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AT-TQ5403のAP共通設定


セル型無線ネットワークを構成するAP共通設定を作成します。

チャンネルブランケットでは、AP共通設定にて無線APの全般的な設定を構成し、CB共通設定で指定したチャンネルブランケットに関する設定のみを構成します。無線APを管理する際は、必ずAP共通設定の適用が必要となります。
AP共通設定とCB共通設定を適用する場合は、CB共通設定による構成が優先され、本体のコンフィグを上書きします。
今回のネットワークでは、次の表の赤い部分に示すように、1階と2階では同じセル型無線ネットワークを構成するため、同じAP共通設定を使用します。

表 1:提供する無線ネットワーク
 
無線バンド
TQ5403-xF-1
TQ5403-xF-2
TQ5403-xF-3
概要
2F 無線2
ForStaff-PC
ForStaff-PC
ForStaff-PC
従業員 PC端末用セル型VAP
無線1
ForStaff-Mobile
従業員 モバイル端末用AWC-CB
1F 無線2
ForStaff-PC
ForStaff-PC
ForStaff-PC
従業員 PC端末用セル型VAP
無線1
ForStaff-Mobile
従業員 モバイル端末用AWC-CB
ForGuest
来客者用AWC-CB


AT-TQ5403のAP共通設定

AT-TQ5403で使用するAP共通設定を作成します。
  1. AWCプラグインメニューから「無線設定」→「AP共通設定」をクリックします。
    「設定機能/AP共通設定一覧」画面が表示されます。


  2. 画面右上の「新規作成」ボタンをクリックします。
    「カントリーコードとAPシリーズと共通設定タイプの選択」ダイアログが表示されます。


  3. 「カントリーコード」を「JP - Japan」に設定します。
    現在ログインしているユーザーアカウントの「国コード」が「JP - 日本」に設定されている場合は、本ダイアログのカントリーコードがデフォルトで「JP - Japan」となります。

  4. 「シリーズ」を「TQ Series」に設定します。

  5. 「設定タイプ」を選択します。
    AP共通設定の設定タイプは、無線APのサポート機能によって分かれています。
    ここでは、AT-TQ5403に適合する「Tri[11ac Wave2]」を選択します。


  6. 「OK」ボタンをクリックします。
    「AP共通設定新規作成」画面が表示されます。


  7. 「共通設定」にて、AP共通設定の概要を設定します。


  8. 「AP本体」にて、無線APの動作機能を設定します。
    AP共通設定の設定タイプが「Dual[11ax]」、「Tri[11ac Wave2]」、「Tri[11ac Wave2 with External Antenna]」、「Dual[11ac Wave2]」の場合、AP共通設定を適用する無線APのログインユーザー名とパスワードを一括して設定することができます。
    AWCプラグインの管理下にあっても、従来通りに無線APのWeb設定画面にアクセスすることは可能です。
    初期アカウントを使用している場合、無線APのWeb設定画面に侵入されないよう、無線APの管理用アカウントのユーザー名、パスワードを変更します。
    Note
    事前に無線APのWeb設定画面から管理用アカウントの設定を変更したうえでAWCプラグインの管理下に登録することもできます。
    Note
    管理下APに対して共通設定と個別設定の両方でログインユーザー名とログインパスワードを設定している場合、個別設定での指定が反映されます。
    Note
    AMFノードにて無線APのゲストクラスにユーザー名とパスワードを指定している場合は、無線APをゲストノードとして認識させるため、事前に、無線AP個別のWeb設定画面でユーザー名とパスワードをゲストクラスに指定したものと同じに設定してください。
    また、ゲストノードとして認識された無線APをAWCプラグインの管理下に追加する場合は、AMFノードのゲストクラスに設定、および、無線AP個別のWeb設定画面で設定したユーザー名、パスワードを指定してください。
    無線APごとに異なるユーザー名、パスワードを設定する場合は、AMFノードにてゲストクラスを複数作成します。

    ユーザー設定を「有効」にします。「ログインユーザー名」と「ログインパスワード」を入力し、「ログインパスワード(確認)」に「ログインパスワード」と同じ文字列をもう一度入力します。
    使用できる文字は、機種によって異なります。


    「個別APユーザー設定」にて「無効」のチェックを入れると、個別設定にてログインユーザー名とログインパスワードを変更することを禁止することができますが、今回はチェックは入れず、個別設定できるままにします。

