設定例集#105: 無線LANコントローラー(チャンネルブランケット併用)(GUI編)


構成
設定開始前に
自動設定の確認と削除
事前準備
APの準備
ルーターの準備
システム時刻の設定
必要ライセンス
ルーターの設定
スイッチの設定
設定の保存
備考
管理下APのステータス確認
チャンネルブランケットのステータス確認



無線LANコントローラー機能では、弊社独自のチャンネルブランケット型無線ネットワークである AWC-CB(AWC-Channel Blanket)の設定・管理をサポートしています。
本設定例では、具体的な構成を例に、Web GUIから無線LANコントローラーの基本設定を行う手順を説明します。
Note
本設定例はAT-AR4050S、AT-AR4050S-5Gでのみサポートです。AT-AR3050S、AT-AR2050Vでは使用できません(チャンネルブランケットの設定をサポートしていないため)。
Note
一部の設定はコマンドラインインターフェース(CLI)から行う必要があります。なお、CLIにはWeb GUIの「システム」>「CLI」メニューからアクセスすることもできます。

構成

本設定例では、無線1(2.4GHz)をチャンネルブランケット型、無線2(5GHz W52/W53)をセル型として使用します。

表 1:ISPから提供された情報
ISP接続用ユーザー名 user@isp
ISP接続用パスワード isppasswd
PPPoEサービス名 指定なし
WAN側IPアドレス 10.1.1.1/32
DNSサーバー 10.100.100.100
表 2:ルーターの基本設定
WAN側物理インターフェース eth1
WAN側(ppp0)IPアドレス 10.1.1.1/32
LAN側(vlan1)IPアドレス 192.168.1.1/24
表 3:無線LANコントローラー
管理IPアドレス(VLAN ID) 192.168.1.1(1)
NTPサーバー機能 有効
上位NTPサーバー 10.110.110.1
DHCPサーバー機能 有効
ローカルRADIUSサーバー 有効
表 4:アクセスポイント
番号
機種名
IPアドレス(VLAN ID)
MACアドレス
1 AT-TQ5403 192.168.1.101(1) 0000.5e00.5301
2 AT-TQ5403 192.168.1.102(1) 0000.5e00.5302
3 AT-TQ5403 192.168.1.103(1) 0000.5e00.5303
表 5:有線ネットワーク
VLAN ID
IPサブネット
備考
1 192.168.1.0/24 無線LANコントローラーと管理下APの通信に使用する管理用VLAN
10 192.168.10.0/24 ユーザーVLAN。無線ネットワーク wnet10 はこのVLANに所属する
20 192.168.20.0/24 ユーザーVLAN。無線ネットワーク wnet20 はこのVLANに所属する
100 IP設定不要 チャンネルブランケット用管理VLAN
表 6:無線ネットワーク
番号
SSID
VLAN ID
セキュリティー設定
番号
セキュリティー方式
WPAバージョン
暗号プロトコル
セキュリティーキー
1 wnet10 10 1 WPAパーソナル WPA2 CCMP(AES) passphrase_for_wnet
2 wnet20 20 2 WPAエンタープライズ WPA2 CCMP(AES) ローカルRADIUSサーバーへユーザーごとに登録

設定開始前に

自動設定の確認と削除

本設定例に掲載されているコマンドは、設定がまったく行われていない本製品の初期状態(スタートアップコンフィグなしで起動した状態)から入力することを前提としています。

そのため、通常は erase startup-config を実行し、スタートアップコンフィグが存在しない状態で起動してから、設定を始めてください。

ただし、本製品はスタートアップコンフィグなしで起動した場合でも、特定の条件を満たすと自動的な設定を行うことがあるため、その場合は設定例にしたがってコマンドを入力しても、コマンドがエラーになったり、全体として意図した動作にならない可能性があります。

これを避けるため、設定開始にあたっては次のいずれかの方法をとることをおすすめします。
自動設定が行われる条件などの詳細については、AMF応用編のAMFネットワーク未検出時の拡張動作をご参照ください。

