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AT-MCF2000 コマンドリファレンス
コンフィグレーション / 概要
- 設定の保存と復元
- マスターコンフィグファイルと外部コンフィグファイル
- アクティブマスターコンフィグ(起動時マスターコンフィグ)ファイル
- コンフィグファイルの操作
- コンフィグの読み込み順序
- コマンドによるアクティブマスターコンフィグの読み込み
- その他
本製品では、コマンド入力によって設定した内容をテキスト形式のコンフィグファイルとして保存することができます。さまざまな設定を異なる名前のファイルとして保存しておき、必要に応じて切り替えて使うことが可能です。
設定の保存と復元
本製品では、ランタイムメモリー(RAM)上にある現在の設定内容をランニングコンフィグと呼びます。
ランニングコンフィグの内容は設定コマンドの入力とともに変更され、通常は直ちに動作に反映されますが、ランニングコンフィグはランタイムメモリー上にあるため、システムを再起動すると消えてしまいます。
そこで、ランニングコンフィグを保存しておきたい場合は、ランニングコンフィグをファイルに書き出しておきます。
マスターコンフィグファイルと外部コンフィグファイル
AT-MCF2000システムでは、マネージメントモジュール、ラインカードのそれぞれのモジュール上に記憶領域を持っています。各モジュールで保存する設定情報は以下のとおりです。
表 1
モジュール |
コンフィグファイルの種類 |
説明 |
マネージメントモジュール |
マスターコンフィグファイル |
マネージメントモジュール上に格納される、各モジュールの動作の原本となるコンフィグファイル。マネージメントモジュールとシャーシに装着されたすべてのラインカードの設定情報を持つ |
ラインカード |
外部コンフィグファイル |
ラインカード上に格納される、マスターコンフィグファイルから当該のラインカードに関する設定を継承したコンフィグファイル |
アクティブマスターコンフィグ(起動時マスターコンフィグ)ファイル
起動時に読み込まれるよう指定されたマスターコンフィグファイルをアクティブマスターコンフィグ(起動時マスターコンフィグ)ファイルと呼びます。
コンフィグファイルに変更を保存すると、各ラインカードの外部コンフィグファイルが更新され、本システム内の設定は、マネージメントモジュールのアクティブマスターコンフィグファイルに集約されます。
コンフィグファイルの操作
設定内容をファイルに保存するには、まず、マネージメントモジュールに、マスターコンフィグファイルを作成します。
■ マネージメントモジュール上にシステムのランニングコンフィグ(現在の設定内容)を集約し、マスターコンフィグファイルを作成するには、CONFIG SAVE FILESYSTEMコマンドを使います。ファイルの拡張子は「.cfg」とします。指定したファイルが存在しない場合は新規に作成され、すでに存在する場合は確認メッセージが表示されるので、上書きする場合は「Y」を入力します。
# CONFIG SAVE FILESYSTEM=system://0/m/mcf2000.cfg ↓
|
Note - 大文字の「MM」および「BM」で始まるファイル名はシステムによって予約されているため、使用することはできません。
Note - コマンドでのファイルの指定方法については「ファイルシステム」/「概要」を参照してください。
本コマンドで作成したファイルには、設定内容がスクリプト形式で保存されます。ただし、スクリプトの内容は一定の基準にしたがった書式に変換されているため、コマンドラインで入力したものとまったく同じではありません(たとえば、コマンドラインとはキーワードなどの記述方法が違う場合があります。また、長い行はパラメーターごとに複数行に分けて保存されます)。しかし、保存されている情報は同じです。
■ 設定をファイルに保存しただけでは、再起動時に自動復元されません。CONFIG SETコマンドを使って、保存した設定スクリプトを次回起動時に読み込まれるアクティブマスターコンフィグに設定する必要があります。
# CONFIG SET FILESYSTEM=system://0/m/mcf2000.cfg ↓
|
本製品の設定を行った後、現在の設定内容を次回起動時も使用するには、コンフィグファイルを更新して設定内容を保存します。
