各種操作 / AWC機能 / AWC機能の使用


AWC計算に使用する情報
AWCを使用する際の事前設定
AWCの設定手順
注意事項


AWC(Autonomous Wave Control)は、複数の要素を考慮して最適化を行うゲーム理論を用いた無線APの自動制御技術です。
AWCの計算結果を適用することにより常に最適な環境で運用することができます。
AWCの計算は、AWCプラグインの起動直後から1時間後に行われ、2回目以降の計算はその前の計算が完了してから1時間後に開始されます。
Note
AWCの計算および適用は管理グループ単位で行われます。管理下APが他の管理グループで管理されている無線APを検知した場合も、電波干渉として計算されます。
Note
AWCの計算による結果は、無線APの状況や周囲環境に応じて算出されているため、使用環境によっては偏った計算結果となる場合があります。
Note
AT-TQ6602 GEN2/6702 GEN2、AT-TQm6602 GEN2/6702 GEN2では、近隣AP検出時に約20秒の間、最大3秒(ファームウェアバージョン8.0.3-0.1以降)または最大10秒(ファームウェアバージョン8.0.2-x.x以前)のパケットロスや通信遅延が4回ほど発生することがあります。一時的なパフォーマンス低下が許容できない環境では、設定タイプ「Dual[11ax] GEN2」のAP共通設定では、近隣AP検出を無効にしてください。
近隣AP検出機能が無効の場合、AWCプラグインの次の機能に影響があります。
Note
AT-TQ6702 GEN2-RでAWCの計算結果を使用する場合は、AP共通設定の内容を、無線AP本体のCLIまたはWeb管理画面での内容と合わせてください。計算結果を使用しない場合は、デフォルトの状態でAP共通設定を保存してください。
ここではAWC(Autonomous Wave Control)機能を使用する際の事前設定、注意事項、設定方法について説明します。

AWC計算に使用する情報

AWC計算には、次の2通りの方法で採集された近隣無線チャンネルの使用状況を使用します。
AWC計算では、近隣管理AP検出によってシステムが使用しているチャンネルのみをスキャンし、即時性のある検出結果を得ます。さらに、近隣AP検出による全チャンネルのスキャン結果から管理外の無線APによる干渉を加味して、それぞれの管理下APで使用する無線チャンネルや送信出力を決定します。
このため、AWC機能による無線APの自動制御を行う場合は、これら両方の検出機能を有効に設定する必要があります。いずれかの検出機能を無効にした場合、AWC計算に実際の状況が正しく反映されなくなることがあります。
Note
いずれの方法でも、スキャンの際に通信に使用しているチャンネルの出力を停止する必要があるため、無線APのサービスのパフォーマンスは若干低下します。
AWC計算を使用しない場合は、近隣AP検出、近隣管理AP検出機能を無効にすることができます。

AWCを使用する際の事前設定

Note
チャンネルを自動にしている場合、AP共通設定の「自動チャンネル選択」で指定した範囲から選択されます。

AWCの設定手順

ここでは、管理グループに対してAWCによるチャンネル・送信出力の自動調整を定期的に実行するように設定する手順について説明します。
  1. 無線APの登録
    管理グループに無線APを登録・設定し、管理下に置きます。詳細な手順については「クイックツアー」/「セル型無線ネットワークの設定」/「管理グループの作成」から「クイックツアー」/「セル型無線ネットワークの設定」/「無線APの登録」をご覧ください。
    無線APを管理下に置くと、定期的にAWCによる管理グループごとの最適なチャンネル・送信出力が計算されるようになります。
  2. AWC設定編集
    必要に応じて、管理グループごとに、AWC計算における送信出力計算に対するカバーエリア、チャンネル計算に対する管理外APの影響度、計算や適用のタイミング(即時適用、イベントトリガーによるAWC計算の有効/無効)の設定を行います。
    これらの設定については、「AWC設定の編集」をご覧ください。
  3. AWCの計算履歴の確認
    計算された結果は「AWC計算履歴」画面から確認できます。
    AWC計算結果は自動的には適用されず、手順2の「AWC設定編集」にて計算結果の即時適用、または、手順4の「AWCの計算結果の適用」にてスケジュールを設定する必要があります。
    表示内容の詳細については「AWC計算結果の閲覧」をご覧ください。
  4. AWCの計算結果の適用
    AWC計算結果は自動的には適用されず、AWC計算結果を定期的に適用する設定を行う必要があります。
    設定方法には「スケジュールの登録」と「即時適用設定」の2通りの方法があります。
    Note
    即時設定は無効になっていますので、管理グループを作成した場合は必要に応じてスケジュールを登録するか、即時適用を有効にしてください。
    初期状態では、管理グループ「Default Group」のAWC計算結果適用のスケジュールが登録されています。
    Note
    AWC計算結果の適用により無線APのチャンネルが変更される場合、また、無線APの送信出力が変更される場合(一部の機種を除く)は、無線APに接続している無線クライアントは切断されます。
    ※AT-TQ4400/4600では、送信出力のみが変更される場合は、無線APに接続している無線クライアントは切断されません。
    手順4が完了すれば、AWCプラグインは管理グループに所属する無線APに設定したタイミングで最適なチャンネル・送信出力を適用するようになります。
  5. 適用結果の確認
    適用結果は無線APの現在のチャンネル・送信出力とログにより確認ができます。

注意事項


■ AWC計算結果の適用が正しく行われないケース
初期状態のまま、AWC計算結果適用のスケジュールが無効または未登録、かつ、AWC計算結果の即時設定が無効の場合は、AWC計算結果の適用は行われません。
また、AWC計算結果の適用時、下記の場合において、AWC計算の適用は正しく行われません。