ネットワーク監視: ユーザーガイド
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1.1 特長

ANM は、以下のような特長を持っています。

Web 対応

ANM は、ネットワーク機器と通信して情報を収集・操作するサーバーと、情報を閲覧したり操作を指示したりするためのビューアー(クライアント)に分かれています。ビューアーのインターフェイスとして Web ブラウザーを採用しているため、サーバーマシンと離れた場所からもネットワーク管理が可能です。

IPv6 に対応

PING を使用した IPv6 対応機器の応答監視を IPv4 と同様に行えます。

SNMPv3 に対応

SNMP プロトコルのそれぞれのバージョン(v1/v2c/v3)で機器と通信(Get/Set/トラップ)できます。機器がどのバージョンに対応しているかは自動的に判別することができます。

また、64ビットカウンターを使用している MIB によるデータ収集/監視も可能です。

Windows サービスに対応

ネットワーク監視サーバーを Windows サービスとして設定することにより、サーバーマシンにログインすることなく OS 起動時に自動的にネットワーク監視サーバーを起動することが可能です。

ツリー形式のネットワーク構成表示

ANM では、ネットワークの構成要素(サブネット、デバイス、ポートなど)が、Windows のエクスプローラーのようなツリー形式で表示されるため、ネットワーク構成を階層的に把握することが可能です。また、各要素を示すアイコンの形状や色によって、構成要素の種類や状態を一目で把握することができます。

ネットワーク構成ツリーには、仮想的な存在である VLAN の視点からネットワークを表現する「VLAN 構成ツリー」と、物理的な接続関係を示す「接続構成ツリー」があります。VLAN 構成ツリーは「VLAN」→「スイッチ」→「ポート(セグメント)」→「セグメント内の機器」を、接続構成ツリーは「サブネット」→「スイッチ(ルーター)」→「ポート(セグメント)」→「セグメント内の機器」を階層的に表示します。これらのツリーは自由に切り替えられるので、管理者の視点に合わせた表示が可能です。

マップ形式でのネットワーク構成表示

ANM では、ヘルパーアプリケーションの「ネットワーク監視マップ」を利用することにより、ネットワーク構成をマップ形式で表示することも可能です。マップ上では機器の状態がアイコンの色で表されるため、一目で確認ができます。また、マップ上のアイコンをダブルクリックしてビューアー上の該当ノードにジャンプしたり、各機器のプロパティを見ることも可能です。

マップは、ビューアー上でサブネットやポートを選択したあと、「マップ表示」メニューを実行して起動するほか、IE でマップファイル(.smm)を開くことにより、単体での起動も可能です。

ネットワーク監視マップは、サブネットやポート配下のデバイスを自動的に配置する自動マッピング機能を備えているため、簡単にマップの作成を行えます。マップは自由に編集が可能で、機器アイコンの配置を変更して実際の物理構成を再現したり、機器同士の関係を表す線を引いたり、背景にビットマップ画像を置いたりできるので、ネットワーク構成にあった独自のネットワーク構成図を作成し、その図上で各種情報の表示や操作を行えます。また、「リンクシンボル」を作成して、他のマップや任意の文書へのリンクを作成することもできます。これにより、複数のマップをリンクして階層的なネットワーク構造を表現できます。

自動探索機能

ユーザーが監視対象のサブネットを指定すると、ANM はサブネット内のデバイスを自動的に探索し、各機器に搭載された MIB の情報を収集・解析してネットワーク構成ツリーを構築します。なお、ホスト名や IP アドレスを指定することにより、手動で構成要素を追加したり、変更したりすることも可能です。

ポーリングによる継続的な状態・情報監視

ANM では、指定した情報を任意の間隔で監視することができます。例えば、ネットワーク機器を指定間隔で周期的に監視し、その状態をグラフやテーブル形式で表示できます。また、状態変化を履歴情報として記録することもできます。

RMON ライクなしきい値設定機能

任意の統計情報にしきい値を設定し、しきい値を超過した場合に各種アクションを実行させることができます。上下限のしきい値を設定することができるので、機能的に RMON アラームと同等のしきい値設定が可能です。

イベント管理

機器の状態変化、アラーム、またはトラップなどのイベントを履歴情報として記録し、あとから確認可能です。また、イベントを記録するかどうかの設定や、イベント発生時にアクションを自動実行させることもできます。

MIB データをわかりやすく表示

ANM は、MIB から得た情報をそのまま表示せずに、分類・解析してから表示します。これによりユーザーは MIB の構造を知らなくても、容易に情報を管理することができます。なお、各機器にフォーカスした情報が必要な場合は、機器ビューアー(AlliedDeviceView)を利用できます。

ANM では、各種情報を下記の4グループに分類しています。

構成情報 接続されているデバイスの一覧や、ARP テーブル、ルーティングテーブルなど、デバイスが保持している情報のうち、ネットワーク構成に関連するものを示します。
統計情報 サブネットやデバイスに関する各種トラフィック値やエラー数等を示します。
実装情報 デバイスのシステム情報やサポート機能等に関する情報を示します。
履歴情報 デバイスの状態変化ログや、MIB 変数値の変動を記録した統計履歴データなどを示します。
MIB ブラウザーによる MIB 情報の参照

各機器の MIB に直接アクセスしたい場合は、内蔵の MIB ブラウザーが使用できます。

内蔵 MIB ブラウザーには、MIB ツリーを縦走してデータを連続的に収集する MIB Walk (データはファイルに書き出されます)や、MIB ファイルを内部形式に変換する MIB コンパイラユーティリティなどの機能が追加されています。

MIB コンパイラによる独自 MIB への対応

付属ユーティリティの「MIB コンパイラ」で MIB ファイルをコンパイルすれば、独自のプライベート MIB なども内蔵 MIB ブラウザーで参照できるようになります。

GUI のカスタマイズ

付属ユーティリティの「アイコンの管理」を使用して、ビューアーやマップに表示されるネットワーク機器のアイコンを変更できます。

また、ログメッセージをわかりやすく表示したり、Ping コマンドの対象をメニューに表示したりするための詳細な GUI のカスタマイズが可能です。

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