クイックツアー / AWC-SCの設定 / 準備


工場出荷状態の無線APに対しOTA(Over The Air:AP間無線接続)で設定・管理を行うには、ルートAPが接続されたサブネットで通信可能なDHCPサーバーが必要になります。
またこの際、IPアドレスとともに、AWCプラグインのIPアドレスおよび監視ポート番号をDHCPオプション43(ベンダー個別情報)によって通知するよう、DHCPサーバー側で事前の設定が必要となります。
ここでは、AMFスイッチ上のDHCPサーバーにて、管理用VLANに割り当てるDHCPプール「pool1」が作成してあるとします。次はその設定の一例です。

このDHCP設定に対して、OTAでの管理を行う無線APを登録し、AWCサーバー情報を付与するよう、設定を追加します。
  1. DHCPオプションを定義します。
    オプションコード43のオプション名を「awcserver」、設定するオプションタイプを16進数にします。

  2. DHCPプール「pool1」に対し、静的IPアドレスを設定します。
    今回は、ルートAPとして登録する無線AP(MACアドレス:00:00:5e:00:53:00)に対して静的なIPアドレス「192.168.1.230」を設定します。
    サテライトAP(ターミネーターAP)として運用する無線AP(MACアドレス:00:00:5e:00:53:20)には、別途、無線APのWeb設定画面からIPアドレス「192.168.1.231」を手動設定してください。

  3. 作成したオプション「awcserver」の値を設定します。
    オプションの設定値として渡されるAWCサーバー情報のフォーマットは次の通りです。
    次の設定例では、AWCプラグインのIPアドレスを「192.168.1.250」に設定する場合の例を示します。
    表 1:DHCPオプション43フォーマット
    フィールド名 フィールド長 説明 可変/固定 設定例
    内容 16進値
    ヘッダー 1オクテット ベンダー個別情報として渡す情報のヘッダーです。 固定 207 CF
    オプション1 タイプ 1オクテット 続くフィールドがAWCプラグインのIPアドレスであることを示します。 固定 1 01
    オプション1 値 4オクテット AWCプラグインのIPv4アドレスを指定します。 可変 192.168.1.250 C0A801FA
    オプション2 タイプ 1オクテット 続くフィールドがAWCプラグインの監視ポート番号であることを示します。 固定 2 02
    オプション2 値 2オクテット AWCプラグインの監視ポート番号を指定します。 固定 65437 FF9D
    したがって、設定値は「CF01C0A801FA02FF9D」となります。

以上で、DHCPプール「pool1」から割り当てられるIPアドレスには、DHCPオプション43によりAWCプラグインのIPアドレスと監視ポート番号が通知されます。