AWCプラグイン編 / 各種操作 / 認証 / キャプティブポータルによるWeb認証


RADIUSサーバーの設定
キャプティブポータルのカスタマイズ
外部RADIUS
認証ページ
認証失敗ページ
認証成功ページ
クリックスルー
クリックスルーページ
クリックスルー同意後ページ
ダイナミックVLANとの併用


Web認証は、Webブラウザーを使用して、無線クライアントの認証を行う仕組みです。
Web認証を有効にすると、認証が成立するまでAWCプラグインと無線APはARP、DHCP、DNSを除くすべてのトラフィックをブロックします。無線クライアントからのトラフィックを監視し、無線クライアントが送信した最初のHTTP/HTTPSパケットを検出すると、その無線クライアントからのHTTP/HTTPS通信をキャプティブポータルと呼ばれるページにリダイレクトします。

Note
Web認証は、シングルバンド/デュアルバンド/トライバンドAT-TQシリーズ(通常ファームウェア)(AT-TQ2450/3200/3400/3600/4400/4600/4400e/5403/5403e、AT-TQm5403)、デュアルバンドAT-TQシリーズ(SDN/OpenFlow対応版ファームウェア)(AT-TQ4400/4600)でのみ有効です。

AWCプラグインで提供可能なキャプティブポータルには、2つの種類があります。
認証に成功すると、初めに指定したURL(セッション維持)、または、VAP設定にて指定した固定URLにリダイレクトすることができます。また、リダイレクトを行わない場合は、認証成功を示す画面が表示されます。次の画面はAT-TQ5403の例です。


キャプティブポータルの認証後、他の無線APにローミングした際は、再度認証が必要となります。

IEEE 802.11の認証と暗号化は、IEEE 802.11のレイヤーで処理されますが、Web認証はもっと高いレイヤーで実行されます。
例えば、無線クライアントがアソシエートしているアクセスポイントのWireless NetworkがWPAを使うように設定されていれば、WPAの認証と暗号化は無線クライアントからのデータ送信の前に行われます。WPAネゴシエーションが成功すると、無線クライアントはWPAによって暗号化された経路でARP/DHCPを送信します。それからHTTPパケットが送信され捕らえられると、キャプティブポータルが表示されます。
Note
シングルバンド/デュアルバンドAT-TQシリーズ(AT-TQ2450/3200/3400/3600/4400/4600/4400e)では、認証ページの利用規約の文言は変更できません。
トライバンドAT-TQシリーズ(AT-TQ5403/5403e、AT-TQm5403)では、クリックスルーページの利用規約の文言は、適用する無線AP個別のWeb設定画面にて設定することができます。
Note
WDSが設定されている無線インターフェース上でWeb認証を使用しないでください。
Note
無線クライアントに割り当てられるIPアドレスから無線APのIPアドレスを参照できるよう、無線APの上位のスイッチ側で適切に設定する必要があります。また、トライバンドAT-TQシリーズ(AT-TQ5403/5403e、AT-TQm5403)ではキャプティブポータルのTCPポート番号として8080(HTTP)および8443(HTTPS)を使用しますので、上位のスイッチにてアクセスリストを適用している場合は、該当TCPポートの通信を許可する必要があります。

Web認証を使用する場合は、「AP共通設定の作成、編集、削除」をご覧のうえ、VAPのWeb認証を有効にしてください。


RADIUSサーバーの設定

外部RADIUS認証を使用する場合、無線APをRADIUSクライアントとして、RADIUSサーバーに登録します。

表 1:RADIUSサーバーに設定するRADIUSクライアント情報
RADIUSクライアントのIPアドレス 無線APのIPアドレス
 (例)192.168.1.230
シークレット 無線APがRADIUSサーバーを認証するためのパスワード
 (例)"himitsu"

Note
認証処理は無線APが行いますので、認証を行うすべての無線APをRADIUSサーバーに登録する必要があります。
Note
認証サーバーの詳細な設定方法については、ご使用のサーバー製品のマニュアルをご参照ください。
Note
キャプティブポータルでサポートする認証タイプはPAPのみです。

Web認証を使用するユーザー名、パスワードを登録します。

表 2:RADIUS ユーザー属性
属性名
属性値
備考
User-Name ユーザー名 認証対象のユーザー名(例:"user1", "user2")
User-Password パスワード (PAP使用時)
ユーザー名に対応するパスワード(例:"passwd1", "passwd2")

加えて、トライバンドAT-TQシリーズ(AT-TQ5403/5403e、AT-TQm5403)では、RADIUSサーバー側が提供する属性として、セッションタイムアウトをサポートします。

表 3:RADIUS 追加属性
属性名 属性値
Session-Timeout セッションタイムアウト


キャプティブポータルのカスタマイズ

トライバンドAT-TQシリーズ無線AP(AT-TQ5403/5403e、AT-TQm5403)では「認証ページプロキシ」機能をサポートしています。

所定の名前のHTMLファイルを作成し、外部Webサーバーに掲載することで、無線AP内蔵の認証ページを利用する場合より、ページ全体の外観を大きく変更することができます。レイアウトのため、CSSファイルや画像ファイルも使用できます。これらの外部ファイルへのリンクを記述する際は、ファイルへの参照を相対パスで表記します。
無線クライアントを指定のページに直接接続する代わりに、無線APのプロキシー機能によって、キャプティブポータルを表示します。

