- スマートコネクト内のユーザーVLAN「10」とセル型ネットワーク内のユーザーVLAN「20」を作成します。
「ネットワーク基本設定」>「インターフェース管理」画面で「インターフェース追加」をクリックします。
なお、VLAN作成は「VLAN」ページから行うこともできます。

「インターフェース種別」から「VLAN」を選択し、「VLAN ID」に「10」、「VLAN名」に「vlan10」と入力し、「適用」をクリックします。
同様にしてVLAN「20」も作成してください。

- VLAN「10」と「20」にIPアドレスを指定します。
「ネットワーク基本設定」>「インターフェース管理」画面で「vlan10」の右側にある「編集」をクリックします。

「固定IP」が選択された状態で、「IPアドレス」に「192.168.10.1/24」と入力し、「適用」をクリックします。
同様にしてVLAN「20」にIPアドレス「192.168.20.1/24」を設定してください。

- LANポートにおいて初期状態で有効化されているスパニングツリープロトコル(RSTP)を無効化します。
本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面にアクセスして行います。
スパニングツリープロトコルの詳細は「L2スイッチング」/「スパニングツリープロトコル」をご覧ください。
awplus> enable ↓
awplus# configure terminal ↓
awplus(config)# no spanning-tree rstp enable ↓
この後もコマンド入力が必要な手順がありますので、「CLI」画面(タブ)は開いたままにしておくと便利です。
これ以降、コマンド入力の説明箇所では、本手順で開いた「CLI」画面を引き続き使う前提でコマンドモードの移動などを記述します。
- WANポートeth1上にPPPoEインターフェースppp0を作成します。
「ネットワーク基本設定」>「インターフェース管理」画面で「インターフェース追加」をクリックすると表示される「インターフェース追加」画面において、「インターフェース種別」から「PPPoE」を、「Ethernetインターフェース」から「eth1」を選択します。
また、「ユーザー名」に「user@isp」、「パスワード」に「isppasswd」を入力し、「適用」をクリックします。

以下の項目は自動で設定されます。
- ファイアウォールやNATのルール作成時に使うエンティティー(通信主体)を定義します。
エンティティー定義の詳細は「UTM」/「エンティティー定義」をご覧ください。
最初に内部ネットワークを表すゾーン「private」を作成します。
「セキュリティー」>「エンティティー」画面で「ゾーン追加」をクリックしてください。

ゾーン名「private」を入力し、「適用」をクリックします。

作成されたゾーン「private」に以下の3つのネットワークを追加します。
表 8:ネットワーク
名称 |
IPv4サブネットアドレス |
インターフェース |
dhcp |
0.0.0.0/0 |
vlan1 |
lan |
192.168.1.0/24 |
なし |
wireless_user |
192.168.10.0/24 |
なし |
192.168.20.0/24 |
なし |
ゾーン「private」の「ネットワーク追加」をクリックしてください。

ネットワーク「dhcp」を追加するには、「名称」に「dhcp」を入力し、「IPv4サブネットアドレス」の「サブネット追加」からIPアドレス「0.0.0.0/0」を入力します。また、インターフェース欄をクリックして「vlan1」を選択し、最後に「保存」をクリックします。
同様にして、ネットワーク「lan」と「wireless_user」も追加してください。

作成したネットワーク「lan」に次の3つのホストを追加します。
表 9:ホスト
名称 |
IP |
ap1 |
192.168.1.101 |
ap2 |
192.168.1.102 |
ap3 |
192.168.1.103 |
ゾーン「private」画面の「lan」の右向き矢印をクリックし、下の画面で「ホスト追加」をクリックしてください。

ホスト「ap1」を追加するには、「名称」に「ap1」、「IP」に「192.168.1.101」を入力し、「保存」をクリックします。
同様にして、ホスト「ap2」と「ap3」も追加してください。

- 同じようにして外部ネットワークを表すゾーン「public」を作成します。
「セキュリティー」>「エンティティー」画面で「ゾーン追加」をクリックして「ゾーン追加」画面を開き、ゾーン名「public」を入力して「適用」をクリックしてください。

