トラフィック制御 / Webリダイレクト


HTTPリダイレクトモード
基本仕様
設定方法
特定クライアントの除外
非Webブラウザーの除外
リダイレクト頻度の設定
プロキシーモード
基本仕様
設定方法
アクセス先の除外
特定クライアントの除外


Webリダイレクトは、本製品経由のWebアクセスを監視し、特定のURLや上位プロキシーサーバーへリダイレクトする機能です。
Note
サブネットベースNAT(netmapアクション)とは併用できません。

Webリダイレクトには用途の応じた2つの動作モード(mode)があります。

以下、動作モードごとに基本仕様と設定方法を説明します。

HTTPリダイレクトモード

WebリダイレクトのHTTPリダイレクトモードでは、本製品経由でHTTP通信(Webアクセス)を行うクライアントを追跡し、一定の頻度で各クライアントからのHTTPリクエストを特定のURLにリダイレクトします。

基本仕様


設定方法

HTTPリダイレクトモードの基本的な設定方法を示します。
本製品配下のクライアントからのWebアクセスはすでに可能な状態になっているものと仮定します。
  1. グローバルコンフィグモードのweb-redirectコマンドでWebリダイレクトの設定を開始します。
    awplus(config)# web-redirect
    

  2. server-urlコマンドでリダイレクト先URLを設定します。
    リダイレクトの対象となる通信はHTTPのみですが、リダイレクト先URLはHTTPでもHTTPSでもかまいません。
    awplus(config-web-redirect)# server-url https://info.example.com/
    

  3. repeat-timeコマンド(リピートタイマー)とidle-timeコマンド(アイドルタイマー)でリダイレクトの頻度(間隔)を設定します。
    ここでは各クライアントについて、少なくとも1日(86400秒)は間隔を空け、さらに最低10分間(600秒)は無通信の状態が続いていることを、次回リダイレクトの実行条件とします。
    各タイマーの詳細については、リダイレクト頻度の設定をご覧ください。
    awplus(config-web-redirect)# repeat-time 86400
    awplus(config-web-redirect)# idle-time 600
    

  4. Webリダイレクト機能を有効にします。これにはenableコマンドを使います。
    awplus(config-web-redirect)# enable
    

特定クライアントの除外

特定クライアントからのWebアクセスをリダイレクトしたくない場合は、以下の除外設定が可能です。

■ クライアントのIPv4/IPv6アドレスを指定して除外するには、exclude ipコマンドを使います。
awplus(config-web-redirect)# exclude ip 192.168.10.2
awplus(config-web-redirect)# exclude ip 2001:db8:1:10::2

次のようにIPv4/IPv6アドレスをブロックで指定することも可能です。
awplus(config-web-redirect)# exclude ip 192.168.1.0/24
awplus(config-web-redirect)# exclude ip 2001:db8:1:1::/64

■ クライアントのMACアドレスを指定して除外するには、exclude macコマンドを使います。
awplus(config-web-redirect)# exclude mac 00:00:5E:00:53:85
Note
MACアドレスによる除外指定はIPv4クライアントに対してのみ有効です。
Note
個々のクライアントをMACアドレスで指定するためには、該当クライアントが本製品と同じL2ネットワークに接続されている必要があります。クライアントと本製品の間にL3装置(他のルーターなど)が存在している場合、本製品が受信するMACアドレスは介在するL3装置のMACアドレスになるためです。

MACアドレスの先頭3オクテット、すなわちベンダーコード(OUI)を指定して除外することも可能です。
awplus(config-web-redirect)# exclude mac 00:00:5E

非Webブラウザーの除外

今日、HTTP通信はソフトウェアの自動アップデート機能などWebブラウジング以外のさまざまな用途にも利用されています。こうした自動的なHTTP通信をリダイレクト対象から除外するには、ブラウザーオンリーモードを使います。

■ ブラウザーオンリーモードを有効にするには、browser-onlyコマンドを実行します。
awplus(config-web-redirect)# browser-only

ブラウザーオンリーモードでは、HTTPリクエストのUser-Agentヘッダーに「Mozilla」という文字列が含まれている場合のみリダイレクトを行い、それ以外のHTTP通信はリダイレクトしません。

リダイレクト頻度の設定

各クライアントをどのくらいの頻度(間隔)でリダイレクトするかは、2つのタイマーの設定によって決まります。
本機能の有効時、各クライアント最初のWebアクセス(HTTPリクエスト)は必ずリダイレクトされ、リピートタイマーのカウントダウンが始まります。
その後リピートタイマーが0になるまでは、該当クライアントのWebアクセスをリダイレクトすることはありません。
次のリダイレクトの実行タイミングは、アイドルタイマーの設定有無によって次のように異なります。