  9. 「タイムゾーン」にて、APに設定するタイムゾーンを選択します。
    今回は時刻表示をJST(日本標準時)に設定するため、ドロップダウンリストから「(UTC+09:00) Asia/Tokyo」を選択します。
    ドロップダウンリスト上部の検索フィールドに、「tokyo」など、上記のタイムゾーンの文字列の一部を入力して、ドロップダウンリストの表示候補を絞り込むこともできます。

  10. 「NTPクライアント」にて、NTPクライアント機能の有効、無効を選択します。
    後述のAWC(Autonomous Wave Control)機能を使用するためには、NTPクライアント機能が有効に設定されている必要があります。
    今回は、「NTPクライアント」を「有効」に設定します。
    追加で「NTPサーバー IPアドレス/ホスト名」が表示されますので、今回NTPサーバーとして動作させるPoE+スイッチのIPアドレス「192.168.1.1」を入力します。

  11. 「Syslogクライアント」にて、Syslogクライアント機能の有効、無効を選択します。
    無線APのログメッセージをSyslogサーバーに送信する場合は、この項目を有効に設定します。
    今回は「無効」を選択します。

  12. 「SNMPエージェント」にて、SNMPエージェント機能の有効、無効を選択します。
    SNMPマネージャーによる遠隔監視、設定を行う場合には、SNMPエージェント機能を有効に設定します。
    今回は、SNMPプラグインによる遠隔監視を行うため、「SNMPエージェント」を「有効」に設定します。
    追加で以下の項目が表示されます。今回は、以下のように設定します。

    表 2:AT-TQ5403 SNMPエージェント設定
    項目名
    設定値
    説明
    バージョン v1/v2c SNMPのバージョンを選択できます。
    読み取り専用のコミュニティー名 public 読み取り専用のSNMPコミュニティー名を1~256文字の半角英数記号(" ' \ & < >を除く)で入力します。
    ポート番号 161 SNMPエージェントのリスニングポート番号を入力します。
    SNMPリクエストの送信元を制限 無効 SNMPエージェントに対しSNMPリクエストを送信可能なSNMPマネージャーを制限するか否かの設定を行います。
    次に示すホストまたはサブネットのみを許可する SNMPマネージャーのIPアドレスまたはホスト名(FQDN)を入力します。
    本項目は「SNMPリクエストの送信元を制限」が有効に設定されている場合のみ表示されます。
    トラップのコミュニティー名 public SNMP通知メッセージ(トラップ)の通知先コミュニティー名を1~256文字の半角英数記号(" ' \ & < >を除く)で入力します。
    生成トラップ Cold Start
    Link Up/Down
    Authentication
    生成するSNMP通知メッセージを選択します。
    トラップ送信先 IPアドレス/ホスト名 192.168.1.249 トラップホストのホスト名(FQDN)またはIPアドレスを指定します。
    ホストは、3つまで登録できます。


  13. 「+詳細設定」をクリックすると、「MACアドレスリスト」、「LED」、「Web認証用仮想IPアドレス」の項目が表示されます。


  14. 「有線設定」にて、無線APの有線接続に関する設定を行います。
    AT-TQ5403にはLANポートが2系統備わっており、上位のスイッチと適切に設定することで、リンクアグリゲーション機能によりトランクグループを作成し、有線のアップリンクを増強することができます。

    表 3:AT-TQ5403 有線設定
    項目名
    設定値
    説明
    LAN 2 ポート
    無効
    AT-TQ5403/AT-TQm5403のLAN1/PoEポート、LAN2ポートのリンクアグリゲーションまたはカスケード設定を行います。

    • スタティックLAG:
      AT-TQ5403/AT-TQm5403のリンクアグリゲーション機能が有効になります。接続先のスイッチでは手動設定のトランクグループを設定する必要があります。