事前準備

APの準備

無線LANコントローラーで無線管理を行うための準備として、無線LANアクセスポイント(AP)にIPアドレスを設定し、MACアドレスを確認します。

また、無線LANコントローラーの解説編で、APの機種、ファームウェアバージョンが無線コントローラーのサポート対象になっているかどうかも確認してください。
Note
無線AP単独でのIPアドレス設定、工場出荷状態への初期化については、各APのリファレンスマニュアルをご参照ください。

ルーターの準備

本製品のWeb GUIにアクセスするため、本製品に対してIPアドレスの設定とWebサーバーの有効化を行います。
Note
Web GUIの画面、メニュー構成、機能などは、製品機種やファームウェア、GUIファイルのバージョンによって異なる可能性があります。
  1. LAN側インターフェースにIPアドレスを設定し、Webサーバー機能を有効化します。
    awplus(config)# interface vlan1
    awplus(config-if)# ip address 192.168.1.1/24
    awplus(config-if)# exit
    awplus(config)# service http
    
    Note
    起動時に、AMFネットワーク未検出時の拡張動作が機能した場合、本製品には一時的なIPアドレス「192.168.1.1」が自動設定されます。また、Webサーバー機能も自動的に有効化されるため、本手順なしにWeb GUIにアクセスできます。詳細は「Web GUIを使用するための準備」をご参照ください。

  2. Webブラウザー Chrome または Firefox で「192.168.1.1」にアクセスし、管理者のユーザー名、パスワードでログインします。

    Note
    無線LANコントローラー機能において、チャンネルブランケットをサポートしているファームウェア、GUIファイルは以下のとおりです。
    ARシリーズ F/W v5.4.9-1.3 以降
    GUIファイル arc-gui_549_13 以降

システム時刻の設定

ログなどの記録日時を正確に保ち、各種機能を適切に動作させるため、システム時刻は正確にあわせて運用することをおすすめします。
ご使用の環境にあわせ、次のいずれかの方法でシステム時刻を設定してください。

本設定例では、NTPで自動設定する方法を使用します。
  1. タイムゾーン(UTCからのオフセット)を設定します。NTPから得られる時刻情報はUTC(協定世界時)なので、必ずオフセットを指定してください。
    日本標準時(JST)はUTCより9時間進んでいるので、次のように設定します。
    本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面にアクセスして行います。
    awplus> enable
    awplus# configure terminal
    awplus(config)# clock timezone JST plus 09:00
    awplus(config)# end
    

  2. Web GUIの「システム」>「日付と時刻」画面で「NTPの同期先を追加」をクリックします。


  3. 「NTPの同期先を追加」ダイアログでNTPサーバーの設定を行います。
    「アドレス」にNTPサーバーのアドレスを入力、「種類」は「Server」を選択、「バージョン」は「4」を選択し、「適用」をクリックします。


必要ライセンス

無線LANコントローラーでチャンネルブランケットの設定・管理を行うためにはライセンスが必要です。
必要なライセンスや管理可能なAP台数については、チャンネルブランケット解説編の「必要ライセンス」をご参照ください。

ルーターの設定

  1. チャンネルブランケット内のユーザーVLAN「10」とセル型ネットワーク内のユーザーVLAN「20」を作成します。
    「ネットワーク基本設定」>「インターフェース管理」画面で「インターフェース追加」をクリックします。
    なお、VLAN作成は「VLAN」ページから行うこともできます。


    「インターフェース種別」から「VLAN」を選択し、「VLAN ID」に「10」、「VLAN名」に「vlan10」と入力し、「適用」をクリックします。
    同様にしてVLAN「20」も作成してください。


  2. VLAN「10」と「20」にIPアドレスを指定します。
    「ネットワーク基本設定」>「インターフェース管理」画面で「vlan10」の右側にある「編集」をクリックします。


    「固定IP」が選択された状態で、「IPアドレス」に「192.168.10.1/24」と入力し、「適用」をクリックします。
    同様にしてVLAN「20」にIPアドレス「192.168.20.1/24」を設定してください。