■ CONFIG SAVEコマンドを実行すると、各ラインカード上の外部コンフィグファイルおよびマネージメントモジュール上のアクティブマスターコンフィグを更新します。
■ 現在のアクティブマスターコンフィグファイルを確認するには、CONFIG SHOWコマンドを実行します。
Note - アクティブマスターコンフィグファイルを初期設定に戻したい場合、SYSTEM RESET CLUSTER(ADMIN)コマンドで対象にALLを指定してシステム全体を初期化します。ただし、SYSTEM RESET CLUSTER(ADMIN)コマンドを実行すると、本システム内のファイルはすべて削除されるため、ファイルをバックアップしたい場合は、初期化を実行する前にFILE UPLOADコマンドでTFTPサーバーへアップロードしてください。
コンフィグの読み込み順序
初期設定では、各ラインカードは自身が持つ外部コンフィグを優先的に実行します。これにより、シャーシやマネージメントモジュールにトラブルが発生した場合、ラインカードを別のシャーシに差し替えることで、速やかに運用を再開することができます。また、設定済みのラインカードを、マネージメントモジュールが装着されていないシャーシに装着して運用することも可能です。
■ CONFIG OVERWRITEコマンドを使用して、ラインカードの起動時にマネージメントモジュールのマスターコンフィグを優先して読み込み、設定を上書きするように指定できます。初期設定は無効です(自身の外部コンフィグを優先)。
# CONFIG OVERWRITE enable ID=0/1 ↓
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■ コンフィグの上書き設定は、SYSTEM SHOW CHASSISコマンドまたはSYSTEM SHOW CLUSTERコマンドで表示される「Cfg Overwrite」欄で確認できます。
# SYSTEM SHOW CHASSIS ID=0 ↓
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ラインカードは起動時に以下の手順でコンフィグの情報を読み込みます。
- ラインカードが起動すると、まず上書きの設定を確認し、無効の場合は自身の外部コンフィグの設定を読み込み、有効の場合はマネージメントモジュールに問い合わせを行います。
- マネージメントモジュールからの応答がない(シャーシにマネージメントモジュールが装着されていない)場合、自身の外部コンフィグの設定を読み込みます。
- シャーシにマネージメントモジュールが装着されている場合、マネージメントモジュールはマスターコンフィグから該当スロットの設定を抽出してラインカードに送ります。ラインカードは受け取った設定情報を確認し、結果によって以下のように動作します。
表 2
マネージメントモジュールからの設定情報 |
ラインカードの動作 |
該当スロットがこれまで使われたことがない/別製品の設定情報を受信 |
自身の外部コンフィグの設定を使用 |
同じ製品の設定情報を受信 |
マスターコンフィグの設定を使用 |
コマンドによるアクティブマスターコンフィグの読み込み
アクティブマスターコンフィグを指定した後、新しく指定したアクティブマスターコンフィグの設定を即座にランニングコンフィグ(現在の設定内容)に反映するにはCONFIG RUNコマンドを使用します。
このコマンドは、設定した内容を破棄してアクティブマスターコンフィグの設定に戻したい場合にも使用できます。
■ アクティブマスターコンフィグの設定で現在の設定を上書きします。
Note - 本コマンドを実行すると、コンフィグの上書き設定が無効のラインカードにも、アクティブマスターコンフィグの内容が反映されます。
その他
ラインカードのコンフィグ上書きの設定は初期値では無効のため、シャーシに新しくラインカードを装着しても、マネージメントモジュール上のマスターコンフィグの設定を反映できません。設定を反映するには、次のいずれかの手順で行います。
- 該当のラインカードの設定を再入力する
- CONFIG RUNコマンドを実行して、マスターコンフィグにある該当スロットの設定を反映する
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PN: 613-001739 Rev.A