network

モード: OSPFモード
カテゴリー: IP / 経路制御(OSPF)


(config-router)# [no] network NETWORK area AREAID


OSPFメッセージの送受信を行うIPインターフェースと所属エリアを指定する。
no形式で実行した場合は設定を削除する。


パラメーター

NETWORK ネットワーク範囲。指定した範囲内のIPアドレスを持つインターフェースでOSPFが有効になり、該当IPアドレスのインターフェース(リンク)が指定したエリアのルーターLSA(タイプ1LSA)に追加される。次のいずれかの形式で指定する
A.B.C.D/M IPアドレスとマスク長。この形式の場合、IPアドレスの先頭からマスク長で指定されたビット数だけが比較対象となる
A.B.C.D W.X.Y.Z IPアドレスとサブネットマスク(ANDマスク)またはワイルドカードマスク(ORマスク/リバースマスク)。「W.X.Y.Z」の先頭ビットが1の場合はサブネットマスク、先頭ビットが0の場合はワイルドカードマスクとして扱われる。詳細は「注意・補足事項」を参照
area AREAID OSPFエリアID。次のいずれかの形式で指定する
<0-4294967295> 単一10進数形式(例:1)
A.B.C.D IPアドレス形式(例:0.0.0.1)


使用例

■ もっとも基本的な指定方法は、各インターフェースに設定されたネットワークアドレスとマスク長、すなわち、直結ネットワークのアドレスをひとつずつ指定していく方法。たとえば、ここに2つのインターフェースがあり、それぞれがネットワーク172.16.10.0/24と172.16.20.0/24に接続されている場合、これらのインターフェースでOSPFを有効化するには次のようにする。

awplus(config)# router ospf
awplus(config-router)# network 172.16.10.0/24 area 0
awplus(config-router)# network 172.16.20.0/24 area 0

■ ネットワークアドレスを大きな範囲で指定することにより、一度に複数のインターフェースでOSPFを有効化することもできる。たとえば、
172.16.0.0/16の範囲内のIPアドレス(172.16.0.0~172.16.255.255)を持つインターフェースでOSPFを有効にするには、次のようにする。
awplus(config)# router ospf
awplus(config-router)# network 172.16.0.0/16 area 0

■ 172.16.0.0/16の範囲内のIPアドレス(172.16.0.0~172.16.255.255)を持つインターフェースでOSPFを有効にする。該当インターフェースの所属エリアは0(バックボーン)とするが、例外的に172.16.240.0/20(172.16.240.0~172.16.255.255)はエリア1とする。
awplus(config)# router ospf
awplus(config-router)# network 172.16.240.0/20 area 1
awplus(config-router)# network 172.16.0.0/16 area 0

■ 本コマンドで指定するアドレスはあくまでもIPインターフェースのアドレスなので、32ビットマスクでインターフェースのIPアドレスを正確に指定してもかまわない。たとえば、次の例では、IPアドレス172.16.10.1または172.16.20.1を持つインターフェースでのみOSPFが有効になる。
awplus(config)# router ospf
awplus(config-router)# network 172.16.10.1/32 area 0
awplus(config-router)# network 172.16.20.1/32 area 0

■ 逆に、すべてのアドレスとマッチする「0.0.0.0/0」を指定すれば、IPアドレスを持つすべてのインターフェースを指定したことになる。ただし、このような指定方法は、意図しないインターフェース(たとえば、マネージメント用Ethernetポート)でOSPFを有効化し、該当インターフェースの直結ネットワークを通知してしまうことにつながるのでおすすめはできない。
awplus(config)# router ospf
awplus(config-router)# network 0.0.0.0/0 area 0

■ 192.168.100.0/24の範囲内のIPアドレス(192.168.100.0~192.168.100.255)を持つインターフェース(エリア0)でOSPFを無効にする。ネットワークアドレスとエリアIDは、OSPFを有効にしたときと同じ指定でなくてはならない(以前に「network 192.168.100.0/24 area 0」を実行していなくてはならない)。
awplus(config)# router ospf
awplus(config-router)# no network 192.168.100.0/24 area 0


注意・補足事項

■ ネットワーク範囲を「A.B.C.D W.X.Y.Z」形式で指定する場合、「W.X.Y.Z」の先頭ビットが1の場合はサブネットマスク、先頭ビットが0の場合はワイルドカードマスクとして扱われる。

すなわち、ワイルドカードマスクはサブネットマスクの各ビットを反転させたものと考えればよい。

たとえば、192.168.10.0/24の範囲(192.168.10.0~192.168.10.255)にマッチさせたい場合、「先頭24ビットを比較対象にする」=「末尾8ビットを無視する」となるため、以下のとおりサブネットマスクとしては「255.255.255.0」、ワイルドカードマスクとしては「0.0.0.255」を指定する。

サブネットマスク「255.255.255.255」とワイルドカードマスク「0.0.0.0」も同義であり、インターフェースアドレスとA.B.C.Dが完全一致したときだけマッチする指定となる。

また、ワイルドカードマスクで指定した場合、ランニングコンフィグ中ではサブネットマスク形式に自動変換される。


コマンドツリー

router ospf (グローバルコンフィグモード)
    |
    +- network(OSPFモード)

関連コマンド

show ip ospf(非特権EXECモード)
show ip ospf interface(非特権EXECモード)
show ip ospf neighbor(非特権EXECモード)
show ip protocols ospf(非特権EXECモード)



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