  3. LANポートにおいて初期状態で有効化されているスパニングツリープロトコル(RSTP)を無効化します。
    本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面にアクセスして行います。
    スパニングツリープロトコルの詳細は「L2スイッチング」/「スパニングツリープロトコル」をご覧ください。
    awplus> enable
    awplus# configure terminal
    awplus(config)# no spanning-tree rstp enable
    
    この後もコマンド入力が必要な手順がありますので、「CLI」画面(タブ)は開いたままにしておくと便利です。
    これ以降、コマンド入力の説明箇所では、本手順で開いた「CLI」画面を引き続き使う前提でコマンドモードの移動などを記述します。

  4. WANポートeth1上にPPPoEインターフェースppp0を作成します。
    「ネットワーク基本設定」>「インターフェース管理」画面で「インターフェース追加」をクリックすると表示される「インターフェース追加」画面において、「インターフェース種別」から「PPPoE」を、「Ethernetインターフェース」から「eth1」を選択します。
    また、「ユーザー名」に「user@isp」、「パスワード」に「isppasswd」を入力し、「適用」をクリックします。

    Note
    以下の項目は自動で設定されます。

  5. ファイアウォールやNATのルール作成時に使うエンティティー(通信主体)を定義します。
    エンティティー定義の詳細は「UTM」/「エンティティー定義」をご覧ください。

    最初に内部ネットワークを表すゾーン「private」を作成します。

    「セキュリティー」>「エンティティー」画面で「ゾーン追加」をクリックしてください。


    ゾーン名「private」を入力し、「適用」をクリックします。


    作成されたゾーン「private」に以下の3つのネットワークを追加します。
    表 8:ネットワーク
    名称
    IPv4サブネットアドレス
    インターフェース
    dhcp 0.0.0.0/0 vlan1
    lan 192.168.1.0/24 なし
    wireless_user 192.168.10.0/24 なし
    192.168.20.0/24 なし

    ゾーン「private」の「ネットワーク追加」をクリックしてください。


    ネットワーク「dhcp」を追加するには、「名称」に「dhcp」を入力し、「IPv4サブネットアドレス」の「サブネット追加」からIPアドレス「0.0.0.0/0」を入力します。また、インターフェース欄をクリックして「vlan1」を選択し、最後に「保存」をクリックします。
    同様にして、ネットワーク「lan」と「wireless_user」も追加してください。


    作成したネットワーク「lan」に次の3つのホストを追加します。
    表 9:ホスト
    名称
    IP
    ap1 192.168.1.101
    ap2 192.168.1.102
    ap3 192.168.1.103

    ゾーン「private」画面の「lan」の右向き矢印をクリックし、下の画面で「ホスト追加」をクリックしてください。


    ホスト「ap1」を追加するには、「名称」に「ap1」、「IP」に「192.168.1.101」を入力し、「保存」をクリックします。
    同様にして、ホスト「ap2」と「ap3」も追加してください。


  6. 同じようにして外部ネットワークを表すゾーン「public」を作成します。
    「セキュリティー」>「エンティティー」画面で「ゾーン追加」をクリックして「ゾーン追加」画面を開き、ゾーン名「public」を入力して「適用」をクリックしてください。


    作成したゾーン「public」にネットワーク「wan」を追加します。IPv4サブネットアドレスは「0.0.0.0/0」、インターフェースは「ppp0」で設定します。
    本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面から行います。
    awplus(config)# zone public
    awplus(config-zone)# network wan
    awplus(config-network)# ip subnet 0.0.0.0/0 interface ppp0
    
    Note
    Web GUIでは、「ネットワーク追加」でIPv4サブネットアドレスを追加する際、インターフェースとしてPPPインターフェースやトンネルインターフェースを指定することができません。

