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CentreCOM AR100 シリーズ コマンドリファレンス 2.3
アナログ機能/概要・基本設定
対象機種:AR160
- おもな機能
- 外線通話
- 発信
- 着信
- ダイヤルイン
- i・ナンバー
- サブアドレスによる着信鳴り分け
- 内線通話
- アナログポートの番号と内線番号
- その他の機能
- ピックアップ
- 保留
- リダイヤル
- Bチャンネル予約機能
- アナログポートに接続する機器の情報
- INSなりわけサービス
- INSナンバー・ディスプレイ
AR160のアナログポートには、電話機、FAX、モデムなどのアナログ通信機器を接続することができます。ルーターがISDN網と接続されている場合、アナログ機器からISDN網経由で発信・着信が可能です。
アナログポートの制御はPBXモジュールによって行われます。以下、PBXモジュールの各種機能について説明します。
Note
- アナログポートでは、トーン(プッシュボタン)方式のアナログ機器しか使用できません。アナログ機器に切替スイッチ等がある場合は、ダイヤル方式がトーンになっているか確認してください。ダイヤル方式にはトーンとパルスがあります。
Note
- PBXモジュールの設定も、他の設定と同じように保存しないと再起動によって失われます。設定を変更した場合は、CREATE CONFIGコマンドで設定をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動時に設定ファイルが読み込まれるよう設定してください。詳細は「運用・管理」の「コンフィグレーション」をご覧ください。
PBXモジュールには次のような機能があります。
- 外線通話:ルーターがISDN網に接続されている場合、アナログポートから外線への発信、外線からアナログポートへの着信が可能です。
- 着信番号設定:ダイヤルインサービスやi・ナンバーサービスなどを使用して、アナログポート間の鳴り分けが可能です。また、サブアドレスによる鳴り分けも可能です。
- 内線通話:アナログポートに接続された機器同士で通信できます。
- ピックアップ:別の内線にかかってきた電話をとることができます。
- 保留:通話中に一時保留ができます。
- リダイヤル:直前にかけた電話番号を記憶しておき、簡単な操作で再ダイヤルできます。
- INS付加サービス:NTTが提供している以下の付加サービスに対応しています。
- INS迷惑電話おことわりサービス(AR160の設定は不要)
- INSボイスワープ(AR160の設定は不要)
- INSでんわばんサービス(AR160の設定は不要)
- INSナンバー・ディスプレイ
- INSなりわけサービス
- i・ナンバー
- INSダイヤルインサービス
アナログポートに接続した電話機から外線に発信するには、受話器を取り上げ、ツーというダイヤルトーンが聞こえたら電話番号をダイヤルし、最後に「#」を押します。たとえば、1234-5678に電話をかけるには「12345678 #」とダイヤルします。
■ 電話番号の終わりを示す「#」を省略できるようにするには、SET PBX EXTENSIONコマンドのTERMINATEパラメーターを使います。TERMINATEパラメーターは、PBXが実際に発信するまでの待ち時間を示すもので、電話番号入力後TERMINATE秒入力がないときに発信します。EXTENSIONにはアナログポートの番号0か1を指定します。
SET PBX EXTENSION=0 AUTODIAL=0 TERMINATE=5 ↓
外線からの着信については、特殊な操作は必要ありません。電話が鳴ったら受話器を取るだけです。ご購入時の状態では、外線着信時には両方のポートの電話機が鳴ります。
なお、以下の着信番号設定を行うことにより、着信時に片方のポートだけを鳴らすよう設定することもできます。
ダイヤルイン
ダイヤルインは、通常の電話番号(加入者回線番号)に加えて、追加の電話番号(ダイヤルイン番号)を取得できる付加サービスです。ダイヤルインを契約すれば、どちらの番号にかかってきたかにより、アナログポート0と1のどちらか一方だけを鳴らすことができます。ダイヤルインによる鳴り分けは、発信側がISDN網を使っていても、アナログ公衆網を使っていても関係なく利用できます。
ダイヤルインサービスの契約には、「グローバル着信なし」と「グローバル着信あり」の2種類があり、それぞれ設定が異なります。
以下、それぞれの設定方法を示します。以下の説明では、契約番号とアナログポートの割り振りを次のとおりであると仮定します。
- 加入者回線番号:03-1234-1111(アナログポート0)
- ダイヤルイン番号:03-1234-2222(アナログポート1)