作成したゾーン「public」にネットワーク「wan」を追加します。IPv4サブネットアドレスは「0.0.0.0/0」、インターフェースは「ppp0」で設定します。
本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面から行います。
awplus(config)# zone public ↓
awplus(config-zone)# network wan ↓
awplus(config-network)# ip subnet 0.0.0.0/0 interface ppp0 ↓
Web GUIでは、「ネットワーク追加」でIPv4サブネットアドレスを追加する際、インターフェースとしてPPPインターフェースやトンネルインターフェースを指定することができません。
続けて、作成したネットワーク「wan」にホスト「ppp0」を追加します。
こちらもコマンド入力が必要なため、前の設定に続いて「システム」>「CLI」画面から以下のコマンドを実行してください。
awplus(config-network)# host ppp0 ↓
awplus(config-host)# ip address dynamic interface ppp0 ↓
awplus(config-host)# exit ↓
awplus(config-network)# exit ↓
awplus(config-zone)# exit ↓
Web GUIでは、「ホスト追加」でインターフェースとしてPPPインターフェースやトンネルインターフェースを指定することができません。
- ファイアウォールのルール作成時に通信内容を指定するために使う「アプリケーション」を定義します。
アプリケーション定義の詳細は「UTM」/「アプリケーション定義」をご覧ください。
「セキュリティー」>「アプリケーション」画面で「カスタムアプリケーション追加」をクリックします。

「アプリケーション」に「dhcp」、「プロトコル」に「UDP」を入力し、候補から選択します。
「宛先ポート(オプション)」の「ポート追加」からポート「67-68」を設定し、「適用」をクリックしてください。

- 外部からの通信を遮断しつつ、内部からの通信は自由に行えるようにするファイアウォール機能の設定を行います。
ここでは次のルールを設定します。
表 10:ファイアウォールルール
ルール |
アクション |
アプリケーション |
送信元エンティティー |
宛先エンティティー |
説明 |
10 |
許可 |
dhcp |
private.dhcp |
private.dhcp |
内部でのDHCPによる通信を許可します |
20 |
許可 |
any |
private.lan |
private.lan |
内部から内部への通信を許可します(ここでは本製品・無線AP間の通信) |
30 |
許可 |
any |
private |
public |
内部から外部への通信を許可します |
40 |
許可 |
dns |
public.wan.ppp0 |
public.wan |
本製品のWAN側インターフェースから外部へのDNS通信を許可します |
50 |
拒否 |
any |
private.wireless_user |
private.lan.ap1 |
ユーザーからアクセスポイント1への通信を破棄します |
60 |
拒否 |
any |
private.wireless_user |
private.lan.ap2 |
ユーザーからアクセスポイント2への通信を破棄します |
70 |
拒否 |
any |
private.wireless_user |
private.lan.ap3 |
ユーザーからアクセスポイント3への通信を破棄します |
- 無線LANコントローラーと管理下AP間の通信が遮断されないようにご注意ください。
- 無線端末からアクセスポイントへの通信を遮断するような設定を行っていますが、不要な場合はルール 50,60,70 を削除してください。
Web GUI上ではエンティティーの区切り文字がピリオド(.)ではなくスラッシュ(/)になっています。
たとえば、ルール50の宛先エンティティー「private.lan.ap1」は「private / lan / ap1」のように表示されますが、意味は同じです。
「セキュリティー」>「ファイアウォール」画面で「ルール追加」をクリックします。

ルール10を追加するには、「アクション」に「許可」、「アプリケーション」に「dhcp」、「送信元エンティティー」に「private / dhcp」(ゾーン「private」のネットワーク「dhcp」)、「宛先エンティティー」に「private / dhcp」を選択し、「適用」をクリックします。
同様にして残りのルール(20~70)も設定してください。

Web GUIでファイアウォールルールを設定する場合、ルール番号を指定できないため、必ずルール番号順に設定してください。
ファイアウォールの設定が終わったら、「セキュリティー」>「ファイアウォール」画面右上のスイッチをクリックしてファイアウォールを有効にしてください。

ファイアウォールを有効にするときは、事前にWeb GUIへのアクセスを許可するルールが設定されていることを確認してください。
- NATルールを追加します。「セキュリティー」>「NAT」画面の「ルール追加」をクリックしてください。

「アクション」に「マスカレード」、「アプリケーション」に「any」、「送信元エンティティー」に「private」、「宛先エンティティー」に「public」を指定し、「保存」をクリックします。

NATルールを設定したら、「セキュリティー」>「NAT」画面右上のスイッチをクリックしてNATを有効にしてください。
- DNSリレー機能の転送先DNSサーバーアドレスを手動設定します。
「ネットワーク基本設定」>「DNSクライアント」画面で「サーバー追加」をクリックし、表示された下記の画面でIPアドレスに「10.100.100.100」を入力し、「適用」をクリックしてください。

