各種操作 / 認証 / WPA EnterpriseによるダイナミックVLANの使用


RADIUSサーバーの設定
MACアドレス認証・Web認証との併用


ダイナミックVLAN(Dynamic VLAN Assignment)を使用すると、認証サーバー(RADIUSサーバー)から受け取った認証情報に基づいて、ユーザーの所属VLANを動的に変更することができます。

ダイナミックVLANはWPA Enterprise認証、および、MACアドレス認証で使用可能となります。
WPA EnterpriseによるダイナミックVLANを使用する場合は、「AP共通設定の作成、編集、削除」をご覧いただき、WPA Enterpriseを設定して、RADIUSサーバーを指定してください。また、この際、WPA Enterpriseの詳細設定項目にある「ダイナミックVLAN」を有効に設定する必要があります。

Note
Web認証でダイナミックVLANを使用する場合はWPA Enterprise認証と併用してください。


RADIUSサーバーの設定

無線APをRADIUSクライアントとして、RADIUSサーバーに登録します。

表 1:RADIUSサーバーに設定するRADIUSクライアント情報
項目名
説明
RADIUSクライアントのIPアドレス 無線APのIPアドレス
 (例)192.168.1.230
シークレット 無線APがRADIUSサーバーを認証するためのパスワード
 (例)"himitsu"

Note
認証処理は無線APが行いますので、認証を行うすべての無線APをRADIUSサーバーに登録する必要があります。
Note
認証サーバーの詳細な設定方法については、ご使用のサーバー製品のマニュアルをご参照ください。

ダイナミックVLANを使用する場合は、ユーザー名、パスワードに加えて、次のようなVLANに関連する属性を登録します。

表 2:ダイナミックVLAN属性
属性名
属性値
備考
User-Name ユーザー名 認証対象のユーザー名(例:"user1", "user2")
User-Password パスワード (PEAP(EAP-MSCHAPv2)、TTLS使用時)
ユーザー名に対応するパスワード(例:"passwd1", "passwd2")
EAP-TLS使用時は不要です(別途、ユーザー電子証明書の用意が必要です)
Tunnel-Type VLAN(13) 固定値。指定方法はサーバーに依存
Tunnel-Medium-Type IEEE-802(6) 固定値。指定方法はサーバーに依存
Tunnel-Private-Group-ID VLAN ID 認証対象のユーザーや機器が認証をパスしたあとに所属させるVLAN ID
(例:100, 200)

Note
無線クライアントのパケットが無線APのイーサネットポートで送受信される際に、RADIUSサーバーから与えられたVLAN IDが自動的に付加されます。
Note
Web認証またはMACアドレス認証と併用する場合はVLANに関する属性はWPA Enterpriseで使用する認証情報に設定してください。
Web認証またはMACアドレス認証で使用する認証情報にVLANに関する属性が登録されていてもこれらは無視されます。
Note
認証方式としてEAP-TLSを使う場合は、RADIUSサーバーの電子証明書と各ユーザーの電子証明書を用意し、各コンピューター上に適切にインストールしておく必要があります。認証方式としてEAP-PEAP、EAP-TTLSを使う場合は、RADIUSサーバーの電子証明書を用意し、各コンピューター上に適切にインストールしておく必要があります。詳細はRADIUSサーバーおよびSupplicant(OSや専用ソフトウェアなど)のマニュアルをご参照ください。

MACアドレス認証・Web認証との併用

WPA Enterprise認証とMACアドレス認証を併用する場合、無線クライアントは、WPA Enterprise認証の際に決定したVLANを使用します。
すなわち、WPA Enterpriseで参照するRADIUSサーバーの認証情報にユーザーの所属VLANが設定されている場合はそのVLANが適用されます。
認証情報に所属VLANが設定されていない場合はVAPに指定された「VLAN ID」が、そのまま適用されます。

結果として、MACアドレス認証で参照するRADIUSサーバーの認証情報に設定されたVLAN属性は破棄されます。

Web認証はダイナミックVLANをサポートしていないため、WPA Enterprise認証、MACアドレス認証に加えてWeb認証を併用した場合も、WPA Enterprise認証の際に決定したVLANを使用します。
Note
Web認証またはMACアドレス認証とWPA Enterprise認証を併用した場合は、「MACアドレス認証」→「WPA Enterprise認証」→「Web認証」の順で認証処理が行われます。
Note
MACアドレス認証、Web認証はシングルバンド/デュアルバンドAT-TQシリーズでのみ有効です。



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