インストールガイド / はじめに


動作環境
Hyper-V
アマゾン ウェブ サービス(AWS)
Microsoft Azure
Oracle Cloud
利用開始までの流れ
仮想マシンの作成
環境別ガイド
VPNライセンスのインストール
Web GUIからVPNライセンスをインストール
IPアドレスの確認
Web GUIへのアクセスとライセンスのインストール
Web GUIを使わずにVPNライセンスをインストール


AT-AR4000S-Cloudは、VPN、ファイアウォールなどの機能を提供する仮想ルーターアプライアンス製品です。

本製品を初めてお使いになる場合は、最初に本章「インストールガイド」をご覧になり、ご使用の仮想化環境に AT-AR4000S-Cloud の仮想マシンをインストールしたのち、「運用・管理」/「システム」以降の各章を参照して AT-AR4000S-Cloud の設定を行ってください。


動作環境

本製品は仮想化環境やパブリッククラウドサービス上で動作する仮想マシンです。
AT-AR4000S-Cloud がサポートする仮想化環境、パブリッククラウドサービスは以下のとおりです。


Hyper-V

Hyper-V環境における推奨システム要件は次のとおりです。

アマゾン ウェブ サービス(AWS)

AWS環境における必要システム要件は次のとおりです。

Microsoft Azure

Microsoft Azure環境における必要システム要件は次のとおりです。

Oracle Cloud

Oracle Cloud環境における必要システム要件は次のとおりです。

利用開始までの流れ

AT-AR4000S-Cloudの利用を開始するまでのおおまかな流れを次に示します。
  1. 仮想マシンの作成
    ご利用の仮想化環境上にAT-AR4000S-Cloudの仮想マシンを作成します。

  2. VPNライセンスのインストール
    AT-AR4000S-Cloudを使用するために必要な「VPNライセンス」をインストール(有効化)します。

  3. AT-AR4000S-Cloudの設定
    AT-AR4000S-Cloudに対し、ルーターとしての設定を行います。
    設定にはWebブラウザー(GUI/CLI)、SSHクライアント(CLI)、仮想化環境のコンソール(CLI)を使用できます。
    本手順については、本マニュアルの「運用・管理」/「システム」以降の各章、各ページをご参照ください。

仮想マシンの作成

AT-AR4000S-Cloud仮想マシンの作成手順はご使用の仮想化環境によって異なりますので、以下の環境別ガイドをご覧ください。
Note
インストールガイドの説明は、動作環境の設定(仮想化環境のセットアップ、パブリッククラウドサービスのアカウント作成等)は行われていることを前提としています。各動作環境の設定方法につきましては、各環境のマニュアルなどをご参照ください。

環境別ガイド

仮想マシンの作成手順や基本的な操作方法(起動、停止、アップグレードなど)は仮想化環境やパブリッククラウドサービスによって異なるため、以下の環境別ガイドをご参照ください。

VPNライセンスのインストール

AT-AR4000S-Cloudを利用するにはVPNライセンスが必要です。
AT-AR4000S-Cloud仮想マシンの作成が完了したら、以下の手順にしたがって発行に必要な「シリアル番号」を確認の上、必要なライセンスを含むライセンスキーの発行を依頼してください。
また、ライセンスファイルを入手後、VPNライセンスをインストール(有効化)してください。
Note
VPNライセンスには大きくわけて次の2種類があります。
本製品の利用にあたっては最低限「基本ライセンス」が必要です。
VPN接続を11セッション以上使用する場合は必要な数の「追加ライセンス」を追加してください。

Web GUIからVPNライセンスをインストール

以下の手順ではシリアル番号の確認とライセンスキーのインストールをWeb GUIから行います。
Note
Web GUIを使わず、CLIだけでシリアル番号の確認とライセンスキーのインストールを行うこともできます。
手順については、「Web GUIを使わずにVPNライセンスをインストール」をご参照ください。

IPアドレスの確認

Web GUIへのアクセスに必要な本製品のIPアドレスは次のようにして確認します。


Web GUIへのアクセスとライセンスのインストール

  1. Webブラウザーを起動し、次のURLを入力してAT-AR4000S-CloudのWeb GUIにアクセスします。
    IPアドレス「192.168.10.103」の部分は、「IPアドレスの確認」で調べたAT-AR4000S-CloudのIPアドレスに置き換えてください。
    https://192.168.10.103
    

  2. 次のログイン画面が表示されたら、ユーザー名とパスワードを入力して「サインイン」ボタンをクリックします。
    入力したパスワードは、「●」で表示されます。

