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CentreCOM AR100 シリーズ コマンドリファレンス 2.3
IP/セキュリティー
対象機種:AR130、AR160
- ソースルートパケットフィルタリング
- フラグメントオフセットフィルタリング
- ディレクティドブロードキャストパケットフィルタリング
IP層でのセキュリティーオプションについて紹介します。なお、以下のオプションはデフォルトの状態が推奨設定です。明確な理由がない限り、設定を変更することはお勧めできません。したがって、以下は設定方法の説明というよりもセキュリティー機能の紹介としてお読みください。
デフォルトでは、始点経路制御オプション付きのIPパケット(ソースルートパケット)は転送されずに破棄されます。IPの始点経路制御(ソースルーティング)オプションは通常使用されておらず、むしろ悪用される可能性のほうが高いため、デフォルト設定のままご使用ください。
■ ソースルートパケットの転送許可・不許可は、ENABLE IP SRCROUTEコマンド、DISABLE IP SRCROUTEコマンドで変更できます。
ENABLE IP SRCROUTE ↓
DISABLE IP SRCROUTE ↓
デフォルトは転送不許可(DISABLED)、すなわちソースルートパケットのフィルタリングが有効な状態です。前述の理由から、デフォルト設定のままご使用になることをお勧めします。
ソースルートパケットのフィルタリングが有効な場合(転送不許可の場合)は、始点経路制御オプション付きのIPパケットを受信すると、メッセージタイプ「IPFIL」でサブタイプ「SRCRT」のログメッセージが生成されます。
■ ソースルートパケットのフィルタリングが有効かどうかは、SHOW IPコマンドで確認できます。「Source-Routed Packets」が「Discarded」ならフィルタリングが有効(転送不許可)です(デフォルト設定)。フィルタリング無効時(転送有効時)は「Forwarded」と表示されます。
デフォルトでは、フラグメントオフセットが1のIPパケットは転送されずに破棄されます。これは、RFC1858で述べられているTiny Fragment攻撃やOverlapping Fragment攻撃を防ぐためです。デフォルト状態のままご使用ください。
Tiny Fragment攻撃は、先頭フラグメント(オフセット0)を最小サイズ(64ビット=8オクテット)にし、TCPの制御フラグを第2フラグメント(オフセット1)に送り込むことによって、Syn/Ackフラグによるパケットフィルタリングをかわそうとするものです。
一方、Overlapping Fragment攻撃では、先頭フラグメント(オフセット0)にTCPの制御フラグを入れますが、その際にフィルターを通過できるようなパターン(Syn=0、Ack=1)にフラグを設定しておきます。そして、第2フラグメントではオフセット値を1に設定し、再構成時に第1フラグメントの途中から先を上書きすることによって、パケットフィルタリングをかわそうとします。
■ フラグメントオフセットフィルタリングの有効・無効は、ENABLE IP FOFILTERコマンドとDISABLE IP FOFILTERコマンドで変更できます。
ENABLE IP FOFILTER ↓
DISABLE IP FOFILTER ↓
デフォルトではフィルタリングが有効です。上記の攻撃を防ぐため、デフォルト設定のままご使用になることをお勧めします。
フラグメントオフセットフィルタリングが有効な場合は、フラグメントオフセットが1のIPパケットを受信すると、メッセージタイプ「IPFIL」、サブタイプ「FRAG」のログメッセージが生成されます。
■ フラグメントオフセットフィルタリングが有効かどうかは、SHOW IPコマンドで確認できます。「IP Fragment Offset Filtering」が「Enabled」ならフィルタリングが有効です(デフォルト設定)。フィルタリング無効時は「Disabled」と表示されます。
ディレクティドブロードキャストパケットフィルタリング |
デフォルトでは、配下のネットワークに対するサブネット/ネットワーク指定ブロードキャストは該当ネットワークに転送されません(ディレクティドブロードキャストフィルタリング)。ディレクティドブロードキャストパケットはサービス妨害(DOS)攻撃などで悪用される恐れがあるため、デフォルト状態のままご使用になることをお勧めします。
■ ディレクティドブロードキャストパケットフィルタリングの設定はIPインターフェースごとに行います。マルチホーミングを使用している場合は、論理インターフェースごとに設定できます。
ADD IP INTERFACEコマンド、SET IP INTERFACEコマンドのDIRECTEDBROADCASTパラメーターにOFFを指定するとフィルタリングが有効になります(デフォルト)。一方、ONを指定するとフィルタリングが無効になり、該当インターフェース配下のネットワークに対するブロードキャストパケットが転送されるようになります。
ADD IP INT=eth0 DIRECTEDBROADCAST=ON ↓
SET IP INTERFACE=eth0 DIRECTEDBROADCAST=OFF ↓
デフォルトではフィルタリングが有効です。前述の理由により、デフォルト設定のままご使用になることをお勧めします。
ディレクティドブロードキャストパケットのフィルタリングが有効な場合(転送不許可の場合)は、ディレクティドブロードキャストパケットを受信すると、メッセージタイプ「IPFIL」でサブタイプ「FRAG」のログメッセージが生成されます。
■ ディレクティドブロードキャストフィルタリングの設定はSHOW IP INTERFACEコマンドで確認できます。「DBcast」の項目が「No」ならフィルタリングが有効(転送しない)、「Yes」ならフィルタリングが無効(転送する)です。
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