クイックツアー / AT-TQRシリーズの登録 / AWCプラグインの設定


AP共通設定の作成
無線APの登録
AP共通設定の適用


無線LANルーターとして設定の完了したAT-TQRシリーズ AT-TQ6702 GEN2-RをAWCプラグインに登録します。
なお、AP共通設定を作成し、特定のユーザーアカウントに閲覧権限を割り当てるには、事前に管理グループの作成、アカウントの作成が必要となります。「クイックツアー / セル型無線ネットワークの設定 / 管理グループの作成」「クイックツアー / セル型無線ネットワークの設定 / アカウントの作成」を参考にして、お使いの環境にあわせて管理グループおよびアカウントを作成してください。

AP共通設定の作成

まず、AT-TQ6702 GEN2-Rで使用するAP共通設定を作成します。
  1. AWCプラグインメニューから「無線設定」→「AP共通設定」をクリックします。
    「設定機能/AP共通設定一覧」画面が表示されます。

  2. 画面右上の「新規作成」ボタンをクリックします。
    「カントリーコードとAPシリーズと共通設定タイプの選択」ダイアログが表示されます。

  3. 「カントリーコード」を「JP - Japan」に設定します。
    現在ログインしているユーザーアカウントの「国コード」が「JP - 日本」に設定されている場合は、本ダイアログのカントリーコードがデフォルトで「JP - Japan」となります。
  4. 「シリーズ」を「TQ Series」に設定します。
  5. 「設定タイプ」を選択します。
    AP共通設定の設定タイプは、無線APのサポート機能によって分かれています。
    ここでは、AT-TQ6702 GEN2-Rに適合する「Dual[11ax] GEN2-R」を選択します。

  6. 「OK」ボタンをクリックします。
    「AP共通設定新規作成」画面が表示されます。

  7. 「共通設定」にて、AP共通設定の概要を設定します。
    「設定名」に「TQ6702 GEN2-R」を入力します。
    「設定タイプ」、「カントリーコード」、「シリーズ」には、先の「カントリーコードとAPシリーズと共通設定タイプの選択」ダイアログで選択した項目が表示されます。
    「管理グループ」にて、このAP共通設定が属する管理グループを選択します。
    複数の管理グループが存在する環境では、それぞれの管理グループのチェックボックスにチェックを付けることで、異なる管理グループをまたいで同じAP共通設定を使用することもできます。
    また、「Default Group」のチェックを外すことはできません。

  8. 「AP本体」にて、無線APの動作機能を設定します。
    AP共通設定の設定タイプが「Tri[11ax]-R」、「Dual[11ax] GEN2-R」の場合、AP共通設定を適用するための無線APのログインユーザー名とパスワードを設定する必要があります。
    AWCプラグインの管理下にあっても、従来通りに無線APのWeb設定画面にアクセスすることは可能です。
    初期アカウントを使用していると、悪意のある無線クライアントが無線APのWeb設定画面に侵入し、設定を変更できてしまいますので、使用前に必ず無線APの管理用アカウントのユーザー名、パスワードを変更、または新規に作成します。
    Note
    事前に無線APのWeb設定画面から管理用アカウントの設定を変更したうえでAWCプラグインの管理下に登録することもできます。
    Note
    管理下APに対して共通設定と個別設定の両方でログインユーザー名とログインパスワードを設定している場合、個別設定での指定が反映されます。
    Note
    AMFノードにて無線APのゲストクラスにユーザー名とパスワードを指定している場合は、無線APをゲストノードとして認識させるため、事前に、無線AP個別のWeb設定画面でユーザー名とパスワードをゲストクラスに指定したものと同じに設定してください。
    また、ゲストノードとして認識された無線APをAWCプラグインの管理下に追加する場合は、AMFノードのゲストクラスに設定、および、無線AP個別のWeb設定画面で設定したユーザー名、パスワードを指定してください。
    無線APごとに異なるユーザー名、パスワードを設定する場合は、AMFノードにてゲストクラスを複数作成します。
    今回は、事前に作成した管理用アカウントを適用することにします。
    複数の無線APを管理する場合、それぞれに異なるユーザー情報を設定することもできます。この場合は、ダミーのユーザー情報をAP共通設定に設定し、これを無線APに割り当て後、無線AP個別設定画面にて個別の無線APに該当するユーザー情報を設定して、設定適用を実行します。
    このクイックツアーでは無線AP 1台のみを設定する例を扱うため、AP共通設定に直接正しいユーザー情報を設定します。
    まず、ユーザー情報欄に表示された「ログインユーザー名」と、「ログインパスワード」を入力し、「ログインパスワード(確認)」に「ログインパスワード」と同じ文字列をもう一度入力します。
    また、「個別APユーザー情報」にて「無効」のチェックを入れると、無線AP個別設定にてログインユーザー名とログインパスワードを個別に設定することを禁止できますが、今回は1台だけのため、デフォルトのままにします。
  9. 「タイムゾーン」にて、無線APに設定するタイムゾーンを選択します。
    今回は時刻表示をJST(日本標準時)に設定するため、ドロップダウンリストから「(UTC+0900) Asia/Tokyo」を選択します。
    ドロップダウンリスト上部の検索フィールドに、「0900」「japan」など、上記のタイムゾーンの文字列の一部を入力して、ドロップダウンリストの表示候補を絞り込むこともできます。
    上記の時間帯の選択とは別に、タイムゾーン名欄に「JST」を入力します。
    また、いずれかのタイムゾーンを選択すると、追加で「夏時間」の項目が表示されます。今回はデフォルトの「無効」のままにします。
  10. 「NTPクライアント」にて、NTPクライアント機能の有効、無効を選択します。
    後述のAWC(Autonomous Wave Control)機能を使用するためには、NTPクライアント機能が有効に設定されている必要があります。
    AMFネットワークに参加する場合、AMFコントローラー(存在しない場合はマスター)から自動的に時刻を同期しますが、今回は明示的に「NTPクライアント」を「有効」に設定し、AMFマスター(192.168.1.254)をNTPサーバーに指定します。
    追加で「NTPサーバー IPアドレス/ホスト名」が表示されますので、今回NTPサーバーとして動作させるAMFマスターのIPアドレス「192.168.1.254」を入力します。
  11. 「Syslogクライアント」にて、Syslogクライアント機能の有効、無効を選択します。
    無線APのログメッセージをSyslogサーバーに送信する場合は、この項目を有効に設定します。
    今回は「無効」を選択します。
  12. 「SNMPエージェント」にて、SNMPエージェント機能の有効、無効を選択します。
    SNMPマネージャーによる遠隔監視、設定を行う場合には、SNMPエージェント機能を有効に設定します。
    今回は「無効」を選択します。