プロキシーモード

Webリダイレクトのプロキシーモードは、本製品を通過するHTTP/HTTPS通信(Webアクセス)をインターセプトし、あらかじめ設定された上位のプロキシーサーバーに透過的な転送を行う機能です。
転送除外の設定を行うことで、通常トラフィックはプロキシーサーバーを経由させつつ、特定のトラフィックだけは直接インターネットに転送する、インターネットブレークアウトの構成を構築可能です。


基本仕様

Note
アプリケーションコントロール(DPI)はAT-AR2050Vでは使用できません。

設定方法

プロキシーモードの基本的な設定方法を示します。
本製品配下のクライアントからのWebアクセスはすでに可能な状態になっているものと仮定します。
  1. グローバルコンフィグモードのweb-redirectコマンドでWebリダイレクトの設定を開始します。
    awplus(config)# web-redirect
    

  2. Webリダイレクトの動作モードを初期設定のHTTPリダイレクトモードからプロキシーモードに切り替えます。これにはmodeコマンドを使います。
    awplus(config-web-redirect)# mode proxy
    

  3. proxy-hostコマンドで転送先上位プロキシーサーバーのIPアドレス/ホスト名とポート番号を指定します。
    awplus(config-web-redirect)# proxy-host 192.168.10.100 port 3128
    

  4. Webリダイレクト機能を有効にします。これにはenableコマンドを使います。
    awplus(config-web-redirect)# enable
    

基本設定は以上です。

この設定では、本製品を経由するすべてのHTTP/HTTPSトラフィックが透過的に上位プロキシーサーバーへ転送されます。
特定のトラフィックのみ、プロキシーサーバーを介さずに直接インターネットに送り出すインターネットブレークアウトの構成を実現するためには、該当トラフィックをプロキシーモードの動作対象から外す必要があります。これには以下の除外設定を追加します。

除外設定には次の種類があります。
以下、それぞれの設定方法について説明します。

アクセス先の除外

特定の宛先に対するHTTP/HTTPSトラフィックをプロキシーモードの動作対象から除外するには、以下の設定を行います。

アプリケーションコントロール(DPI)を利用して、アプリケーション(Webサービス)単位で除外するには、次のようにします。
Note
アプリケーション指定による除外設定は、AT-AR2050Vでは未サポートです(アプリケーションコントロール(DPI)をサポートしていないため)。
  1. DPIおよびDPI学習機能を有効化します。詳細はDPIの解説編をご参照ください。
    awplus(config)# dpi
    awplus(config-dpi)# provider built-in
    awplus(config-dpi)# learning
    awplus(config-dpi)# enable
    awplus(config-dpi)# exit
    

  2. Webリダイレクトモードのexclude appコマンドで除外するDPIアプリケーション定義名を指定します。
    指定可能なアプリケーション定義名は、show application detailコマンドのdpiオプションで確認可能です。
    awplus(config)# web-redirect
    awplus(config-web-redirect)# exclude app office365
    
Note
Webコントロール、または アンチウイルスの有効時には、DPIアプリケーションの除外設定はできません。

■ アクセス先のURLを指定して除外するには、exclude urlコマンドを使います。
awplus(config-web-redirect)# exclude url www.example.com
Note
除外URLの設定は、TLS 1.3の暗号化SNI(ESNI)を使用しているHTTPS通信に対しては機能しません。

特定クライアントの除外

特定のクライアントをプロキシーモードの動作対象から除外するには、以下の設定を行います。

■ クライアントのIPv4/IPv6アドレスを指定して除外するには、exclude ipコマンドを使います。
awplus(config-web-redirect)# exclude ip 192.168.10.2
awplus(config-web-redirect)# exclude ip 2001:db8:1:10::2

次のようにIPv4/IPv6アドレスをブロックで指定することも可能です。
awplus(config-web-redirect)# exclude ip 192.168.1.0/24
awplus(config-web-redirect)# exclude ip 2001:db8:1:1::/64

■ クライアントのMACアドレスを指定して除外するには、exclude macコマンドを使います。
awplus(config-web-redirect)# exclude mac 00:00:5E:00:53:85
Note
MACアドレスによる除外指定はIPv4クライアントに対してのみ有効です。
Note
個々のクライアントをMACアドレスで指定するためには、該当クライアントが本製品と同じL2ネットワークに接続されている必要があります。クライアントと本製品の間にL3装置(他のルーターなど)が存在している場合、本製品が受信するMACアドレスは介在するL3装置のMACアドレスになるためです。

MACアドレスの先頭3オクテット、すなわちベンダーコード(OUI)を指定して除外することも可能です。
awplus(config-web-redirect)# exclude mac 00:00:5E


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