- DNSリレー機能を有効にします。
本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面から行います。
awplus(config)# ip dns forwarding ↓
- デフォルト経路をPPPインターフェースppp0に向けます。
「ネットワーク基本設定」>「スタティック経路」画面で「スタティック経路の追加」をクリックし、表示された下記の画面で「宛先ネットワーク」に「0.0.0.0/0」、「ゲートウェイ/インターフェース」に「ppp0」を指定し、「適用」をクリックします。

- DHCPサーバー機能の設定を行います。
「ネットワークサービス」>「DHCPサーバー」画面で「新規DHCPプール」をクリックし、表示された下記の画面でDHCPプールを設定します。
下記の表にしたがい3つのDHCPプールを設定してください。

表 11:DHCPプール
DHCPプール名 |
ネットワーク |
デフォルトゲートウェイ |
リース時間 |
IPアドレス範囲 |
DNSサーバー |
開始 |
終了 |
pool1 |
192.168.1.0/24 |
なし |
任意 |
192.168.1.101 |
192.168.1.110 |
なし |
user1 |
192.168.10.0/24 |
192.168.10.1 |
任意 |
192.168.10.201 |
192.168.10.210 |
なし |
user2 |
192.168.20.0/24 |
192.168.20.1 |
任意 |
192.168.20.201 |
192.168.20.210 |
なし |
作成したプール「pool1」にホストを追加します。
本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面から以下のコマンドを実行してください。
awplus(config)# ip dhcp pool pool1 ↓
awplus(dhcp-config)# host 192.168.1.101 0000.5e00.5301 ↓
awplus(dhcp-config)# host 192.168.1.102 0000.5e00.5302 ↓
awplus(dhcp-config)# host 192.168.1.103 0000.5e00.5303 ↓
設定が終わったら、「ネットワークサービス」>「DHCPサーバー」画面右上のスイッチをクリックして、DHCPサーバーを有効化してください。
- APがWPAエンタープライズで使用するRADIUSサーバーとして、本製品のローカルRADIUSサーバーを設定します。
「ネットワークサービス」>「RADIUSサーバー」画面右上のスイッチをクリックして、RADIUSサーバーを有効化してください。
各APをRADIUSクライアント(NAS)として登録します。
「NAS」セクションの「NAS追加」をクリックしてください。

NASを登録するには、「NAS」追加画面で下記の表のように設定し、「適用」をクリックします。

表 12:NAS
NAS |
共有パスワード |
192.168.1.101 |
nas123456 |
192.168.1.102 |
nas123456 |
192.168.1.103 |
nas123456 |
ここには示していませんが、上記の設定後、WPAエンタープライズの認証で使用するユーザーをローカルRADIUSサーバーに登録してください。
- APが使用すべきRADIUSサーバーの設定を行います。
「ネットワークサービス」>「RADIUSクライアント」画面で「サーバー追加」をクリックします。

「RADIUSサーバー」に「192.168.1.1」、「共有パスワード」に「nas123456」を指定し、「適用」をクリックします。

次に、サーバーグループを追加します。
「ネットワークサービス」>「RADIUSクライアント」画面で「グループ追加」をクリックし、表示された下記の画面で「グループ」に「wpa4login」、「サーバー」に「192.168.1.1」を指定して、「適用」をクリックします。

- ルーター自身を権威あるNTPサーバーとして動作させます。
本設定はコマンド入力が必要なため、「システム」>「CLI」画面から行います。
awplus(config)# ntp master ↓
- ここから、無線管理のセットアップを開始します。
無線LANコントローラーの管理IPアドレス(APとの通信に使用するIPアドレス)を指定し、無線LANコントローラー機能を有効にします。
「Vista manager mini」>「無線管理」>「セットアップ」画面で「管理IPアドレス」から「192.168.1.1」を選択したのち、画面右上のスイッチをクリックして無線管理を有効化してください。

次に、無線ネットワーク「1」「2」を作成します。
無線ネットワーク「1」のSSIDは「wnet10」、セキュリティー方式はWPAパーソナルで、
無線ネットワーク「2」のSSIDは「wnet20」、セキュリティー方式はWPAエンタープライズとします。
「Vista manager mini」>「無線管理」>「セットアップ」画面で「ネットワーク」タブを選択し、右上の「ネットワーク追加」をクリックします。

無線ネットワーク「1」を作成するには、以下のように設定します。

表 13:ネットワーク1
SSID |
wnet10 |
説明 |
任意 |
ステータス |
通常 |
セキュリティー |
WPAパーソナル |
キー |
passphrase_for_wnet |
「拡張設定」をクリックし、「VLAN ID」に「10」を入力して、「保存」をクリックします。