    Note
    初期設定のユーザー名は「manager」、パスワードは「friend」です。
    ただし、Hyper-V環境において、コンソールからのIPアドレス確認時にパスワードを変更している場合は変更後パスワードを入力してください。
    Note
    デフォルトのユーザー名「manager」、パスワード「friend」でログインしたときは、次のセキュリティ警告が表示されます。ログインを続行するには「保存して次へ」をクリックしてください。

    Note
    VPNライセンス未インストール時は設定保存ができないため、仮想マシンを再起動すると初期パスワードに戻ります。
    Hyper-V環境において、コンソールからのIPアドレス確認後に仮想マシンを再起動した場合は初期パスワードを入力してください。

  3. AT-AR4000S-Cloudのダッシュボード画面が表示されます。
    VPNライセンスをインストールしていない状態では、画面左側のメニュー欄に最小限のメニュー項目しか表示されません。


  4. VPNライセンスをインストールするには、ライセンスキーの発行を依頼し、ライセンスファイルを入手する必要があります。
    画面左側のメニューから「システム」 → 「情報」画面を開き、発行に必要な「シリアル番号」を確認の上、ライセンスキーの発行を依頼してください。

    Note
    ライセンスキーの発行依頼に関しては、製品パッケージ同梱の「アニュアルライセンス(AR4000S-Cloud用)の発行について」をご覧いただくか、弊社担当営業、代理店またはお問い合わせ窓口までお問い合わせください。
    Note
    AT-AR4000S-Cloudのシリアル番号は、AT-AR4000S-Cloudの仮想マシンを削除して作成しなおすと変更されます。シリアル番号が変更されるとライセンスの再発行が必要になりますので不用意に仮想マシンを削除しないようご注意ください。

  5. ライセンスファイルを入手したら、再度Web GUIにログインして画面左側のメニューから「システム」 → 「ライセンス管理」画面を開き、「ファイルによるライセンス有効化」ボタンをクリックします。


  6. ファイル選択ダイアログでライセンスファイルを指定します。


  7. ライセンスのインストールに成功すると次のダイアログが表示されます。


  8. ブラウザーを再読み込みすると、画面左側のメニュー欄にすべてのメニュー項目が表示されるようになります。

    Note
    VPNライセンス(基本ライセンス)を適用すると次の3つが有効化され、本製品の基本機能がすべて利用可能になります。
    • VPN:VPN接続機能
    • Firewall:ファイアウォール機能
    • Base AW+:ルーティング機能

以上でVPNライセンスのインストールは完了です。
これで AT-AR4000S-Cloudの基本機能がすべて利用可能な状態になりました。

ここからは「運用・管理」/「システム」以降の各章を参照して、AT-AR4000S-Cloudの管理インターフェース(GUIまたはCLI)にアクセスし、ルーターとしての設定を行ってください。

なお、機能によっては別途ライセンスが必要なものもあります。追加ライセンスのインストールについては「ライセンスについて」をご参照ください。

Web GUIを使わずにVPNライセンスをインストール

AT-AR4000S-Cloud仮想マシンの作成完了後、Web GUIを使わずにCLIだけでシリアル番号の確認とVPNライセンスのインストールを行うには、以下の手順にしたがってください。

  1. AT-AR4000S-CloudのCLIにアクセスします。


  2. コンソール接続の場合、画面に表示されたログインプロンプトにユーザー名とパスワードを入力します。
    SSH接続時もSSHクライアントの仕様にしたがってユーザー名、パスワードを指定・入力してください。
    awplus login: manager 
    Password: friend ↓(実際には表示されません)
    
    Note
    初期設定のユーザー名は「manager」、パスワードは「friend」です。

  3. 初回ログイン時には初期パスワードの変更を求める下記のメッセージが表示されますので、新しいパスワードを2回入力してパスワードを変更してください。
    Note
    VPNライセンス未インストール時は設定保存ができないため、仮想マシンを再起動すると初期パスワードに戻ります。
    正式なパスワード変更は、VPNライセンスの有効化後に「運用・管理」/「システム」を参照しながら実施してください。
    AlliedWare Plus (TM) 5.5.4 xx/xx/xx xx:xx:xx
    
    Restricting AW+ base functionality:
    Please activate a Base AW+ license if not on registered hardware.
    
