運用・管理 / SNMP

本製品は、ネットワーク管理プロトコルSNMP(Simple Network Management Protocol)のバージョン1(SNMPv1)、バージョン2c(SNMPv2c)、バージョン3(SNMPv3)に対応しています(IPv4、IPv6両対応)。

SNMPv3では、認証・暗号化機能やMIBオブジェクトへのアクセス制御など大幅な拡張がなされています。そのため、バージョン1、2cとバージョン3では設定方法が大きく異なります。以下では、最初にバージョン1、2cの設定を紹介し、その後バージョン3の設定について解説します。






SNMPv1/SNMPv2c

ここでは、SNMPv1/SNMPv2cの設定方法について解説します。

基本設定

SNMPv1/SNMPv2cを利用するために必要な最小限の設定を紹介します。以下の例では、IPの設定は終わっているものとします。

ここでは、SNMPコミュニティー「viewers」を定義し、次のようなアクセス権を設定します。


  1. 本コミュニティーに対するポーリング要求は、管理ホスト192.168.10.2と192.168.20.2からだけ受け付けるものとします。これを実現するため、次のような標準IPアクセスリスト「1」を作成します。
    awplus(config)# access-list 1 permit host 192.168.10.2
    awplus(config)# access-list 1 permit host 192.168.20.2
    


  2. SNMPコミュニティーを作成します。ここでは、読み出しのみ(ro)が可能なコミュニティー「viewers」を作成しています。標準IPアクセスリスト「1」を指定することで、既定の管理ホストからのみポーリング要求を受け付けるよう指示しています。
    awplus(config)# snmp-server community viewers ro 1
    





  3. SNMPコミュニティー「viewers」に通知メッセージ(TRAP/InformRequest)の送信先ホストを追加します。通知メッセージは、ここで指定したホストにのみ送信されます。通知メッセージの送信先を追加するときは、送信するメッセージのバージョンと形式を指定する必要があります。ここでは、192.168.10.2に対してはバージョン2c TRAP形式で、192.168.20.2に対してはバージョン2c InformRequest形式で送信するよう設定します。
    awplus(config)# snmp-server host 192.168.10.2 traps version 2c viewers
    awplus(config)# snmp-server host 192.168.20.2 informs version 2c viewers
    

  4. 有効にする通知メッセージの種類を指定します。
    • ここではまず、snmp-server enable trapコマンドを使って、SNMP認証関連の通知メッセージを送信するよう設定します。
      awplus(config)# snmp-server enable trap auth
      

    • さらに、インターフェースモードのsnmp trap link-statusコマンドを使って、ポート1.0.1~1.0.8のリンクステータス変化時に通知メッセージ(リンクアップ・リンクダウントラップ)を送信するよう設定します。
      awplus(config)# interface port1.0.1-1.0.8
      awplus(config-if)# snmp trap link-status
      



基本設定は以上です。

これにより、許可されたSNMP管理ホストから本製品に対してポーリングを行い、MIB情報を取得できるようになります。また、本製品からのSNMP通知メッセージが送信先ホストに送信されるようになります。

その他

管理ホストを追加するには、access-list(standard)コマンドを使って、コミュニティーに適用している標準IPアクセスリストに該当ホストを許可するエントリーを追加してください。次の例では、コミュニティー「viewers」に適用している標準IPアクセスリスト「1」に管理ホスト「192.168.10.10」を許可するエントリーを追加しています。
awplus(config)# access-list 1 permit host 192.168.10.10


通知メッセージの送信先を追加するには、snmp-server hostコマンドを使います。次の例では、バージョン1 TRAPの送信先として「192.168.10.10」を追加しています。
awplus(config)# snmp-server host 192.168.10.10 traps version 1 viewers

たとえば、192.168.10.10にはSNMPv1形式のTRAPを送り、192.168.10.20にはSNMPv2c形式のTRAPを送るには、次のように設定します。
awplus(config)# snmp-server host 192.168.10.10 traps version 1 viewers
awplus(config)# snmp-server host 192.168.10.20 traps version 2c viewers