    続けて、作成したネットワーク「wan」にホスト「ppp0」を追加します。
    こちらもコマンド入力が必要なため、前の設定に続いて「システム」>「CLI」画面から以下のコマンドを実行してください。
    awplus(config-network)# host ppp0
    awplus(config-host)# ip address dynamic interface ppp0
    awplus(config-host)# exit
    awplus(config-network)# exit
    awplus(config-zone)# exit
    
    Note
    Web GUIでは、「ホスト追加」でインターフェースとしてPPPインターフェースやトンネルインターフェースを指定することができません。

  7. ファイアウォールのルール作成時に通信内容を指定するために使う「アプリケーション」を定義します。
    アプリケーション定義の詳細は「UTM」/「アプリケーション定義」をご覧ください。

    「セキュリティー」>「アプリケーション」画面で「カスタムアプリケーション追加」をクリックします。


    「アプリケーション」に「dhcp」、「プロトコル」に「UDP」を入力し、候補から選択します。
    「宛先ポート(オプション)」の「ポート追加」からポート「67-68」を設定し、「適用」をクリックしてください。


  8. 外部からの通信を遮断しつつ、内部からの通信は自由に行えるようにするファイアウォール機能の設定を行います。
    ここでは次のルールを設定します。
    表 10:ファイアウォールルール
    ルール
    アクション
    アプリケーション
    送信元エンティティー
    宛先エンティティー
    説明
    10 許可 dhcp private.dhcp private.dhcp 内部でのDHCPによる通信を許可します
    20 許可 any private.lan private.lan 内部から内部への通信を許可します(ここでは本製品・無線AP間の通信)
    30 許可 any private public 内部から外部への通信を許可します
    40 許可 dns public.wan.ppp0 public.wan 本製品のWAN側インターフェースから外部へのDNS通信を許可します
    50 拒否 any private.wireless_user private.lan.ap1 ユーザーからアクセスポイント1への通信を破棄します
    60 拒否 any private.wireless_user private.lan.ap2 ユーザーからアクセスポイント2への通信を破棄します
    70 拒否 any private.wireless_user private.lan.ap3 ユーザーからアクセスポイント3への通信を破棄します
    Note
    • 無線LANコントローラーと管理下AP間の通信が遮断されないようにご注意ください。
    • 無線端末からアクセスポイントへの通信を遮断するような設定を行っていますが、不要な場合はルール 50,60,70 を削除してください。
    Note
    Web GUI上ではエンティティーの区切り文字がピリオド(.)ではなくスラッシュ(/)になっています。
    たとえば、ルール50の宛先エンティティー「private.lan.ap3」は「private / lan / ap3」のように表示されますが、意味は同じです。

    「セキュリティー」>「ファイアウォール」画面で「ルール追加」をクリックします。


    ルール10を追加するには、「アクション」に「許可」、「アプリケーション」に「dhcp」、「送信元エンティティー」に「private / dhcp」(ゾーン「private」のネットワーク「dhcp」)、「宛先エンティティー」に「private / dhcp」を選択し、「適用」をクリックします。
    同様にして残りのルール(20~70)も設定してください。

    Note
    Web GUIでファイアウォールルールを設定する場合、ルール番号を指定できないため、必ずルール番号順に設定してください。

    ファイアウォールの設定が終わったら、「セキュリティー」>「ファイアウォール」画面右上のスイッチをクリックしてファイアウォールを有効にしてください。

    Note
    ファイアウォールを有効にするときは、事前にWeb GUIへのアクセスを許可するルールが設定されていることを確認してください。

  9. NATルールを追加します。「セキュリティー」>「NAT」画面の「ルール追加」をクリックしてください。


    「アクション」に「マスカレード」、「アプリケーション」に「any」、「送信元エンティティー」に「private」、「宛先エンティティー」に「public」を指定し、「保存」をクリックします。


