L2スイッチング / イーサネットCFM(IEEE 802.1ag)


メンテナンスドメイン(MD)
メンテナンスアソシエーション(MA)
メンテナンスポイント
メンテナンスエンドポイント(MEP)
MIP(Maintenance Intermediate Point)
CC(Continuity Check)
基本設定


イーサネットCFM(Connectivity Fault Management)は、イーサネットネットワーク上の任意の2点間におけるL2接続性を監視し、接続障害を検出・通知する機能です(IEEE 802.1ag)。

イーサネットCFMでは、複数の「管理ドメイン」が存在するネットワークに対応しています。たとえば、多くのスイッチにまたがるネットワークの場合、一部のスイッチはあるグループが、残りのスイッチは別のグループが管理するような状況が考えられます。このようなケースでは、区画ごとに別々の管理ドメインが管理できるよう、ネットワークを分割することができます。この方法は通常、メトロイーサネットのように複数のネットワークサービスプロバイダーにまたがって展開されるネットワークで使用されます。
Note
本機能を使用するにはライセンスが必要です。
Note
本製品は、G.8032とCFMを組み合わせた構成をサポートしています。詳しくは、G.8032とCFMを組み合わせた構成をご覧ください。

メンテナンスドメイン(MD)


メンテナンスドメイン(MD)は、特定の事業者が管理できるネットワークの範囲を表す802.1agの用語です。メンテナンスドメインは重複していなくてもかまいませんが、完全に入れ子になっている場合はオーバーラップすることもできます。 メンテナンスドメインは最大8レベルまで入れ子にすることができ、低いレベルをより高いレベルの中に包括することができます。 MDが完全に別のものの下に包括されていない限り、重複することはできません。

メンテナンスアソシエーション(MA)

メンテナンスアソシエーション(MA)は、メンテナンスドメイン内の特定のVLANを表す802.1agの用語です。MAは管理対象のVLANセグメントを表します。VLANはしばしばネットワークサービスプロバイダーが顧客に販売する粒度であるため、MAはしばしば「サービス」とも呼ばれます。

メンテナンスポイント

MD、MA内に存在するポートを表す用語です。

メンテナンスエンドポイント(MEP)

メンテナンスエンドポイント(MEP)はメンテナンスドメインの両端のポートを表す用語です。Up MEPとDown MEPがあり、本製品ではDown MEPをサポートしています。Down MEPは該当ポートで直接CCメッセージを送受信します。自装置側をローカルMEP、対向装置側をリモートMEPと呼びます。

MIP(Maintenance Intermediate Point)

MEPとMEPの間に存在するポートを表す用語です。未サポート。

CC(Continuity Check)

CC(Continuity Check)は接続障害検出の意味です。接続障害検出は、2つのMEP間で定期的に送受信されるCCメッセージを利用して行われます。MEPは、リモートMEPから一定期間CCメッセージを受信しなかった場合、障害が発生していると見なします。さらに障害が一定期間持続した場合、MEPはアラームを発生します。障害が解消してから一定期間が経過すると、アラームは解除されます。

基本設定

2つのスイッチsw-1とsw-2は、sw-1のインターフェースport1.0.2とsw-2のインターフェースport1.0.3を使用して相互に接続されています。これらのポートは両方ともVLAN 100のタグ付きポートに設定されているものと仮定します。VLANレベルで2つの間の接続が確実に行われるように、これらのポートのVLAN 100上でCCメッセージを送受信するよう設定します。 ここでは、例を単純にするために、文字列形式のMD名とMA名を使っています。CCメッセージによって使用されるレベルは3です。



  1. MDインスタンスを作成し、MDインスタンス内にMAインスタンスを作成します。
    これには、ethernet cfm domain-nameコマンドとservice ma-name ma-typeコマンドを使います。
    sw-1
    sw-1(config)# ethernet cfm domain-name MD-INST2 md-type character-string md-type-name MD-12L3 level 3
    sw-1(config-ether-cfm)# service ma-name MA-INST2-1 ma-type string ma-type-name MA-12V100 vlan 100
    sw-1(config-ether-cfm)# exit
    

    sw-2
    sw-2(config)# ethernet cfm domain-name MD-INST2 md-type character-string md-type-name MD-12L3 level 3
    sw-2(config-ether-cfm)# service ma-name MA-INST2-1 ma-type string ma-type-name MA-12V100 vlan 100
    sw-2(config-ether-cfm)# exit
    

  2. ポート上にローカルMEPインスタンスを作成します。
    これには、ethernet cfm mepコマンドを使います。
    sw-1
    sw-1(config)# interface port1.0.2
    sw-1(config-if)# ethernet cfm mep down mpid 12 domain-name MD-INST2 ma-name MA-INST2-1
    sw-1(config-if-eth-cfm-mep)# exit
    sw-1(config-if)# exit
    

    sw-2
    sw-2(config)# interface port1.0.3
    sw-2(config-if)# ethernet cfm mep down mpid 21 domain-name MD-INST2 ma-name MA-INST2-1
    sw-2(config-if-eth-cfm-mep)# exit
    sw-2(config-if)# exit
    

  3. ポート上にリモートMEPインスタンスを作成します。
    これには、ethernet cfm domain-nameコマンドとmep crosscheckコマンドを使います。
    sw-1
    sw-1(config)# ethernet cfm domain-name MD-INST2
    sw-1(config-ether-cfm)# mep crosscheck mpid 21 ma-name MA-INST2-1
    sw-1(config-ether-cfm)# exit
    

    sw-2
    sw-2(config)# ethernet cfm domain-name MD-INST2
    sw-2(config-ether-cfm)# mep crosscheck mpid 12 ma-name MA-INST2-1
    sw-2(config-ether-cfm)# exit
    

  4. ポート上でCCメッセージを有効にします。
    これには、ethernet cfm mepコマンドとmep activeコマンドとcc multicastコマンドを使います。
    sw-1
    sw-1(config)# interface port1.0.2
    sw-1(config-if)# ethernet cfm mep down mpid 12 domain-name MD-INST2 ma-name MA-INST2-1
    sw-1(config-if-eth-cfm-mep)# mep active true
    sw-1(config-if-eth-cfm-mep)# cc multicast state enable
    sw-1(config-if-eth-cfm-mep)# end
    

    sw-2
    sw-2(config)# interface port1.0.3
    sw-2(config-if)# ethernet cfm mep down mpid 21 domain-name MD-INST2 ma-name MA-INST2-1
    sw-2(config-if-eth-cfm-mep)# mep active true
    sw-2(config-if-eth-cfm-mep)# cc multicast state enable
    sw-2(config-if-eth-cfm-mep)# end
    

  5. 設定を確認します。
    これには、show ethernet cfm serviceコマンドを使います。

    正常時の例
    sw-1# show ethernet cfm service
    CFM Domain Name                   CFM Service Name                  VLAN  Defect
    --------------------------------------------------------------------------------
    MD-INST2                          MA-INST2-1                        100   .....
    

    障害発生時の例
    sw-1# show ethernet cfm service
    
    CFM Domain Name                   CFM Service Name                  VLAN  Defect
    --------------------------------------------------------------------------------
    MD-INST2                          MA-INST2-1                        100   ..3..
    


(C) 2012 - 2021 アライドテレシスホールディングス株式会社

PN: 613-001763 Rev.AQ