書き込み権限のあるコミュニティーを作成するには、snmp-server communityコマンドの権限指定時にroではなくrwを指定します(権限省略時は読み込みのみ(ro)と見なされます)。次の例では、書き込み権限のあるコミュニティー「admins」を作成しています。
awplus(config)# snmp-server community admins rw

本製品のSNMPエージェントは、初期設定ではどのホストからのSNMP要求にも応答します。特定の管理ホストにだけアクセスを許可したい場合は、該当ホストからの通信だけを許可するような標準IPアクセスリストをaccess-list(standard)コマンドで作成し、snmp-server communityコマンドで該当アクセスリストの番号を指定します。次に具体例を挙げます。

  1. 172.16.28.70からの通信だけを許可する標準IPアクセスリスト「2」を作成。
    awplus(config)# access-list 2 permit host 172.16.28.70
    


  2. コミュニティー作成時にアクセスリストを指定(省略時はすべてのホストにアクセスを許可します)。
    awplus(config)# snmp-server community operators ro 2
    

本製品のSNMPエージェントは、初期設定では実装しているすべてのMIBオブジェクトにアクセスを許可します。アクセス可能なオブジェクトを限定したい場合は、snmp-server viewコマンドでSNMPビューを定義し、snmp-server communityコマンドのviewパラメーターで該当ビューの名前を指定します。次に具体例を挙げます。

  1. アクセス可能な範囲をmib-2ノード(1.3.6.1.2.1)以下に限定したSNMPビュー「standard」を作成します。ビューは、MIBツリーのどの部分にアクセスさせるかを定義するものです。
    awplus(config)# snmp-server view standard 1.3.6.1.2.1 included
    


  2. コミュニティー作成時にviewパラメーターでビュー名を指定します。
    awplus(config)# snmp-server community mib2viewers ro view standard
    

SNMPの設定を確認するには、show snmp-serverコマンド、show snmp-server communityコマンド、show snmp-server viewコマンドを使います。また、show running-configコマンドにオプション「snmp」を付けて、「show running-config snmp」のように実行すると、ランニングコンフィグのうち、snmp関連の設定だけを見ることができます。
awplus# show running-config snmp
snmp-server enable trap auth
snmp-server community viewers
snmp-server host 192.168.20.2 version 2c viewers

アクセスリストの設定は、show access-listコマンドで確認できます。また、show running-configコマンドにオプション「access-list」を付けて、「show running-config access-list」のように実行すると、ランニングコンフィグのうち、アクセスリスト関連の設定だけを見ることができます。
awplus# show running-config access-list
!
access-list 1 permit 192.168.10.2
access-list 1 permit 192.168.20.2
!

SNMPv3

ここでは、SNMPv3の設定方法について解説します。

基本設定

SNMPv3を利用するために必要な最小限の設定を紹介します。以下の例では、IPの設定は終わっているものとします。

ここでは、SNMPビュー「most」を定義し、次のようなアクセス権を設定します。



  1. ビューを定義します。ビューは、MIBツリーのどの部分にアクセスさせるかを定義するものです。

    ここでは、internetノード(1.3.6.1)以下を表すビュー「most」と、mib-2ノード(1.3.6.1.2.1)以下をあらわずビュー「standard」を作成します。
    awplus(config)# snmp-server view most 1.3.6.1 included
    awplus(config)# snmp-server view standard 1.3.6.1.2.1 included
    


  2. ユーザーグループを作成します。SNMPv3の設定では、ユーザーグループごとに、通信時の認証・暗号化の有無(セキュリティーレベル)とビューへのアクセス権を設定します。