    % Default password needs to be changed.
    % Your password has been expired for 6760 days. Your must change your password now.
    Current password security rules:
    -------------------------------------------
    Minimum password length: 1
    Minimum password character categories: 1
    -------------------------------------------
    Enter new password: XXXXXXXX(実際には表示されません) 
    Re-Enter new password: XXXXXXXX(実際には表示されません) 
    Password changed successfully
    
    awplus> 
    

  4. (Hyper-V環境でコンソール接続している場合のみ)show ip interfaceコマンドを実行して、eth0インターフェースにIPアドレスが割り当てられていることを確認します。
    awplus> show ip interface
    Interface             IP-Address         Status          Protocol
    eth0                  192.168.10.103/24  admin up        running
    eth1                  unassigned         admin up        running
    lo                    unassigned         admin up        running
    br0                   unassigned         admin up        down
    
    Note
    eth0にIPアドレス(IP-Address)が割り当てられていない(unassigned)場合は、AT-AR4000S-Cloud仮想マシンのネットワーク接続やDHCPサーバーの設定を確認してください。
    Note
    VPNライセンスのインストール時には、ライセンスファイルを仮想マシンに転送するためにネットワーク接続が必要です。
    ライセンス未インストールの状態ではIPアドレスの固定設定ができないため、仮想マシンの1つ目のネットワークインターフェース(eth0)がDHCPでIPアドレスを取得できるようネットワーク上のDHCPサーバーが設定されていることを確認してください。

  5. VPNライセンスをインストールするには、ライセンスキーの発行を依頼し、ライセンスファイルを入手する必要があります。
    show system serialnumberコマンドを実行して発行に必要な「シリアル番号」を確認し、ライセンスキーの発行を依頼してください。
    awplus> show system serialnumber
    XXXXXXXXXXXXXXXX
    
    Note
    ライセンスキーの発行依頼に関しては、製品パッケージ同梱の「アニュアルライセンス(AR4000S-Cloud用)の発行について」をご覧いただくか、弊社担当営業、代理店またはお問い合わせ窓口までお問い合わせください。
    Note
    AT-AR4000S-Cloudのシリアル番号は、AT-AR4000S-Cloudの仮想マシンを削除して作成しなおすと変更されます。シリアル番号が変更されるとライセンスの再発行が必要になりますので不用意に仮想マシンを削除しないようご注意ください。

  6. ライセンスファイルを入手したら、そのファイルを本製品(Hyper-V環境のコンソール接続は手順4で確認したIPアドレス)からアクセス可能なTFTPサーバー、HTTPサーバー、SSHサーバー(SCPまたはSFTPをサポート)上の適切な場所に保存してください。

  7. license update fileコマンドでライセンスファイルのリモートパスを指定し、VPNライセンスをダウンロード、インストールします。
    ここではライセンスファイル「XXXXXXXXXXXXXXXX.bin」を TFTPサーバー 192.168.10.2 に置いたものとします。
    awplus> license update file tftp://192.168.10.2/XXXXXXXXXXXXXXXX.bin
    

  8. ライセンスのインストールに成功しても特にメッセージは表示されませんが、show license externalコマンドを実行して次のように情報が表示されればライセンスはインストールされています。
    awplus> show license external
    
    Features with installed entitlements:
    
    Firewall
    
         Currently licensed:            Yes
    
         Start date:                    17 Apr 2022 00:00
         Expiry date:                   18 Apr 2023 23:59
    
    VPN
    
         Currently licensed:            Yes
    
         Start date:                    17 Apr 2022 00:00
         Expiry date:                   18 Apr 2023 23:59
    
    Base AW+
    
         Currently licensed:            Yes
    
         Start date:                    17 Apr 2022 00:00
         Expiry date:                   18 Apr 2023 23:59
    
    Note
    VPNライセンス(基本ライセンス)を適用すると次の3つが有効化され、本製品の基本機能がすべて利用可能になります。
    • VPN:VPN接続機能
    • Firewall:ファイアウォール機能
    • Base AW+:ルーティング機能

  9. ライセンスインストール後は、未インストール時にはできなかったenableコマンドによる特権EXECモードへの移動が可能となります。
    awplus> enable
    awplus# 
    

以上でVPNライセンスのインストールは完了です。
これで AT-AR4000S-Cloudの基本機能がすべて利用可能な状態になりました。

ここからは「運用・管理」/「システム」以降の各章を参照して、AT-AR4000S-Cloudの管理インターフェース(GUIまたはCLI)にアクセスし、ルーターとしての設定を行ってください。

なお、機能によっては別途ライセンスが必要なものもあります。追加ライセンスのインストールについては「ライセンスについて」をご参照ください。


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PN: 613-003066 Rev.L