認証ページプロキシを使用する場合は、VAPのWeb認証機能の設定項目において、「認証ページプロキシ」を有効に設定し、「ベースURL」を指定します。
ベースURLは、外部RADIUSまたはクリックスルーそれぞれに固定のファイルを掲載するディレクトリまでの絶対URLです(例:http://www.example.com/captive_portal)。
Note
外部Webサーバーには、無線クライアントの認証の度にファイルを要求するため、Web認証を使用する場合は、常に外部Webサーバーを無線APのプロキシー機能に対して公開している必要があります。
Note
外部Webサーバー自体からRADIUSサーバーにアクセスできる必要はありません。また、外部Webサーバーで認証ページが実際に機能する必要はありません。

外部RADIUS


認証ページ


■ HTMLファイル名
外部サーバーに設置する認証ページのファイル名は、必ず「radius_login.html」を使用します。
ベースURLに「http://www.example.com/captive_portal」を指定した場合は、無線APのプロキシー機能は「http://www.example.com/captive_portal/radius_login.html」を参照して、内容を無線クライアントに転送します。

■ HTMLファイルに必要な記述
外部サーバーに設置する認証ページには、次のフォーム要素を含む必要があります。

送信ボタン部分の値は「Connect」である必要はありません、また、フォームの送信が可能であれば、<button>要素でも代替可能です。
Note
HTML/CSSの書き方や書式、編集後の問題に関してはサポート対象外となります。あらかじめご了承ください。

認証失敗ページ


■ HTMLファイル名
外部サーバーに設置する認証失敗時のページのファイル名は、必ず「radius_login_fail.html」を使用します。
ベースURLに「http://www.example.com/captive_portal」を指定した場合は、無線APのプロキシー機能は「http://www.example.com/captive_portal/radius_login_fail.html」を参照して、内容を無線クライアントに転送します。

■ HTMLファイルに必要な記述
認証ページと同様です。
外部サーバーに設置する認証ページには、次のフォーム要素を含む必要があります。

送信ボタン部分の値は「Connect」である必要はありません、また、フォームの送信が可能であれば、<button>要素でも代替可能です。
Note
HTML/CSSの書き方や書式、編集後の問題に関してはサポート対象外となります。あらかじめご了承ください。

認証成功ページ


■ HTMLファイル名
外部サーバーに設置する認証成功時のページのファイル名は、必ず「welcome.html」を使用します。
ベースURLに「http://www.example.com/captive_portal」を指定した場合は、無線APのプロキシー機能は「http://www.example.com/captive_portal/welcome.html」を参照して、内容を無線クライアントに転送します。

■ HTMLファイルに必要な記述
特にありません。

クリックスルー


クリックスルーページ


■ HTMLファイル名
外部サーバーに設置するクリックスルーページのファイル名は、必ず「click_through_login.html」を使用します。
ベースURLに「http://www.example.com/captive_portal」を指定した場合は、無線APのプロキシー機能は「http://www.example.com/captive_portal/click_through_login.html」を参照して、内容を無線クライアントに転送します。

■ HTMLファイルに必要な記述
外部サーバーに設置するクリックスルーページには、次のフォーム要素を含む必要があります。

送信ボタン部分の値は「Agree」である必要はありません、また、フォームの送信が可能であれば、<button>要素でも代替可能です。
Note
HTML/CSSの書き方や書式、編集後の問題に関してはサポート対象外となります。あらかじめご了承ください。

クリックスルー同意後ページ


■ HTMLファイル名
外部サーバーに設置する、クリックスルー契約に同意後のページのファイル名は、必ず「welcome.html」を使用します。
ベースURLに「http://www.example.com/captive_portal」を指定した場合は、無線APのプロキシー機能は「http://www.example.com/captive_portal/welcome.html」を参照して、内容を無線クライアントに転送します。

■ HTMLファイルに必要な記述
特にありません。

ダイナミックVLANとの併用

Web認証単独では、ダイナミックVLANは行いません。ダイナミックVLANを利用する場合は、Web認証に加え、IEEE 802.11の認証方式としてWPA Enterprise認証を併用する必要があります。

無線クライアントの接続先VLANは、IEEE 802.11の認証または接続の際に決定したVLANを使用します。
すなわち、WPA EnterpriseによるダイナミックVLANを利用する場合はそのVLANが、ダイナミックVLANを利用しない場合はVAPに指定されたVLANが、そのまま適用されます。
Note
Web認証またはMACアドレス認証とWPA Enterprise認証を併用した場合は、「MACアドレス認証」→「WPA Enterprise認証」→「Web認証」の順で認証処理が行われます。



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