インターフェース / Power over Ethernet
本製品のPoE(Power over Ethernet)給電機能について説明します。PoE(Power over Ethernet)は、UTPケーブルを使って、データと電力を同時に伝送する技術です。PoEの規格(IEEE 802.3af、IEEE 802.3at)では、電力を供給する側を「給電機器(PSE: Power Sourcing Equipment)」、電力の供給を受ける側を「受電機器(PD: Powered Device)」と呼びます。
本製品のPoE仕様
本製品は、PoE規格に準拠した給電機器として、装置全体で最大240W、1ポートあたり最大30Wの電力供給が可能です。各ポートへの電力割り当ては、受電機器の電力クラスに基づいて行います。PoE給電機能に対応しているのは、本体内蔵の1000/2.5G/5G/10GBASE-T PoEポート1~8(AT-x550-18XSPQm)です。
PoE給電機能のオン・オフ
初期状態では、すべてのPoEポートでPoE給電機能が有効になっており、接続された受電機器(PD)の検出、電力クラスの識別を自動的に行い、必要に応じて給電を開始します。接続されている機器が受電機器ではなく通常のEthernet機器だった場合は、給電を行わず通常のEthernetポートとして動作します。
指定したポートでPoE給電機能を無効にするには、該当ポートを対象とするインターフェースモードにおいて、power-inline enableコマンドをno形式で実行します。
awplus(config)# interface port1.0.1-1.0.4 awplus(config-if)# no power-inline enable
指定したポートでPoE給電機能を再度有効にするには、power-inline enableコマンドを通常形式で実行します。
awplus(config)# interface port1.0.1-1.0.4 awplus(config-if)# power-inline enable
ポートへの電力の割り当て
本製品は、受電機器の電力クラス、または手動設定した上限値にもとづき、システム全体の最大供給電力から一定の電力を特定のポート用に確保する(割り当てる)という制御を行います。電力クラスによる電力割り当て
本製品はPoEポートに接続された受電機器の電力クラスを自動的に識別し、電力クラスに応じた電力を該当ポート用に割り当てます。たとえば、PoEポートで検出された受電機器がクラス1だった場合、本製品は、この受電機器が実際に使用する電力量に関係なく、4W分の電力を該当ポートに割り当てます。これは、最大4Wまでの出力に対応できるよう、装置全体の最大供給電力のうち4W分を該当ポート用に確保するという意味です。
同様に、接続された受電機器がクラス2の場合は7W、クラス3の場合は15.4W、クラス4の場合は30Wの電力を確保します。
PoE規格で規定されている電力クラス分けについては、下表をご覧ください。
| 0 | デフォルト | 0.44~12.95W | 15.4W |
| 1 | オプション | 0.44~3.84W | 4.0W |
| 2 | オプション | 3.84~6.49W | 7.0W |
| 3 | オプション | 6.49~12.95W | 15.4W |
| 4 | オプション | 12.95~25.5W | 30W |
給電時の優先順位
PoE電源の電力使用量が装置全体の最大供給電力を上回った場合は、給電中のポートのうち、もっとも優先順位の低いポートへの給電を停止します。優先順位は次のようにして決定されます。- ポートの給電優先度(power-inline priorityコマンドで設定)。critical(最高)、high(高)、low(低)の3段階。
- 給電優先度の同じポート間では、ポート番号の小さいほうが優先順位が高くなる。
初期状態では、すべてのPoEポートで給電優先度がlowに設定されています。したがって、給電時の優先順位はポート番号の順になります(ポート1が優先順位最高)
ポートの給電優先度を変更するには、power-inline priorityコマンドを使います。
awplus(config)# interface port1.0.2 awplus(config-if)# power-inline priority critical
ポートからの出力電力の上限
power-inline maxコマンド を使用すると、ポートごとに最大出力電力を任意に設定することができます。給電中のポートにおいて、なんらかの理由で出力電力が上限値を超えた場合は、給電時の優先順位に関係なく該当ポートへの給電が停止されます。
初期状態では、すべてのPoEポートで上限値が未設定です。未設定時は、接続された受電機器の電力クラスにおける最大出力電力が上限となります。
ポートからの出力電力が、クラス1 受電機器の場合4W、クラス2 受電機器の場合7W、クラス3 受電機器の場合15.4W、クラス4 受電機器の場合30W を超えると、該当ポートへの給電が停止されます。
power-inline maxコマンド設定時は、接続された受電機器の電力クラスにおける最大出力電力よりも小さい値を設定している場合、設定された上限値を超えると給電を停止します。
ポート1.0.1からの出力電力を6000mW(6W)までに制限するには次のようにします。
awplus(config)# interface port1.0.1 awplus(config-if)# power-inline max 6000
その他
PoE電源の電力使用量を監視するため、ログメッセージの出力、および、SNMPトラップ送信のしきい値を設定することができます。これには、power-inline usage-thresholdコマンドを使います。しきい値は、装置全体の最大供給電力に対する割合(%)で指定します。初期設定は80%です。awplus(config)# power-inline usage-threshold 90
PoE電源の電力使用量がしきい値を下から上、あるいは、上から下にまたぐと、ログメッセージが出力されます。また、SNMPトラップの設定がなされている場合はSNMPトラップメッセージも送信されます。
PoE給電機能の各種情報を確認するには、show power-inlineコマンド、show power-inline countersコマンド、show power-inline interfaceコマンドを使います。
Non-stop PoE機能
本製品は、Non-stop PoE機能に対応しています。本機能を有効にすることで、PoE給電を維持したままPoE給電機器を再起動できます(ご購入時は無効)。
ファームウェアのアップグレードなどで本製品の再起動が必要な場合でも、受電機器側への給電を維持したまま再起動が可能です。
なお、システムの再起動中に、別の受電機器につなぎかえるなどしてPoEポートの状態が変更された場合は、自動で電力を再ネゴシエーションします。
本機能を有効にするには、グローバルコンフィグモードのpower-inline hanpコマンドを実行します(無効化する場合はno形式で実行します)。
これにより本製品のすべてのPoEポートで本機能が有効になります。
awplus(config)# power-inline hanp
特定のPoEポートに対してのみ本機能を無効化したい場合は、グローバルコンフィグモードのpower-inline hanpコマンドを実行後、無効化したいポートを指定して、インターフェースモードのpower-inline hanpコマンドをno形式で実行します(再度有効化したい場合は、power-inline hanpコマンドを通常形式で実行します)。
awplus(config)# power-inline hanp awplus(config)# interface port1.0.4 awplus(config-if)# no power-inline hanp
本機能の設定状態を確認したい場合は、show power-inlineコマンドまたは、show power-inline interfaceコマンドを使います。
本機能によって、最後にPoE電力をネゴシエーションした時刻を確認したい場合は、show power-inline interfaceコマンドでdetailオプションを指定します。