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事前設定
認証サーバー
クライアント
スイッチの場合
AT-TQRシリーズ無線APの場合
AVM EX
エンドポイント一覧の見かた
エンドポイントの通信許可・拒否


インテリジェント・エッジ・セキュリティー(IES)では、AMF PlusデバイスがサポートするMACベース認証を使用してエンドポイントの通信の可否を一元的に管理できます。
MACアドレスの登録のあるエンドポイントと認識された場合に一時的に通信を拒否したり、AMF Plusデバイスディスカバリーによって検出されたMACアドレスが未登録のデバイスの通信許可・拒否をサーバーに登録することができます。
また、AMF Plusデバイス側にて802.1Xポート認証関連のsyslogメッセージをAVM EXに出力する設定を行うことで、AVM EXからエンドポイントの通信許可・拒否のログを観察することができます。



■ 用語解説
本ページでは、これらの用語を用いて説明します。
表 1:用語解説
本ページでの名称 MACベース認証での役割 RADIUSでの役割 説明
認証サーバー 認証サーバー RADIUSサーバー エンドポイントのMACアドレスをデータベースで管理し、通信の可否の判断を行うサーバーです。本機能では、認証サーバーとしてローカルRADIUSサーバー機能を使用します。
クライアント Authenticator RADIUSクライアント(NAS) エンドポイントを接続するインターフェースを持ち、RADIUSサーバーに対してユーザーやデバイスの認証情報を照会する機器を指します。
RADIUSでは、クライアントまたはNAS(ネットワークアクセスサーバー)と呼びます。これは一般にネットワーク接続ストレージ(NAS)と呼ばれる機器とは異なり、ネットワーク接続ストレージの他、無線APやスイッチなど、様々なデバイスを含みます。
IESでは、AMF Plusスイッチ/ルーターやAT-TQRシリーズ無線AP(アクセスポイント)がクライアントとして認証の要求を行います。
エンドポイント Supplicant RADIUSユーザー 通信を行うデバイスです。

事前設定

IES機能によるエンドポイント管理の一元化を行うためには、認証サーバー、クライアントに対して事前の設定が必要となります。
次に登場する設定例はIES機能を利用するうえで必要なごく基本的なものを例示します。お使いの環境に応じて必要な設定を行ってください。

ここでは、それぞれのデバイスのIPアドレスを次のように仮定します。
表 2:IESデバイスのIPアドレス
デバイス 設定例におけるIPアドレス
認証サーバー 10.0.0.1
クライアント 10.0.0.2
AVM EX 10.0.0.254
なお、前提として、使用するAMF Plusデバイスには次のAlliedWare Plusファームフェアが適用されており、かつ、いずれも適切にAMF Plusネットワークに所属している必要があります。

認証サーバー

クライアント

スイッチの場合

複数のAMF Plusスイッチをクライアントとして設定する場合は、それぞれに設定します。

AT-TQRシリーズ無線APの場合

AT-TQRシリーズ無線APには、通常の無線APとしての設定に加え、次の設定が必要です。
複数のAT-TQRシリーズ無線APをクライアントとして設定する場合は、それぞれに設定します。
AT-TQRシリーズ無線APのコンフィグが未設定の場合は、「AWCプラグイン リファレンスマニュアル」の「クイックツアー」を参考に設定を行ってください。

Note
エンドポイントが接続・切断する際に出力されるsyslogメッセージは、クライアントとなるデバイスがスイッチかAT-TQRシリーズ無線APかによって異なります。

■ スイッチの場合
次の3種類のsyslogメッセージが出力されます。
RADIUSユーザー名はエンドポイントMACアドレスと同一のMACアドレスです(設定により書式が異なることがあります)。

■ AT-TQRシリーズ無線APの場合
次の2種類のsyslogメッセージが出力されます。

AVM EX

認証サーバー、クライアント、AVM EXのそれぞれが正しく設定されると、「資産管理」の「エンドポイント」タブに、接続されたエンドポイントが一覧表示されます。

エンドポイント一覧の見かた

次に、エンドポイントの一覧を例示します。
エンドポイント一覧は1分間隔で更新されます。いずれかのエンドポイントのチェックボックスにチェックをつけているときは更新は停止します。



検出されたデバイスの状態や認証に成功したか否かは、次の列の表示によって切り分けられます。
つまり、上図の各行は、それぞれ次の状態を表します。
表 3:エンドポイント一覧 各行の状態
MACアドレス RADIUSユーザー名 状態 認証 表される状態
1行目 (MACアドレス) (MACアドレス) 許可 認証済み ポートまたは無線インターフェースに接続中で、許可ユーザーとしてMACアドレスが登録されており、認証に成功した、通信可能なエンドポイント
2行目 (MACアドレス) (MACアドレス) 拒否 ポートまたは無線インターフェースに接続中で、拒否ユーザーとしてMACアドレスが登録されており、認証に失敗した、通信不能なエンドポイント
3行目 (MACアドレス) - 未決定 認証済み ポートまたは無線インターフェースに接続中で、許可ユーザーとしてMACアドレスが登録されておらず、MACベース認証のプロミスキャスモードによって認証に成功した、通信可能なエンドポイント
4行目 (MACアドレス) - 未決定   ポートまたは無線インターフェースに接続中で、許可ユーザーとしてMACアドレスが登録されておらず、認証されていない、通信不能なエンドポイント
5行目 - (MACアドレス) 許可   許可ユーザーとしてMACアドレスが登録されているが、ポートまたは無線インターフェースへの接続は未確認のデバイス

未接続の登録済みエンドポイントである場合の他、MACベース認証以外の無線APのMACアドレス認証などで使用するRADIUSユーザーの可能性がありますが、この一覧では接続中か否かは不明です。
プラグインなどによって検出されている場合は、「IPアドレス」列などに情報が表示されることもあります。
6行目 - (MACアドレス) 拒否   拒否ユーザーとしてMACアドレスが登録されているが、ポートまたは無線インターフェースへの接続は未確認のデバイス

未接続の登録済みエンドポイントである場合の他、MACベース認証以外の無線APのMACアドレス認証などで使用するRADIUSユーザーの可能性があります。
Note
AT-TQRシリーズ無線APでIESを使用する際、無線APのローミング通知を有効に設定した場合も、無線クライアントのローミングがAVM EXに反映されるまで最大5分程度かかることがあります。

エンドポイントの通信許可・拒否

一覧に表示されているエンドポイントおよびRADIUSユーザーは、アクション列からその通信を許可、または拒否することができます。

Note
アクションを実行すると、RADIUSサーバーグループに所属するAMFデバイスにRADIUSユーザーが登録されます。この情報はランニングコンフィグ(動作時コンフィグ)に記録されます。作業後はこれらのデバイスに対し、CLIまたは「資産管理」画面のデバイス一覧にて、ランニングコンフィグをスタートアップコンフィグに保存する必要があります。
Note
デバイスの拒否/許可の実行結果はエンドポイント一覧には直ちに反映されません。認証サーバー上のデータベースが更新されたあとで、手動でWebブラウザーを更新した際、または、一覧の自動更新の際に反映されます。