同様にして、無線ネットワーク「2」を以下のように設定し、「保存」をクリックします。
表 14:ネットワーク2
SSID |
wnet20 |
説明 |
任意 |
ステータス |
通常 |
セキュリティー |
WPAエンタープライズ |
RADIUS 認証グループ |
wpa4login |
RADIUS アカウンティンググループ |
wpa4login |
ダイナミックVLAN |
無効 |
VLAN ID(拡張設定) |
20 |
- 次に、SCプロファイル「1」を作成します。
ここでは無線2を使用します。
「Vista manager mini」>「無線管理」>「セットアップ」画面で「アクセスポイント」タブをクリックし、「スマートコネクトプロファイル追加」をクリックしてください。

以下のように設定します。

表 15:SCプロファイル
名前 |
smart-connect-profile 1 |
SSID |
awc-smart-connect |
キー |
1234567890abcdef |
無線 |
2 |
チャンネル |
Auto |
- 次に、APプロファイル「1」を作成します。
無線1(2.4GHz)のVAP「0」でネットワーク「1」を、VAP「1」でネットワーク「2」をセル型として運用するものとします。
また、スマートコネクト設定を行います。
「Vista manager mini」>「無線管理」>「セットアップ」画面で「アクセスポイント」タブをクリックし、「プロファイル追加」をクリックしてください。

「一般」タブでは以下のように設定します。

表 16:プロファイル 一般
名前 |
ap-profile 1 |
モデル |
AT-TQ5403 |
カントリーコード |
Japan |
無線1 |
有効 |
wnet10 - Channel Blanket OFF |
wnet20 - Channel Blanket OFF |
「スマートコネクト」タブを選択し、以下のように設定します。

上記のとおり設定したら、「適用」をクリックします。
- 次に、「スマートコネクト」タブを選択し、「編集」ボタンをクリックしてスマートコネクトダイアログを開き、チャンネルに「48」を指定します。

上記のとおり設定したら、「適用」をクリックします。
- AP「1」「2」「3」を登録します。
本設定例では、手動でアクセスポイントを追加します。
自動セットアップ機能を利用する場合は、「Web GUI」/「Vista Manager mini - 無線管理」の「セットアップ / スタート / 自動セットアップ」をご参照ください。
「Vista manager mini」>「無線管理」>「セットアップ」画面で「アクセスポイント」タブをクリックし、「アクセスポイント追加」ををクリックしてください。
それぞれ以下のように設定し、「適用」をクリックして各APを追加してください。

表 17:アクセスポイント
アクセスポイント |
名前 |
MACアドレス |
IPアドレス |
プロファイル |
AP1 |
ap1 |
0000.5e00.5301 |
192.168.1.101 |
ap-profile 1 |
AP2 |
ap2 |
0000.5e00.5302 |
192.168.1.102 |
ap-profile 1 |
AP3 |
ap3 |
0000.5e00.5303 |
192.168.1.103 |
ap-profile 1 |
- AWC機能を有効にします。Web GUIの左メニューから「Visa Manager mini」>「無線管理」>「AWC管理」をクリックします。

初期設定ではAWCの計算開始は毎日 15:00、計算結果適用は毎日 03:00 に設定されています。
「AWC管理」画面を開くと、その時点で初期設定がコンフィグレーションに反映されます。
AWC機能はセル型の無線バンドのみ対象となります。
GUIから自動設定されるAWCスケジュールの初期設定は、AWC計算結果を適用するためのタスクが「1000」、AWC計算を実行するためのタスクが「1001」としてRunning-config上に自動登録されます。AWC機能を使用しない場合は、「計算タスク編集」を選択し、「AWC 計算」ダイアログから「状態」を「無効」にしてください。

- スイッチを接続するポートの設定を行います。
ここではポート1をスイッチと接続するものとします。
「ネットワーク基本設定」>「VLAN」画面を開きます。
「VLAN」から「VLAN10」を選択した状態で、左図の「ポート1」部分を2回クリックします(タグVLANとして設定します)。
「ポート1」部分が「VLAN10」の色の「T」マークになったのを確認し、「適用」をクリックしてください。

同様にして、「VLAN20」を選択した状態で、左図の「ポート1」部分をクリックし、「適用」をクリックします(タグVLANとして設定します)。
「ポート1」部分にカーソルを合わせて、「VLAN10」と「VLAN20」が表示されることを確認します。

ルーターへの設定は以上です。