■ 「グローバル着信なし」の場合、加入者回線番号、ダイヤルイン番号のどちらにかかってきた場合であっても、発信者がダイヤルした番号(着番号)がISDN網からルーターに通知されてきます。PBXモジュールはこれを利用してポート間の鳴り分けをします。SET PBX EXTENSIONコマンドで次のように設定してください。
SET PBX EXTENSION=0 NUMACCEPT=1111 ↓
SET PBX EXTENSION=1 NUMACCEPT=2222 ↓
EXTENSIONパラメーターにはアナログポートに対応する内線番号を指定し、NUMACCEPTパラメーターには該当ポートで着信させる電話番号を指定します。電話番号のチェックは番号の末尾から先頭に向かって行われるので、異なる部分だけを指定すれば十分です(すべて指定してもかまいません)。
■ 「グローバル着信あり」の場合、ダイヤルイン番号にかかってきたときはダイヤルイン番号が通知されますが、加入者回線番号にかかってきたときは着番号が通知されません。この場合、NUMACCEPTパラメーターにNOTPRESENT(着番号が通知されていない)を指定することにより、加入者回線番号への着信であることを識別できます。次のように設定してください。
SET PBX EXTENSION=0 NUMACCEPT=NOTPRESENT ↓
SET PBX EXTENSION=1 NUMACCEPT=2222 ↓
i・ナンバー
i・ナンバーは、通常の電話番号(加入者回線番号)に加えて、最大2個まで追加の電話番号(i・ナンバー)を取得できる付加サービスです。「INSダイヤルインサービス」と似ていますが、仕組みが異なり(ISDN網から通知される「ポート番号」によってどの番号宛てであるかを識別します)、利用料も低めに設定されています。どの番号にかかってきたかにより、アナログポート0と1のどちらか一方だけを鳴らすことができます。
以下、i・ナンバーの設定方法を示します。以下の説明では、契約番号とアナログポートの割り振りを次のとおりであると仮定します。
- 加入者回線番号:03-1234-5678(アナログポート0の電話機を鳴らす)
- i・ナンバー:03-1234-1111(アナログポート1の電話機を鳴らす)
- アナログポート0の設定を行います。PORTにはアナログポートの番号を、INUMBERには該当アナログポートで着信するi・ナンバーのポート番号を、NUMACCEPTとCALLINGNUMには電話番号から市外局番を除いたものを指定します。HLCは接続するアナログ機器の種類を指定するもので、電話機の場合はTEL、FAXの場合はFAXを指定します。
CREATE PBX EXTENSION=0 PORT=0 ↓
SET PBX EXTENSION=0 INUMBER=PORT1 NUMACCEPT=12345678 CALLINGNUM=12345678 HLC=TEL ↓
- アナログポート1の設定を行います。
CREATE PBX EXTENSION=1 PORT=1 ↓
SET PBX EXTENSION=1 INUMBER=PORT2 NUMACCEPT=12341111 CALLINGNUM=12341111 HLC=TEL ↓
サブアドレスによる着信鳴り分け
ISDN端末同士の通信では、発信側が指定したサブアドレスによってポート間の鳴り分けができます。この場合、電話番号は1つだけでも鳴り分けが可能です。
■ ポートのサブアドレスは、SET PBX EXTENSIONコマンドのSUBACCEPTパラメーターで指定します。サブアドレスは1〜6文字の数字で指定します。
SET PBX EXTENSION=0 SUBACCEPT=001 ↓
SET PBX EXTENSION=0 SUBACCEPT=002 ↓
■ また、サブアドレスの指定では、ワイルドカード文字としてアルファベットの「X」または「x」を使えます(大文字・小文字はどちらも同じ意味です)。Xとxは、その部分にどの数字が来てもよいことを示します。たとえば次の例は、サブアドレスとして30〜39のどれかが指定された場合にポート0の機器を鳴らす設定です。
SET PBX EXTENSION=0 SUBACCEPT=3X ↓
Note
- サブアドレスによる鳴り分けは、発信側がISDN網を使っているときだけ使用できます。
Note
- サブアドレスによる鳴り分けが機能するためには、発信側が電話番号だけでなく、サブアドレスも入力する必要があります。
別の内線(アナログポート)に電話をかけるには、受話器を取り上げ、ツーというダイヤルトーンが聞こえたら「*」「4」に続けて内線発信(0か1)を押します。たとえば、アナログポート0の電話機からアナログポート1の電話機に発信するには、「*41」とダイヤルします。
アナログポートは、0、1の番号で識別されます。ご購入時には、内線番号はアナログポートの番号と同じに設定されていますが、内線番号自体はポート番号と一致させる必要はありません。コマンド設定により3桁の数字の範囲で自由に変更できます。