    NATルールを設定したら、「セキュリティー」>「NAT」画面右上のスイッチをクリックしてNATを有効にしてください。

  10. DNSリレー機能の転送先DNSサーバーアドレスを手動設定します。
    「ネットワーク基本設定」>「DNSクライアント」画面で「サーバー追加」をクリックし、表示された下記の画面でIPアドレスに「10.100.100.100」を入力し、「適用」をクリックしてください。


  11. DNSリレー機能を有効にします。
    本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面から行います。
    awplus(config)# ip dns forwarding
    

  12. デフォルト経路をPPPインターフェースppp0に向けます。
    「ネットワーク基本設定」>「スタティック経路」画面で「スタティック経路の追加」をクリックし、表示された下記の画面で「宛先ネットワーク」に「0.0.0.0/0」、「ゲートウェイ/インターフェース」に「ppp0」を指定し、「適用」をクリックします。


  13. DHCPサーバー機能の設定を行います。
    「ネットワークサービス」>「DHCPサーバー」画面で「新規DHCPプール」をクリックし、表示された下記の画面でDHCPプールを設定します。
    下記の表にしたがい「pool1」と「pool2」をそれぞれ設定してください。

    表 11:DHCPプール
    DHCPプール名
    ネットワーク
    デフォルトゲートウェイ
    リース時間
    IPアドレス範囲
    DNSサーバー
    開始
    終了
    pool1 192.168.10.0/24 192.168.10.1 任意 192.168.10.201 192.168.10.210 なし
    pool2 192.168.20.0/24 192.168.20.1 任意 192.168.20.201 192.168.20.210 なし

    設定が終わったら、「ネットワークサービス」>「DHCPサーバー」画面右上のスイッチをクリックして、DHCPサーバーを有効化してください。

  14. APがWPAエンタープライズで使用するRADIUSサーバーとして、本製品のローカルRADIUSサーバーを設定します。
    「ネットワークサービス」>「RADIUSサーバー」画面右上のスイッチをクリックして、RADIUSサーバーを有効化してください。

    各APをRADIUSクライアント(NAS)として登録します。

    「NAS」セクションの「NAS追加」をクリックしてください。


    NASを登録するには、「NAS」追加画面で下記の表のように設定し、「適用」をクリックします。

    表 12:NAS
    NAS
    共有パスワード
    192.168.1.101 nas123456
    192.168.1.102 nas123456
    192.168.1.103 nas123456

    ここには示していませんが、上記の設定後、WPAエンタープライズの認証で使用するユーザーをローカルRADIUSサーバーに登録してください。

  15. APが使用すべきRADIUSサーバーの設定を行います。
    「ネットワークサービス」>「RADIUSクライアント」画面で「サーバー追加」をクリックします。


    「RADIUSサーバー」に「192.168.1.1」、「共有パスワード」に「nas123456」を指定し、「適用」をクリックします。


    次に、サーバーグループを追加します。
    「ネットワークサービス」>「RADIUSクライアント」画面で「グループ追加」をクリックし、表示された下記の画面で「グループ」に「wpa4login」、「サーバー」に「192.168.1.1」を指定して、「適用」をクリックします。


  16. ルーター自身を権威あるNTPサーバーとして動作させます。
    本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面から行います。
    awplus(config)# ntp master
    

  17. ここから、無線管理のセットアップを開始します。
    無線LANコントローラーの管理IPアドレス(APとの通信に使用するIPアドレス)を指定し、無線LANコントローラー機能を有効にします。
    「Vista manager mini」>「無線管理」>「セットアップ」画面で「管理IPアドレス」から「192.168.1.1」を選択したのち、画面右上のスイッチをクリックして無線管理を有効化してください。


    次に、無線ネットワーク「1」「2」を作成します。
    無線ネットワーク「1」のSSIDは「wnet10」、セキュリティー方式はWPAパーソナルで、
    無線ネットワーク「2」のSSIDは「wnet20」、セキュリティー方式はWPAエンタープライズとします。

