運用・管理 / 端末設定
ここでは、管理用端末に関連した設定項目について解説します。
端末の種類
本製品に対する設定は、管理用端末から本製品の管理機構であるコマンドラインインターフェース(CLI)にアクセスして行います。
端末設定の観点からは、管理用端末を次の2つに大別できます。
- コンソールターミナル
- 仮想端末(TelnetおよびSSHクライアント)
端末に関する設定を行うときは、おもにラインモードのコマンドを使用します。ラインモードに入るときは、端末の種類によって異なるコマンドを使います。
コンソールターミナル
■ コンソールターミナルに関する設定を行うときは、line consoleコマンドでラインモードに移動します。「0」はコンソールポートの番号ですが、本製品には1つしかコンソールポートがないのでつねに「0」を指定します。
awplus(config)# line console 0 ↓
awplus(config-line)#
仮想端末(Telnet/SSH)
■ Telnet/SSHログイン時に使用される仮想端末の設定を行うときは、line vtyコマンドでラインモードに移動します。たとえば、初期状態で存在している仮想端末ポート0~4に対して設定を行う場合は、次のようにします。
awplus(config)# line vty 0 4 ↓
awplus(config-line)#
仮想端末ポートとは、Telnet/SSHクライアントが接続する仮想的な通信ポートのことです。Telnet/SSHクライアントから本製品へのログインセッションの数は、仮想端末ポートの数までに限定されます。
仮想端末ポートには番号が付いていますが、どのログインセッションにどの番号が割り当てられるかはタイミングに依存するため、通常はすべての仮想端末ポートに対して同じ端末設定を行います。
使用可能な仮想端末ポートの数は次のようにして確認できます。
初期設定では次のように0~4の5個が使用可能です。これは、Telnet/SSHによるログインセッションを同時に5つまで確立できることを示しています。
awplus# show running-config | include line vty ↓
line vty 0 4
■ line vtyコマンドは、仮想端末ポートの数を増やしたり、減らしたりするためにも使用できます。たとえば、仮想端末ポートの数を初期値の5個から最大値の33個に増やすには、次のようにします。次のコマンドは「仮想端末ポート5~32を有効にする」という意味になります。
awplus(config)# line vty 5 32 ↓
awplus(config-line)# exit ↓
また、line vtyコマンドをno形式で実行すると、指定した番号の仮想端末ポートが無効になります。次のコマンドは「仮想端末ポート5~32を無効にする」という意味になります。
awplus(config)# no line vty 5 32 ↓
すべての仮想端末ポートを無効にすると、TelnetおよびSSHによるログインができなくなります。
共通端末設定
ラインモードで行える設定内容は、コンソールターミナル、仮想端末ともに同じです。
アイドル時タイムアウト
初期設定では、各端末において10分間キー入力がないと、該当端末からのログインセッションが強制切断されます。
強制切断までの時間(アイドル時タイムアウト)は、ラインモードのexec-timeoutコマンドで変更可能です。
■ たとえば、仮想端末ポート0~4のアイドル時タイムアウトを1分に変更するには、次のようにします。
awplus(config)# line vty 0 4 ↓
awplus(config-line)# exec-timeout 1 ↓
The new 'exec-timeout' value will apply to new sessions only
exec-timeoutの設定変更は、コマンド実行後に開始されたログインセッションに対してのみ有効です。既存のセッションには変更前の値が適用されます。
これにより、仮想端末ポート0~4を割り当てられたTelnet/SSHセッションでは、1分間キー入力がないとログインセッションが強制切断されるようになります。
■ アイドル時タイムアウト「0」は、「タイムアウトしない」の意味になります。
たとえば、コンソールターミナルに対し、キー入力がなくてもセッションが自動切断されないよう設定するには、次のようにします。
awplus(config)# line console 0 ↓
awplus(config-line)# exec-timeout 0 ↓
The new 'exec-timeout' value will apply to new sessions only
あるいは、exec-timeoutコマンドをno形式で実行しても同じです。
awplus(config)# line console 0 ↓
awplus(config-line)# no exec-timeout ↓
The new 'exec-timeout' value will apply to new sessions only
exec-timeoutの設定変更は、コマンド実行後に開始されたログインセッションに対してのみ有効です。既存のセッションには変更前の値が適用されます。
端末画面のページ当たり行数
初期設定では、各端末画面の1ページ当たり行数は24に設定されています。
コマンドの出力結果が24行よりも長い場合は、ページャー機能によって23行ごとに表示が一時停止し、最下行に次のようなメッセージが表示された上で、キー入力待ち状態になります。
--More--
ここでは次のキー操作が可能です。
表 1
Space |
次の1ページを表示します。 |
Enter |
次の1行を表示します。 |
q |
表示を中止し、プロンプトに戻ります。 |
端末画面の行数は、以下の各コマンドで変更できます。
複数のコマンドで行数を設定している場合は、番号の小さい順に優先されます。
- 非特権EXECモードのterminal lengthコマンド
- ラインモードのlengthコマンド
端末ごとの設定
端末ごとに行数を設定するには、ラインモードのlengthコマンドを使います。
■ たとえば、コンソールターミナルからのログイン時、ページ当たり行数がつねに60行になるようにするには、次のようにします。
awplus(config)# line console 0 ↓
awplus(config-line)# length 60 ↓
■ 仮想端末ポート0~4からのログインセッションのページ当たり行数は次のようにして変更します。
awplus(config)# line vty 0 4 ↓
awplus(config-line)# length 30 ↓
■ ページ当たり行数「0」は、「ページ単位の一時停止を無効にする」の意味になります。たとえば、仮想端末ポート0~4からのログインセッションにおいて、ページ単位の一時停止を無効にするには、次のようにします。
awplus(config)# line vty 0 4 ↓
awplus(config-line)# length 0 ↓
■ ページ当たり行数の設定を初期値(24行)に戻すには、lengthコマンドをno形式で実行します。
awplus(config)# line vty 0 4 ↓
awplus(config-line)# no length ↓
現行端末セッションに対する設定
ラインモードのlengthコマンドで設定したページ当たり行数は、あくまでもログインしたときの初期値です。
ログイン後に非特権EXECモードのterminal lengthコマンドを実行すれば、該当セッションにおいてのみ異なる値を使用することもできます。
■ たとえば、ページ当たり行数が「0」、すなわち、ページ単位の一時停止が無効に設定されている端末からログインしたとしても、ログイン後に次のコマンドを入力すれば、ページ単位で一時停止させることができます。
awplus> terminal length 24 ↓
terminal lengthコマンドは実行コマンドなので、現在の端末セッションにしか影響を与えず、設定を保存しておくこともできません。ページ当たり行数の設定を永続的に変更したい場合は、前述したラインモードのlengthコマンドを使います。
■ 端末セッションに対するページ当たり行数の設定を削除するには、terminal lengthコマンドを次の形式で実行します。
awplus> terminal no length ↓
その他
その他の端末関連設定について解説します。
Telnetサーバー
Telnetクライアントに対して仮想端末へのアクセス手段を提供するTelnetサーバーは初期状態で有効に設定されています。
詳しくは「運用・管理」の「Telnet」をご覧ください。
SSHサーバー
Secure Shell(SSH)クライアントに対して仮想端末へのアクセス手段を提供するSSHサーバーは初期状態で無効に設定されています。
詳しくは「運用・管理」の「Secure Shell」をご覧ください。
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