  13. 「+詳細設定」をクリックすると、「MACアドレスリスト」、「LED」の項目が表示されます。

  14. 「無線設定」にて、無線APの無線電波の出力に関する設定を行います。
    「設定タイプ」で選択した機器のタイプに応じて、無線1(2.4GHz帯)、無線2(5GHz帯 W52/W53/W56)を設定します。無線1、無線2の設定は画面上部の「無線1」ボタン、「無線2」ボタンで切り替えることができます。
    今回は、以下のように設定します。
    表 1:AT-TQ6702 GEN2-R 無線設定
    項目名 設定値 説明
    無線1 無線2
    無線送信 有効 有効 選択した周波数帯の無線電波を送受信するか否かを設定します。
    モード b/g/n/ax a/n/ac/ax サポートするモード(通信プロトコル)です。
    使用帯域幅 40MHz 40MHz 使用する帯域幅です。IEEE 802.11ax、IEEE 802.11ac、IEEE 802nでは、隣接する2つまたは4つのチャンネルを合わせ、40MHzまたは80MHz帯域幅のチャンネルとして使用できます。
    使用条件 常時 常時 無線機能を常に使用する場合は「常時」、緊急モードが有効のときのみ使用する場合は「緊急モードのみ」を指定します。
    緊急モードについては、「緊急モードの有効化」をご覧ください。
    無線クライアント間の通信遮断 無効 無効 同一のバーチャルアクセスポイント(VAP)に接続している無線クライアント同士の通信を許可するか否かを指定します。
    エアタイムフェアネス 無効 無効 通信スピードにかかわらず接続されているすべてのクライアントに同じ通信時間(エアタイム)を提供するか否かを指定します。
    自動チャンネル選択 すべて すべて 無線通信で使用するチャンネルを指定します。デフォルトはすべてが選択されています。
    最大クライアント接続数 500 500 接続可能なクライアント数を設定します。
    レガシーレートセット すべて すべて 通信プロトコルがIEEE 802.11b/g、IEEE 802.11aの場合のレート(通信速度)を設定します。
    マルチキャスト送信レート 11 Mbps 6 Mbps IEEE 802.3マルチキャスト・ブロードキャスト送信レートを選択します。
    RTSしきい値 2347 2347 IEEE 802.11b、g、aによる通信において、RTS(送信要求)パケットを送信するか否かを指定します。
    バンドステアリング 無効 無効 2.4GHz・5GHz帯の両方をサポートしている無線クライアントに対して、5GHz帯への接続を優先するよう促し、2.4GHz帯の混雑緩和を試みる、バンドステアリングの有効、無効を選択します。
    この項目の設定は「無線1」「無線2」の両方に共通した値が設定されます。また、この機能を使う場合は、無線1、無線2それぞれのVAPでSSIDとセキュリティーを同一に設定してください。
    近隣AP検出 有効 有効 該当の無線バンドにおける近隣APの検出の有効、無効を選択します。
    近隣AP検出を有効にすると、近くで同じ無線バンドを使用しているAWCプラグイン管理下/管理外の無線APの電波を検出し、AWC計算に反映します。
    無効に設定すると、AWC計算機能が正常に動作しない場合があります。
    MU-MIMO 無効 無効 MU-MIMO(マルチユーザーMIMO)の有効、無効を選択します。
    MU-MIMOは複数の無線クライアントの同時通信(上下方向)が可能になるため通信速度が向上します。
    Note
    本設定は、無線設定のモードに「ac」「ax」が含まれるものを選択した場合に表示されます。
    OFDMA 無効 無効 OFDMA(直交周波数分割多元接続)の有効、無効を選択します。
    OFDMAはチャンネルを複数のRU(リソースユニット)に分割することで、複数の無線クライアントの同時通信を可能にします。
    Note
    本設定は、無線設定のモードに「ax」が含まれるものを選択した場合に表示されます。
    Zero wait DFS 有効 Zero wait DFSの有効、無効を選択します。
    Zero Wait DFS機能を「有効」にすると、気象レーダーと見なされる波形を検知した際に変更するチャンネル候補のチャンネルを常時監視しレーダー検知時に即座にチャンネル候補のチャンネルへと切り替えます。
    Note
    本設定は、設定タイプに「Dual[11ax] GEN2-R」を選択した場合に、「無線2」にのみ表示されます。