    「Vista manager mini」>「無線管理」>「セットアップ」画面で「ネットワーク」タブを選択し、右上の「ネットワーク追加」をクリックします。


    無線ネットワーク「1」を作成するには、以下のように設定します。


    表 13:ネットワーク1
    SSID wnet10
    説明 任意
    ステータス 通常
    セキュリティー WPAパーソナル
    キー passphrase_for_wnet

    「拡張設定」をクリックし、「VLAN ID」に「10」を入力して、「保存」をクリックします。


    同様にして、無線ネットワーク「2」を以下のように設定し、「保存」をクリックします。
    表 14:ネットワーク2
    SSID wnet20
    説明 任意
    ステータス 通常
    セキュリティー WPAエンタープライズ
    RADIUS 認証グループ wpa4login
    RADIUS アカウンティンググループ wpa4login
    ダイナミックVLAN 無効
    VLAN ID(拡張設定) 20

  18. 次に、APプロファイル「1」を作成します。
    無線1(2.4GHz)のVAP「0」でネットワーク「1」をチャンネルブランケットとして、
    無線2(5GHz W52)のVAP「0」でネットワーク「2」をセル型として運用するものとします。
    また、チャンネルブランケット設定を行います。ここでは無線1の5chを使用します。
    「Vista manager mini」>「無線管理」>「セットアップ」画面で「アクセスポイント」タブをクリックし、「プロファイル追加」をクリックしてください。


    「一般」タブでは以下のように設定します。

    表 15:プロファイル1 一般
    名前 wprof1
    モデル AT-TQ5403
    無線1 有効
    wnet10 - Channel Blanket ON
    無線2 有効
    wnet20 - Channel Blanket OFF

    「チャンネルブランケット」タブを選択し、以下のように設定します。

    表 16:プロファイル1 チャンネルブランケット
    管理VLAN 100
    代表AP 1
    無線クライアント間の通信遮断 無効
    キー 未設定(自動生成)
    無線1チャンネル 5
    無線2チャンネル Auto

    上記のとおり設定したら、「適用」をクリックします。
    Note
    未設定時はランダムでキーが自動生成されるため、キーの設定は任意です。

  19. AP「1」「2」「3」を登録します。
    本設定例では、手動でアクセスポイントを追加します。
    自動セットアップ機能を利用する場合は、「Web GUI」/「Vista Manager mini - 無線管理」「セットアップ / スタート / 自動セットアップ」をご参照ください。

    「Vista manager mini」>「無線管理」>「セットアップ」画面で「アクセスポイント」タブをクリックし、「アクセスポイント追加」ををクリックしてください。

    それぞれ以下のように設定し、「適用」をクリックして各APを追加してください。

    表 17:アクセスポイント
    アクセスポイント
    名前
    MACアドレス
    IPアドレス
    プロファイル
    AP1 wap1 0000.5e00.5301 192.168.1.101 wprof1
    AP2 wap2 0000.5e00.5302 192.168.1.102 wprof1
    AP3 wap3 0000.5e00.5303 192.168.1.103 wprof1

  20. AWC機能を有効にします。Web GUIの左メニューから「Visa Manager mini」>「無線管理」>「AWC管理」をクリックします。


    初期設定ではAWCの計算開始は毎日 15:00、計算結果適用は毎日 03:00 に設定されています。
    「AWC管理」画面を開くと、その時点で初期設定がコンフィグレーションに反映されます。
    Note
    AWC機能はセル型の無線バンドのみ対象となります。
    Note
    GUIから自動設定されるAWCスケジュールの初期設定は、AWC計算を実行するためのタスクが「1000」、AWC計算結果を適用するためのタスクが「1001」としてRunning-config上に自動登録されます。AWC機能を使用しない場合は、「計算タスク編集」を選択し、「AWC 計算」ダイアログから「状態」を「無効」にしてください。


