PPP / PPPoEパススルー
PPPoEパススルーは、LAN・WANインターフェース間でPPPoEパケットを転送することにより、本製品自身のPPPoEセッションとは別に、LAN側端末とWAN側ISP等との間でも個別にPPPoEセッションを確立できるようにする機能です。
PPPoEパケットの転送はソフトウェアブリッジ機能で行うこともできますが、ブリッジを使用する場合はLAN・WANインターフェースを通常のインターフェースとしては使用できないため、ブリッジインターフェース(brXインターフェース)上にPPPoEインターフェースを作成したり、LAN側IPアドレスをアサインしたりする必要があります。
これに対し、PPPoEパススルーを利用する場合は、LAN・WANインターフェースを通常どおりに使用しながら、これらのインターフェース間で他の装置が送受信するPPPoEパケットだけを転送することができます。
基本仕様
PPPoEパススルー機能の基本的な仕様は次のとおりです。
- 下記インターフェース間で動作可能。
- PPPoEパススルーインスタンスを作成し、クライアント(端末)側とサーバー(PPPoE AC)側のインターフェースを1つずつ指定することで、これらのインターフェース間で PPPoE DiscoveryパケットとPPPoE Sessionパケットを転送するようになる。
- パススルーインスタンスと所属インターフェースのサポート数は次のとおり。
- パススルーインスタンス:1
- インターフェース:2(クライアント側:1 / サーバー側:1)
- 1つのPPPoEパススルーインスタンス上で複数のPPPoEセッションを転送可能。最大セッション数は設定可能。
- PPPoEセッションの開始はクライアント側インターフェースからのみ可能。
- PPPoEセッションサービスの提供はサーバー側インターフェースからのみ可能。
- PPPoEパススルーによって他装置のPPPoEセッションを転送しながら、本製品自身もPPPoEインターフェースを作成してPPPoEセッションを確立可能。
- PPPoEパススルー機能で転送されているPPPoEセッションの情報をコマンド等で確認したり、ファイアウォール機能で制御したりすることはできない。
設定手順
PPPoEパススルーの基本的な設定手順を説明します。
- PPPoEパススルーインスタンスを作成します。これにはpppoe-relayコマンドを使います。
awplus(config)# pppoe-relay eth0eth1 ↓
- クライアント(端末)側インターフェースをclientコマンドで指定します。
awplus(config-pppoe-relay)# client eth0 ↓
- サーバー(PPPoE AC)側インターフェースをserverコマンドで指定します。
awplus(config-pppoe-relay)# server eth1 ↓
設定は以上です。
■ 転送するPPPoEセッション数を制限したいときは、max-sessionsコマンドを使います。最大セッション数の初期値は5000です。
awplus(config-pppoe-relay)# max-sessions 10 ↓
■ 初期設定では、一定時間無通信状態が続いたPPPoEセッションは自動的に削除されます。削除までの時間(無通信時タイムアウト)はtimeoutコマンドで設定できます。初期値は600秒です。
awplus(config-pppoe-relay)# timeout 900 ↓
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