    ■ 無線1


    ■ 無線2


  15. 「VAP(マルチSSID)設定」にて、バーチャルアクセスポイント(VAP)の設定を行います。
    ここでは、SSID「Sales」、「Engineer」、「Management」を各無線バンドに作成します。
    いずれもセキュリティーはWPAパーソナル、バージョンはWPA2/WPA3を設定します。
    今回は、その他の機能については特に使用しないため、デフォルトを使用します。

  16. ネットワーク設定のブリッジ設定にて、CLIからAT-TQRシリーズに設定した内容に沿ってブリッジbr1、br2、br3を作成します。

    ■ br1
    はじめに、br1と、無線バンド1/2のVAP1に対応するVAPインターフェースを設定します。
    1. まず、ブリッジ一覧の「ブリッジ追加」をクリックしてブリッジの設定欄を追加します。
    2. 「ブリッジID」に「1」を入力します。ブリッジ名の表示が「br1」更新されます。
    3. 「VAPインターフェース追加」をクリックしてVAPインターフェースの設定欄を追加します。
    4. 「無線」に「無線1」を、「VAP」に「1」を指定します。
    5. 再び「VAPインターフェース追加」をクリックしてVAPインターフェースの設定欄を追加します。
    6. こちらは「無線」に「無線2」を、「VAP」に「1」を指定します。
    以上で、ブリッジbr1配下のブリッジグループ1に無線1/2のVAP1が割り当てられます。


    追ってこのAP共通設定をAT-TQRシリーズに適用すると、既にCLIからブリッジグループ1に割り当て済みの802.1Q Ethernetサブインターフェースeth1.10と無線1/2のVAP「Sales」が疎通できるようになります。
    VAPインターフェース上のタグなしパケットは、eth1.10に転送される際にVLAN ID 10のタグを付与されます。外部からeth1に対して届いたVLAN ID 10のタグを持つパケットは、VAPインターフェース上のVAP「Sales」にタグなしパケットとして転送されます。

    ■ br2、br3
    同様にして、ブリッジbr2に無線1/2のVAP2を、ブリッジbr3に無線1/2のVAP3を割り当てます。
    追ってこのAP共通設定をAT-TQRシリーズに適用すると、既にCLIからブリッジグループ2に割り当て済みの802.1Q Ethernetサブインターフェースeth1.20と無線1/2のVAP「Engineer」、ブリッジグループ3に割り当て済みの802.1Q Ethernetサブインターフェースeth1.100と無線1/2のVAP「Management」が疎通できるようになります。
    無線1/2のVAP「Engineer」上のタグなしパケットはVLAN ID 20のタグを付与して、VAP「Management」上のタグなしパケットはVLAN ID 100のタグを付与してeth1から送信されます。また、外部からeth1に対して届いたVLAN ID 20、100のタグを持つパケットはそれぞれVAP「Engineer」、「Management」にタグなしパケットとして転送されます。
  17. 画面右上の「追加」ボタンをクリックします。
    AP共通設定「TQ6702 GEN2-R」の設定内容が表示されます。