    • カスケード:
      カスケード機能が有効になり、LAN2ポートがカスケードポートとして使用できます。

    • 無効:
      リンクアグリゲーションまたはカスケード機能を使用しません。LAN2ポートは無効となり、LAN1/PoEポートのみでの接続を行います。

    今回はリンクアグリゲーションまたはカスケード機能を使用しません。「無効」が選択されていることを確認します。


  15. 「無線設定」にて、無線APの無線電波の出力に関する設定を行います。
    「設定タイプ」で選択した機器のタイプに応じて、無線1(2.4GHz帯)、無線2(5GHz帯 W52/W53)、無線3(5GHz帯 W56)を設定します。無線1、無線2、無線3の設定は画面上部の「無線1」ボタン、「無線2」ボタン、「無線3」ボタンで切り替えることができます。
    CB VAPを使用する場合も、無線バンドごとにここで設定を行います。
    今回は、来客用、従業員モバイル端末用のブランケット型無線ネットワークを無線1で、従業員用のセル型無線ネットワークを無線2で提供するため、以下のように設定します。

    Note
    それぞれ異なるAP共通設定で設定された無線APに対して同じCB共通設定を適用するとき、チャンネルブランケットを作成する無線バンドでは、各AP共通設定の次に示す無線設定を同じ設定にしておく必要があります。
    ・モード
    ・使用帯域幅
    ・最大クライアント接続数
    ・固定レート
    ・近隣AP検出

    表 4:AT-TQ5403 無線設定
    項目名
    設定値
    説明
    無線1
    無線2
    無線3
    無線送信 有効 有効 無効 選択した周波数帯の無線電波を送受信するか否かを設定します。
    モード b/g/n a/n/ac   サポートするモード(通信プロトコル)です。
    使用帯域幅 20MHz 20MHz   使用する帯域幅です。IEEE 802.11ac、IEEE 802.11nでは、隣接する2つまたは4つのチャンネルを合わせ、40MHzまたは80MHz帯域幅のチャンネルとして使用できます。
    使用条件 常時 常時   無線機能を常に使用する場合は「常時」、緊急モードが有効のときのみ使用する場合は「緊急モードのみ」を指定します。
    緊急モードについては、「緊急モードの有効化」をご覧ください。
    無線クライアント間の通信遮断 無効 無効   同一のバーチャルアクセスポイント(VAP)に接続している無線クライアント同士の通信を許可するか否かを指定します。
    エアタイムフェアネス 無効 無効   通信スピードにかかわらず接続されているすべてのクライアントに同じ通信時間(エアタイム)を提供するか否かを指定します。
    自動チャンネル選択 すべて すべて   無線通信で使用するチャンネルを指定します。デフォルトはすべてが選択されています。
    最大クライアント接続数 200 200   接続可能なクライアント数を設定します。
    固定レート 11 Mbps 6 Mbps   IEEE 802.3マルチキャスト・ブロードキャストの固定送信レート(通信速度)を指定します。
    レガシーレートセット すべて すべて   通信プロトコルがIEEE 802.11b/g、IEEE 802.11aの場合のサポートさせたいレートを選択します。
    RTSしきい値 2347(無効) 2347(無効)   IEEE 802.11b、g、aによる通信において、RTS(送信要求)パケットを送信するか否かを指定します。「2347」を設定すると、RTSパケットを送信しません。
    バンドステアリング
    無効
    無効
      2.4GHz・5GHz帯の両方をサポートしている無線クライアントに対して、5GHz帯への接続を優先するよう促し、2.4GHz帯の混雑緩和を試みる、バンドステアリングの有効、無効を選択します。
    Note
    チャンネルブランケットを使用する場合は、バンドステアリングは併用できません。
    Wi-Fiマルチメディア
    (WMM)
    有効
    有効
      Wi-Fiマルチメディア(WMM)の有効、無効を選択します。
    Wi-Fiマルチメディアを有効にすると、アクセスポイントのビーコンにWMM情報を含めます。これにより、映像、音声などのストリーミングやVoIP通信のフレーム送信間隔を短くし、通信品質を保つことができます。
    APSD
    無効
    無効
      APSD(Automatic Power Save Delivery)の有効、無効を選択します。
    APSDを有効にすると、モバイル端末(VoIP)の消費電力を抑え、通話時間を延ばすことができます。モバイル端末側でもAPSD(U-APSD)に対応している必要があります。
    近隣AP検出
    有効
    有効
      該当の無線バンドにおける近隣APの検出の有効、無効を選択します。
    近隣AP検出を有効にすると、近くで同じ無線バンドを使用しているAWCプラグイン管理下/管理外の無線APの電波を検出し、侵入検知/防御やAWC計算に反映します。
    無効に設定すると、これらの機能が正常に動作しない場合があります。


