trustpoint "local".
    Generating 2048-bit key for local CA...
    Automatically authenticated trustpoint "local".
    Automatically enrolled the local server to trustpoint "local".
    awplus(config-radsrv)# 
    

    radius-server localコマンドの初回実行時には、ローカルCA(ローカルなルート認証局)の初期設定(自署ルートCA証明書の発行など)やRADIUSサーバーの証明書発行などが自動的に行われ、またローカルホスト(127.0.0.1)をRADIUSクライアント(NAS)として自動登録します。具体的には、下記のコマンドが自動的に実行されます。
    !
    ! 以下はradius-server localの初回実行時に自動実行される内容です。
    !
    awplus(config)# crypto pki trustpoint local
    awplus(config)# end
    awplus# crypto pki enroll local
    awplus# configure terminal
    awplus(config)# radius-server local
    awplus(config-radsrv)# nas 127.0.0.1 key awplus-local-radius-server
    

  2. ユーザーを登録します。

    OpenVPNクライアントにIPアドレスを割り当てる場合は、ユーザーごとに各種属性値を設定する必要があります。これはユーザーグループを使用して次のようにします。


  3. 他の機器にも本製品のRADIUSサーバーを利用させたいときは、それらの機器をRADIUSクライアント(NAS)として登録する必要があります。該当機器のIPアドレス(RADIUSパケットの始点IPアドレス)と、アクセス時の共有パスワードをnasコマンドで設定してください。ここでは、172.16.10.2と172.16.10.3を持つ機器をRADIUSクライアントとして登録しています。
    awplus(config-radsrv)# nas 172.16.10.2 key naspas2
    awplus(config-radsrv)# nas 172.16.10.3 key naspas3
    

  4. 各種登録が終わったら、server enableコマンドでRADIUSサーバーを有効にします。
    awplus(config-radsrv)# server enable
    

基本設定は以上です。

■ ローカルRADIUSサーバーの初期状態では、UDPポート1812番で認証サービスを提供します。認証用のポートを変更するには、server auth-portコマンドを使います。
awplus(config-radsrv)# server auth-port 11812

各種情報の確認

■ ローカルRADIUSサーバーの状態と統計情報を確認するには、show radius local-server statisticsコマンドを使います。
awplus# show radius local-server statistics

■ ローカルRADIUSサーバーに登録してあるユーザーの情報は、show radius local-server userコマンドで確認します。
awplus# show radius local-server user

■ ローカルRADIUSサーバーに登録してあるユーザーグループの情報は、show radius local-server groupコマンドで確認します。
awplus# show radius local-server group

■ ローカルRADIUSサーバーに登録してあるRADIUSクライアント(NAS)の情報は、show radius local-server nasコマンドで確認します。
awplus# show radius local-server nas

ローカルRADIUSサーバーの利用

■ 自機のローカルRADIUSサーバーを使用するには、RADIUSクライアントの設定において、IPアドレス「127.0.0.1」、共有パスワード「awplus-local-radius-server」を指定します。たとえば、OpenVPNにおいて、ローカルRADIUSサーバーを使って認証を行う場合は、次のようにします。
awplus(config)# radius-server host 127.0.0.1 key awplus-local-radius-server
awplus(config)# aaa authentication openvpn default group radius

■ 他の機器から本製品のローカルRADIUSサーバーを使用する場合は、該当機器のRADIUSクライアントに対して下記の設定をしてください。なお、他の機器からアクセスさせる場合は、nasコマンドを使って、該当機器のIPアドレスと共有パスワードをあらかじめ登録しておく必要があります。

表 1
RADIUSサーバーのIPアドレス 該当機器から到達可能な本製品のIPアドレス
RADIUSサーバーの共有パスワード nasコマンドのkeyパラメーターで設定した文字列
認証用ポート番号 server auth-portコマンドで設定した値。未設定時は初期値の1812
アカウンティング用ポート番号 使用しない(ローカルRADIUSサーバーはアカウンティング機能をサポートしていないため)


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