[index] CentreCOM AR100 シリーズ コマンドリファレンス 2.3

IP/概要・基本設定

対象機種:AR130、AR160


  - IPホストとしての基本設定
  - IPルーターとしての基本設定
   - リモートルーター
    - 交換回線によるPPPダイヤルオンデマンド接続
    - 専用回線によるPPP常時接続
  - IPのデバッグ


IP(Internet Protocol)の基本設定について説明します。

本製品のご購入直後は、デフォルトユーザー「manager」の登録情報以外、まったく設定が行われていない状態になっています。本製品をIPルーターとして使用するためには、物理層、データリンク層の設定を行い、その上に少なくとも2つのIPインターフェースを作成する必要があります。また、IPモジュールを有効にする必要があります。

以下、そのための基本設定について説明します。

 

IPホストとしての基本設定

ここでは、ルーターとしての設定を説明する前に、LAN上の別のコンピューターからTelnetでログインできるよう、LAN側インターフェースにIPアドレスを割り当てる方法について説明します。

IPアドレス(IPインターフェース)が1つしかない状態では、IPパケットを転送することができないためルーターとしては機能しませんが、IPパケットを送受信するIPホストとしては機能します。

たとえば、他のコンピューターからTelnetでログインしたり、ARルーター(ルーターとしては機能していませんが)から他のコンピューターにTelnetしたり、PINGコマンドを実行したり、TFTPを使ってファイルをダウンロード、アップロードしたりすることができます。

  1. コンソールからログインします。

  2. IPモジュールを有効にします。


  3. LAN側インターフェースにIPアドレスを設定します。LANに接続されているインターフェースを指定してください。ここでは、eth0がLANに接続されていると仮定します。


以上で設定は完了です。

■ 別サブネットからもアクセスしたい場合は経路の設定が必要になります。たとえば、192.168.20.0/24への経路を設定するには次のようにします。


あるいは、デフォルトルートを設定するには次のようにします。


■ IPモジュールの全般的な情報はSHOW IPコマンドで確認します。

■ インターフェースに割り当てられたIPアドレスの情報はSHOW IP INTERFACEコマンドで確認します。

■ 経路情報はSHOW IP ROUTEコマンドで確認します。

 

IPルーターとしての基本設定

IPのルーティング機能を利用するには、少なくとも2つのIPインターフェースが必要です。そのためには、データリンク層インターフェース(eth、ppp)をセットアップし、IPアドレスを割り当てる必要があります。

 

リモートルーター

同一構内のLAN同士を接続するローカルルーターに対し、WAN回線を使用して物理的に離れたネットワーク同士を接続するルーターをリモートルーターと呼びます。

本製品は、ローカルLANを接続するLAN側インターフェース(ETH)と、WAN回線経由でリモートLANに接続するWAN側インターフェース(BRI)を1つずつ持っており、リモートルーターとして使用できます。

LAN側インターフェースはEthernetなので、特別な設定を行うことなくデータリンク層インターフェースとして使用できます。

一方、WAN側インターフェースに接続する回線にはISDNと専用線の2種類があります。

ここでは代表的な例として、以下の構成におけるIPリモートルーターの基本設定について解説します。なお、ここでは簡単な説明にとどめますので、各回線上での詳細な設定方法については、それぞれ該当する章をご覧ください。また、具体例については「設定例集」もご参照ください。


 

交換回線によるPPPダイヤルオンデマンド接続

ISDN網のような交換回線を使う場合は、必要なときに発呼して対向拠点と接続し、無通信状態が一定期間続いたら回線を切断するダイヤルオンデマンド接続が適しています。

ダイヤルオンデマンドを使用する場合は、次の設定がポイントになります。


ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。


ルーターAの設定
  1. ISDNの接続先を設定します。


  2. PPPインターフェースを作成します。


  3. ルーターBのPPPユーザー名を登録します。


  4. IPモジュールを有効にします。


  5. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  6. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  7. ルーターBのLAN側ネットワークへの経路を設定します。


ルーターBの設定
  1. ISDNの接続先を登録します。


  2. PPPインターフェースを作成します。


  3. ルーターAのPPPユーザー名を登録します。


  4. IPモジュールを有効にします。


  5. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  6. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  7. ルーターAのLAN側ネットワークへの経路を設定します。


設定は以上です。

 

専用回線によるPPP常時接続

専用線のような常時接続回線におけるIPリモートルーターの設定例を示します。ここでは、次のような構成のネットワークを例に解説します。


ルーターAの設定
  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を常時起動の専用線モードに変更します(デフォルトはISDNモード)


  2. BRI0のスロット1だけ(64Kbps)を使うTDMグループ「remote」を作成します。


  3. TDMグループ「remote」上にPPPインターフェース「0」を作成します。


  4. IPモジュールを有効にします。


  5. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  6. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  7. ルーターBのLAN側ネットワークへの経路を設定します。


ルーターBの設定
  1. BRIインターフェース「0」の全スロット(1〜2)を常時起動の専用線モードに変更します(デフォルトはISDNモード)


  2. BRI0のスロット1だけ(64Kbps)を使うTDMグループ「remote」を作成します。


  3. TDMグループ「remote」上にPPPインターフェース「0」を作成します。


  4. IPモジュールを有効にします。


  5. LAN側(eth0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  6. WAN側(ppp0)インターフェースにIPアドレスを割り当てます。


  7. ルーターAのLAN側ネットワークへの経路を設定します。


設定は以上です。

 

IPのデバッグ

IPのデバッグ用には、以下のコマンドが用意されています。








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