[index] CentreCOM AR410 V2 コマンドリファレンス 2.6

専用線/概要・基本設定


  - 基本設定
   - 物理インターフェース
   - TDMグループ(タイムスロット情報)の作成(BRI、PRIのみ)
   - データリンク層とのインターフェース
  - その他
   - 専用線多重アクセスサービス
   - ISDNと専用線を併用する場合の注意


ここでは、BRI、PRI、SYNの各インターフェースを使って、専用線に接続するための方法について説明します。また、フレームリレー網に接続するときも、ここでの説明が当てはまります。

 

基本設定

 

物理インターフェース

本製品を専用線に接続するときは、BRI、PRI、SYN(同期シリアル)インターフェースを使います。以下、インターフェースの種類ごとに、専用線接続に必要な設定を示します。

■ BRIインターフェースを専用線(64Kbps、128Kbps)との接続に使用する場合は、SET BRIコマンドで常時起動のTDM(専用線)モードに切り替える必要があります。また、すべてのタイムスロットをTDM用に設定する必要があります。BRIインターフェースのデフォルト設定はISDNモードです。

BRIインターフェース「0」を専用線モードに切り替えるには次のようにします。


Note - BRIインターフェースをTDMモードに切り替えるときは、回線速度に関係なく、すべてのタイムスロットをTDMモードに設定してください。BRIインターフェースの場合は、例のように1〜2の全スロットをTDMモードに切り替えます。一部のスロットだけをTDMモードに変更すると、残りのスロットはISDNモードのままとなりますが、日本国内では同一回線上でISDNの回線交換と専用線接続を行えるサービスがありませんので、誤動作を避けるためにも専用線使用時はすべてのスロットをTDMモードに変更してください。

■ PRIインターフェースを専用線(192Kbps〜1.5Mbps)との接続に使用する場合は、SET PRIコマンドでTDM(専用線)モードに切り替える必要があります。また、すべてのタイムスロットをTDM用に設定する必要があります。PRIインターフェースのデフォルト設定はISDNモードです。

PRIインターフェース「0」を専用線モードに切り替えるには次のようにします。


Note - PRIインターフェースをTDMモードに切り替えるときは、回線速度に関係なく、すべてのタイムスロットをTDMモードに設定してください。PRIインターフェースの場合は、例のように1〜24の全スロットをTDMモードに切り替えます。一部のスロットだけをTDMモードに変更すると、残りのスロットはISDNモードのままとなりますが、日本国内では同一回線上でISDNの回線交換と専用線接続を行えるサービスがありませんので、誤動作を避けるためにも専用線使用時はすべてのスロットをTDMモードに変更してください。

■ 同期シリアル(SYN)インターフェースを専用線との接続に使用する場合、特別に設定しなくてはならない項目はありません。適切なケーブルでTA等と接続するだけで、個々のケーブルを自動判別します。

 

TDMグループ(タイムスロット情報)の作成(BRI、PRIのみ)

BRI、PRIインターフェースで専用線に接続するときは、タイムスロットの管理を担当するTDM(Time Division Multiplexing)モジュールの設定が必要です。具体的には、TDMグループを作成し、インターフェース上で使用するタイムスロットを指定します。

Note - この設定は、同期シリアル(SYN)インターフェースを使うときには必要ありません。

■ TDMグループはCREATE TDMコマンドで作成します。GROUPパラメーターには任意の名前を指定します。また、INTERFACEパラメーターで物理インターフェース(BRI、PRI)を、SLOTSパラメーターで使用するスロットを指定してください。スロットの指定は接続する回線の速度によって異なります。1スロットは64Kbpsに相当します。次に例を示します。

64Kbps専用線の場合(BRI)


128Kbps専用線の場合(BRI)


512Kbps専用線の場合(PRI)


1.5Mbps専用線の場合(PRI)


 

データリンク層とのインターフェース

TDM、SYN上で使用できるデータリンク層プロトコルには、PPPとフレームリレーの2種類があります。データリンク層インターフェースを作成するときは、以下の基準にしたがって下位のインターフェースを指定してください。

CREATE PPPコマンドでPPPインターフェースを作成する、あるいは、CREATE FRAMERELAYコマンドでフレームリレーインターフェースを作成するときは、OVERパラメーターで物理インターフェースを指定する必要があります。TDM、SYN上でPPP、フレームリレーを使用するときは、以下のように指定します。

表 1
物理層
指定方法
TDMグループ(BRI、PRI) TDMグループ名の前に「TDM-」を付ける TDM-remote(TDMグループ名が「remote」の場合)
同期シリアル(SYN) 同期インターフェース名「SYNn」で指定する syn0(同期インターフェース「0」の場合)


