[index] CentreCOM AR100 シリーズ コマンドリファレンス 2.3

圧縮/概要・基本設定

対象機種:AR130、AR160


  - ユーザーモジュール
  - 圧縮アルゴリズム
  - リンクレベル圧縮
   - PPPでSTAC LZSを使う


本製品の圧縮(ENCO)モジュールについて説明します。

ENCOモジュールは、本製品の圧縮機能の土台となるベースモジュールです。PPPのデータリンク圧縮機能は、ENCOモジュールを利用して実現されます。

 

ユーザーモジュール

ENCOサービスを利用する上位モジュールを、ENCOモジュールの「ユーザーモジュール」と呼びます。ユーザーモジュールには、以下のものがあります。

■ PPP(CCP)
STAC LZSを使用します。また、TCP/IPヘッダー圧縮ではIPモジュールのVJC(Van Jacobsonヘッダー圧縮)を使用します。詳細は「PPP」の章、「IP」の章をご覧ください。

以下、ENCOモジュールが提供する各種サービスの設定方法について説明します。ENCOモジュールは単独で使用するものではなく、より上位のプロトコルやサービスと組み合わせて使用するため、関連する他の章もご参照ください。

 

圧縮アルゴリズム

ENCOモジュールは、データ圧縮アルゴリズムとして、STAC LZSをサポートしています。このアルゴリズムは、PPPのデータリンク圧縮で使用されます。

■ STAC LZS圧縮を使うときは、最初に圧縮処理用のチャンネル(具体的にはメモリー)を設定しておく必要があります。使用する圧縮チャンネルの数を、SET ENCO SWコマンドのSTACCHANNELSパラメーターで指定してください。最大値は4です。


Note - SET ENCO SWコマンドを入力したら、CREATE CONFIGコマンドで設定をファイルに保存し、SET CONFIGコマンドで起動スクリプトに指定した上でルーターを再起動してください。圧縮チャンネル用メモリーは連続した領域として確保する必要があるためです。

チャンネル数は接続先の数に応じて調整します。データリンク圧縮の場合、1拠点なら1チャンネル、2拠点なら2チャンネルとなります。デフォルトでは、圧縮チャンネルは確保されていません。

STAC LZS用のチャンネルは1つあたり約13KBのメモリーを消費します。

■ STAC LZS圧縮では、SET ENCO SWコマンドのSTACSPEEDパラメーターにより、圧縮率と処理速度のバランスを調整することができます。有効な値は0〜3で、0は圧縮率重視(速度は最低)、3は速度重視(圧縮率最低)です。このパラメーターはデータを圧縮するときの処理に関するもので、データを伸張するときの処理には影響を与えません。


表 1:回線速度と推奨圧縮モード(STADSPEED)
回線速度
圧縮モード
85kbps〜 3
60〜85kbps 2
40〜59kbps 1
〜40kbps 0


 

リンクレベル圧縮

本製品は、PPPのデータリンク圧縮をサポートしています。圧縮アルゴリズムとしてはSTAC LZSを使用できます。

 

PPPでSTAC LZSを使う

PPPリンクでSTAC LZSを使う場合は、次のようにします。

  1. 最初にSET ENCO SWコマンドでソフトウェア圧縮チャンネルを確保します。接続先の数に応じて、チャンネル数を指定してください。1拠点なら1チャンネルです。


  2. 圧縮チャンネルの設定を有効にするため、いったん設定を保存してからルーターを再起動します。


  3. PPPインターフェースの設定で圧縮を有効にし、アルゴリズムとしてSTACLZSを指定します。



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