  21. スイッチを接続するポートの設定を行います。
    ここではポート1をスイッチと接続するものとします。
    「ネットワーク基本設定」>「VLAN」画面を開きます。
    「VLAN」から「VLAN10」を選択した状態で、左図の「ポート1」部分を2回クリックします(タグVLANとして設定します)。
    「ポート1」部分が「VLAN10」の色の「T」マークになったのを確認し、「適用」をクリックしてください。


    同様にして、「VLAN20」を選択した状態で、左図の「ポート1」部分をクリックし、「適用」をクリックします(タグVLANとして設定します)。
    「ポート1」部分にカーソルを合わせて、「VLAN10」と「VLAN20」が表示されることを確認します。


  22. ルーターへの設定は以上です。

スイッチの設定

  1. スイッチのWeb GUIにアクセスするため、スイッチのCLIからLAN側インターフェースにIPアドレスを設定します。
    awplus(config)# interface vlan1
    awplus(config-if)# ip address 192.168.1.2/24
    awplus(config-if)# exit
    
    Note
    起動時に、AMFネットワーク未検出時の拡張動作が機能した場合、本製品にはルーターに設定したDHCPサーバーからIPアドレスが割り振られるため、IPアドレスの設定は不要です。該当IPアドレスを使用して、Web GUIにアクセスしてください。

  2. Webブラウザー Chrome または Firefox で「192.168.1.2」にアクセスし、管理者のユーザー名、パスワードでログインします。
    Note
    Web GUIの画面、メニュー構成、機能などは、製品機種やファームウェア、GUIファイルのバージョンによって異なる可能性があります。

  3. チャンネルブランケット内のユーザーVLAN「10」とセル型ネットワーク内のユーザーVLAN「20」、チャンネルブランケット用管理VLAN「100」を作成します。
    スイッチのGUIにアクセスし、「ネットワーク基本設定」>「VLAN」画面を開きます。
    「VLAN追加」をクリックし、それぞれ以下のように設定し、適用をクリックします。
    表 18:スイッチ上に作成するVLAN
    インターフェース種別
    VLAN ID
    VLAN名
    VLAN 10 cb_user
    VLAN 20 cell_user
    VLAN 100 cb_control

  4. 無線LANコントローラーに接続するポートの設定を行います。
    ここではポート1を使用します。
    「ネットワーク基本設定」>「VLAN」画面を開き、ルーターの設定と同様にして、ポート1にVLAN「10」と「20」をタグ付きポートとして設定します。


  5. 無線APを接続するスイッチのポートに前述のチャンネルブランケット用管理VLANを設定します。
    ポート3~5にAPを接続する場合、ポート3~5それぞれに、タグVLANとして、VLAN「10」、VLAN「20」、VLAN「100」を設定します。


  6. チャンネルブランケット用管理VLANを設定するポートでは、MACアドレススラッシングプロテクション機能を無効にします。
    本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面にアクセスして行います。
    awplus(config)# interface port1.0.3-1.0.5
    awplus(config-if)# thrash-limiting action none
    awplus(config-if)# exit
    
    次の手順でもコマンド入力が必要ですので、「CLI」画面(タブ)は開いたままにしておきます。

  7. スイッチポートにおいて初期状態で有効化されているスパニングツリープロトコル(RSTP)を無効化します。
    本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面から行います。
    awplus(config)# no spanning-tree rstp enable
    

  8. スイッチへの設定は以上です。ルーターとスイッチへの設定が完了したらルーター、スイッチ、無線APを接続してください。

設定の保存

設定が完了したら、現在の設定内容を起動時コンフィグとして保存してください。
各機器のGUI画面右上「保存」を押すと、保存できます。

備考

無線LANコントローラーでは下記のステータスを確認できます。

管理下APのステータス確認

登録したAPのステータスは、「Vista Manager mini」>「無線管理」>「監視」画面で確認できます。


チャンネルブランケットのステータス確認

チャンネルブランケット所属APの状態は「監視」画面の「チャンネルブランケット」タブで確認できます。




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