■ 内線番号の変更はCREATE PBX EXTENSIONコマンドで行います。EXTENSIONパラメーターに内線番号を、PORTパラメーターにアナログポートの番号を指定してください。下のコマンドを実行すると、アナログポート0の内線番号が22に変更されます。
CREATE PBX EXTENSION=22 PORT=0 ↓
ピックアップとは、別の内線にかかってきた電話をとることです。鳴っていないほうの電話機の受話器を取り、「*」「6」の順にダイヤルすると、ピックアップすることができます。
通話を一時保留するには、受話器を置くフックスイッチを0.5秒ほど押して離します。保留を解除するには、再度フックスイッチを0.5秒ほど押して離します。
Note
- SET PBXコマンドのFLASHHOOKMINパラメーターにOFFを設定している場合は、フックスイッチを押した瞬間に通話が切れてしまいますのでご注意ください。
Note
- 保留中は、こちら側、相手側とも保留音が鳴りません。無音状態になりますが、故障ではありません。
リダイヤル(再ダイヤル)は、直前にかけた電話番号を記憶しておき、簡単な操作で同じ番号に発信できる機能です。
受話器を取り上げ、ツーというダイヤルトーンが聞こえたら「*」「7」と続けて押します。
Bチャンネル予約機能は、2本のBチャンネルのうち1本を通話専用、もう1本をデータ通信専用に設定する機能です。Bチャンネル予約機能を有効にすると、音声通話とデータ通信にそれぞれ1チャンネルずつが固定的に割り当てられ、同種の呼が両方のチャンネルを占有することを防ぎます。
■ Bチャンネル予約機能の有効化・無効化には、SET PBXコマンドのRESERVEBCHANNELパラメーターを使います。
SET PBX RESERVEBCHANNEL=ON ↓
ISDNには、発呼時にどのような種類の機器が通信しようとしているかを相手に伝える機能があります。これには、呼設定メッセージに含まれる「伝達能力(Bearer Capability)」、「高位レイヤー整合性(HLC)」、「低位レイヤー整合性(LLC)」情報要素が使用されます。
アナログポートに機器を接続する場合は、SET PBX EXTENSIONコマンドのBCAP、HCLパラメーターで、接続する機器にあった情報を設定してください。
■ アナログポート「0」に電話機を接続する場合は、次のようにします。
SET PBX EXTENSION=0 BCAP=SPEECH HLC=TELEPHONE ↓
■ アナログポート「1」にFAXを接続する場合は、次のようにします。
SET PBX EXTENSION=1 BCAP=AUDIO HLC=FAX ↓
BCAP、HCL各パラメーターの指定値と、実際に送信される各情報要素の内容は次のようになります。BCAPパラメーターのデフォルト値はAUDIO、HLCパラメーターのデフォルト値はDEFAULTです。
表 1
BCAPパラメーター |
HLCパラメーター |
伝達能力IE |
LLC IE |
HLC IE |
SPEECH |
DEFAULT |
音声 |
音声 |
なし |
SPEECH |
TELEPHONE |
音声 |
音声 |
電話 |
SPEECH |
FAX |
3.1KHzオーディオ |
3.1KHzオーディオ |
G2/G3 FAX |
AUDIO |
DEFAULT |
3.1KHzオーディオ |
3.1KHzオーディオ |
なし |
AUDIO |
TELEPHONE |
3.1KHzオーディオ |
3.1KHzオーディオ |
電話 |
AUDIO |
FAX |
3.1KHzオーディオ |
3.1KHzオーディオ |
G2/G3 FAX |
INSなりわけサービスは、あらかじめ特定の相手の電話番号を局に登録しておき、その相手から電話のときに、通常と異なる呼び出し音で知らせてもらうサービスです。
■ INSなりわけサービスで登録した電話番号から着信したときの呼び出し音は、SET PBXコマンドのCADENCE、VALUEパラメーターで変更できます。
SET PBX CADENCE=DISTINCTIVE VALUE=5,5,5,5,5,10 ↓
CADENCEパラメーターにはDISTINCTIVEを指定します。VALUEには、呼び出し音のリズムを「a,b,c,d,e,f」の形式で指定します。通常の呼び出し音はおおむね「10,20,10,20,10,20」のような設定となりますので、通常とは異なるリズムを設定してください。
アナログポートに接続した電話機でINSナンバー・ディスプレイを使用する場合は、以下の設定が必要です。
■ INSナンバー・ディスプレイを使用する場合は、SET PBX EXTENSIONコマンドのCLIDパラメーターにONを指定します。たとえば、アナログポート0の電話機でINSナンバー・ディスプレイを使用するには、次のようにします。
SET PBX EXTENSION=0 CLID=ON ↓
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