    ここでは管理者グループ「admins」と閲覧者グループ「operators」を定義します。adminsグループのユーザーには、mostビューへのフルアクセス権を与えます。また、通信時には認証と暗号化の両方を必須とします。一方、operatorsグループのユーザーには、standardビューへの読み出しアクセス権だけを与えます。こちらは認証だけを必須とします。
    awplus(config)# snmp-server group admins priv read most write most notify most
    awplus(config)# snmp-server group operators auth read standard
    

  3. ユーザーを作成します。ユーザー作成時には所属グループを指定します。また、所属グループで定められたセキュリティーレベルにあわせて、認証・暗号化に使うプロトコルとパスワードを指定します。

    ここでは、adminsグループのユーザーsupervisor、administratorとoperatorsグループのユーザーzeinを作成します。
    awplus(config)# snmp-server user supervisor admins auth sha jogejoge priv des mugomugo
    awplus(config)# snmp-server user administrator admins auth md5 doonkeee priv des fooobarr
    awplus(config)# snmp-server user zein operators auth md5 fugafuga
    

  4. 通知メッセージ(TRAP/InformRequest)の送信先ホストを追加します。通知メッセージは、ここで指定したホストにのみ送信されます。通知メッセージの送信先を追加するときは、送信するメッセージのバージョンと形式を指定する必要があります。ここでは、192.168.10.2に対してはバージョン3 TRAP形式で、192.168.20.2に対してはバージョン3 InformRequest形式で送信するよう設定します。また、通知メッセージの送信時に使用するセキュリティーレベルとユーザー名も指定します。
    awplus(config)# snmp-server host 192.168.10.2 traps version 3 priv supervisor
    awplus(config)# snmp-server host 192.168.20.2 informs version 3 priv administrator
    

  5. 有効にする通知メッセージの種類を指定します。
    • ここではまず、snmp-server enable trapコマンドを使って、SNMP認証関連の通知メッセージを送信するよう設定します。
      awplus(config)# snmp-server enable trap auth
      

    • さらに、インターフェースモードのsnmp trap link-statusコマンドを使って、ポート1.0.1~1.0.8のリンクステータス変化時に通知メッセージ(リンクアップ・リンクダウントラップ)を送信するよう設定します。
      awplus(config)# interface port1.0.1-1.0.8
      awplus(config-if)# snmp trap link-status
      



基本設定は以上です。

これにより、SNMPv3対応の管理ソフトウェアから本製品のMIB情報を取得できるようになります。また、本製品からの通知メッセージが送信先ホストに送信されるようになります。

その他

SNMPエンジンIDを変更するには、snmp-server engineid localコマンドを使います。
awplus(config)# snmp-server engineid local 001122334455667788

SNMPv1/v2c/v3の共通事項

本製品の設置場所(system.sysLocation.0)を設定するにはsnmp-server locationコマンドを使います。
awplus(config)# snmp-server location 5F@UPD3

本製品の管理責任者(system.sysContact.0)を設定するにはsnmp-server contactコマンドを使います。
awplus(config)# snmp-server contact netadmin@example.com

本製品のシステム名(system.sysName.0)を設定するには、snmp-server system-nameコマンドを使います。
awplus(config)# snmp-server system-name My Device

本製品は次のRMONグループをサポートしています。


RMONの設定は、通常SNMPマネージャーを用いてRMON MIBの各テーブルにエントリーを作成することで行いますが、CLIから以下のコマンドを実行して行うことも可能です。


test snmp trap snmpコマンドを使うと、snmp-server hostコマンドで設定した送信先ホストに通知メッセージが届くかどうかをテストできます。
設定が正しく行われていれば、下記コマンドを実行することで設定済みの送信先に標準のcoldStartトラップが送信されるはずです。
ホスト側でトラップを受信できない場合は、SNMPの設定やネットワークの設定や状況を確認してください。
awplus# test snmp trap snmp coldstart

SNMPエージェントを無効にするには、snmp-serverコマンドをno形式で実行します。なお、SNMPエージェントを無効にしても、その他のSNMP設定は削除されません。
awplus(config)# no snmp-server