    ■ 無線1


    ■ 無線2


    ■ 無線3


  16. 「VAP(マルチSSID)設定」にて、VAPの設定を行います。
    今回は、無線2でのみセル型無線ネットワークを提供します。無線1、無線3のVAP 1については使用しません。

    今回の設定例ではWPA Enterpriseを使用していませんが、チャンネルブランケット機能を使用する場合、事前認証、ダイナミックVLANは未サポートとなります。

    表 5:AT-TQ5403 VAP設定
    項目名
    無線2 VAP 1
    説明
    VAP ステータス 有効 VAPの有効、無効、緊急を設定します。VAP1のVAP ステータスは、「無線設定」の「使用条件」が常時の場合は常に有効となります。
    VLAN ID
    100
    該当するVAPが使用するVLAN IDです。
    Note
    本AP共通設定を適用する無線APがAMFノードにゲストノードとして設定されており、接続するゲストノードの機器情報を自動取得("discovery dynamic"コマンド)するよう設定されている場合、かつ、無線クライアントのIPアドレスの割り当てにDHCPを使用する場合は、無線APの管理用VLANとは異なるVLAN IDを指定してください。
    SSID ForStaff-PC 該当のVAPが使用するSSID(ネットワーク名)です。
    ブロードキャスト 有効 該当のVAPでSSID(ネットワーク名)をブロードキャストするか否かです。
    セキュリティ WPA Personal 該当するVAPのセキュリティーです。
    セキュリティーキー(WPA-PSK) 5+@f/=0N1y 暗号キーを設定します。
    WPAバージョン WPA2 使用するWPAのバージョンです。
    暗号化プロトコル CCMP 使用する暗号化プロトコルです。
    管理フレーム保護 利用可能 管理フレームを保護するか否かを指定します。
    ブロードキャストキー更新間隔 0 VAPに接続している無線クライアントに送信するブロードキャストパケットのキーの更新間隔です。「0」はキーを更新しません。
    Web認証 無効 該当のVAPに対してWeb認証を適用するか否かです。
    MACアクセス制御 無効 該当のVAPに対してMACアクセス制御を適用する際の方式、または無効を指定します。
    エリア認証 無効 エリア認証を使用するか否かを設定します。
    高速ローミング 無効 無線クライアントのローミングを高速に行うか否かの設定を行います。
    無応答端末切断タイマー 300 無線APに対し通知が行われずにいなくなった無線クライアントを切断するまでの時間を指定します。
    多重接続要求 切断する 接続状態を保持している端末からの接続要求に対する処理の方法を選択します。
    ローミング通知 有効 ローミング通知を行うか否かを設定します。
    DTIM間隔 1 アクセスポイントが送信するビーコンに、DTIM(Delivery Traffic Indication Map)を挿入する割合を設定します。
    Proxy ARP
    無効
    Note
    本バージョンでは未サポートです。有効にしないでください。
    Hotspot 2.0 無効 Passpoint(Hotspot 2.0)機能を使用するか否かを選択します。

    AP共通設定上のVAP 1のVAP ステータスは「無効」に設定することはできませんので、通常はこのままAP共通設定を管理下APに適用してしまうと、デフォルトのSSID「Default-1」がセキュリティー設定なしで公開されてしまいます。
    AP共通設定とCB共通設定を適用する場合、重複する項目はCB共通設定による構成が優先され、本体のコンフィグに反映されます。
    今回の構成では、追って設定するCB共通設定で無線1のVAP 1を使用し、無線AP本体のコンフィグに反映しますので、このままで構いません。
    また、無線3は「無線設定」にて無線送信を「無効」に設定しているため、無線3のVAP 1についても設定は変更しません。
    Note
    本クイックツアーではチャンネルブランケットを構築後にAP共通設定の適用を行っていますが、先に管理下APにAP共通設定を適用してからチャンネルブランケットに加入させる場合は、一時的にAP共通設定にて設定途上の無線バンドのVAPが適用されることがあります。この場合は、使用しない無線バンドに対して、セキュリティーを適用したダミーのVAPを作成しておくことをお勧めします。

  17. 画面右上の「追加」ボタンをクリックします。
    AP共通設定「TQ5403」の設定内容が表示されます。



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