いくつか例を示します。

■ TDMグループ「remote」上にPPPインターフェース「0」を作成する。


■ TDMグループ「remote」上にフレームリレーインターフェース「0」を作成する。


■ 同期インターフェース「0」上にPPPインターフェース「1」を作成する。


■ 同期インターフェース「0」上にフレームリレーインターフェース「1」を作成する。


 

その他

 

専用線多重アクセスサービス

「専用線多重アクセス」は、通信事業者が提供する多重化サービスです。通常、専用線では一つの拠点としか接続できませんが、このサービスを利用すると、通信事業者側で複数拠点との専用回線を束ねて各タイムスロットに割り振られるため、一本の専用回線で複数拠点との接続が可能になります。

このサービスを使用するには、PRIインターフェースが必要になります。

最初に拠点ごとのスロット割付を確認してください。通常、スロットの割り振りは、多重アクセスサービス申し込み時にユーザーが指定します。PRIインターフェースは64Kbpsのタイムスロットを24本持っています。

ここでは、ルーターB、C、Dが設置されている各拠点(拠点B、C、Dとします)に対し、それぞれ64Kbps(スロット1)、192Kbps(スロット2-4)、512Kbps(スロット5-12)を割り振ってあるものとします。スロット13-24は未使用です。


  1. PRIインターフェースをTDM(専用線)モードにし、すべてのタイムスロットをTDM用に割り当てます。


  2. 拠点Bとの通信に使うタイムスロット1をTDMグループ「AB」として束ねます。


  3. 拠点Cとの通信に使うタイムスロット2-4をTDMグループ「AC」として束ねます。


  4. 拠点Dとの通信に使うタイムスロット5-12をTDMグループ「AD」として束ねます。


多重アクセスの基本設定は以上です。これ以降は、各TDMグループを独立した物理インターフェースと見なして、レイヤー2(PPP)、レイヤー3(IPなど)の設定を行います。

以下、各拠点とIPで接続する場合の例を示します。ここでは、PPPインターフェースをUnnumberedにしています。


なお、設定上で多重化を意識する必要があるのはルーターAだけです。ルーターB、C、Dでは、通常の専用線設定を行います。以下、各ルーターについて、設定内容だけを示します。

ルーターB

ルーターC

ルーターD

 

ISDNと専用線を併用する場合の注意

一方のWANインターフェースでISDN回線を使用し、もう一方で専用線(またはフレームリレー)を使用する場合、次の点に注意してください。

■ ISDNの接続先を登録する際に、発呼に使用するインターフェースを明示的に指定してください(ADD ISDN CALLコマンドのINTREQパラメーター)。次の例では、ISDNコール「TOOS」の発呼時にbri1を使用するよう指定しています。


■ BRI、PRIインターフェースで専用線に接続するときは、回線速度にかかわらず、使用するインターフェースの全スロットをTDMモードに変更してください(SET BRIコマンド/SET PRIコマンドのTDMSLOTSパラメーター)。次の例では、bri0の全スロット(1と2)をTDMモードに変更しています(BRI/PRIインターフェースの各スロットはデフォルトでISDNモードに設定されています)。


PRIの場合は、次のようにします。


■ 次に、具体的な例を挙げて説明します。


この場合、次のような設定を行うとISDNでの接続ができなくなる可能性があります。

ISDN接続先登録コマンド(ADD ISDN CALLコマンド)は、デフォルトでは発呼に使用するインターフェースを特定しません。発呼時には、若い番号を持つインターフェースベイから順にISDNモードの空きスロットを探してゆき、最初に見つかったスロットを使用して発呼を試みます。


また,専用線接続時に使うインターフェース動作設定コマンド(SET BRIコマンド/SET PRIコマンド)は、インターフェース全体の動作種別(ISDN/専用線)を設定するのではなく、スロット単位で動作種別を設定します。

インターフェースの各スロットは、デフォルトでISDNモードに設定されているため、さきほどの設定例(TDMSLOTS=1)では、bri0のスロット2はISDNモードのままとなります。そのため、ISDNの発呼時にはこのスロットが使用されますが、bri0はすでに専用線接続に使用されているため、接続に失敗してしまいます。

このような問題を避けるため、専用線を使用するときは、回線速度にかかわらず、SET BRIコマンド/SET PRIコマンドのTDMSLOTSオプションで、使用するインターフェースのすべてのスロットをTDM(専用線)モードに設定してください。

具体的には、BRIインターフェース使用時はTDMSLOTS=1-2を、PRIインターフェース使用時にはTDMSLOTS=1-24を指定してください。

また、ISDN接続先を登録する場合も、ADD ISDN CALLコマンドのINTREQオプションで、使用するインターフェースを明示的に指定してください。

次に先ほどの設定例を正しく書き換えたものを示します。







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