無線APの登録

AT-TQRシリーズをAWCプラグインの管理下に登録します。
AT-TQRシリーズをAWCプラグインに登録する際は、IP手動設定のみをサポートします。DHCPからの自動追加は未サポートです。
また、AT-TQRシリーズをAMFゲストノードとしてAMFネットワークに加入させることはできません。
Note
AT-TQRシリーズをAWCプラグインの管理下に登録するときは、AMFネットワークとの接続にeth1のみを使用してください。eth2を経由してAMFネットワークに接続しようとした場合、AWCプラグインの管理下に登録することはできません。

「AP登録・設定」画面から「手動で登録」を実行して、AT-TQ6702-GEN2-RのIPアドレス、MACアドレスを指定します。
  1. AWCプラグインメニューから「無線設定」→「AP登録・設定」をクリックします。
    「設定機能/無線AP一覧」画面が表示されます。

  2. 画面右上の歯車アイコンにマウスオーバーして表示されるサブメニューから、「手動で登録」をクリックします。


    「無線AP登録」ダイアログが表示されます。

  3. 「機器名」にAWCプラグインの管理下に登録する無線APの管理上の名前を入力します。
    今回は、「TQR-3F-1」と入力します。
  4. 「管理グループ」を指定します。
    事前に作成した管理グループにて「ネットワーク名」「エリア名」が選択されている場合は、AP事前設定用のAMF設定の選択肢として「有効」が表示されるようになります。
  5. 「AP事前設定用のAMF設定」の有効/無効を選択します。
    従って、事前に設定したIPアドレスを設定されているものとして、「無効」を選択します。
  6. 「TQR-3F-1」として登録する無線APのIPアドレスを指定します。
    事前に無線APにIPアドレスを手動設定している場合や、DHCPサーバーにて無線APのMACアドレスに静的なIPアドレスを設定している場合は、「STATIC」を選択して、表示される入力欄に該当のIPアドレスを入力します。
    AWCプラグインを介して動的なIPアドレスの割り当てを行う場合は、「DHCP」を選択します。
    ここでは、「TQR-3F-1」に割り当てられたIPアドレスは「192.168.1.200(固定)」と確認済みですので、「STATIC」をクリックして、表示される入力欄に「192.168.1.200」を入力します。
  7. 「TQR-3F-1」として登録する無線APのMACアドレスを入力します。
    ここでは、MACアドレス「00:00:5e:00:53:00」を入力します。

  8. 「追加」ボタンをクリックします。
    「無線AP詳細」画面が表示されます。

  9. 「無線AP詳細」画面では、選択した無線AP「TQR-3F-1」が追加されます。この段階では、「管理状態」には「未管理」、「AP共通設定」には「未設定」と表示されます。
AP共通設定の作成手順は以上です。
「無線AP詳細」画面を開いたまま、次の「AP共通設定の適用」に移ります。

AP共通設定の適用

  1. 「無線AP詳細」にて、「設定情報」右上の「編集」ボタンをクリックします。

    「AP共通設定選択」ダイアログが表示されます。
  2. 「AP共通設定選択」ダイアログの左側から、適用するAP共通設定名を選択します。
    ここでは、「TQ6702 GEN2-R」が選択されていることを確認し、「保存」ボタンをクリックします。

    「無線AP個別設定」画面が表示されます。
    AT-TQRシリーズについては、「無線AP個別設定」画面では、AP共通設定の選択以外のことは行えません。

  3. 「保存」ボタンを押します。
    「無線AP詳細」画面が表示されます。「管理状態」には「探索中」、「AP共通設定」には上記手順で選択した「TQ6702 GEN2-R」と表示されます。

    通常、このまましばらく待つと、また「AP登録・設定」画面に戻った際に管理状態が「適用中」または「管理中」になります。
登録手順は以上です。
Note
AWCプラグイン管理下のAT-TQRシリーズ無線APのチャンネルを「自動」に設定している場合に、AWC計算と計算結果の適用が行われ、チャンネル/送信出力に変更が生じると、該当の無線APのランニングコンフィグ/スタートアップコンフィグのチャンネル/送信出力には「自動」ではなく適用されたチャンネル/送信出力が表示されます。
設定は毎時0分、15分、30分、45分に行われるAWCの自動ポーリングが実行されるタイミングでランニングコンフィグ/スタートアップコンフィグに反映されます。